ケルベロスブレイド
螺旋帝の血族『亜紗斬』&螺旋忍軍『最上・牡丹』
「私の隠身を見破るとは、何者だ……?」
「亜紗斬(あさぎり)姫よ、ぬしの隠身など児戯が如きじゃ。わしの前ではのう」
「無礼な愚か者め、私の御下命を受けよ。飛べ、螺旋忍法帖……!」
「なるほど、忍法帖に触れた者は即ち所持者となり、御下命の影響を受けるからのう。
……ほれ、触れてやったぞ。御下命をくだしてみよ」
「馬鹿な、御下命が効かぬ! 忍法帖の御下命は、所持者の忍軍全てに及び、かつ御下命同士の上書きは不可能。つまり、お前達は……!」
「そう、わしら『最上忍軍』は、イグニス殿の螺旋忍法帖を手に入れた!
イグニス殿の御下命は、『逃げた血族を連れ帰ること』。これで、わしらは勅忍じゃ!」
「おのれ、イグニスが何を企んでいるのか知りもせず、よくもそのように愚かな……」
「何を寝言抜かしとるのじゃ? もちろん、わしらは忍法帖に操られておるのじゃぞ?
己が血の価値も理解せず、全宇宙に忍軍を放った貴様らが、他人の賢愚を語るでない!」