ケルベロスブレイド

『冥王』イグニス VS 『聖王女』エロヒム   
~デスバレス深海層・地獄(タルタロス)~

「ケルベロスを導き、冥府の海の流出から宇宙を守らんとするか、聖王女よ」

「冥王イグニス、もう蘇っていたのですか!? 早すぎる……!!」

「『ザルバルクを封じる力』を持つ万能戦艦ケルベロスブレイド。貴様の力を受け、さらに力を増せば、冥府の海全ての我(ザルバルク)の増殖も一時は抑えられよう」

「それを知り、私を止めに来ましたか。貴方もまた、滅びを恐れるのですか?」

「私が恐れるとすれば、それはケルベロスの未知なる可能性だけだ。
 もっとも、彼らにしても、絶対なる死の世界を完全に滅ぼすことなど出来はすまい」

「いいえ、絶対などではないはずです。『冥府の海』や死神など、本来は存在しなかった。
『冥府の海』の存在こそ、宇宙の歪み。グラビティ・チェイン枯渇を招いた原因……!」


「長き幽閉と思索の中で、真実の一端に至ったか。
 だが、それは正しくはあれど一端に過ぎぬ。我ら死神の存在もまた、一つの結果。
 我らを歪みというならば、歪みを招いたのは貴様達なのだからな」

 イグニスの意志に従い、『水(ザルバルク)』がエロヒムを侵食し始める。
 身動きひとつできない聖王女エロヒムは、肉体の時を停滞させることで耐えるが、侵食はエロヒムの守りを上回り、彼女の力を奪い尽くそうとしていた……。