豪邸と月華衆

作者:崎田航輝

 薄暗闇の中、螺旋忍軍の夕霧さやかは配下に命令をしていた。
「地球での活動資金の強奪。そしてケルベロスの戦闘能力の解析……それがあなたの仕事。わかりましたね」
 配下の螺旋忍軍……月華衆の1人である少女は、それに静かに頷く。
 夕霧さやかは、続けた。
「あなたが死んだとしても情報は収集できますから……心置きなく死んできてください。活動資金を調達して戻ってきても、勿論、よろしくってよ」
 そんな言葉にも、少女は何も言わず……了解したように、早々とその場から去っていった。

 それは、富豪の邸宅であった。
 緑豊かで、広大な敷地に立つ、豪邸。
 そこに音もなく侵入した月華衆の螺旋忍軍は……素早く屋内を探索。あっという間に、金庫の在処を探り当てた。
 そうして力尽くで、その金庫を開けると……。
 手に入れた金品を風呂敷に包み……警報装置が鳴る中を撤退していった。

「お集まり頂き、ありがとうございます」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、集まったケルベロス達を見回して言った。
「螺旋忍軍が、金品を盗み去る事件を起こそうとしているのが、予知されました」
 場所は、静岡県内の、富豪の邸宅だ。
「金品に関しては特別なものではないようで、どうやら、地球での活動資金に充てるつもりのようですね」
 また、この事件を起こす螺旋忍具は、『月華衆』という一派で、小柄で素早く、隠密行動が得意な螺旋忍軍であることが分かっている。
「現場へ赴き、この螺旋忍軍の打倒をお願いいたします」

 状況の詳細を、とセリカは続ける。
「敵は螺旋忍軍の少女が1人。場所は、邸宅内の、金庫がある一室になります。深夜、そこで待ち伏せをして、やってきた螺旋忍軍と対決……という形になるでしょう」
 螺旋忍軍は細心の注意を払って、敷地に侵入してくる。
 邸宅の外を歩いたりしていると警戒されて逃げられてしまう可能性があるので、時間が近づいたら、部屋からは動かない方が賢明だろう。
「戦闘場所となる一室は、広く、戦う際に不便はありません。調度品なども予め運び出されるので、被害についてはあまり気にしなくていいでしょう」
 そして、螺旋忍軍についての説明を、とセリカは言う。
「月華衆の螺旋忍軍は、特殊な忍術を使ってきます。『自分が行動する直前に使用されたケルベロスのグラビティの1つを、コピーして使用する』というものです」
 脅威とも言える能力だが、同時に、これ以外の攻撃方法も無いという。
「また、コピーの際は、自分がまだ使っていないグラビティを優先する、という特徴もあるようです」
 この要素を踏まえて作戦を練れば、うまく勝利することも出来るだろうと言った。
「少々厄介な敵かも知れませんが……皆さんの戦果を、期待しています」


参加者
ノワル・ドラール(ハートブレイカー・e00741)
ビーツー・タイト(火を灯す黒瑪瑙・e04339)
霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)
峰岸・雅也(ご近所ヒーロー・e13147)
月詠・宝(サキュバスのウィッチドクター・e16953)
チェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)
パトリシア・グローリィ(白雪のプリマドンナ・e24367)

■リプレイ

●包囲
 深夜。金庫のあるその一室に、月明かりだけが差している。
「よし。あとはいつでも戦闘が出来るように、待ち構えておこう」
 照明を落とした中、ビーツー・タイト(火を灯す黒瑪瑙・e04339)が言うと、それぞれに頷きが返る。既にケルベロス達は全員、室内に位置しているのだった。
「出口は俺達が押さえよう」
 と、小声を使うのは峰岸・雅也(ご近所ヒーロー・e13147)。頷いて、その近くに立ち並ぶのは月詠・宝(サキュバスのウィッチドクター・e16953)だった。
「ああ。入ってきた瞬間に、包囲してやるさ」
 薄暗闇の中、宝は言いながら、雅也と今一度頷き合っていた。
 それからしばしの間を置いた……敵出現予測時刻。
 部屋の扉が、音もなく開く。
 そうして素速い動きで、小柄な影が部屋に侵入していた。
 影は、迷うこともなく、金庫へ一直線。その目の前に立つと、金庫に手をかけた……が。
 そこで、ぱっ、ぱっ、と、部屋の照明が灯った。
 はっとする影……いや、月華衆の螺旋忍軍。
「ウェルカム。墓場へようこそですよ~」
 すたすたと、歩み出て言うのは、霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)だ。
 螺旋忍軍は一歩引いて、出口を見る。
 そこには既に、雅也と宝が立ち塞がっていた。
 リモーネ・アプリコット(銀閃・e14900)が、螺旋忍軍に刀を突きつける。
「残念でしたね。私達は、ケルベロスです」
 警戒を浮かべる螺旋忍軍に……そのままリモーネは、一度は泥棒に言ってみたかったそれを、キメ顔気味に言った。
「神妙にお縄につきなさい!」

「……誰が」
 包囲された螺旋忍軍は……しかし、呟くと、戦闘態勢を取っていた。
「それなら、こちらも戦うだけだな」
 だがビーツーも、既に予想済みというように、行動を開始している。一気に零距離に迫ると、上段からの拳を螺旋忍軍に叩き込んだ。
 次いで、ボクスドラゴンのボクスには、ビーツー自身に属性インストールをかけさせていく。
 手加減攻撃でもあるためか、螺旋忍軍は、攻撃をその場で耐えきっていたが……。
 間断を置かずに、横合いから雅也が接近している。刀の峰を用いた手加減攻撃に、螺旋忍軍はかすかに体を引くが……。
「そっちに逃げても無駄だぜ」
 雅也の言葉と同時。背後に、宝が回り込んでいた。
「ああ。思い通りに動き回れるとは思わないことだな」
 宝は、コートの中に収めていたナノナノの、白いのをポイッと投げてポジションにつかせると……自身は素早く、蹴りを打ち込んでいた。
 螺旋忍軍は、雅也や宝から距離を取る方向に、跳ぶ。だが、そこにも、裁一が追い縋っていた。
「手加減無用! 本気の一撃をくらうのです!」
 と、繰り出した一撃も、手加減攻撃ではあった……が、螺旋忍軍の体勢を崩す威力はあった。
 床に落ちた螺旋忍軍は……それでも、皆の攻撃をつぶさに観察しているようではある。
 自分のものとして、再現するためであろう。そこに、ノワル・ドラール(ハートブレイカー・e00741)が色気のある笑みを浮かべていた。
「コピーがお得意らしいわね?」
「……」
「でも、貴方の色気でサキュバスの術をどれだけ再現できるかしらね? ……ぷっくぷくにしてあげるから覚悟なさい!」
 同時、ノワルは螺旋忍軍の肩を掴み……仮面の上から、濃厚な接吻。『バルーン・キッス』の魔力を流し込み……螺旋忍軍を大きく太らせた。
「……っ!」
 螺旋忍軍が驚き、たたらを踏んだところで……ビハインドのクーナもビハインドアタックで一層のダメージを与えていく。
「隙ありです!」
 そこに、リモーネも刀を大きく振り抜き、月光斬。
 喰らいながらも、螺旋忍軍は忍術を練ろうとしていたが……。
「まだまだ、やらせないよ!」
 と、そこにチェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)も飛び込んでいた。
「戦いづらいけど……えいっ!」
 体術を生かし切れないことにやきもきしつつも、チェリーは大きなロップイヤーを揺らしつつ体を回転。足技で手加減攻撃を喰らわせていく。 
「遅いわ」
 パトリシア・グローリィ(白雪のプリマドンナ・e24367)も、螺旋忍軍の行動よりも早く、刀を抜いていた。
 放った月光斬は、直撃。螺旋忍軍は一度ふらつく……が。
「……なるほど、興味深いわね」
 パトリシアが、声を零す。
 螺旋忍軍は、忍術を行使。もくもくと忍術の煙を発すると……それで、どこかサキュバスのような尻尾を形作っていた。

●偽術
 それは、ノワルの能力をコピーした結果らしい。
 螺旋忍軍はそのまま、ノワルへと狙いを定めるが……ノワルを守るように、そこにクーナが割って入った。
 すると螺旋忍軍は構わず、クーナに濃厚な接吻。クーナを一回り太らせるのだった。チェリーが思わず声を上げる。
「わぁ! 大丈夫かな?」
「まだ平気……みたいだけど。手の内をコピーされるというのは、やっぱり癪ね」
 ノワルはクーナを見つつ応える。そうして螺旋忍軍に向き直り、ブラックスライムでその全身を攻撃していった。
「うん。とにかく、回復はボクがっ!」
 チェリーも、言いつつ気力溜め。その回復力で、クーナの体力を一気に治癒していった。
「よしっ! ボク役に立ってるかな? えへへっ」
「もちろんよ」
 チェリーに、パトリシアが応えつつ、床を蹴っている。宙で体を翻し、打ち込むのはスターゲイザー。衝撃に、螺旋忍軍は大きく後退した。
 だが、その体力にはまだ余裕があるようにも見えた。
「……不気味ね。表情がわからないのもあるけれど」
 パトリシアは呟く。螺旋忍軍の仮面の内は、依然窺えない。
「仮面を叩き割ってしまうのもいいかも知れませんね」
 と、言うのは裁一。こちらもスターゲイザーで頭上からの一撃を入れた。
 螺旋忍軍はそれでも顔は守っていたが……その両側から、雅也と宝が、息を合わせたように同時に手加減攻撃を打ち込む。
 ふらついた螺旋忍軍に、リモーネが正面から絶空斬で傷を抉ると……ビーツーも連撃をするように拳を喰らわせていった。
「……これでも、まだ浅いか」
 だがビーツーは、冷静に呟く。
 螺旋忍軍は倒れることもなく……忍術の煙を足元に纏わせていた。

 直後、螺旋忍軍は高くジャンプして……スターゲイザーを行使してきた。
 狙いはまたも中衛。だが、そこに到達する前に、影が空中に割って入った。
「俺達がいることを、忘れるなよ」
 と、蹴りを庇って受け身を取るのは、雅也。こちらもいつでも、仲間を庇えるように警戒をしていたのだった。
 ほとんど同時に、宝は白いのに指示を出して、雅也を回復させている。
「悪いな!」
「いいさ。これが仕事だ」
 宝はそんなふうに応えると、自身も跳び、宙に煽られた螺旋忍軍に蹴りを打っていた。
 だが、手加減攻撃が続く為か、まだ螺旋忍軍も危機感を持っていないようでもある。その視線は、部屋の隅の金庫へと注がれていた。あくまで、資金の調達は視野に入れているようだ。
 が、一瞬のよそ見を見逃さず、ビーツーが踏み込み、回し蹴りを喰らわせた。
 下がった螺旋忍軍に、ノワルが再びバルーン・キッス。
「金庫よりも大きな体はどうかしら?」
 その言葉の通り、螺旋忍軍はまた太った体となる。裁一が、息をついて見据えた。
「それにしても、金庫泥棒とは、デウスエクスの割りにやってることがしょぼいですね」
 そうして、螺旋忍軍に刀を向ける。
「買い物に普通にお金を払うつもりなら妙に律儀な気もしますが……犯罪は犯罪なんで、取り締まりますかね」
 同時、刀を薙ぐように、月光斬を放っていた。
 その威力に一度、螺旋忍軍は壁に叩き付けられる。すぐに、体勢を直して忍術を練り、煙で刀を作り出してくるが……。
「斬り合いですか。負けませんよ!」
 と、リモーネが懐に入りこみ、目にも留まらぬ速さで、月光斬。
 螺旋忍軍が倒れ込む間に、チェリーが、えいっとオーラを溜めて、雅也を回復していた。
 螺旋忍軍は、また立ち上がり、刀を構えているが……。
「どこまで、耐えられるかしらね」
 と、パトリシアもまた、月光斬で螺旋忍軍を袈裟懸けに斬り払っていく。

●優勢
 螺旋忍軍は、血を流しかすかに呻く。だが再び刀を構え、こちらの前衛へ向かって、駆けてきた。
 真正面から迎え撃つのは、ビーツー。
「来るなら、来てみろ。偽物の技などに、やられはしない」
 直後、螺旋忍軍は応えるように、刀でビーツーに斬り込む。ビーツーはそれを完全に回避は仕切らない……だが、同時に拳を打ち出し、螺旋忍軍の腹部に直撃させた。
「……っ」
 螺旋忍軍が吹っ飛ぶと、忍術の刀も消える。そしてすぐ後には、チェリーが手元でオーラを煌めかせていた。
「どれだけやっても、回復するから無駄だよっ!」
 そのオーラは、言葉通り、即座にビーツーに飛ぶと、裂傷をみるみる癒していく。
「どうっ? もうそろそろ、諦めてもいいんだよ!」
 チェリーがびしっと言い放つ。
 実際、螺旋忍軍の方は明らかに、傷を増していた。それでもまだ、部屋の中で距離を取ろうと動き回りはしていた……が。
 その眼前に、雅也が回り込んでいる。
「最初のほどの素速さは、もうないな!」
 言いつつ、雅也は刀の鞘を床につくと、それを支点にするように蹴りを繰り出す。螺旋忍軍は、くっと声を零すと、距離を取るように天井近くまで跳び上がるが……。
 同時に、雅也が振り上げる鞘を、宝がばねを踏むようにして蹴り上がり、空中で螺旋忍軍に追いついた。
「どうした、攻撃をしてこい。コピーできる能力は、限られているだろうがな」
 宝はそのまま、回転して螺旋忍軍を床に蹴り落とした。
 螺旋忍軍は、何とか受け身を取って事なきを得るが……。
 事実、ケルベロスが攻撃の種類を少なく保ったからでもあろう。どの能力をコピーすればこちらにより効き目があるか、その判断材料が、そもそも不足しているようだった。
「そうやって隙を見せれば見せるほど、こちらの有利になるのですがね」
 ごう、と風が唸るような速度で肉迫するのは裁一。螺旋忍軍が回避行動を取る間もなく、スターゲイザーをまっすぐに打ち当てていく。
 螺旋忍軍は、ふらつきながらも、一瞬、またそれをコピーしようと逡巡するが……大してケルベロスにダメージがなかったことを思い出してか、それもまた躊躇した。
 その間に、蠱惑的な笑みを浮かべるノワルが……ブラックスライムを蠢かせている。
「攻撃してもいいのなら、一気に畳みかけさせてもらおうかしら?」
 と、捕食モードにしたブラックスライムで、螺旋忍軍を丸呑み。一時、その体を絡め取って捕縛した。
「次の攻撃はお願いね」
「了解です」
 応えて刀を振りかぶるのはリモーネだ。
 大振りの一撃を、縦に刻んだ直後……さらに横、斜めと素早く斬撃を叩き込み、傷を正確に切り広げていく。
 その連撃に、捕縛から逃げたあとも、螺旋忍軍は膝をついていた。
 リモーネは切っ先を向ける。
「忍者が盗人の真似事などするからですよ」
「……」
「あぁ、あなた方螺旋忍軍は、元々他人の秘技を盗むのが生業でしたね」
「……挑発には応じない」
 少しでも情報を引き出せれば、という試みではあったが……螺旋忍軍は小さく応えると、立ち上がって再び忍術を練るだけだった。
 が、その完成を待たず、パトリシアが目の前まで迫る。
「なら、潔く倒されなさい」
「……っ」
 螺旋忍軍は回避行動を試みる。しかし、パトリシアは光の翼を一瞬煌めかせると、低空を駆けて螺旋忍軍の死角に入り込み……背後から、スターゲイザーを叩き込んだ。
 前方に転倒した螺旋忍軍は、苦悶を浮かべる。
 ふらふらと、起き上がりつつ……それでも、苦し紛れに忍術を練りながら。

●決着
 螺旋忍軍が放ったのは、今までコピーしていなかった能力……手加減攻撃だった。
 その攻撃を、再び真正面に立ち塞がったビーツーが……今度は、鱗の堅さで完全に弾き返した。
「……!」
「技を真似るだけでは勝てぬことを、教えてやろう」
 クロスカウンターを決めるように、ビーツーは顎に重い拳を打ち込む。
「よし! このまま行くぜ!」
「ああ、一気に終わらせるとしよう」
 と、言葉と同時に動くのは雅也と宝。ふらついた螺旋忍軍に、雅也が刀での一撃を喰らわせる。同時に、宝も蹴りを命中させ……螺旋忍軍を吹っ飛ばす。
「これで、一度大人しくしてもらおうかしら」
 直後に、ノワルがバルーン・キッスを行使すると……螺旋忍軍は、その場で倒れた。
 まだ息がある螺旋忍軍を、一度皆で、取り囲む。
 リモーネが、刀を向けつつ見下ろした。
「今度こそ本当にお縄ですね」
「……」
「お前らと、お前らを操っているであろう黒幕について、話してもらおうか」
 雅也が、問いつめる。
 だが、螺旋忍軍は全く口を割らなかった。
「最後まで情報は漏らさない、というわけね」
 パトリシアが息をついて言うと……。
 そのとき、螺旋忍軍が力を振り絞って忍術を放とうとしていた。
「おーっと! させないよっ!」
 だがそれを、チェリーが抑え込む。戦闘姿勢を崩さない螺旋忍軍に、裁一は、ふうとため息。
「仕方ないですね。俺の慈悲深さにより、致命傷で済ませてあげます」
 そのまま、月光斬で一閃。螺旋忍軍を両断、撃破した。

 結果として、想定以上の情報は得られなかったが……豪邸は、しっかりと守られた。
「ま、ともあれ、お疲れさん。白いのもな」
 雅也は宝とハイタッチし、軽く拳を合わせると、白いのにも労いの言葉をかける。
「よくやった」
 と、宝も白いのをひと撫ですると、白いのは満足げにふよふよと浮かんでいた。
 チェリーはうーん、と伸びをする。
「でも、厄介な相手だったねー」
「無事倒せて、よかったわ」
 ノワルも、息をついたように応える。
 その後、家主の男性が戻り、皆に丁寧に礼を言った。そして、使用人らと一緒に、調度品を室内に戻していくのだった。
 ボクスが見慣れない物品に視線を彷徨わせていると、ビーツーが軽く窘める。
「ボクス……はしたない行動は慎むんだぞ」
「でも、これほどの豪邸なのだし、お礼に宝石とかアクセサリーとかもらいたいところよね……あ、大丈夫よ。盗んだりしないから」
 何となく使用人達の視線を感じて、にっこりと笑みを返すのはパトリシアだった。
 パトリシアは、皆に向く。
「さあ、敵も倒したし、報告に戻りましょ」
「そうですね。周囲もほとんど傷つけずに済みましたし」
 リモーネが、整然とした室内を見回して言うと、裁一も頷いた。
「我々の仕事は、ここまでですね」
「じゃあ、急いで帰るとしようか。雅也も、待ってる人が居るだろうからな?」
 と、宝は雅也を少々茶化しつつ……屋敷を出る。
 皆もそれに続き……平和となった豪邸から、帰還した。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年3月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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