シャイターン襲撃~ロストクラージュ

作者:きゅう

●流れるは、赤い雫
 東京都府中市の住宅街。
 その片隅にある神社の境内は……血に染まっていた。
「一体なんだってんだよ!」
 たまたまその近くを通りすがった20代の男女の集団が、突如として現れた3体のヴァルキュリアたちに襲われたのだ。
「早く、早く逃げなきゃ!」
 ヴァルキュリアたちは3体で連携して逃げ惑う人々を追いかけ、それぞれ2本の妖精弓から放たれる矢で、彼らの急所を正確に射抜いていく。
 その一片の慈悲もない精密な攻撃に人々は倒れ、地面を赤く染めていく。
「……」
 動くものがいなくなった境内を眺め、ヴァルキュリアは無言で次の獲物を探しに飛び上がる。
 ぽたり。
 そんな彼女たちの瞳から、赤く染まった雫がこぼれ落ちるのを、見たものは居なかった……。

●望まぬ結末
「お疲れの所申し訳ありません。エインヘリアルたちに新たな動きが見られました」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はそう言うと、
「ヴァルキュリアたちが、いくつかの街で人々を虐殺しようとしています」
 それを止めて欲しいとケルベロスたちに依頼した。
 エインヘリアルたちは、鎌倉防衛戦で失脚した第一王子ザイフリートの後任として、新たな王子が地球への侵攻を開始したらしい。
 今回の作戦はその一環だと思われる。
「エインヘリアルは、ザイフリート配下であったヴァルキュリアをなんらかの方法で強制的に従えているようです」
 そして、魔空回廊を利用して人間達を虐殺し、グラビティ・チェインを得ようという計画のようだ。
「ヴァルキュリアを従えている敵は、妖精八種族の一つシャイターンという種族です」
 暴れるヴァルキュリアを止めるためには、彼女たちに対処しつつ、シャイターンを撃破する必要があるだろう。
「皆さんには、ヴァルキュリアを止める作戦の担当をお願い致します」
 そう言って、セリカは地図を開き、
「皆さんは東京の府中市へ向かってください」
 具体的な襲撃地域を指し示す。
「幸いなことに、ヴァルキュリアは彼女たちを邪魔する者が出た場合、その排除を優先するようです」
 つまり、こちらから彼女たちの虐殺を阻止しようとすれば、彼女たちが住民を襲うことはないということになる。
「ただ、彼女たちを従えるシャイターンがいる限り、ヴァルキュリアたちは何の迷いもなくケルベロスを殺しに来るでしょう」
 本意ではないとはいえ、彼女たちを正気に戻すのは難しそうだ。
「ただ、シャイターンを撃破した後ならば、なんらかの隙ができるかもしれませんが……」
 それはあくまで可能性であって、はっきりしたことは言えないのが現状だった。
「操られている彼女たちには同情の余地もありますが……人々をこのまま虐殺させるわけには行きません」
 そのためには心を鬼として、彼女たちを殺す必要があるだろう。
 セリカは難しそうな顔をした。
「皆さんの担当区域に現れるヴァルキュリアは3体。いずれも妖精弓を装備し、軽快な動きで翻弄しながら確実に敵を射止める戦闘スタイルのようです」
 また、状況によっては、更に1体のヴァルキュリアが援軍としてやってくるかもしれないとのことだ。
「正直な所、彼女たちを助けてあげたい。という気持ちが無いというわけではありません」
 だが、そのために罪も無き人々を危険に晒すわけには行かない。
「現場での判断はお任せいたします。時には、心を鬼にすることも……大切です」
 セリカはそう言って、彼らに頭を下げるのだった。


参加者
ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)
藤守・つかさ(闇視者・e00546)
ベルンハルト・オクト(鋼の金獅子・e00806)
シレン・ジルヴィルト(フォーティテュード・e02408)
本山・葵(ユートレマジャポニカ・e04016)
神喰・杜々子(どらごにーと・e04490)
柊真・ヨリハ(螺旋のトロイメライ・e13699)
月白・灯(オラトリオのミュージックファイター・e13999)

■リプレイ

●一筋の希望を求めて
 からんからんからん。
 拝殿の中央に飾られた鈴が、清々しい音色をたてる。
(「成功しますよーに」)
 誰もいない神社の境内で、手を合わせて祈りを捧げるのはラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)。
 参拝を終えて彼女が振り返ると、少し遅れて他の仲間たちも境内に集まっていた。
「あんまりいい気分ではないってことは分かるけど……」
 洗脳され、操られるヴァルキュリアたち。
 彼女たちが何を思うのか。神喰・杜々子(どらごにーと・e04490)は少し考えてみるが、
「うーん、面倒くさいなあ」
 他人の気持ちを推し量るのは難しい。杜々子は考えるだけ無駄だと早々に思考を放棄した。
「洗脳なんて」
 月白・灯(オラトリオのミュージックファイター・e13999)の言葉には、なんとかしてヴァルキュリアたちを助けたい。という思いがにじみ出る。
 現時点で助けられる可能性は極めて低い。
 だが、仮に戦いが苦しいものとなったとしても、灯は彼女たちと想いを繋ごうと決めていた。
「殺さず倒すってのは面倒だけど、殺すために戦うのよりよっぽど気は楽だな!」
 そして、シレン・ジルヴィルト(フォーティテュード・e02408)の言うように、そう思っていた方が楽だと感じる部分もあるのかもしれない。
「さあ、来たようだぜ」
 シレンはヴァルキュリアたちが近くを通りすがった男女を襲う前に接近するため、全速力で駆けだした。
「ひどい事をさせられてるヴァルキュリアちゃん……かわいそうだよ!」
 速さを活かして人々に襲撃をかけようとするヴァルキュリアたちを見て、柊真・ヨリハ(螺旋のトロイメライ・e13699)は彼女たちへに向けて悲痛な叫びをあげ、
「やめて! やめてよ!」
 彼女たちが矢を放つ前に、その目の前に立ちふさがった。
「心配はいりません、ここは私たちが引き受けます。みなさんはあわてずに避難してください」
 本山・葵(ユートレマジャポニカ・e04016)は落ち着いた声でパニックになる人々に逃げるよう誘導し、
「じゃ、こっち……」
 ラトゥーニとミミックのリリがしんがりとなる形で、避難を開始する。
「あと、任せ、た」
 ヴァルキュリアたちと戦うより、ここで避難誘導を買って出たほうが面倒くさくない。
 人数ではこちらのほうが多いから、大丈夫だろう。
 ラトゥーニはそんなことを思いながら、境内を離れていくのだった。
「お前達じゃ、ないんだろうけどな……」
 藤守・つかさ(闇視者・e00546)は一分の隙も迷いもなく、こちらの様子を伺う肉食獣のような殺気を感じさせるヴァルキュリアたちの表情を見つめながら、
「違うからと言って、見逃してやる理由には本来ならないんだけど」
 倒さなければいけないのであれば迷わず倒す。
 そう心に決めつつも、つかさは彼女たちを倒さずにすむのならそれに越したことはないとも考えていた。
「ヴァルキリア……相当な手練れと聞き及んでいる」
 ベルンハルト・オクト(鋼の金獅子・e00806)は、彼女たちの心情も理解しようと思いつつ、
「俺の力、どこまで試せるか。行かせてもらう」
 それ以上に、彼女たちとの戦いで自分の力を試し、より強くなりたい。
 そんな思いを持ちながら、彼女たちに向けて銃口を向ける。
 戦いの火蓋は静かに切って落とされた。

●死んだ瞳のヴァルキュリア
「まずは落ち着いていきましょう」
 ヴァルキュリアたちを抑える役割は前衛の仲間たちに任せ、葵は後ろを振り返ってそう言うと、
「ナノマシン展開……」
 無数の看護用ナノマシンを周囲に散布するように展開し、
「ブーストを開始します!」
 周囲にいる仲間たちを包み込み、癒やしの力を使いやすい空気を作り上げる。
「しっかり援護しますね。次は……攻撃です」
 続けて最前線の杜々子とヨリハが連携して抑えた前衛のヴァルキュリアに狙いをつけ、
「いきます!」
 アームドフォートが激しい音をたて、ヴァルキュリアの脚に弾丸が命中した。
 彼女たちを1体ずつ集中攻撃して数を減らす作戦のケルベロスたち。
 それに対してヴァルキュリアたちは、1体が杜々子とヨリハに抑えられている間に、残りの2体が弓を構えたまま素早く彼女たちの脇を抜け、
「……」
 遊撃するように、後ろから前衛のヴァルキュリアを狙うケルベロスたちに次々と矢を放った。
「こっちの攻撃の邪魔はしないで大人しくしててくれないか……」
 集中的に狙うヴァルキュリア以外を牽制するつかさはそう願うが、2体のヴァルキュリアの動きは止まらない。
「ちっ、厄介だな」
 つかさは天空より無数の刀や剣を召喚し、上から彼女たちの弓の弦を狙って降りそそがせ、続けて巨大な光の弾を手の中に生み出すと、パァンという破裂音とともに激しい光で目を眩ませる。
「少しは大人しくなったか?」
 手応えはあった。
 だが、次の瞬間、つかさは背後から何かに撃たれた痛みで一瞬意識が遠のく。
「ごめんなさいっ!」
 続けて背後から聞こえる葵の声。
 彼女は一瞬頭がぼうっとしてしまい、ヴァルキュリアを狙ったつもりのウイルスカプセルを、何故か目の前のつかさに向けて放ってしまったのだ。
「大丈夫だ。本当に、厄介だな」
 ほぼ間違いなく、ヴァルキュリアが放った心を貫く矢の影響だろう。
 つかさは葵に気にするなと言いながら、
「来たりて散れ、白き雷光」
 自らの力を白き雷へと変え、葵たちに防御の加護を与え、
「届いて、みんなに」
 それと同時に灯の優しい歌声が響き渡る。
 全身全霊をこめた歌声は仲間たちを勇気づけ、ヴァルキュリアたちの攻撃で傷ついた体と心が癒えていく。
 いつのまにか、歌を紡ぐ灯の背中の翼が黄金に輝き、神々しい光を発しながら優しさを仲間たちに届ける。
 それが優しさのかけら。灯の歌う十八番だ。
 彼女は歌声で戦う仲間たちを後ろからしっかりと支え、
「これで大丈夫だ」
 一方、つかさは四方八方に気を配りながら、攻撃に防御にと走り続けた。
 落ち着きを取り戻したケルベロスたちは、集中攻撃を継続しつつも、両脇から攻撃をしてくる2体へも攻撃を開始する。
 ベルンハルトは祖母譲りの素早い銃捌きで、遊撃してくるヴァルキュリアが避ける動きまで想定して次々と弾丸を放つが、
「流石にやるな」
 ヴァルキュリアは時には彼の予想以上に動き、時には矢で弾丸を撃ち落とし、避けられない弾丸も直撃だけは避けていた。
「……」
 お返しとばかりに放たれるヴァルキュリアの矢を、
「負けられるかよっ」
 ベルンハルトもまた、彼女の予想以上の動きで避け、撃ち落としていく。
(「もっと、もっとだ。もっと強くならなくては……」)
 ベルンハルトは貪欲に力を求め、強者との戦いの中で、様々なものを得ようと全身で知覚する。
 ヴァルキリアの心も感じ取ろうと彼女の瞳を見つめるが……彼の心には不思議と何も響かなかった。
「ヴァルキリアよ、そのままでいいのか?」
 ベルンハルトは彼女に問いかける。
「そんな者に、操られたままで」
 彼女の本心が聞きたい。そして、何よりそんな彼女と戦いたい。
 そう思うベルンハルトだったが、ヴァルキュリアは眉一つ動かさず、彼を狙って容赦なく矢を浴びせかけてくる。
 ――それも、ベルンハルトの思惑のうちであった。
 不意に、地面から生える植物の蔓が彼女の体を絡みつく。
 ヴァルキュリアの意識の外からの攻撃に、彼女は避けるまもなく捕らえられた。
「新緑もまた汝の血にて烈火の如く紅に染まる」
 そして、ベルンハルトの言葉とともに蔓は赤く染まる。
 ヴァルキュリアの皮膚を傷つけ、血を吸い出し始めたのだ。
 だが次の瞬間、ベルンハルトの左腕にヴァルキュリアの反撃の矢が突き刺さる。
「くっ、やるな」
 ベルンハルトは苦痛で顔を歪めながらも、それ以上にある種の高揚感を感じていた。

●生か、死か
 戦闘開始から5分以上は過ぎただろうか。
「そろそろ、終わった?」
 ラトゥーニがそう言いながら人々の避難誘導を終えて戻ってくるが、境内ではその期待を裏切る光景が繰り広げられていた。
 ケルベロスたちは、1体のヴァルキュリアに攻撃をある程度集中させ、そちらでは優位に戦っていたが、残りの2体のヴァルキュリアたちが自由になり、戦況は五分五分のまま推移していた。
「リリ、ほら、がんばれがんばれ」
 ラトゥーニは一番自由に動き回っていたヴァルキュリアにミミックのリリをけしかけ、
「応援だけ、だめそう?」
 自らは仲間たちを応援してようかと思ったが、流石に状況が危険だと感じ、
「おどろう……霧のなかで」
 必要最低限の動きで不思議な霧を生み出し、ヴァルキュリアたちを包み込む。
 魔触の霧。と呼ばれるその霧は触れるものの力を奪い、怠惰の風を吹かせてやる気も失わせる。
「でも、おどる、のも面倒」
 軽快な動きを見せていたヴァルキュリアたちの動きが霧に蝕まれて衰え、戦況が徐々に有利になっていくことを確認したラトゥーニは、攻撃するふりをしつつ、隙を見てはサボろうと努めた。
「杜々子さん、左だよぅ!」
 ヨリハの声に杜々子は最小限の動きでヴァルキュリアの攻撃を制し、
「回復は任せてねぃ」
 ヨリハは杜々子の目の前に不可視の盾を幾重にも張り巡らせる。
 旅団などでも仲良しの2人の息はぴったりで、目の前のヴァルキュリアの攻撃をある程度の余力を持ちながら凌ぎ切っていた。
「おとなしくしててねー」
 さらに、杜々子の放つ手裏剣がヴァルキュリアの持つ弓の弦をかすめ、
「ヴァルキュリアちゃん、痛くしないから少し辛抱してるんだよぅ」
 ヨリハはマインドリングからエネルギーを放ち、弓と弦の結び目に衝撃を与えることで、相手の弓の力を削いでいく。
 ヴァルキュリアは力強い攻撃で度々杜々子に深手を追わせるものの、次第にその力は落ちていき、
「次は私が受けるよぅ」
 杜々子の回復が間に合わない時はヨリハが前に出てかばい、攻撃を弾き返した。
(「まだ、変化はない……かなぁ」)
 ヴァルキュリアとの間合いを詰め、彼女の様子をじっと観察するヨリハは、その瞳に変化がないことを感じ取ると、再び彼女の攻撃に備える。
(「ともかく、シャイターンが倒されるまで耐えて耐えて耐えまくるよぅ!」)
 敵とはいえ、彼女たちが本意ではなく行動を取っていることをヨリハは歯がゆく思い、可能性が0ではない限り、彼女たちを殺さずにこの場を収めたいと思う。
「ヨリハさん、頑張ろう」
 杜々子もヨリハの気持ちを汲み取り、ヨリハを庇うように前に出ながら、ヴァルキュリアの矢を払いのけた。
 だが、遊撃に回っていたヴァルキュリアが杜々子を狙い始めると、徐々にではあるが2人の傷が増え、回復が追いつかなくなっていく。
 状況を打開すべく、杜々子を狙うヴァルキュリアにシレンが一気に近づいて、銀製の日本刀を振り下ろす。
「これが俺の、ジルヴィルトの切り札だッ!」
 さらに、銃の引き金を引いて炸裂音を響かせ、畳み掛けるように刀と銃で怒涛の連続攻撃を繰り出した。
 猛る銀狼と呼ばれる彼独自の戦闘術でヴァルキュリアを組み伏せ、喉笛を噛みちぎらんとする勢いで彼女を追い詰めた。

●泣いてる女の子を護りたい
 その時だった。
「シャイターンが撃破されました! いよいよ大詰めです!」
 別の地で戦う仲間たちから伝えられたシャイターン撃破の情報を、葵が伝える。
 ヴァルキュリアたちを操るシャイターンが撃破されたことで、何かが変わるのか、変わらないのか。
 ケルベロスたちは攻撃の手を止め、じっと様子をうかがう。
 ヴァルキュリアたちは、いきなり洗脳が解けて正気に戻る……わけではなかった。
「う、うう……」
 だが、彼女たちの瞳が僅かに輝き、意識が完全にではないにしろ、戻ってきているように見えた。
「私たちは敵じゃありません」
 すかさず灯は呼びかけ、彼女たちはその声に耳を傾け、その場で動きを止める。
「おいたの時間は終わりだな」
 だが、その次の瞬間攻撃してこようとするヴァルキュリアに、シレンはそう言って刀の峰で腹を叩いて抵抗心を奪うと、
「お疲れ様でした、しばらくお休みください」
 葵はヨリハの後ろからアームドフォートで小突き、混乱するヴァルキュリアに尻もちをつかせた。
「皆さん、そこまでです。もう戦う理由もありません」
 灯はファミリアロッドを白うさぎのシロちゃんの姿に戻して戦う意志がないことを告げ、仲間たちにも武器を納めるように促す。
「あなたたちも、操られて戦っていただけです。だから……もう戦いはやめませんか?」
 ヴァルキュリアたちにも事情を話し、誠心誠意を持って語りかけた。
(「さて、連中はどう動くんだか……」)
 とはいえ、直前まで生死をかけて戦った相手だ。つかさは最悪の事態も考えて彼女たちを見つめる。
 しばらくして、ヴァルキュリアたちは無言のままその場で立ち上がり、
「解りました。そちらが危害を加える気はないというのであれば、ここは退きます」
 傷ついた体をお互いに支えあいながらケルベロスたちに一礼すると、ケルベロスたちはほっと胸をなでおろした。
「……はい、こちらも大丈夫です。ありがとうございました」
 その言葉を聞いた葵は他の戦場で戦う仲間たちにそう報告し、
「いい太股だねぃ。ね、写真取ろうよぅ」
 ヨリハは先程まで戦っていたヴァルキュリアの太股に視線を移しつつ、一緒に記念撮影をしようと杜々子を連れて近づいていく。
「あ、あの、どうして私たちを殺さなかったのですか?」
 いくら操られていたからとはいえ、飛びかかる火の粉は振り払うのが普通だ。
 この場を離れる直前、ヴァルキュリアがそう尋ねると、
「殺さなかった理由? ……泣いてる女の子を殺すなんて出来る訳ねえだろ」
 シレンはにっこり微笑んでそう言うと、
「そう……ですか。ありがとうございます」
 少し照れた様に笑顔を作って飛び立つ彼女たちを見送るのだった。

作者:きゅう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年12月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。