彩に揺蕩う黒

作者:崎田航輝

 色彩が混濁し、風と凪が交錯する。
 ──ゆらり、ゆらり。
 魔空回廊を思わすその異次元の通路は、磨羯宮ブレイザブリクより死者の門へと続く転移門の内側に在る。
 ──かちゃり、かちゃり。
 その道を彷徨うかのように歩む巨躯の姿が在った。
 鋭き異形の剣。
 艶めく硬質の鎧。
 嘗て一個のエインヘリアルであったろう姿が、色と共に失せてしまったかのような漆黒。
 ただ護るべくものを護る為だけの、防御機構の一部と成ったその果ての姿。
「我は『門』──」
 名もなき黒騎士は長大な剣を引き摺りながら、その先に在るものを護り続ける。慈悲無く、懊悩も無く、ただ死を与える現象として。

「集まって頂きありがとうございます」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はケルベロス達へ説明を始めていた。
「磨羯宮ブレイザブリク──その探索が進められたことで、隠し領域より死者の泉に繋がる転移門を発見する事に成功しました」
 この隠し通路は、双魚宮「死者の泉」に繋がっていることが確認できたという。
「ただこの通路は、死者の泉を守る防衛機構『門』に護らていて……それを突破しない限りは、死者の泉に向かうことは出来ないようです」
 『門』は『死を与える現象』が実体化したとも言えるエインヘリアルだ。
「この敵は死んでも蘇り、『門』を守り続けます。ですが討伐を繰り返すことでいずれ突破は叶うはずです」
 そのために、この領域に侵入し『門』の撃破をお願いします、と言った。

「戦闘は回廊──魔空回廊のような異次元的な通路で行うことになるでしょう」
 この内部では『門』の戦闘力は数倍に強化されている。
「皆さんであっても苦戦は免れないでしょう。最大限の警戒をお願いしますね」
 回廊に侵入して正面からぶつかり合う形となるため、不意打ちができる可能性は低い。敵の能力を鑑みつつ、戦術を練るようにしてくださいと言った。
「『門』を42体撃破すれば、死者の泉に転移が可能になると予測されています」
 死者の泉に直通するルートが開けば、エインヘリアルとの決戦の火ぶたが切って落とされるだろう。
 現時点では、このルートをこちらが発見した事を、エインヘリアル側は察知していない。しかし攻略に時間が掛かり過ぎればなんらかの理由で察知され、このルートを潰されてしまう可能性もある。
 故にこそこの一戦は大事なものとなるでしょうと言った。
「敵は強力……それでも、皆さんならば勝てるはずです。きっと信じていますから」
 健闘をお祈りしています、と。
 イマジネイターは力強い言葉をケルベロスへと贈った。


参加者
ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)
武田・克己(雷凰・e02613)
緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)
翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)
レヴィン・ペイルライダー(己の炎を呼び起こせ・e25278)
塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)
肥後守・鬼灯(度徳量力・e66615)
嵯峨野・槐(目隠し鬼・e84290)

■リプレイ

●門
 畝る彩の渦が、ほどけて融け合い混在しては散ってゆく。
 色相が移ろう異次元の路は、視覚ばかりか心までもを惑わすようだ。
 だがその先に、目指すべき場所があると判るから──番犬達は展開されたヘリオンデバイスを身に纏いその戦場へと降り立った。
「運動会楽しかったー! と思ったら色々起こってあれよあれよと新しい戦いか……!」
 レヴィン・ペイルライダー(己の炎を呼び起こせ・e25278)はゴーグル越しに視線を奔らせ、揺蕩う色を見回す。
 そうして漂う死の気配に誘われて、真っ直ぐを見れば──そこに佇むのが黒鎧の影。
 ふぅん、と。
 塩谷・翔子(放浪ドクター・e25598)は煙草の火を消しながら見据えていた。
「随分といかつい門だねェ」
「文字通りの門番というわけか」
 嵯峨野・槐(目隠し鬼・e84290)はワイルド化した瞳は閉じたまま、その威容を強く肌に感じ取る。
 背後を護る為に死を運ぶ、純化して残されたその意志は、刃のように鋭く思えたから。
「強敵、ですね」
 戦いの間合いに近づけば近づくほど、翡翠・風音(森と水を謳う者・e15525)はそれを実感せずにはいられなかった。
 それでも──澄明な意志を湛えた瞳は、色彩渦の中で濁らない。
 死者の泉に近づく為に、慎重に、けれど全力で。
「──参りましょう」
「ああ。門は通る為にあるものだ」
 ただそれだけのことだと、緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)は焔棚引くデバイスを、まるで翼の如く広げた。
「ここで無駄な時間を費やすつもりは無い。障害となるなら、排除する」
「ま、そうだね。門だからって、こっちもお上品に優しくノックするわけじゃない」
 始めようか、と。
 翔子は鎖を踊らせ、燦めく魔法円から加護を齎し仲間へ護りを与えていた。
 それが戦いの狼煙。結衣が視線を注ぐと、武田・克己(雷凰・e02613)もまたデバイスから轟と火花を噴射している。
「空を飛ぶってのはいまいち感覚的にわからないが、まぁ、やってみるか」
 戦場だからこそ、心に躊躇いはない。
 相手は一人、場所は障害物のない異次元。元より試すにはもってこいの場所だと──瞬間、克己は宙を翔けながら門へ接近した。
「俺たちはお前を倒しに来たんだ。来いよ」
 楽しもうぜ、この勝負を、と。鋭い直刀を抜き放ちながらまずは一閃、雷華を咲かす眩い刺突を打ち込んでゆく。
「さあ、皆も」
 と、その一瞬に結衣が皆へ準備を促せば──風音もきゅっと唇を結んで。
(「地球の皆さんが私達の為に授けてくださった力、お借りします」)
 そして代わりに光ある未来を、必ず、と。
 誓うと皆と共に頷きを返す。それを合図に、結衣は仲間を牽引し飛翔した。そうして素早く感覚を確かめながら皆を見遣ると──。
「問題ないよ」
 宙での自在を確認しながら、ヴィ・セルリアンブルー(青嵐の甲冑騎士・e02187)は声を返してみせる。
 背に翼が生えたよう、とはこのことだろう。まるで抵抗のない水を泳ぐようにあらゆる方向に空中を滑ることができた。
「ええ、ただ──」
 と、肥後守・鬼灯(度徳量力・e66615)は反撃態勢を取っている門を見る。あの敵の速度を、翔ぶ速さだけでやり過ごすのは難しそうだと。
「飛行だけで攻撃を回避するのは、簡単ではないかもしれません」
 それでも、相手の剣が届かぬ位置へ昇れるのは事実。近距離攻撃は無力化できるだろう。
 無論、それでも敵自身が無力とは到底言えない。門は長大な剣を静かに構え、そこに反旗の心を垣間見せていた。
「……騎士、だったのかな?」
 その凛然とした構えに、ヴィは呟く。
 ならば自分とは同業者。それなのに敵として戦わなければならないことに、哀しい巡り合わせを感じるけれど。
「──気合入れていくぞ」
 ヴィは退かず、下がらない。滑空するように距離を詰めると一閃、抜剣して斬撃を見舞い漆黒の刃先を欠けさせた。
「今のうちに」
「ああ」
 火の粉の流線を描きながら、結衣も既に巨躯の上方。錐揉みの軌道を取りながら、灼熱の炎を纏った魔剣を振るい──紅蓮の傷を刻みつける。
「……侵略者に、死を」
 門は微かによろめきながらも、黒色の炎を返してきた。その衝撃はヴィと翔子、槐が上手く防御して抑えてみせるが──。
(「場合によっては全員に当たってたか」)
 翔子は熱を振り払いながら見回す。
 飛行していると、立ち位置としては後衛に居るのと同等になる。無論、盾役や阻害役といった間合いの特色こそ失われないものの──皆がデバイスで宙へ昇れば、その全員が一列に並んだことと同じになるだろう。
 これは長とも短とも言いきれないが──。
「今は、治療だな」
 槐は混沌の水を揺蕩わせ、孤独な空間に置かれたかの如き感覚を皆へ与える。
 ──『無鄰』。齎された思いは、求むことへの戒めを与え、集中を喚起させることで知覚を研ぎ澄まし傷を癒やした。
「次を、頼めるだろうか」
「ええ、お任せを」
 頷く風音は植物を揺らがせて花弁の交じる風を吹かせると、そこへ陽光の如く輝く果実を顕現させて光と温度を皆に届けてゆく。
 触れた暖かさが加護となり、慈愛を与えるように。皆の苦痛を拭いながら護りを高めた。
「これで一先ずは、問題ないでしょう」
「よし、それじゃあ反撃に行くぜ」
 レヴィンは門を見下ろすと──下方へ加速する。
 門は剣を以て受け止めようとするが、その速ささえ凌駕するよう、迷いなく翻って。自由落下の速度も加えて零距離に迫ると、星の落ちるが如き蹴りを叩き込んだ。
 苛烈な衝撃に門が後退すれば、その間に鬼灯は腕装を翳し──取り込んだ御霊から霊力を引き出すよう、陽炎を周囲に展開していく。
 それによって仲間の防護を強固にしてみせると──。
「このまま、攻めます」
 同時に腕に眩い光も凝集していた。
 瞬間、弾丸の如く放たれたそれが門の鎧を穿ち、ばちりと雷光を瞬かせてその動きを淀ませていく。
「これで戦いやすくなったはずです」
「ああ。止まらず、追い立てる」
 言った結衣は既に、脚装にビームの刃を燦めかせていた。門はそれでも受け身を取ろうとしていたが──その暇も与えない。
 近づくまでもなく、その場で弧状に加速した結衣は宙返り。高速で蹴り出したビームを放射状に飛散させ、門の全身を穿ち貫いてゆく。

●烈戦
 一度膝をついていた門は、しかしゆらりと立ち上がる。
 感情も垣間見せぬよう、再び戦いの姿勢を取るその存在は──もはや一個の戦士ではなく、名に違わぬ防御機構そのもの。
「死者の泉に取り込まれた姿……屈強なエインヘリアルといえど、このようになってしまうとは」
 風音は声音を静め、憐れとも畏れともつかぬ感情を抱いた。
 ヴィもうーん、と腕を組む。
「こんな相手が42体となると……ちょっと気が遠くなりそうだね」
 それでもこの戦いは絶対に勝たなければならないものなのだと判っている。だからしかとその手に剣を握り締めて。
「俺たちは、やるべきことをやるだけだね」
「ああ。ここでまずは一勝、何としてでも挙げなければ」
 槐も静やかな声音に力を込めて、ライドキャリバーの蒐の体をそっと離す。
 蒐はデバイスの装備はないものの、槐に引き上げられる形で共に飛行をしていた。今や再び地に降りる形で門の周囲を奔り抜け、ガトリングで無数の衝撃を与えてゆく。
 同時、風音も腕に抱いていた翠竜のシャティレを飛び立たせて。
「さあ、シャティレも」
 ぴゃう、と可憐な声音で応えたシャティレは羽ばたいて門へ肉迫。タックルを加えて体勢を突き崩した。
 その間隙に、翔子は小さな光を膨大な光量を持つ雷へ成長させてゆく。それをレヴィンへ同化させることで力を向上させると──。
「これで任せるよ」
「ああ、ありがとう!」
 応えたレヴィンが滑るように地に降り立って門へと迫っていく。
 門は剣を構えて迎え撃とうと目論むが、その刃さえ標的にして。レヴィンは既にスライムを流動させていた。
「そこだ!」
 瞬間、背景に融けるように色彩を明滅させて──流体は巨躯を飲み込み捕縛する。
 門が静止すれば、ヴィも隙を作らずその眼前へ着地。澄んだ焔を剣に宿し、漆黒の鎧を深々と斬り裂いた。
 門は一歩引いて刃に雷光を湛える、が、克己がその面前に降りている。
「俺とも、戦ってくれよ」
 体を回転させて腕を蹴り上げ、剣撃を阻害すると──そのままさらに距離を詰めて間近へ。振るう剣先に鋭い風を纏わせて、鎌鼬の如き斬撃で無数の傷を刻みつけた。
 門が間合いを取ろうとしても、克己はそれを許さない。仰ぐ程の巨躯にも怯まず、距離を詰め、斬撃を浴びせ続けることで近接を保ってゆく。
 ならばと、門は自身も剣撃を返そうと刃を大ぶりに振るった。が、その一刀は、滑り込むヴィがその身を挺して庇い受ける。
「誰も、倒れさせはしない」
 自分は皆の盾。ならば絶対に護り抜くと、斃れず門の剣を弾き返した。
 傷は無論浅くはない。だが直後には槐が握った拳に混沌を揺らめかせて。
「傷はすぐに、治そう」
 その腕を突き出して、拳圧に混沌を交え、ヴィを包みながら苦痛を吹き飛ばして癒やしを与えていく。
 同時、風音は歌を紡いでいた。
「──」
 どんな相手であろうと、仲間は護り切ってみせる。真っ直ぐな心と、優美な声によって──清らかに響く旋律は『花と春の二重唱』。
 凪に花風を薫らせ、濁る異次元に美しい色彩を呼び込むように。花と春の女神が喜び、歌い踊る様を唄って命に力を与えていく。
 翔子も腕に巻き付いていた白竜、シロに治癒の属性を注がせて。ヴィが万全となったと確認できれば自身は敵へ手を伸ばしていた。
「じゃ、やり返させてもらうかね」
 瞬間、雨滴の如き雫を降らせて門へと注がせる。魔力の溶けたその雨は、染み入るように巨躯の躰を蝕み生命力を腐食させていった。
 門は呻くように自己を回復するが、鈍化した治癒力では減った体力は戻りきらない。それでも加護で己を包み、魔力を増大させていたが──。
「放っておくと思うか」
 無限色の空から、結衣が吹き上げる焔の勢いで降下する。
 門は僅かながら回復した体力を活かすよう、至近で挑もうと刃を突き上げる。だがそれもまた結衣の狙い通り。
「──浅い」
 微かに横に逸れて真上への剣撃を躱した結衣は、加速して一撃。クロスカウンターをきめるよう、炎を纏った拳で肩口を砕いて加護を打ち破った。
「行けるか」
「勿論だ!」
 追随するよう、高速で高度を落とすのがレヴィン。
 門が衝撃に足元を覚束なくしている一瞬に──零距離に入り蹴撃。冷気を棚引かせた一撃で鎧を軋ませる。
「このまま、宜しく頼むよ」
「──分かりました」
 飛び退くレヴィンと入れ替わり、門の後背を取る位置へ滑り降りていくのが鬼灯だった。
 門は下がることも叶わず、とっさの対応を取ることが出来ない。
 対する鬼灯は静かに、冷静さを保ちながら──ナイフで連閃。縦横に斬撃を奔らせ、賽の目の如く鎧を寸断していく。

●決着
 漆黒の破片が、淀んだ虹色に落ちて消えていく。
 門は微かな声を零し苦悶の様相を為していた。それでも逃れ得ぬ役目を果たさんと、剣を握って立ち上がるが──。
「死を与えるものと、生きるものと、それは相容れない。俺たちはいきるものだから、絶対に負けられないんだ」
 ヴィは真っ直ぐに見据えて言ってみせた。皆にもまた、視線を向けて。
「行こう。生きて、勝って帰らないとね」
「ああ、そのつもりだよ」
 翔子も応えながら、見下ろす門へ手を翳す。
 すると虚空に冷気が煌めいて鋭い氷の棘が形成され──雨滴の如くそれが巨躯へと降り掛かった。
 無数の衝撃に穿たれ門がよろけると、その一瞬に槐が地に降り疾駆。湛える混沌をアームにも纏わせながら、強烈な拳の連打を喰らわせていく。
「今だ」
「ええ」
 大きく後退する門へ、真上から影をかけるのが鬼灯だった。
 門が反応する隙すら与えずの奇襲。暴走状態を一時的に引き出すことで、八匹の大蛇のオーラを纏った鬼灯は直下へ『鬼哭啾啾・夜刀神』。
 灼き、凍らせ、引き裂いて。
 強烈に、苛烈に、十重二十重に苦痛を与えていく。
 門が振り払うように焔を放っても、ヴィが受け止めて揺らがない。逆に『White flame』──閃くメーザーで門の躰を貫通した。
 風音は鎖を舞わせて魔力を広げ、最後まで皆の健常を保ちながら──自身も素早く攻勢に入って連撃。疾風の如き斬撃で門の命を確実に削いでいく。
「あと少しのはずです──」
「よし、畳み掛けるぞ!」
 応えるレヴィンは銀のリボルバーを構えていた。
「力を借りるぜ──!」
 放つ銃弾は眩く輝き、光を弾けさせる。『ホーリーダンス』──絆の力を乗せたその一弾は、恋人、親友、大切な者達の思いを乗せて眩く鎧を砕いていった。
 門はそれでも剣を離さない。ならば克己も受けて立つよう、刀を握り鍔迫り合った。
 克己とて無傷ではないけれど。双方が斃れそうだと言うのなら、自分の勝利に賭けて寧ろ全力で攻め入るのが克己の質。
「風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されてないんだよ」
 瞬間、剣を弾き返して繰り出す『森羅万象・神威』が、気の爆発を伴って門の巨躯を吹き飛ばす。
 そこへ結衣は、奔りながら自身と世界の繋がりを断ち──瞬間的に消える。
「最期だ。虚無の最果てに消えろ」
 時の流れの外、高速を超えた速度から繰り出す斬撃は虚空<輪廻の終極>。事象の地平の彼方に引き摺り落とす一閃で、跡形もなく漆黒の躰を霧散させた。

 色の蠢く空間に、ひとときの静寂が訪れる。
 克己は刀を下げて、敵の残滓も残っていないことを確認する。
「終わったか」
「みたいだね、皆、無事?」
 ヴィが見回して尋ねると、皆はそれぞれに頷きを返していた。
 大幅に体力を減らしたものもいたが、誰も斃れてはいない。風音は皆にヒールをかけて、憂いも絶っていた。
「まずは一体、倒すことが叶いましたね。ただ──」
「ああ、いつ次が現れないとも限らない」
 結衣は静かに見据えて口を開く。
 視線の先には、周りの異次元と同じ、揺蕩う景色が伸びている。今ならその先に手が伸びそうではあったが──仮にそうすれば待つのは望まぬ連戦だ。
 翔子はすぐに踵を返す。
「今は早めに帰ったほうが良さそうだね」
「そうですね。行きましょう」
 鬼灯が来た路へと歩みを進めれば、皆も頷き後に続いた。
 レヴィンは振り返り、激しい戦いを思い起こす。
「こんな戦闘を42回……長い道のりだけど頑張らないとな」
「ああ、きっと、完遂できる」
 槐は言って、目を閉じたままの視線を帰路へ向けた。
 それを機に、番犬達は異次元の道から出ていく。倒すべき敵をまずは、確実に討てたこと。その戦果と実感を胸に抱きながら。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年8月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。