ケルベロスブレイド
エインヘリアル第十一王子『マン・ハオウ』 & 螺旋忍軍『最上・幻夢』
~魔導神殿群ヴァルハラ・白羊宮ステュクス~
「ほほう! その奈良という場所に、魔竜王の遺産が眠っているというのだな!?」
「はい、その通りですわ(……もちろん嘘ですけどね。単純な雇い主で助かったわ)」
「確かに、お前のような小童に魔竜王は荷が勝つな。それで俺様に頼ったという訳か。
任せておけ! 十二星拳の使い手たる第十一王子の俺様ならば、その程度は楽勝だ!」
「ありがとうございます。ではさっそく出発を……」
「おや~~???」
「はい? な、何でしょうか」
「狡猾な忍者のくせに、遺産の分け前の交渉をせんのか? 怪しいなぁ~!
ひょっとして遺産というのは嘘で、何か別の目的を隠しているのではないか?
例えば何らかの理由で兵力が不足していて、俺様達を弾除けに使おうとしているとか」
「(ギクギクギクッ!)い、いえ! その辺の話は後程と考えておりまして……」
「まあ良い! 最前線でクルウルクの眷属共と気の滅入る戦をするよりよっぽど良いわ!
仮に嘘でも、地球ならば充分な少女を得られるだろうしな……!」
「はい全くもって仰る通りで……少女?」
「何だ知らんのか! 俺様は地球人の少女の生き血を浴びれば、無限に強くなれるのだ!
それもより無垢で、純粋で、背が低く、年の頃は6から10歳頃の少女が至高だ!
お前は少々年が行き過ぎているが、男で無ければまあまあアリだったのになぁ~!」
「は、はい……(全くの冗談とも思えぬ。本当ならば実に恐るべき能力だ。うまく利用はできそうだが、十一番目とはいえエインヘリアルの王子、充分に注意せねば……)」