超パビリオン 結果発表!

●たくさんのパビリオンに圧倒されちゃいます!
「ふはぁー……この調子だと、超会議中に全部は見られませんねー」
 笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は、山盛りのおみやげを抱えながら、超パビリオンを見て回っていた。
 そのパビリオンも、ケルベロスの活動を発表するだけでなく、親しみやすい様々なワークショップを中心に軒を連ねており、数多くの人々を虜にしている様子。
 もちろん、ねむもたくさんのパビリオンに顔を出し、70以上のお土産をゲットしている。
「さて、そろそろ集計結果が出てる頃でしょうか? 一度戻って、確認してきましょー!」
 名残惜しそうにねむは、パビリオンの方を振り返ってから、集計結果を聴きに戻るのであった。

●3位:蒸気飛行船スカイダイビング&スチームパンク衣装体験(飛行船「エフィジェ」
 荷物を置いて、身軽になったねむはさっそく、結果上位のパビリオンに向かった。
 ねむがたどり着いたのは、大きな蒸気飛行船が係留されている場所だった。
 このパビリオンの見どころは二つ。
 そのうちの一つが……。
「スリー! トゥー! ワン! ……ごなへ!」
 佐藤・非正規雇用(どらこしあん・e07700)が勢いよく(?)びたんと地面へと着地したり。
「おわあああああぁぁぁァァァ……」
 首からかけていたゴーグルを装着して飛びだす、古本・ヨキ(のんきなジャンク・e12337)もかなりの叫び声をあげている様子。
「きゃああああぁぁぁぁぁ」
 その後で羽丘・結衣菜(マジシャンエルフ・e04954)もまた、叫んでダイビングしている。
 そう、ここでは、飛行船からのスカイダイビングが楽しめるパビリオンなのだ。
 それだけではない。
「まぁまぁ、どちらもとっても素敵ですねぇ♪ とっても迷ってしまいまるけれど……こちらにいたしましょう!」
 リティア・エルフィウム(白花・e00971)が選んだのは、ウェスタンスチームパンクの衣装。
「やはり、これでしょうか? 記念ですもの、お写真をお願いしましょう。」
 そう言って、【ネオヴィクトリアン】の衣装を手にしたのは、ミア・エーデルシュタイン(グラオクロイツ・e22401)だ。
 様々な種類のスチームパンクの衣装を取り揃えているのだ。ダイビングを楽しんだ人も、これから楽しむ人も……ダイビングをしない人にも貸し出されている。
「しかも、ここでは記念撮影もできるんですよね」
 にこにことねむは、通された客間を見て回る。
「おお……! ここもまた色々揃ってる……!」
 字魅・嵐(空を舞う蒼翼の獄炎竜・e04820)のいう通り、客間にはカメラマンだけでなく、スチームパンク的な小道具まで貸し出している。衣装と小道具で着飾った者達が思い思いのポーズを決めて、記念撮影を楽しんでいるようだ。
「あら、ねむさんじゃないですか。また来てくれたんですか?」
 笑顔でそう声をかけるのは、この企画運営をしているアイラノレ・ビスッチカ(飛行船乗りの蒸気医師・e00770)だ。
 ねむはとびっきりの笑顔で答える。
「おめでとうございます! アイラノレさんのパビリオンが3位に選ばれましたよっ!!」
 その言葉にアイラノレはとても驚いてはいたものの。
「あ、ありがとうございます……」
 嬉しそうにぺこりと頭を下げたのであった。

●2位:けるべろす愛用・武具展示館(幻想武装博物館
 次にねむが訪れたのは、様々な武具が並べられた展示館だった。
「なんだか、こういう風に並べられると、圧倒されちゃいますねー」
 展示されている武具を眺めながら、ねむは奥へと進んで行く。
 ここのパビリオンは、ケルベロスが実際に使用している武具を、簡単な説明を交えながら展示している。また、ある一角では……。
「黒竜の牙から鍛えられた、切ることにのみ特化した刀だ。素材の牙は師匠からもらったものなんだが、熟練の刀鍛冶でも素材のスペックをすべて引き出すことはできなかったらしく、いまだ発展途上だと言っていたな。今ならもっとやれるとうそぶいていたし、また預けてみるのも一興かなぁ」
 【宵風】と呼ばれる刀を手にしながら、プレゼンするのはクーゼ・ヴァリアス(竜狩り・e08881)。
「通常のフィルムスーツとしての機能に付け加え、なんと色が変わるのであります! 4bitカラー16色で!! 色数が半端すぎて迷彩効果は無いのでありますよな」
 ヴェルミナ・シュバーツ(ぽんこつ指揮官機・e17389)がそう言って紹介したのは、自身が身に着けているフィルムスーツ【オクトパスフィルム】だ。
「私は、【灰色狼のぬいぐるみ】だね♪ 一応手作りでね、彼氏の動物変身をもとにしてるんだよ♪ もふもふのふわふわで、キリッとしてるけど、かわいいのが特徴なの♪」
 柊・弥生(癒やしを求めるモノ・e17163)が見せていたのは、可愛らしいぬいぐるみのアクセサリ。
 そう、展示だけではなく、こうしてやってきたケルベロス達の武具紹介も行っていたのだ。
 疲れた時のための休憩所も設置してあるあたり、抜かりない様子。
「こちらの扉は、今まで展示した、ケルベロス達の使用する武器達の紹介になっていますので、もしよかったらこちらも……あら、ねむさん?」
 展示場所を紹介しているシル・ウィンディア(蒼風の精霊術士・e00695)の元へ、ねむがにこやかに駆けてくる。
「こんにちは! そしておめでとうございますっ!! シルさんのパビリオンが、なんと2位に選ばれましたよ!!」
 そうねむが結果を伝えると。
「わあ……ありがとうございます……」
 シルは恥ずかしそうに、嬉しそうに微笑むのであった。

●審査員特別賞:ムーンライトフェスタ★超会議SP(アルテミス空挺旅団
 先ほどは飛行船であったが、こちらは豪華客船である。
「うーん、かなり悩みますけど、ここですね……」
 ひょこっと、ねむが船内に入っていくと……。
「船の下の方には居ないみたいっすね~」
 船底機関部からやってきた日乃森・タマ(ドワーフの鎧装騎兵・en0153)が残念そうに呟く。
「むむ……やはりそう簡単には見つからないですね……」
 居住エリアを探索していたイリス・フルーリア(銀天の剣・e09423)も見つからなかった様子。
「うーむ、ここにもいねェのかなあ」
 プールエリアを探していたダライアス・エディントン(蒼剣・e15915)もなかなか見つけられないようだ。
「ここは、カフェエリアですねー。ちょっと休んでいきましょうか」
 目的のものは見つからなかったが、カフェテラスを見つけた御巫・かなみ(天然オラトリオと苦労人の猫・e03242)はちょっと休憩するようだ。
「んと……ここは展望台のエリアかな? ってああ、見つけましたー!」
 そう声を張り上げるのは、ユーフォルビア・レティクルス(フロストダイア・e04857)。
「ああ、見つかっちゃいましたね」
 そこから現れたのは、アルテミス空挺旅団の団長、ドロレス・ハインツ(純潔の城塞・e00922)だ。
 ここでは、巨大豪華客船を使って、その中に隠れているドロレスを探すという、オリエンテーションが行われている。
 普段、見られない豪華客船の内部を見れると聞いて、訪れる者も多く、客船内部に感銘を受けている者達も少なくない様子。
 だが、なかなか難易度が高いらしく、団長を見つけたのは、ほんの数名しかいないようだ。
 ついでに言うと、ねむも探索したのだが、結局見つけられなかったらしい。
「ドロレスさん、ちょっといいですか?」
 ドロレスが隠れてしまう前に、ねむは急いで声をかけた。
「ねむさん? ねむさんも探しに来たんですか? でもこれから隠れますから……」
「そうではなくて、ですね。ドロレスさんのパビリオンが、特別賞に選ばれました! おめでとうございますっ!!」
 そのねむの言葉にドロレスは。
「それ、本当ですか? 本当に本当ですか?」
「は、はいーほ、本当ですー」
 と、ねむを揺さぶって、何度も聞いて確認してしまうのであった。

●1位:【庭園迷宮2016】(Le jardin secret
「最後はあそこですか……他のパビリオンの中でもダントツですね!」
 一つずば抜けた票が入ったパビリオンが……。
 普段はお嬢様とそれに使えるメイド達しかいない【メイドハウス】こと、旅団「Chambre la fraise」。そして、その広大な屋敷の庭園の一角を管理するメイド長が、個人的にお友達を招いた【秘密の庭園】こと「Le jardin secret」。そんな女子だけの庭園を迷宮へと作り変えて、訪れる人々を出迎えるのが、【庭園迷宮2016】である。
 二つの旅団が協力して作り上げた迷宮には、行く手を阻むケルベロス……いや、メイドさん達が立ちはだかっている。
 入り口で案内するのが、Chambre la fraiseの団長である蒼樹・凛子(無敵のメイド長・e01227)。
「庭園のどこかに潜んでいるお嬢様を見つける事ができればゴールですわ♪ しかし残念ながらここにいる方の多くは、お嬢様を守るメイド達。お嬢様のもとには簡単には行かせませんよ?」
 凛子の言う、お嬢様というのが、赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)の事。
「で、では、ねむも行ってみます……!」
 緊張した面持ちでねむはゆっくりと進んで行く。白いオルトロスをもふり倒した後で出会ったのは、茅乃・燈(キムンカムイ・e19696)。
「石狩鍋です。味には自信ありますから、どうぞひとつ召しあがれ?」
 そういわれて、ねむは。
「はふはふ……とっても美味しいですね!」
 しっかりいただいて、先へと進む。
 その間にも他の者達も道を選んで進んで行く。
「分かれ道ですか……。では、間を取って真ん中を……」
 シャルロッテ・リースフェルト(お姉さんチックな男の娘・e09272)は、真ん中の道を進んで行く。
「左が運気がいい気がするぜ! というわけで左! 」
 どうやら、威武・八角(ドラゴニアンの螺旋忍者・e05477)は左の道を行く様子。
「ええと、どれが正解なのでしょうか? ……確か迷宮を回るときは左に沿っていくといいような話を聞いた気がするので、まずは左に行ってみますの」
 迷いながらテッサ・バーグソン(シャドウエルフのヘリオライダー・en0130)も道を見つけたようだ。
 もちろん順調に進めるわけではない。
「えーっ!? ただ歩いてただけですのに……!」
 アウラ・シーノ(忘却の巫術士・e05207)が涙目で落とし穴にはまってしまった。
「うぐぅ、こんなに辛いとは思わなかった。胃が痛いよ!!」
 イオシフ・テミルカーノフ(ヨーシャと呼んで・e20774)は、ハズレの激辛パイを選んで泣きながらスタート地点へと戻されている。
 他にも数々の障害が行く手を阻んでいる様子。
「ようこそ。お嬢さんを探すんだったら、ここで軽くゲームに付き合ってもらうよ」
 ねむが次に出会ったのは、粟飯原・明莉(闇夜に躍る枷・e16419)。
「まぁゲームといっても運試しみたいなもんさ。鎖を一本選んで引く。結果は引いてみてのお楽しみ、ってね」
 三本の色の鎖から、ひとつを引くらしい。迷いながらひとつを引くと、どうやら当たったようだ。ほっとした面持ちで、鍵を貰ったねむは先へ先へと進んで行くと……。
「わ、わ。見つかっちゃいましたね」
 やっと目当てのいちごを見つけることができたようだ。いちごに言って、ねむはもう一度、凛子らを呼んでもらう。皆が揃ったところでねむは、にっこりと笑顔を浮かべ。
「おめでとうございますっ!! 超パビリオンで【庭園迷宮2016】が1位に選ばれました! 本当に本当におめでとうございますっ!!」
 志向を凝らした丁寧なアトラクションに、数多くの人々の心を魅了したのだろうと、ねむは思う。
「そんなにたくさんの方から票をいただけるなんて、光栄です」
 代表して凛子が笑顔で、見事な礼を見せてくれたのだった。

 そのほかにも数多くのパビリオンがあった。どのパビリオンも甲乙つけがたい楽しい物ばかり。
「きっと皆さんの心にも、それぞれの思い出のパビリオンがあるんですよね」
 明かりが絶えないパビリオンを眺めながら、ねむは嬉しそうに、終わる時間までその中で楽しもうと足を延ばしたのだった。