恋する電流マシン~ときめきイルミネーション

作者:崎田航輝

「お集まり頂きありがとうございます。今回は、本日12月24日に発見された、ダンジョンの話からさせて頂きます」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はケルベロス達を見回して言った。
 今回、新たに発見されたダンジョン……それは、残霊発生源を内包した巨大ダモクレスが破壊された姿だったという。
 これは現時点でも修復中で、ダモクレス勢力に与している螺旋忍軍の一派によって隠されていたため、今まで発見されなかったようだ。
 そして……探索の結果。
「このダンジョンの修復には、『つがいである2体の人間を同時に殺害して合成させた特殊な部品』が必要であり……それを回収するために、日本各地に部品回収用のダモクレスが配置されている事が判りました」
 この、回収用ダモクレスの潜伏箇所も判明している。
「殺されて部品化されるカップルが出ないように……皆さんにこのダモクレスを撃破して欲しい、それが今回の作戦です」

 作戦の詳細を、とセリカは続けた。
「この回収用ダモクレスは、いわゆるデートスポットに潜伏しています。訪れた男女の恋心を増幅させ、部品にふさわしい精神状態にする『恋する電流』を浴びせた後に殺し、部品化するという行動を取っています」
 このデートスポットに赴き、ダモクレスを撃破するわけだが……。
「このダモクレスは戦闘力は低いですが、隠密性が高く……『恋する電流』を浴びせられない限りは、発見することが出来ません」
 つまり、ダモクレスが『人間のつがい』であると判断するような関係性のある者達か……一時的でも、そのような状態を演出することが出来るケルベロスが参加する必要がある。
「その能力から、このダモクレスを『恋する電流マシン』と仮称します」
 今回赴くデートスポットには、8体の『恋する電流マシン』がいる。
 8組のカップル、あるいはカップルに偽装したケルベロスがまんべんなく捜索することで、全てを破壊することができるだろうといった。
「場所は、大阪は花の文化園、奥河内イルミナージュです」
 時刻は夜、雪もちらついている環境になる。
「この中をカップルらしく見て回れば、ダモクレスが『恋する電流』を浴びせてくるでしょう。その発生源を確認し、戦闘を挑んで下さい」
 なお、現場の一般人は避難済みなので、狙われるのはケルベロスだけになるといった。
「戦闘においては、ダモクレスはバスターライフルと同等の火器攻撃をしてきます。強くはないですが、2人での戦闘となるので、互角の戦いとなることでしょう」
 油断はせずに挑んで下さいね、とセリカは言った。
「幸せなカップルを殺してしまう……これが、許されていいはずはありません。是非、平和なデートスポットを取り戻してきて下さい」


参加者
八代・社(ヴァンガード・e00037)
カイム・リーヴェルト(シャドウエルフの刀剣士・e01291)
シンク・マリス(シャドウエルフの巫術士・e01846)
アルルカン・スコーピオ(デッドライン・e03234)
小鳥遊・祈梨(人として生きる機械少女・e04443)
ステイン・カツオ(ドワーフの巫術士・e04948)
キャロル・ナイトリー(ナーサリーライムは紡げない・e11719)
霊仙・瑠璃(ウェアライダーの巫術士・e12682)

■リプレイ

●聖なる水辺
 夜空の下、光が空間を彩っている。
 雪も相まって、幻想的な世界となった奥河内イルミナージュに……ケルベロス達は捜索に入っていた。
「すごく、煌びやかだね」
 入口から近い、神聖な雰囲気のイルミネーションのある一帯で……カイム・リーヴェルト(シャドウエルフの刀剣士・e01291)が言う。
「……うん」
 と、頷きを返すのはシンク・マリス(シャドウエルフの巫術士・e01846)。カップルに扮した2人は、この周囲を、寄り添って歩んでいた。
(「……へ、変に見えてないかな」)
 元々、少し男性恐怖症であるシンクは、慣れぬ雰囲気もあって緊張を浮かべている。
 けれど、カイムが優しくリードするように接していることもあり、恋人らしい空気を作ることが出来ていた。
 カイムはシンクの揺れる髪にも、手をのばす。
「ん、シンクさんの髪って、綺麗だよね」
「……そ、そうかな?」
「うん、長いけどしっかり纏まってて、さらさらしてる」
 シンクは恥ずかしげに目を伏せた。カイムはまた微笑みかける。
「ふふ、照れているところも可愛らしくて素敵だね」
「……も、もう……。カイムさんの髪だって、お綺麗だと思いますよ」
「私の髪? ん、ありがとう」
 カイムはそれにも物腰の柔らかい笑みで応えていた。
 と、ちょうどそのとき。外の暗い草木の間から……何かが光る。
 直後には、2人を連続で、桃色の電流が襲っていた。
 わっ、と驚いたシンクは……そばのカイムに対し、少しばかりときめく感情を覚える。それで、これが恋する電流なのだと直感した。
「行こう」
 カイムも気づき、すぐに草木の間へ。そこに、ハート型の小さめのダモクレスがいた。
「これがここの、恋する電流マシンだね」
「……見つけたからには、全力で倒しましょう」
 2人は即座に戦闘態勢。
 カイムが右手に斬霊刀、左手にリボルバーを持ち、黒影弾を放つと……シンクもボクスドラゴンの藍に呼びかける。
「……藍、お願い」
 藍は属性インストールでシンクの電流を解除。
 電流マシンは、バスタービームを撃ってくるが……シンクは怯まず魔法を詠唱した。
「……無慈悲なる白銀の抱擁を、その身に受けなさい」
 氷柱を生む『白銀の絶対零度』で、電流マシンを氷漬けにすると同時に、粉々に粉砕した。
「大丈夫?」
 カイムがのぞき込むとシンクはほっとして頷くが……。
「出来ればもう1体倒したいから……もう一度、歩こうか」
 そう続けるカイムに、シンクはまた少しだけ、照れを浮かべる。

●イルミ広場
 入口とは逆方向、色とりどりの光が煌めく広場にて。
「ほれ、くっつけステイン」
 少々乱暴な口ぶりで相手の腰を抱き寄せるのは、アルルカン・スコーピオ(デッドライン・e03234)。その相手は、ステイン・カツオ(ドワーフの巫術士・e04948)だ。
「ええ、もちろんです」
 応えるステインは……アルルカンに従う、というより、自分からも強く距離を詰めていた。
 恋人を装う作戦だが、それに終わるステインではない。
(「雄の匂い雄の匂い雄の匂い……」)
 アルルカンに密着しつつ、何かを堪能しているようであった。
 アルルカンは、特には意に介さず、ステインを見下ろしている。
「……お前、ちっせェなァ。見た目も子共だし……」
「いえ、心配はありません。愛の力があれば、身長差など関係なくなりますから」
「……愛の力ねェ……本気なのかフリなのかもよくわかんねェが……」
 反応しかねるアルルカンにも、『ええ匂いしてはるやないですか……』と呟きつつ密着を続けるステインだった。
 アルルカンはとりあえず、作戦を続行。かがみ込んだ。
「まァいいや。予行演習とでも思っとけよ」
 そのままステインの指先にキスして、手を繋ぎ直した。
 目を見開くステインを再び抱き寄せ、歩き出す。
「これじゃァ、親子にしか見えないかもしれねェけどな」
「何を言っているのですか……これほどよだれ、じゃない、胸がときめく状況。デート以外に何がありますか。親子どころか夫婦……」
 興奮しきりにステインが呟いていると……。
 広場を囲む木々の間から、光が爆ぜる。
 同時に、飛んできた攻撃……恋する電流が、2人に命中した。
 アルルカンはすぐに出所を突き止め、ステインと共にそこへ駆ける。
「妙なマシンもあったもンだな。俺はカッコよく作ってもらえてよかったぜ」
 ハート型の敵、恋する電流マシンを前に、アルルカンは自身をキュア。
 万全の状態で背を見る。
「俺が守ってやっから、ステインは攻撃に集中しな」
 言われたステインはというと……既に電流マシンをにらみつけていた。
「……フリとはいえ、男女の一時の逢瀬。それを邪魔立てしようなど笑止千万!」
 スクラップだよ馬鹿野郎、と熾炎業炎砲。次いで螺旋氷縛波をも繰り出し、敵を粉砕していた。
 ふぅ、と息を吐いてから……はっとするステイン。
(「すぐに倒したらこれで終わりじゃねーか!」)
 だが、アルルカンが見回し……。
「思ったより早くやれたなァ。このまま2体目行くか」
 と言うので、ステインはぐっと拳を握り、次のチャンスを狙う。

●竹林の森
 キャロル・ナイトリー(ナーサリーライムは紡げない・e11719)と、その夫のアルバート・ナイトリーは……緩やかな道に緑や青の光が煌めく一帯を歩いていた。
「イルミネーション、とても綺麗ね!」
「ああ、そうだな」
 キャロルに頷くアルバート。静かな空間が、仲睦まじい2人の距離をさらに縮めているようだ。
「依頼の一環だってわかってるけど、これだけ綺麗なものを見られると、ちょっと嬉しいわ。不謹慎かしら?」
「いや、せっかくだ。2人で楽しめばいい」
 アルバートが応えれば、キャロルはうん、と寄り添っていた。
 ただ、戦いを予期してか、アルバートの腕に抱きついて言う。
「ねぇ、アル……無理はしないでね。私、貴方が傷つくのは、嫌だもの」
「そうだな。私も、キャロルが嫌なことは、したくないな」
 アルバートは真面目な口調で、そんなふうに返していたが……。
 そこで、道の脇から電流が飛んでくる。
 2人は避ける間もなく、それ……恋する電流を浴びせられた。
 アルバートは……発生源をしかと確かめながらも、キャロルをぎゅっと、抱きしめた。
「キャロル……愛している」
「アルバート……。私もよ」
 キャロルの方は、あまり普段と変わらないとも言えたが……それでも夫を抱きしめる強さがいつもより強かった。
「充電完了だ、行こう」
 アルバートが言うと、2人は電流マシンの前に立つ。
 電流マシンは、レーザーをキャロルへ放つが……それをアルバートが立ちはだかり、受け止める。
 妻が嫌な事はしたくない、だが、妻が傷つく方が許せない。アルバートにとっては、当然の事だ。ダメージも、マインドシールドが抑えていた。
 直後、キャロルが地を蹴り、ブレイズクラッシュを命中させる。
「戦う姿も、可憐だな」
 アルバートはキャロルに見惚れながら……続けて敵に、雷刃突を喰らわせた。
 消滅していく電流マシンを背後に……改めてキャロルに向く。
「天使のようだ、と言いたいが……天使にも、こんなに可愛らしい人はいないだろうな」
「アルバート……いつも、寡黙な貴方だけど」
 いや、だからこそだろうか。
「そんな言葉を聞けて、嬉しいわ。私、貴方でよかった」
 どきどきと、胸を高鳴らせながら……キャロルは夫を、抱きしめていた。

●天空への誘い
 高さのある、荘厳な雰囲気のイルミネーションの前に、小鳥遊・祈梨(人として生きる機械少女・e04443)はいた。
 向かい合うパートナーは、クオン・テンペスト。
「そ、それじゃあ、よろしくお願いします」
「ふむ……力不足かも知れんが、頼まれた以上は、やるだけやろう……」
 ぺこりとお辞儀する祈梨に、クオンはクールな表情のまま応える。
 では……と祈梨が言うと、2人は腕を組んで、イルミネーションの周りを巡るように歩き始めた。
「こ、こんな感じかな?」
 祈梨は少し顔を赤くしつつ、なるべく仲良く見えるように、くっつくように努力してみる。
「これでカップルというものに見えるのかは、わからんがな……」
 一方、あくまで冷静なクオンだったが……。
 夜の闇と光の中、歩いていると……イルミネーションの中から、電撃が走る。
 その攻撃、恋する電流を浴びたクオンは……。
 すぐ横の木に祈梨を追い詰めると、木を壁代わりにドンと手をついた。
「く、クオンさん!?」
「私を呼んだはいいが……こんなことをされるとは思ってなかったか?」
 顔が近づき、祈梨は真っ赤になる。
「え、あ、あの、その……っ」
「ふ、可愛いな、祈梨は……」
 クオンは、祈梨の顎に手を添え、くい、と少し持ち上げる。
「祈梨……」
「く、クオンさん……」
 祈梨がもじもじし、潤んだ瞳になっていくと……。
「来たぞ?」
 口付けするように見せかけたクオンが、耳元で囁く。そこに、電流マシンの姿。
「え……あ、はいっ! 敵ですねっ! 敵!」
 祈梨は慌てて戦闘態勢。えいっと斬霊斬を叩き込むと……クオンも飛翔し、グラインドファイアを打ち当てる。
 電流マシンのビームを受けるクオンだが、意に介さず、クオンに向いてみせる。
「何なら、この後で今の続きをやるか……?」
「えっ!? い、いやその、私は……っ」
 祈梨が焦っている間に、クオンは再び電流マシンに肉迫。比翼天撃を喰らわせ、その体をばらばらに切り裂いた。
 それを機に、電流の効果も消えていったが……。
(「私の顔、赤くなってないよね……?」)
 クオンの負傷状態を確認しながらも、しばし鼓動が収まらない祈梨だった。

●アニマルハウス
 動物をかたどった、メルヘンチックなイルミネーションのある空間で……。
 八代・社(ヴァンガード・e00037)はネロ・ダハーカと連れだって歩いていた。
「頼んじまって悪いな。応じてくれて助かったぜ」
「――何の、君のお願い事なら容易いことだ」
 社の言葉には、ネロはふっと小さい笑みを浮かべて返す。
 2人の間にあるのは、親密ながらも砕けた空気を同居させる、独特の雰囲気。光の中でどこか飄々と、社は見回した。
「こんだけそれらしい場所だと、他の皆はもっと甘い雰囲気ってやつを出してるのかも知れねえな」
「ネロ達はそうは見えないと?」
 微笑んで言うネロ。しかし、そんな言葉はあっても、2人が親愛の情で結ばれているのは傍目にも分かることであろう。
 その証拠に……直後に2人を、恋する電流が襲っていた。
「来たか」
 ただ、2人はそこでも、甘い言葉を交わしたりはしない。動物のシルエットの裏に電流マシンを見つけると、互いに気力溜めを施し、電流を治療していく。
 そのとき、社はネロの頬に触れ……ネロもその胸にときめく感情を覚えていたが、それも、きっと電流のせいだと割り切って。
「厄介な事だ」
 ネロが笑いをこぼす頃には、電流の効果も消えている。
 電流マシンのレーザーをその身に受けつつも、社は不敵に笑った。
「色気も素っ気もねえ。だが、この方が俺達らしいだろうよ」
「――確かにな。ネロ達に似合いなのは、戦いの最中のショウ・タイムだ」
 言葉を継ぐネロは、四肢を黒き竜のそれに変えて、舞う。
「聴こえるか。ネロが呼ばうぞ、鎌首擡げろ」
 流麗に、暴力的に踊る、『舞闘会:夜来たる』。
 それが電流マシンにひびを生むと……社は銃を連射。その反動を反動遅延制御術式で溜め込むと、第七十二番魔術数理アルイーズ定理により演繹・展開。
「バラバラにされる覚悟は出来たか、クソ機械。百八つに解体してやるから、味わえよ。――最強クラスのケルベロスを、魅せてやる」
 放つのは、魔力に還元した反動を火焔魔術に現出する技、魔導発勁彩式/『地対空弾道弾』。
「燃え尽きろォ!」
 社は電流マシンを燃え盛る脚で蹴り上げ……灰燼にした。

●ラブゾーン
 霊仙・瑠璃(ウェアライダーの巫術士・e12682)と陽明・麗艶の2人は……施設最奥、イルミネーションに挟まれた道へ来ていた。
「シスター長、今日は来てくれてありがとー! だーい好きっ!」
 星のような光が照らす中、瑠璃は最初から、麗艶に抱きつきに行く。
 麗艶もくすりとお姉さんらしい笑みを浮かべ、それを受けていた。
 他者のいない空間が、2人の作り出す甘い空気に染まっている。
「今日も可愛らしいですわね、瑠璃」
「シスター長も、綺麗だよ!」
「ありがとう。何かありましたら、いつでもわたくしを頼りなさいな」
 うん、と瑠璃は満面の笑みを浮かべつつ、麗艶をぎゅっとしていた。
 それから2人は、手を繋いで歩き出す。
 それを恋する電流が襲うのに、時間はかからなかった。
「あら……?」
 と、一瞬ふらついた麗艶。それでも、電流マシンの迎撃にかかろうとするが……。
 不意に瑠璃を見ると。
 目を潤ませて、その頬に手を寄せた。
「ああ、どうしましょう。瑠璃……とても可愛らしいですわ……」
「ボク、可愛いかな?」
 瑠璃も、元気さはそのままに、ドキドキしつつ麗艶を見つめていた。
「瑠璃、もっとお顔をよく見せて?」
「うん。こう?」
「ええ……ねぇ瑠璃、わたくしを好きにしてよろしいのよ……?」
「ほんと? なら、触ってもいい?」
 そう言った瑠璃は……麗艶のその豊かな胸にタッチ。手の埋まりそうな感触に、半ば感心すら浮かべていた。
 電流マシンが出てきて、射撃してくるが……瑠璃は振り向き、熾炎業炎砲。
 電流マシンがもんどり打っている間に、今度は麗艶のお尻を触っていた。
 麗艶は恥ずかしそうなそぶりをしつつも、電流の効果で強い拒否もしないのだった。
 そのうちに電流マシンがまた攻撃を狙ってくるが……今度は瑠璃の攻撃が、早い。
「百鬼夜行の最終妖怪、いっくよーっ!」
 影の塊を出現させ……深淵『空亡』で、電流マシンを灼き尽くした。
「こ、こほん………上手くいきましたね」
 電流が解けた麗艶は、少々気を取り直したように咳払い。
「ま、まあ、こういうのも楽しいですわ。瑠璃、また誘ってくださいね」
「うんっ、また一緒にお出かけしたいねー!」
 瑠璃の方は、特別恥ずかしがる様子もなく頷き……。
 再び散策するために、麗艶の手を握っていた。

●レインボーパーク
「……あの……腕を組んでもいいかな?」
「ん、もちろん、いいよ」
 おずおずと言い出すシンクに、柔らかな表情で応えるカイム。
 2人は、もう1体いるとすればここだろうと、虹色のイルミネーションが美しい一帯に来ていた。
 恋人らしい行動も2回目だが、改めて行うと、やっぱり恥ずかしいシンク。ありがとうございます、と少々目を伏せつつ、カイムと腕を絡ませて歩き出した。
 すると早々に、2人を恋する電流が襲う。
 電飾の間から出てきた電流マシンに、カイムとシンクもすぐに戦闘態勢を整えた。
 シンクは、先ほどと同様に藍に治癒してもらうと……氷魔法を詠唱。敵に攻撃を許さず、氷漬けにする。
 すかさず、カイムが跳躍。
「私の本気、見せてあげるよっ! ……絶影・双撃乱舞っ!」
 刺突、横薙ぎ、銃の乱射で蜂の巣にし……電流マシンを破壊したのだった。
「……シンクさん、今日はありがとう。それからごめんね、無理もさせたかも」
「……いえ、こちらこそ……」
 戦闘後、カイムの言葉に、シンクはそう返したが……。
(……恥ずかしい。絶対顔赤いよ、もう……)
 種々の行動を思い返し、シンクは中々、カイムの顔が見られなかった。

●再戦
 アルルカンとステインは、次の敵を求め、イルミ広場を出る方向に歩いていた。
 ステインはそこで更なるスキンシップを図ろうとしていたが……そのせいもあってか、すぐに木々の間から電流が発生。
 2人は、即座の戦闘に入っていた。
「こんなにすぐに戦えるとは、ラッキーだなァ」
 アルルカンは好戦的な笑みで、電流マシンを見下ろす。
 電流マシンはステインへ射撃するが、アルルカンはそれを庇った。
「おっと、傷つけさせねェよ」
「!」
 ステインはそれを見ると……今度こそ、と思ってか、アルルカンの背にしなだれかかっていた。
「電流のせいでしょうか。いや違うかも知れません。私……スコーピオ様がお望みならば、何をされても……」
 と、言葉の途中で、アルルカンが自身をキュアしていた。
「よし、と。俺にレンアイする機能はねえし、動作不良が起こったら困るからな」
 言って、敵のレーザーを受けつつも肉迫。戦う本能のままに、グラインドファイアを打ち込んでいた。
「……」
 するとステインは少々黙ってから声を上げる。
「そのナリで戦闘馬鹿かよこのガキンチョ! ほらメイド! 生足! ご主人様何したっていいんだぞオラァ!」
 アルルカンに迫るようにメイド服をたくし上げていく。
「急にどォした?」
「……はっ。失礼しました。私としたことがつい箍を……」
 ステインは平静を取り戻すと……後は、敵に炎弾を撃ち込んで破壊。
 結局、そのまま作戦終了と相成った。

「……他の場所でも破壊はうまくいってるみてェだな」
 アルルカンはアイズフォンで仲間と連絡を取りつつ言う。
 言葉通り、このイルミネーションの楽園から、デウスエクスは1体残らず駆逐されていた。
 平和を取り戻したケルベロス達は……もう少しだけデートを続けるもの、その場を辞するものなど……三々五々、帰路についた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年1月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 11/キャラが大事にされていた 1
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