●女の子を弄びたい!
「オラァ! おっぱい揉ませろやぁ!」
不良の男子高生、真輝は、今日もいつものようにクラスの女子に襲いかかろうとする。
「おい真輝。何してんだよ!」
と、彼の前に立ちはだかるのは、女子の彼氏のクラスメート。
真輝を睨みつける目はまたいつものことかと思いつつ、彼女のことを考えて緩めない。
「ケッ!」
真輝はつまらなさそうにクラスメートの男子から視線をそらすと、人のいない旧校舎へと歩いていく。
「俺が本気になれば、あんな女一発で俺のものにしてやるのによ」
そして、やったこともなければ出来もしないことをつぶやきながら、大きな椅子にどっかりと座るのが、彼の日課となっていた。
「ついに見つけたわよ、不良。私が更生させてあげる」
そんなところに現れたのは、黒髪メガネで風紀委員のような姿の女子生徒。
「あんだとぉ?」
反骨心を煽るような台詞に、真輝は立ち上がり、女子生徒にガンを飛ばすと、
「……ふぅん。あなた、毎日のように女の子にちょっかいかけて、自分のものにしているんでしょ。許せないわ……!」
彼女は彼の心の中にある『理想の不良の姿』をズバリと言い当て、
「ほら、目の前に女の子がいるのよ。それとも、もう更生してしまったの?」
体と体がふれるくらいまで近づき、見上げるようにして挑発する。
「ああ。やってやるさ。お前も俺の女にしてやるぜ!」
真輝は少し戸惑いながらも、意を決して女子生徒に抱きつこうと大きく腕を広げ、
「そう。なら、私が手伝ってあげる」
女子生徒。ドリームイーター『イグザクトリィ』は、彼の胸に鍵を突き刺し、新たなドリームイーターを生み出すのだった。
●憧れの不良になりたい
「最近、各地の高校でドリームイーターが出現する事件が頻発しています」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、新たに起こっている事件に関してケルベロスたちに説明する。
「彼らは、高校生が持つ強い夢を奪って強力なドリームイーターを生み出しています。
今回狙われたのは、真輝という男子生徒で、あの手この手で女の子を弄ぶような不良になりたいという強い願望を持っています」
被害者から生み出されたドリームイーターは、強力な力を持つ。
「ですが、この夢の源泉である『不良への憧れ』を弱めるような説得ができれば、弱体化させる事が可能です」
例えば、不良になるのを諦めさせる説得でも良いし、不良そのものに嫌悪感を抱かせるようなものでも良いかもしれない。
「うまく弱体化させる事ができれば、戦闘を有利に進められるでしょう」
被害者から生まれたドリームイーターは、元々の被害者の願望に従って、女子生徒を探してあの手この手で弄び、自分のものにしようとするようだ。
「ですので、女子生徒を狙っているところを阻止するように動くことで、戦いに持ち込むことができるでしょう」
ケルベロスが現れると、ドリームイーターはケルベロスを優先して狙うため、その隙に女子生徒を避難させるといいだろう。
「ドリームイーターは、男性相手には物理的に相手を壊すような体術のような技で攻撃し、女性相手には手に持った鍵を突き刺すことで、精神的に惑わせる、疲弊させる様な攻撃を中心に繰り出してきます」
女性を守る男性を力で圧倒した上で、魅力的な何かで女性を参らせるつもりの戦い方らしい。
「被害者の男子生徒はそこまで悪い人ではないと思います」
不良に憧れてはいるが、どこかに良心が残っていて、自制していた面もあるのではないかとセリカは推測する。
「いずれにしても、このまま放っておくといい方向には向かいませんので、正しく指導してあげてください」
参加者 | |
---|---|
シェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122) |
シェイ・ルゥ(虚空を彷徨う拳・e01447) |
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921) |
水瀬・和奏(火力系女子・e34101) |
キアラ・エスタリン(導く光の胡蝶・e36085) |
浅葱・マダラ(光放つ蝶の騎士・e37965) |
琥玖蘭・祀璃(サキュバスのブラックウィザード・e44204) |
カンナ・リンドブルム(薄氷の棘・e55590) |
●諭す、惚気る、嫌悪する
「ちょ、ちょっと待って! やめて!」
普段は誰も立ち入ることのない旧校舎の一室。
女生徒の悲鳴を聞きつけたケルベロス達は部屋の中へと乱入する。
「早くこちらへ! 後は私達に任せて」
水瀬・和奏(火力系女子・e34101)は、悲鳴の主に逃げるように促し、
「他には……誰か居る?」
学生気分に憧れを持ち、せっかくだからとセーラー服に身を包んだアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)は、他に被害者がいないか確認する。
「んだぁ? 邪魔するなら容赦しねえぞ!」
そんな2人に、ドリームイーターの男は大声で恫喝しながら迫った。
「まあ落ち着け」
そんな彼女達を庇うように、シェリアク・シュテルン(エターナル主夫・e01122)は、
「後輩よ、よく聞け。我々にとっての『理想の不良』とはな、女にとっての『理想の王子様』ではないのだ……残念ながらな」
いろいろな意味での先輩として、その姿では欲するものは手に入らないと語る。
「男に惚れられても、女にはモテない。どんなに力を持ったところで、モテるモテないは関係無いのだ、関係ないったらないのだ」
哀愁を感じさせ、非常に現実味のあるその言葉に、男は毒気を抜かれ、
「……で、だから何だっていうんスか?」
先輩に対する言葉遣いで問いかける。
「女性を敵に回したらお終い。ということだ。敵に回すと……怖いぞ?」
シェリアクは自分の様々な体験から得た感情をこめて、男にそう教え、
「女性を敵に回すとな、あらゆる手段で攻撃してくる……、反撃など無意味。男にできるのはその軍門に降ることだけなのだ……」
最大限の危機感をもって警告を発した。彼の将来のために。
「……はぁ? 何言ってんだかわけわかんねーよ。攻撃させなきゃいいんだろーが!」
だが、男はその想いを理解できなかったようで、
「とりあえず、お前から気持ちよく鳴かせてやるぜ!」
本能に任せてキアラ・エスタリン(導く光の胡蝶・e36085)に手を伸ばす。
「ちょっと。人の彼女に、品のないこと言わないでくれないかな」
だが、浅葱・マダラ(光放つ蝶の騎士・e37965)がその手を払いのけ、
「素敵ですよ、マダラ君」
キアラは強気な態度で男を睨みつけながら、マダラの腕にぎゅっと抱き着いた。
「……」
男はマダラに視線を移し、その容姿を見つめ、
「……俺? こんなカッコだけど、男だよ。そんで、この子の彼氏」
疑問をぶつける前にマダラはそう答えてキアラの手を取り、軽くハグしながら自慢げに笑みを浮かべる。
「見てください、身を挺して女の子を守る男の子の姿、カッコよくて素敵でしょう?」
キアラもマダラのことを自慢するように抱き着く腕に力をこめて、
「対してあなたはどうでしょう? 女の子を困らせる格好の悪い悪の姿。不良なんてカッコ悪くて迷惑なだけです。マダラ君のように紳士的で女の子を守れる男性を目指した方がカッコいいしモテますよ?」
矢継ぎ早に男の姿をけなし、マダラとのいちゃいちゃぶりを余すところなく見せつけ、
「――ま、あんたがこんなカッコした男よりモテないのは、確かってコトかなー?」
マダラもキアラを抱きしめ、甘い言葉を耳元に囁いて、幸せな姿を男にたっぷりと見せつけた。
「けっ。なら今から俺が、その仲をめちゃくちゃにしてやんよ」
男は自信満々な表情でマダラの顔に拳を一発叩き込み、
「ひがんでると、余計にかっこ悪いよ?」
マダラはキアラを庇いつつ、不意打ちしてきた男を罵った。
「……反吐が出ますね」
その立ち振る舞いや思考を見るたび、カンナ・リンドブルム(薄氷の棘・e55590)は男に強い嫌悪の気持ちを持つ。
(「アレと同じ香りがします。女性を力ずくで蹂躙し、自尊心を満たそうとするあたりがそっくりです……」)
今すぐにでも壊してやりたい。
そんな気持ちを芽生えさせながらも、カンナは仲間たちの説得を遠巻きに見つめることにした。
●理想と現実
「おやぁ? マダラ君。その可愛い女の子、彼女なのぉ?」
リア充対ぼっちの争いが激しくなりそうな所へ、琥玖蘭・祀璃(サキュバスのブラックウィザード・e44204)が割って入る。
「後でお姉さんに紹介しなさいねぇ」
祀璃はそういいながらドリームイーターの男の前に立ち、にこっと微笑むと、
「あなたが憧れているっていうその不良のイメージ、女の子に迷惑かけてるだけよねぇ? 自分の魅力を見せようともせず、自分が好きなように弄びたいっていうのならお人形遊びでもしていた方がマシじゃない?」
小首を傾げて同意を求めるように問いかける。
「そもそも、本気でやろうともしてないんでしょう? 悪ふざけですむレベルにしてるんだしぃ?」
実際にやりたかったことは、そうやって悪ふざけしたがっただけなんじゃないか。
祀璃は男の建前と本音の隙間に言葉を突き立て、
「本気でやるって言うなら……その熱意をもっとマシな方向に向けたら、少しは振り向いてくれる女の子も居るんじゃないかしらぁ?」
「マシな方向ってなんだよ。知った風に!」
彼女の言葉に惹かれ、思考を傾けていた男だが、最終的には祀璃の言葉を無理やりかき消すように叫び、否定する。
「女の子にモテたいんだよね? 分かるよ、キミくらいの歳の男子はみんなそうさ」
感情的になる男に、シェイ・ルゥ(虚空を彷徨う拳・e01447)は、彼が求めているであろう『目的』を明確にして、
「でも、不良になってもモテる事ができるのはほんの一握りだけだよ。それよりキミは別のアプローチをした方がモテるんじゃないかな?」
自分の魅力を見つめなおして、たとえばクラスで盛り上げる役などはどうだろうかと提案すると、
「んー、でもなぁ……」
男はそういう自分の姿と、理想とする自分の姿との間で悩み始めた。
「暴力的に脅されて相手に好意を抱く女性なんて滅多にいなくてよ」
アウレリアはそんな男を理想の姿から引き離そうとシェイの言葉に続け、
「心からの愛が欲しければ正面から相手に好かれる男になりなさい。愛し愛される幸せはとても素晴らしいものよ」
そう言いながら、ビハインドのアルベルトをそばに呼び寄せ、
「彼、うちの夫ですの」
彼を亡くした夫に見立てると、彼がどんなにすばらしい男性であるか、自分がどうやって恋に落ちたか。
そしてどのように付き合い、結ばれ、どんな新婚生活を過ごしていたのか……。
スイーツ大好きな女性すらドン引きしてしまうほどの甘い甘いのろけ話を延々と何度も繰り返し語り続ける。
「そこで彼は……って聞いているのかしら?」
彼女の語りが軽く10分を超えた頃、耐え切れなくなった男は彼女から視線を外して逃げるように距離を取る。
「あっ……」
そして、その先にいた和奏と目が合い、
「来ないでください!」
近づこうとする男に和奏は強い拒絶の言葉を投げかけながら、素早く後ずさる。
「もしかして、ワルな俺カッコいい、だから女の子も寄ってくるはず……とか思ってません? ……勘違いも甚だしいですよ?」
自分の身を守るように両腕で体をガードしながら、じりじりっと後ろに下がりつつ、
「百歩譲ってワルっぽい雰囲気の人に惹かれることはあっても、正真正銘の不良じゃ怖がって見向きもしませんって」
和奏は怯えた顔で男との距離を広げていく。
「……元のあなたのように、親しみやすい、愉快な人でいた方が女の子も寄ってくると思いますけど……」
「なら、本当にそうか、試してやるぜ! 可愛く鳴かせてやるよ!」
そして、元の自分に戻って欲しいと説得するが、それを遮るように男は和奏に襲いかかった。
●怒りの矛先
「さっき言ってたことと違うじゃねえか?」
和奏を組み伏せて抑え込んだドリームイーターは、言葉で追い詰めようと追撃する。
「そ、そんな事ありません」
和奏は力強く言いながらも、少しずつ思考にもやがかかるようになり、
「ほら、そういうのはダメですって」
男の手が自分の体に触れるたび、顔を赤くして恥じらい、
「……な、何して……やめ……!」
調子に乗った男が和奏を蹂躙しようとする手を振りほどこうともがく。
「んっ……!! お願い!」
何とかアームドフォートの銃口を突きつけ、零距離射撃で反撃することで男の手から逃れた和奏だが、一息つく間もなく男は和奏に迫る。
「こ、これ以上何かするというのなら、避けてみてください……」
和奏はとっさに弾丸を生成して男に撃ち込む。
「こんなもの!」
男はその弾丸を避け、和奏に近づこうとする。
「『全て』避けられるのであれば、ですけど……!」
しかし、その隙に和奏はありとあらゆる方向から男へ飛んでくるように見える幻影の弾丸を打ち込み、男が回避に集中した隙に間合いを取ってようやく一息ついた。
「幾重にも重なりし色の果て、黒き影より紡ぐは万色の衣。今こそここに現れよ!」
和奏の乱された服の上に、シェリアクは鮮やかな色の衣装を被せる様に着付け、
「忠告はしたぞ。女はマジで強い、気をつけろ。我の身内にもいる。怒らせたら……終わりだ」
ドリームイーターに向けて鉄塊剣を思いっ切り振り下ろしながら、
「あとな、デウスエクスになるとおそらくエロはいらなくなるぞ。基本死なないからな」
彼のためを思い、女性に手を出さないように誘導させつつ矛先を自分に向けさせた。
「ちっ!」
少し距離の離れた位置にいたドリームイーターはシェリアクに向けて駆け出すが、彼は氷の弾丸と炎を纏った溶岩で男の足元を次々と崩し、間合いを詰めさせないように攻撃を繰り返す。
「くそっ、ちょこまかうるさいんだよ!」
ドリームイーターは逃げながら攻撃してくるシェリアクから矛先を手近なシェイに変え、肩に体重を乗せた強烈なタックルで激しく吹き飛ばす。
「不良に壊されるほど、柔な身体はしていないつもりだよ」
シェイはこの程度では倒れるはずがないと、余裕の表情でドリームイーターを睨み、
「上等だ! ぶっ倒してやる!」
粋がる男と喧嘩をするかのように殴り合う。
「はっ。その程度か少年」
シェイは歯を食いしばって全力で殴りかかる少年を飄々とかわし、その拳で顔面を叩いて上半身を起こし、刃のような回し蹴りで膝を払い、
「南海の朱雀よ、焔を纏い敵を穿て」
その拳に焔を纏い、神速の一撃を放つ。
朱雀の加護を帯びた焔が男の体で激しく燃え盛り、飲み込む様に包み込む。
「まだまだぁ!」
だが、ドリームイーターは苦痛に顔をゆがめながらも力づくで殴り返し、
「ぐっ……」
シェイはその力に押し切られるように地面に叩きつけられた。
●そして弄ばれ……
「今癒します。蒼の抱擁にて、再び立ち上がる力を!」
キアラはシェイを蒼く優しい光で包み、抱擁するようなにして彼に加護を与える。
「ほらほら、まず男を倒すんでしょ? 俺をやっつけなきゃ、キアラはフリーにはならないよ!」
蒼い光を光の翼から放ったキアラに視線を向けたドリームイーターをマダラは挑発する。
(「俺は男女どちらにみられるのだろう? もし女性と思われて変なことされたら……」)
外見はよく女性と間違われるマダラは内心そんな心配をしていたが、男は彼女とのろけて自慢していた彼を1人の男とみなし、力強く殴りかかってくる。
「そんなもんでよく力づくだなんて言えるね?」
マダラは自分を男性と認識してくれた敵にある種感謝しつつ、
「ほらほら、こっちだよ……!」
自身の血から生み出した、無数の赤黒い炎のような蝶が、意識的にドリームイーターの視界を遮って集中を削ぐことで隙を作り、
「私は絶対に、貴方なんかに屈しませんっ」
彼の後ろからキアラが得物を振るい、男の手足を串刺しにした。
「人が不良を美化するのは何故なのかしら」
アウレリアはドリームイーターの背後に音もなく現れ、
「ヒト以外の不良と名の付くものなんてジャンクかスクラップでしょうに」
死角から耳元でそう囁いて嘲笑しながら、星型のオーラで彼の服を1枚、2枚と吹き飛ばしていく。
「なかなかいい姿になりましたね」
ワルっぽく決めていた服をズタボロにしたアウレリアは満足げに微笑み、
「さぁ、共に踊りましょう。死出の舞踏を……」
腕を絡めて組み付くと、ワルツを踊るかのように優雅な動きで男をリードして、銃口を押し当てて弾丸を叩き込む。
その動きに呼応して、アルベルトも男を攻め立て、一気に抵抗する力を奪っていった。
「Summon-Call! Necro-Blaze-Kerberos!」
続けて祀璃は三つ首の魔狼を思わせる人造モンスターを召喚し、両腕と首に噛みつかせ、磔にされた人のように吊り上げる。
「このままでも終わるでしょうけれどぉ……」
祀璃はこのままとどめを刺そうと思ったが、ちらっとカンナの方を振り返り、
「後は任せたわぁ。言いたいこともあるんでしょぉ?」
男をじっと睨んでいたカンナに最後の一撃を譲った。
「貴方は弄ばれた経験がないから憧れられるのです……」
カンナは自らの過去の記憶を思い出しながら、
「今なら解りますよね? 鎖に繋がれ、自由を奪われ……」
女性を力ずくで蹂躙し、自尊心を満たそうとしていた男の四肢にブラックスライムを絡めて動けなくする。
「弄ばれるのは別に女性だけではありませんよ……?」
さらに男を追い詰めるように囁きながら、ギリギリ急所を外して踏みつけ、
「さぁ……弄んで差し上げましょう?」
感情のこもった暗い笑みを浮かべ、気の済むまで『説得』するのだった。
「もうじばげございまぜぇん!」
目を覚ました真輝が最初に口にした言葉は、涙を流しながらのカンナへの謝罪。
ドリームイーターへの説得が、男の心を入れ替えさせたのだ。
「言っただろう? 女性は怖いと。……できることがあれば協力するぞ」
シェリアクはそんな真輝に苦笑いしながらぽんと肩を叩き、
「いいかい? 女の子にモテるにはね……」
シェイは反対側から男子高校生にとって垂涎の必勝法を授けていた……その真贋は神のみぞ知る所だが。
「……マダラ君」
戦いが終わり、緊張の糸が途切れたキアラは、恐怖感に襲い掛かられ、目に涙をためながらマダラの背中にしがみつく。
「大丈夫。俺はいつでもキアラのそばにいるよ」
マダラはそんな彼女の手をそっと握って、優しく笑いかけた。
「青春だねぇー?」
「マダラ君も隅に置けないわねぇ」
そんな様子を暖かく見つめるシェイと祀璃の視線に、2人は恥ずかしそうに照れる。
真輝はカンナに平謝りしながら、ある種の好意をもって近寄るが、カンナは彼への嫌悪を残しながら、
「多少はましになったことを期待しますよ。先程までの真輝さんに戻るなら、次は容赦しませんから」
ジト目でそう告げると、真輝はもう二度と女性を弄ぼうなどと考えないと強く強く誓うのだった。
作者:きゅう |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2018年5月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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