踏まれたいオークたちは土下座して懇願する

作者:きゅう

●秘技、スライディング土下座!
 獲物を探して飛び立つ飛空オークたちの勇姿に、マッドドラグナー・ラグ博士は満足そうな笑みを浮かべていた。
「さあ、行くが良い。私の作品たちよ。より良い実験体を作るために人間を襲うのだ!」
 ティーカップを片手に高笑いする彼の頭の中は、新しい『作品』のことで一杯となっていた。

「こっちこっちー」
「志保、パス頂戴!」
「加奈、正面お願い。右は私が……」
 緑に染まった芝の上。
 1個のボールをめぐって20人以上の戦士たちが動きまわる。
 新入部員を加えたばかりのある女子高校のサッカー部は、今日も大きな声を出しながら練習に励んでいた。
「痛っ」
 ディフェンダーの鋭いスライディングタックルにボールを持った少女が倒され、笛が吹かれてプレイが止まる。
「後ろから無茶しちゃダメだよー! って、何?」
 ファウルを犯した仲間に注意をするキャプテンの少女が顔を上げると、そこに黒い影が割り込む。
 ズザザザザザザッ!
 まるでスライディングタックルをするかのように滑り込んできたそれは、大きな肉の塊……オークだ。
 だが、少女たちは最初、それが何なのか理解できなかった。
 彼らは、体を丸めて頭を下げ、丁度土下座するような姿で彼女たちの目の前に滑り込んできたのだ。
「な、何……?」
 不気味そうに覗きこむ少女たちに、
「こ、この卑しい豚めを蹴ってください! 踏んでください!」
 オークたちは土下座しながら懇願する。
「……とりあえず踏んであげるから、終わったらここから出て行きなさい」
 このまま暴れられても面倒だと、キャプテンの少女は長い沈黙の後で小声でつぶやき、オークたちの体は彼女たちのスパイクにぐりぐりと踏みつけられるのだった……。

●狙われたサッカー部
「という、女子校のサッカー部の部員たちを救っていただきたいのです」
 事件の概要を説明したセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)の言葉に、ケルベロスたちは首を傾げる。
 竜十字島のドラゴン勢力が、新たに送り出してきた飛行型のオークたち。
 彼らは高い場所から滑空し、女性を見つけると降下して襲いかかる作戦で彼女たちを襲っていた。
「でも、その話の流れだと……」
「むしろそのオークは襲われたい側なのでは?」
 オークたちの対応は、女性を襲うというものには見えなかった。
「確かにそうなのですが、この後少女たちがいくら踏んでも蹴り飛ばしてもオークたちはもっともっとと懇願して、やがて蹴り疲れた彼女たちに襲いかかるのが趣味のようなのです」
 受けきったうえでの逆転。オークたちはそういうシチュエーションが好みらしい。
「どの道変態ですので気兼ねなく退治していただければと思います」
 サッカー部に土下座してくるオークは全部で6体。
「基本的な戦闘力は普通のオークと変わりありません」
 飛行能力も、滑空するだけのため一度地面に立てば意味はなくなるのだ。
「注意点としては、事前に避難活動をしてしまうと、予知と違う場所に降下してしまい、事件の阻止が出来なくなる事が挙げられます」
 女子校だけに女性が固まっているところは沢山あるため、どこか他の踏んでくれそうな女子の集団に矛先を帰る可能性があるようだ。
「また、男性が近くに多数居ると、彼らを頼る可能性からやはり襲撃してこなくなる危険があるのでその点も注意して行動してください」
 避難を呼びかけるにしても出来る限り直前になってからにしたほうが良さそうだ。
「学校側には話を通しておきましたので、構内へは普通に入っていただいて問題ありません」
 グラウンドに襲い掛かってくるオークへの対処に集中できるよう、セリカが根回ししたようだ。
「もちろん、皆さんが囮になる……という作戦も有効でしょう」
 その場合、普通の少女の踏みつけよりも明らかに痛い攻撃にオークたちも反撃の意思を持つ可能性が高い。
「とはいえ完全に先手を取れますので、戦いを優位に運べることでしょう」
 その場合、反撃に気をつけながら戦えば特に難しい相手ではないだろう。
「オークたちの望みを叶えるのは本意ではありませんが、変態は踏み潰してしまうに限りますね」
 そこまで言われるオークたちはある意味哀れである。
 が、それも彼らにとってはご褒美なのだろう。
「それでは、よろしくお願い致します」
 にっこり微笑むセリカに見送られ、ケルベロスたちは女子校へと向かうのだった。


参加者
シャルルーニ・シュヴァルツァー(ナイトメアリフレイン・e01166)
アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)
リリシア・ローズマトン(しゅーてぃんぐすたー・e01823)
高原・結慰(四劫の翼・e04062)
リコ・ノース(眼鏡が耽る・e04216)
分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)
富士野・白亜(白猫遊戯・e18883)
アリス・クルス(なんちゃってサキュバス・e22380)

■リプレイ

●オークを踏んであげましょう
「モット、モットぉ……ぶひぃ」
「はぁ……はぁ……っ」
 グラウンドでは異様な光景が繰り広げられていた。
 オークを踏み続けるのは女子高生。
 オークは彼女たちに踏みつけるよう懇願し続け、
「ま、まだするの?」
 女子高生たちはサッカーで鍛えているはずのスタミナも底をつき、息を切らし始めていた。
「ずっとお相手は大変でしょう、私達が代わりにしますよぉ♪」
 そんな女子高生に援軍が現れる。
 豊満ボディに丈の短い白衣と過激な衣装。
 前髪で瞳を見せない様に隠し謎を含んだ美女、シャルルーニ・シュヴァルツァー(ナイトメアリフレイン・e01166)が、今にも倒れそうな女の子と交代して、オークの踏んで欲しそうなところへ足を載せる。
「ま、この手の輩の対応は何回かやってきたし、大丈夫だよ」
 後は私たちに任せて。
 体操服にブルマ姿の高原・結慰(四劫の翼・e04062)は肩で息をする女の子にぽんと手で触れ、オークを踏みつけ体重をかける。
「うえぇ、気持ち悪い……」
「ふふっ、楽しくなりそうですね」
 脚を強調させるようなブーツを履くリリシア・ローズマトン(しゅーてぃんぐすたー・e01823)と、スポーツウエアを身に纏ったリコ・ノース(眼鏡が耽る・e04216)もそれぞれオークの体に足跡をつけ始め、なんだかんだ楽しそうに踏みつけていき、
「ん、代わりな。……望み通り踏んづけてやらぁ」
 アルメイア・ナイトウィンド(星空の奏者・e01610)は、蒼いショートパンツから伸びる脚でまずはオークの顔を踏み潰す。
(「いじめるよう懇願して、いじめ疲れた所を襲いかかる、か」)
 そんな手があったのか! いや、最終的に手ぇ出すなんて! と何かを妄想していた分福・楽雲(笑うポンポコリン・e08036)はその場から離れ始める女子高生たちを見て我に返り、
「俺も踏んで……」
 つい心の声が出かかって、女子高生たちはきょとんとするが、
「じゃなくてこっちだ!」
 楽雲は慌てて言い直してグラウンドの外へと避難を促す。
「こっちでぼくと遊ぼう♪」
 露出の高い服装で小悪魔的に微笑むアリス・クルス(なんちゃってサキュバス・e22380)は、素敵な笑顔で彼女たちに指を向け、バーン! と指鉄砲を打つしぐさをしながらウインクすると、
「え……可愛い!」
「遊ぶ! 一緒に遊ぶー!」
 その弾丸が女子高生たちのハートを射抜いたのか、彼女たちは一斉にアリスの方へと走りだす。
「ボクぅ? お姉さんと、遊ぼ♪」
「待ってー、逃げないでー」
「あわわっ」
 年上を誘惑するのは好きなアリスだが、本気で迫られるのには慣れていないらしく、集団で自分を追いかけてくる少女たちから慌てて逃げ始める。
「逃さないよ! 左右から回りこんで」
 だが、サッカーで鍛えられた足の速さとチームワークでアリスは追い詰められ、
「だ、駄目ーーっ!」
 グラウンドの外へと一直線に駆け抜けていった。
 そんなアリスの腕に抱えられたボクスドラゴンのドラゴソは、やれやれと言った感じてアリスを見つめ、逃げ道をそれとなく指示する。
 ドラゴソの協力で何とか追手を撒いたアリスは、結果的に素早く避難誘導を終えることが出来、オークたちの居るグラウンドへと戻った。
「どうやら上手く避難できたようだな」
 富士野・白亜(白猫遊戯・e18883)はオークの股の上に足を載せて左右に動かしながら周囲を確認して、
「それじゃあ、いくよ」
 続けて仲間たちに声をかけ、目配せして小さく頷くと、
「せーの!」
 その言葉と同時に、オークを楽しませていた6人12本の足が一斉に凶器と化し、彼らに牙を剥いた。

●立ち上がる隙は与えない
 凶器と化した彼女たちの足に対するオークの反応はまちまちだった。
 起き上がり反抗しようとするオークもいれば、楽しみの延長線上と思っているオークもいた。
「もっと踏まれたいのですか? では、死ぬまで踏んであげます」
 真っ先に起き上がろうとしたのはリコの足の下に敷かれたオークだった。
 しかし、リコはオークが起き上がる隙を与えず、高いジャンプしてからのスタンピングでオークの動きを黙らせると、
「我が道を阻む者よ、塵と砕けて宇宙に還りなさい……!」
 体内のグラビティ・チェインを凝縮した光球をつま先に生み出すと、オークの触手の根元を蹴り飛ばして吹き飛ばす。
「まだ動けるのですか? 気持ち悪いですね」
 明らかに殺意に満ちた目で、汚らわしい物を冷ややかに見下ろす視線がオークを貫き、
「おとなしくしなさい。足が汚れてしまうでしょう?」
 全身の関節部を次々と踏みつけていき、オークの体を痺れさせてまともに動けなくする。
「ぶひぃぃぃ……!」
 思わず、オークの口からは恐怖なのか、隷属なのか鳴き声があがり、リコに懇願する。
「死になさい」
 リコは容赦なくオークのオスとしての尊厳を踏みにじり、その命を躊躇いなく踏み潰すのだった。
「ちっ、あの煩いトカゲ親父め、まだ余計なモンを作ってんのか……ていうかプロレスかっての」
 彼らの作者であるマッドドラグナー・ラグ博士と浅からぬ因縁のあるアルメイアは、その忌々しい顔と笑い声を思い出して苛々しながら帽子を片手で直し、
「貴様らにかける情けはねえ、まとめて地獄に送ってやる!」
 容赦なく足技を繰り出していく。
「死ねえ!」
 オークの急所を狙いすましたかかと落としから、グラビティ・チェインを纏ったつま先によるトゥーキック、そして地獄の炎弾を放つと同時に足の裏をおもいっきりスタンプする。
 アルメイアの口からラグ博士の事が出たため、反撃の意思は保っていたオークだったが、
「抵抗すんな、地獄に落ちろ!」
 彼女の速攻に体がついてこなくなり、かろうじて体を捻って彼女の責めから抜けだそうとする。
「ぼくの矢で、逝っちゃえー!」
 しかし、女子高生たちから逃げ延びて戻ってきたアリスが同性のオークすらも誘惑しようという笑顔と共に放った矢がオークの尻に刺さり、
「がっ……」
 オークはアリスの可愛らしい笑顔を焼き付けながら、どことなく幸せそうに力尽きた。
「ぼくの快楽エネルギーあ~げるっ」
 続けてアリスは集めた快楽エネルギーを霧状に拡散させ、仲間の疲れを癒しながら、集中力を研ぎ澄まさせた。
「続きましてはこの曲、【瞳の中の箒星】! 最高の一曲、みんなのハートに届けてあげるっ!」
 リリシアはオークを足元に敷きながらステップを踏み、持ち歌である瞳の中の箒星を熱唱する。
 愛する人を一途に想う女性の気持ちを乗せた詩を紡ぐリリシアは段々調子が良くなっていき、踏み続けられるオークも目立った抵抗をせず、従順になっていく。
「ぶっ、ぶひっ……ぶひぃー」
 リリシアの歌に合わせてオークの鳴き声がパーカッションのように時々響き、それに気づいた彼女は、
「くふふっ、ここ? それともここがいいの、豚さん?」 
 オークのいろんな所を踏みつけ、その反応を楽しみ始めた。
 彼女の歌は2曲目、3曲目と続いていき、オークを楽器のように奏でながら盛り上げていく。
「オークさん、あなたの作り主はどこに住んでいるの?」
 リリシアは歌に混ぜてそんなフレーズを口ずさみ、オークの生みの親の居場所を探ろうとする。
「むっ」
 その言葉に反応したのはアルメイア。もし、居場所が聞ければ乗り込んで戦いを挑むこともできるかもしれないと、オークの返事に期待する。
「ぶひ、ぶひぃぃぃぃ」
 しかし、返ってくるのはリリシアの与える快楽に溺れ、喘ぎ続ける鳴き声のみ。
「――あ、あれっ? 壊れちゃったの?」
 どうやらやり過ぎてしまったらしい。
「アルメイアごめんね。上手く行かなかったよ」
 リリシアは色狂って使い物にならなくなったオークを残念そうに見下ろし、アルメイアに謝ってから、ブーツで踏みつけ引導を渡した。

●じっくりと、とろけるように
「私を襲うつもりか? やれるものなら、やってみるといい」
 白亜は電光石火の踏みつけでオークに先制攻撃を加えた後、敢えてその足を緩めて起き上がる時間を作り、表情を変えずに挑発する。
 彼女の猫耳はぴこぴこと楽しそうに動き、太い触手を飛ばしてくるオークの攻撃を躱しながら、自らの拳と脚でオークを傷めつけていく。
「踏まれたいって、よくわからない考えする奴もいるんだな」
 特に蹴りに対しては敢えて受けようと反応するオークをほぼ一方的に蹂躙しながら、白亜はその肉の塊をサンドバッグのようにしつつ、
「知ってるぞ、ドエムっていうんだ」
 オークの背後で攻撃する隙を伺い、踏んで欲しそうな顔をしていた楽雲をついでに踏みつける。
「な、なにっ」
 どうして俺の心の中が読めたんだ! と言わんばかりに楽雲は驚き、だが幸せそうにその足を受け入れる。
「グォアアアア!」
 それを仲間割れと思ったのかただ羨ましかっただけか、オークは楽雲に追い打ちをかけようと体当りしてくるが、
「そんなに踏まれたかったか。じゃあ返してやるよ。白亜、パスだぜ!」
 楽雲は素早く体勢を立て直してオークを蹴り飛ばし、
「死ね」
 白亜は足裏をオークに見せつけつつのヤクザキックで蹴り倒し、踏みつけて芝の上に沈めるのだった。
「ふふっ♪ どうでしょうかぁ、もっともっとお鳴きなさいねぇ♪」
 シャルルーニは最初の一撃以外目立った攻撃はせず、先の尖ったヒールで、痛すぎず緩過ぎずオーク顔や表情を見ながら、絶妙に力加減を調整しながらぐりぐりと踏みつけて反抗の芽を摘み取る。
「悪い事が出来ないようにしっかりとおしおきしませんとですねぇ♪」
 妖艶に微笑むシャルルーニにオークは既に陥落し、ただひたすら与えられる快楽に悶えるのみだった。
「ビリビリなのもとってもいいですよぉ~♪」
 反応が単調になってきたオークに対して、シャルルーニは電撃を打ち込んでビクッと反応させる。
「ひぃ……ひぃ……」
 その電撃すらも快楽に感じるのか、オークは全身を震えさせながら喘ぎ続ける。
「甘い甘いキスをプレゼントですよぉ~♪」
 既に最高潮の興奮状態に陥ったオークに向け、シャルルーニは指を唇に当て、快楽エネルギーを込め魔法の力を秘めた投げキッスを飛ばし、更に興奮を高める。
「まだまだ遊んであげますよぉ~♪」
 無邪気な微笑みを浮かべながら、シャルルーニは容赦なくオークを追い詰め続け、狂い死ぬまで弄び続けた。

●踏まれたい人生だった
「ほら、もっと踏んで欲しいならちゃんと御願いする。ちゃんと御願い出来たら今度は踏むだけじゃなくて蹴ってあげるよ」
 結慰もオークを焦らすようにゆっくりと足を動かしながら、オークに躾を施していく。
「……さて、踏んで欲しいみたいお望み通り遠慮無く踏んであげるよ。思いっきりに、ね」
 誘惑に負け、服従のポーズで結慰に願うオークを、彼女は冷ややかな目で見つめながら巧みな足技を披露する。
 世界の滅びを司る力を足に纏って叩きつけると、軽くジャンプした反動を利用して踏みつけ、炎を纏った甲をぶつけるように蹴り飛ばしたあとで音速を超える速度で鋭くトゥーキックを叩き込みながら足から伸ばした光の束で切り刻む。
「踏まれて倒されるか、蹴られて倒されるか、燃やされて倒されるか、殴り飛ばされて倒されるか、斬られて倒されるか。壊されて倒されるか。好きなの選びなよ」
 にっこり笑顔でオークに選択肢を与える結慰に、オークは反射的に反撃を試みる。
 いや、正確には反撃する余裕をわざと与えた。
「無駄よ……」
 結慰は翼をひろげてふわりと浮くように回避すると、その先にいた楽雲をおもいっきり踏んでしまう。
「あら、ごめんなさい」
 踏まれた楽雲は災難というか、これなんてご褒美? という目で結慰を見つめると、彼女の眼はすべてを見透かしたようにわざと踏んであげたことを隠さず、汚物を見る目で彼を見下ろしていた。
「いいぜ……良すぎるぜ!」
 楽雲はそんな状況に興奮しつつ、起き上がったオークの股間に槍を鋭く突き立て悶絶させる。
「おいたな子ですね。もう一度フルコースで倒してあげます」
 結慰はくすりと微笑むと、光を脚に集め、光を纏った脚で思いっきり蹴りとばす。
 2度目の四劫制限【壊劫】から、先ほどの流れるような足攻めを繰りだそうとした結慰だったが、オークの体は彼女の必殺技に耐え切れず、彼女の足元にひれ伏し、
「駄目ね。もう少し堪えないと」
 結慰は残念そうにとどめを刺した。

「いい運動した」
 オークをボールにしたサッカーをした後のスポーツ選手のように、白亜は清々しい顔で微笑み、
「さっさと絶滅しなさい」
 6体全ての倒れたオークを見下ろしながら、リコはそう吐き捨てる。
「後片付けしないとね」
 白亜は地面に手をかざし、優しさの炎で照らした。
 彼女の得意技、白猫の献身がボコボコにしてしまった芝を元に戻していく。
「みぃーつけた!」
 戦闘が終わって一息ついていたアリスの背後から、彼を探しまわっていた女子高生たちの声が聞こえる。
「もう逃さないんだから!」
 一致団結して追いかけてくる彼女たちに、
「ぼ、ぼくは周りの壊れたところを直してくるよっ!」
 アリスは慌てて走りだし、
「これはこれで楽しいんだけど……お姉さん達目がアブナイよぉっ」
 まんざらでもなさそうにしながらも全力で逃げ、辺りをヒールしていく。
「ちっ、あのトカゲがウキウキしながら結果を待っていると思うと腹の立つ……」
 アルメイアは自らの宿敵の顔を思い浮かべながら苦々しく空を見上げ、
「有難うございますぅぅぅ」
 土下座をしながら彼女の足元に滑りこむ楽雲を踏んでおき、彼は幸せそうに鳴き声をあげる。
「必ず居場所を突き止めて、踏み潰してやるぜ!」
 土下座する楽雲をラグ博士に重ね、アルメイアは容赦なく踏み続ける。
 そして、オークが残した痕跡から、宿敵の居所を探ってみようかと考えるのだった。

作者:きゅう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年4月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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