希望の壁

作者:崎田航輝

 地鳴りの如き衝撃とともに、高層ビルは瓦解した。
 側の道を歩く者も建物の中にいた人間も、全ては瓦礫に飲み込まれ、命を落としていく。
 土煙の中で唯一蠢くのは、巨大な植物の根。まるで水生生物にも似た見た目を持つ巨大攻性植物、サキュレント・エンブリオだった。
 先刻出現したばかりのこの異形は、わずか数分のうちに、破壊の限りを尽くしている。
 悠々と空を浮遊しては建物を破壊し、行く先々で人を捕まえてはその生命を喰らう。活気づいていた都会の只中を、今や瓦礫と絶望で塗りつぶしていた。
 見回せば、整然としていた街並みはもう見る影もない。侵略の足がかりは、こうして着々と築かれようとしていた。

「大阪の攻性植物は、まだまだ侵攻の手を緩めていないようですね……」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はそんな声を零す。
 それから改めて、ケルベロス達を見回していた。
「こちらも素早く対処していきたいところです。そういうわけで……皆さんには本日、大阪で予知された一件へ向かって頂ければと思います」
 敵は大阪城周辺に抑え込まれていた攻性植物の一端。狙いは市内を中心に自身らの拠点を拡大させることだろう。
 放置すれば、敵勢力に優勢な結果となって現れる。何より、多くの人々が命を落としてしまうことになるだろう。
「街に被害が出る前に、この攻性植物の撃破をお願いします」

 作戦詳細を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、攻性植物サキュレント・エンブリオが1体。出現場所は、大阪の市街です」
 人口が多い一帯でもあり、数多くの建物やビルが立ち並んでいる場所だ。
 敵の出現位置は確認されているので、避難誘導などは警察、消防が協力してくれる。
「皆さんは出現と同時に戦闘に集中していただければと思います」
 戦闘では建物に被害も出るだろう。だが、それはあとでヒールすることが出来る。短期決戦で確実に撃破することに集中するべきだと言った。
「サキュレント・エンブリオは浮遊しています。建物を移動経路として使用したり、電柱などを利用して狙撃するなど、立体的な戦法を取れれば、ある程度有利に戦えるかも知れません」
 では敵の能力について説明を、とイマジネイターは続ける。
「攻撃法は、根で縛ってくる遠列パラライズ攻撃、根を針のように飛ばす遠単毒攻撃、建物ごと薙ぎ払ってくる遠列足止め攻撃の3つです」
 各能力に気をつけてください、と言った。
「このままではきっと、街は崩壊してしまうでしょう。人々の希望になるのは皆さんの存在だけ……ですからぜひ敵を撃破して、その侵攻を防いでくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
浅川・恭介(ジザニオン・e01367)
ムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)
葛葉・影二(暗銀忍狐・e02830)
エトヴィン・コール(徒波・e23900)
アイリス・フォウン(金科玉条を求め・e27548)
鷹崎・愛奈(死の紅色カブト虫・e44629)
鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254)

■リプレイ

●迎撃
 大阪の市街へ、ケルベロス達は降り立ってきていた。
 市民は警察の誘導により、既に避難を始めようとしている。どこか慣れたような、戦時下の人々の動きを、ムスタファ・アスタル(同胞殺し・e02404)はビルから見下ろしていた。
「大阪……こんなことになっていたのか」
 意識すれば、思うのはカンギと共に居るであろう自身の怨敵のこと。
 しかしムスタファはすぐに首を振り、空を仰ぐ。
「今はただ、目の前の敵を倒すのみだな」
 言って注ぐ、視線の先。
 空間が大きく歪曲したかと思うと、魔空回廊が出現。根を蠢かせる巨花が出現し始めていた。
 攻性植物サキュレント・エンブリオ。同高度のビルから、エトヴィン・コール(徒波・e23900)は首を傾げるように見つめている。
「なにこれでっかいクラゲ?」
「クラゲ、じゃぁないだろうが──成る程、これが所謂「母体」ってやつか……?」
 すぐ横の屋上から呟くのはギルフォード・アドレウス(咎人・e21730)。想起するのは以前に戦った、胞子で変質した攻性植物達のことだった。
「またぞろ、花粉でもばら撒くつもりかね」
「むー……そんなのダメだよ、ダメだよ!」
 と、翼で飛び上がるのは、アイリス・フォウン(金科玉条を求め・e27548)。巨花へぴしりと指さしていた。
「ここは大阪の人達が住んでる場所なんだからね。帰ってもらうよ、帰ってもらうよ!」
「……ああ。人々に害為すだけでは無く、今ある木々にも害を為すとは不届至極──」
 声を継ぐ葛葉・影二(暗銀忍狐・e02830)は、中層から高層へと素早く駆け上がり、同時に跳躍。空に踊り、巨花へ肉迫していた。
「──其の極悪非道の所業、全力を以て阻止致す」
 瞬間、至近から赤刃の大鎌“猟鬼守”を投擲し、花弁に深い裂傷を刻む。
 直後にダブルジャンプで影二が別の建物へ着地すると、皆も交戦へ。アイリスは直剣から守護星座の光を輝かせ、仲間を防護。ムスタファもオウガ粒子を広く拡散させ、まずは味方の知覚力を増大させていた。
 エトヴィンはフックワイヤーでさらなる高所へ登攀。高いビルの縁で攻性植物を展開し、輝く果実を生らせている。
「よし、太らない程度に食べちゃってね!」
 と、そのまま果実を味方にぽいぽいと投擲して耐性を付与させていた。
 そのうちに敵も、攻撃をしようと移動を開始する。
 が、浅川・恭介(ジザニオン・e01367)はケルベロスチェインを外壁のパイプに巻き付けながら、飛び移るように建物間を移動。素早く巨花へ追いすがっていた。
「まずは、これを喰らってもらいましょう」
 手を伸ばし、撃ち出したのは炎の幻竜。命中したそれは巨花を燃え上がらせてゆく。
 だが、サキュレント・エンブリオは未だ余裕を含んだように悠々と飛来していた。ギルフォードもそれを見て、むしろ好戦的に笑みを零す。
(「楽しめそうだ……」)
 そして、高台から飛び降りつつ、斬霊刀“白刃 不動”に冷気を収束。鋭利な斬撃を打ち込んでいった。
「今だ」
「ああ、この隙をつかせてもらうぜ」
 応えて翼で羽ばたくのは、鵤・道弘(チョークブレイカー・e45254)だ。
 道弘は移動しながら建物の壁にワイヤーラダーをかけ、皆のための足場を確保している。それが済むと、自身は壁を蹴って加速。敵の頭上から砲撃を撃ち込んでいた。
 巨花は意思があるのか否か、ダメージにも構わずこちらに接近してくる。その威容を間近で感じて、鷹崎・愛奈(死の紅色カブト虫・e44629)は一度息を呑んだ。
 それはまさしく怪物。それでも、愛奈は首を振る。
「大きい敵、だけど。ドラゴンとかはもっと大きいもん。このくらいでひるんでちゃ、だめだよね」
 気合を一つ入れると、中層の屋上から飛翔し、敵の上方へ。滑空するように速度をつけて、強烈な飛び蹴りを叩き込んでいた。

●空戦
 サキュレント・エンブリオは、衝撃で高度を落とし始めている。
 中層の建物に飛び降りつつ、道弘はその異形を改めて観察していた。
「しかし、本当に妙な形状してやがるなぁ。植物か生物か──」
「気味の悪い敵ですよね。中に入ってるのは何なんでしょう……?」
 恭介も、ビル間の欄干に降り立ちながら、声を零す。
 大きな花弁は、その中身をはっきりと窺えない。敵自身もただ、ゆらゆらと蠢いてみせるばかりだった。
 エトヴィンは息をつくと、日本刀“数打ち”を携える。
「ま、煮ても焼いても食えなさそうだし。お早めにご退場頂くだけかねえ」
「そうだな。何であれ、侵攻を許すわけにゃいかねぇからな。ちゃっちゃと片付けるぜ!」
 頷いた道弘は、黒板を思わせる深緑の翼で風を掃き、豪速で接近。花弁の一片を蹴り飛ばしてゆく。
 敵は更に高度を落としつつも、反撃しようと根を伸ばしてきた。が、ギルフォードは退かず、フック付きロープでビルを支点に旋回。楽しむかのように根を縫って跳び、眼前に躍り出た。
「遅えよ。ちんたらやってたら、全部切り落としちまうぜ」
 瞬間、日本刀“黒刃 明王”を抜き放ち、回転力をつけた斬撃で花弁の一つを斬り飛ばす。
 巨花が空中を後退すると、恭介はそれを追って建物間をジャンプで渡っていた。
「がんばれ! がんばるんだ安田さん!」
 と、恭介が振り向くのは、テレビウムの安田さんがビル間の移動に若干手間取っているからだ。ただ、それでも安田さんは文句一つ浮かべず、機敏に跳び、走り、頑張って追いついてきていた。
 恭介が魔弾を発射すると、敵は前衛に根を飛ばしてくる。が、安田さんはそこにもジャンプし、攻撃役のダメージをかばっていた。
 時を同じく、ムスタファも攻撃の動線に何かを投げつけている。
 箱ごと空中へ放たれたそれは、ボクスドラゴンのカマルだ。
「悪い。後でいい餌買ってやるから」
 その主の声に反応を示す間もなく、カマルは根に激突。そのまま盾となって仲間へのダメージを肩代わりしていた。
 この隙に、ムスタファはダブルジャンプで一段上のビルへ移動。治癒の雨を降らせて即座に皆を癒やしていく。
 同時にアイリスも、オウガメタルを流動。きらきらと煌めく光を一帯に展開することで、前衛のダメージを回復させながら、その感覚をも研ぎ澄ませていた。
「うん、これで治療は大丈夫だよ! 攻撃はお願い、お願い!」
「──御意」
 短く応えた影二は、直刀“天舞”を抜刀しながら敵と同高度まで飛び降りている。
 巨花は根で撃墜しようとするが、その動きを読んでいた影二は、建物の壁を蹴った反動でそれを回避。着地した立体駐車場から一段上のマンションへと跳んで翻弄し、敵が反応出来ぬうちに頭上を取って連続剣撃を喰らわせていた。
「試みることが有らば、今の内に」
「うん」
 頷いた愛奈は、地面すれすれから飛び上がり敵の下部に肉迫している。
 以前の戦いの情報から、根が触角に似た器官の役を果たしていると推理。その破壊を試みようとしたのだ。
「うまくいくかどうか分からないけど──悩むくらいなら!」
 無数の根が邪魔をするが、愛奈は迷わずに切り込んで根元を斧で抉る。
 攻撃は命中。ただ、それによる明らかな弱体化は実感できなかった。
「効果がないのかな──」
「植物だし、何よりそれ以上の異形だからね。個体差はあるのかも知れないよ」
 エトヴィンは言いつつも、焦りも怯みも見せず。高度を上げる敵へ接近していく。
 看板を蹴ってビルに上がり、別のビルの非常階段へ跳ぶとそこから勢いを殺さず隣の屋上へ。パルクールのように身軽な動きで距離を詰めると、そのまま敵の頭上へ跳んだ。
「よいしょー!」
 宙で一回転し、繰り出すのは直下への刺突。刃に雷光を宿した一撃は深々と突き刺さり、巨花を地面にまで落としていた。

●暴戦
 建物の間で、サキュレント・エンブリオは一瞬だけ静まっていた。
 だが、まだ絶命したわけではない。直後には怒るように蠢き出し、ビル群をなぎ倒しながら侵攻を開始していた。
 ギルフォードは崩れ行くビルを跳び移りつつ声を投げる。
「気をつけろ。足場がどんどんなくなっていくぞ」
「うぅ、こうなるとむしろ……移動が疲れる……っ」
 恭介もまた、安田さんとともに一度敵から間合いを取るように移動していた。その間も巨花は根を四方に飛ばし、進路上の建物を紙くずのように壊していく。
「う~ん、迷惑な根っこ。地面に根付けよ……」
 呟きつつ、恭介も見ているばかりではない。即座に反撃に移り、髪の花を射出することで少しでも動きを押し留めていた。
 敵の高度は変わらず低い。影二はその機を逃さず、電柱を飛び石のように足場にして、巨花へ肉迫している。
「挟み撃ちと致そう」
「ああ、なら俺がやってやる」
 応えたのは傾いた屋上を蹴って敵の上部に跳んだギルフォード。瞬間、ギルフォードは投げナイフ“マルチタスク”へ強い毒属性を付加し、投擲していた。
 その技は『不浄なる凶爪』。鋭い一閃が突き刺さると、同時に影二も跳躍。宙で刀を舞わせ、巨花の花弁を縦横に切り刻んでいく。
 それでも進行しようとする敵へ、ムスタファは低層の建物の上に立って、正面から対峙した。
「それ以上はさせんよ。行くと言うなら俺をまず殺せよ、化け物」
 巨花はそれに応じるかのように、ムスタファを中心とした前衛にビルをなぎ倒して来る。
 が、ムスタファはカマルとともに防御態勢を取り、瓦礫の雨を受けきってみせた。直後には治癒効果の雨滴で、砂塵を溶かすように消滅させている。
 それでも残ったダメージには、アイリスが歌を響かせていた。
「待っててね、今、元気にしてみせるから」
 空に昇るのは朗らかな声音。それが皆の魂までもを震わせるように、癒やしを運んで体力を限界まで回復させていく。
「これで大丈夫だよ!」
「じゃあ、反撃は任せてね!」
 声を返して空を翔けるのは、愛奈。敵は連撃を狙って別のビルに根を伸ばそうとしているが、愛奈はそれよりも早く旋回し、接近。勢いのままに斧を振るい、通り過ぎざまに花弁を数片断ち切っていた。
 巨花はわななくと、間合いを取ろうとして浮上を始める。
 だがエトヴィンはそれを許さず、階段のように建物の屋上を駆けあがり上方へ。鋭い猛り声の『狼吼』を響かせていた。
「──!」
 つんざく咆哮は巨花すら怯ませるようにその動作を一瞬止める。
「さて、今のうちに頼むよ」
「ああ。あとは引き受けた」
 継いで、エトヴィンに入れ替わるように疾駆するのは道弘だった。速度をつけて建物から跳び、そのまま翼を広げて滑空。高速で接近しながら、大槌を構えている。
「一撃、でかいのを喰らわせてやるよ」
 敵は抵抗しようと根を飛ばしてきた。が、道弘はそれをもまとめて殴り飛ばすように、大振りの一撃。槌で苛烈な殴打を加え、敵を再び地に落としていた。

●決着
 サキュレント・エンブリオは先刻とは異なり、明らかに弱った様子を見せていた。
 ただ、それでもゆらゆらと浮かび、捉えどころのない動きで移動を続ける。
「まだ動くか。その巨体でどっからエネルギーが出てくるのか知りたいくらいだな」
 道弘は感心交じりに、工学的な興味も惹かれたように呟いていた。
 無論、このまま見逃す気もない。大きく息を吸うと、声音を雷撃にして飛ばした。
「破ァっ!」
 衝撃で巨花が揺らめくと、恭介もファミリアを解放。敵の全身に斬撃を叩き込ませている。
「このまま最後まで追い込みましょう」
「よし、じゃあ僕がいくよっ、と」
 応えたのは、エトヴィン。フックを利用し、ブランコのように遠心力を増して加速。速度をつけて刀での刺突を打ち込んでいた。
 間を置かず、愛奈も飛翔。敵の根を弧を描くような機動で回避すると、斧で横一閃に深い斬撃を喰らわせていく。
「まだ攻撃、来るよ!」
 愛奈が飛び退きながら言うと、ムスタファが飛んできた根を蹴り飛ばしている。
「全く。急所や崩せる場所がわかりにくい分、人型以外は苦手なのだがな」
 回転して着地したムスタファは、至近で敵を見据えて呟いた。
 それでも表情は変わらず、手首を鳴らしてみせる。
「まあ、それでも守ることに支障はない。詰まりは壊すことの逆だ」
 瞬間、弾丸のように飛来した根を、腕でガード。そのまま勢いを逸らして逆に肉迫し、強烈な前蹴りを叩き込んでいた。
 直後には、アイリスがトントンと爪先で地をたたき、金の小鳥を顕現させている。
「さあ、飛んでいってあげて! よろしく、よろしく!」
 その力は『羽の靴』。小鳥はひらりとムスタファへと飛来し、治癒の光を与えていった。
 満身創痍の敵へ、影二は隙を与えず迫っていく。
「今、此処こそ勝機──」
 刹那、繰り出すのは『葛葉流・螺旋虚影刃』。敵に相対した瞬間、螺旋状の気流に姿を消し、一瞬後に死角から鎌を振り上げていた。
「実は虚であり、虚は実……我が刃は影を舞う」
 神速の斬撃は巨花を切り裂く。
 同時にギルフォードも居合の構えで肉迫していた。
 戦うほどバトルジャンキーの血が騒ぎ、戦いを先延ばしにしたくもなっていた。それでもここは、確実に仕留める。
「悪い癖だ……。──サァ! 死ね!」
 瞬間、裂帛の一閃が直撃。サキュレント・エンブリオの命を切り裂いていった。

 ギルフォードは上に投げていた黒刃を鞘で受け、納刀していた。
 同時に着地した影二も、武装を解いて刃を収めている。
「……討伐完了」
「ああ。──ただ、敵もただではやられないようだな」
 言って見上げるのは道弘。その視線の先で、爆散したサキュレント・エンブリオが霧のようなものを遠くにまで撒いていた。
「飛んでいく胞子、かー。何とか、燃やせないかな」
 愛奈は言いながら、『ロストブレイズ』による炎を宙へ広げてみる。だが、その風圧に流されるように、胞子は遠くに消えていくばかりだった。
「うーん、ダメみたい」
「せめて、少しでも回収できればいいんですが……実験用に」
 と、声を零す恭介の試みも、うまくはいかない。すぐに拡散してしまったために、既に視認できるものは残っていなかった。
「ひとまずは、これで落着とするしかなさそうだね。……逃げ遅れた人もいないみたいだし、とりあえず作戦成功ってことでいいんじゃないかな」
 エトヴィンは見回しつつ言う。建物は崩れているが、被害はそれだけだった。
「そうだね! じゃあ建物だけ直そうか!」
 アイリスが言うと、皆は頷き修復作業。広くヒールをかけることで、幾ばくかの幻想の混じった町並みを取り戻させていた。
「さて帰るか、カマル……カマル?」
 ムスタファは見回して、先刻酷い扱いを受けていたカマルが拗ねているのを発見した。
「……」
 手を伸ばすも、カマルはぱたぱたと飛んでいく。ムスタファは暫し無表情で困っていたが、息をつくと、カマルを宥めるために歩き出していった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年6月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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