敷居を跨ぐと、正面の古ぼけた民家と
それを雨の日の傘のように覆い隠す巨木が目に飛び込んだ
目線を脇に振ると
白い玉石の歩道、刈り揃えられた芝、鯉が泳ぐ池などが、風情を感じさせる
建物脇の棚に盆栽や雑貨が並べられ、奥には広々とした縁側が見えた
『いらっしゃいませですよー!』
竹箒を手にした女性が振り向き、挨拶を寄こす
ふさふさの尻尾が身体の裏へ隠れた
奥で盆栽の手入れをしていた人影が、声を聞きつけて顔を上げる
『イラッシャイ。ゆっくりしてってクダサイネェ。』
そう言い、隣にいる少女に目配せした
小さな助手は猫耳をピンと立てて元気に頷いた後、
お茶、お茶なの、と呟きながら家屋へ入っていく
後ろを白い子猫が追いかけていった
庭を良く見ると、小さな湖を覗き込む黒髪の少女に気づく
縁側で、一人の青年が茶をすする音を響かせた
*団長が4年間に渡り休止していました
*R1.10.9現在、団員の募集は停止させていただきます