んっ……キスしていい?

作者:きゅう

●ひとつに、なりましょう?
 日本屈指の巨大な都市、大阪。
 そんな街に数ある繁華街のその一つ。
 今日も賑やかな人々の声が途切れること無く耳の中を突き抜けていく。
「……ぁー」
 そんな中、一人の男が酔っ払った体を引きずるように駅に向かって歩いていた。
 年の頃は30半ばくらいだろうか。
 あまり女性に縁のなさそうな容姿のその男は、周囲を歩く女性に視線を向け、
「……」
 その女性から蔑みの視線を返されて、脇を通り過ぎていく。
 彼にとっては珍しいことではないし、この街でもいつでも起こる光景だ。
 それを気に留めるものなど、本人も含めて誰もいなかった。
「おにーさんっ。いいことしよ?」
 だから、そう女性に声をかけられた男は、ちょっと驚き、同時に警戒する。
 ――自分に声を掛ける女性は、何かしらの下心を持っているに違いない。
 顔を上げた男の前に立つ声の主は、清楚な雰囲気を持つ黒髪の女性。
 ただ、顔から下に視線を移すと、その服装は露出が非常に高く、清楚さの欠片も無い。
 まるで草花で僅かに隠しただけの姿は、明らかに怪しい雰囲気であった。
 ただ、それでも、女性に縁のない男には、彼女が絶世の美女に見えた。
 この女性となら、後で多少の金銭を要求されても構わない。
 彼はそう思い、彼女の誘惑に誘われるまま、人目の少ない裏路地へと連れ込まれる。
「私と、一緒になりましょう?」
 その言葉に男は興奮を高め、
「……キスしていい?」
 顔をゆっくり近づけてくる女性に答え、差し出される舌を受け止め、絡めて……。
「!!!!!」
 ツタの様な植物に体の内側から貫かれ、新たな攻性植物の宿主とされてしまうのだった。

●攻性植物の繁殖を止めろ
「というような事件が、ここのところ頻発しています」
 大阪市内で続発する攻性植物による被害。
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)はいくつかの例を挙げ、その状況を説明する。
「爆殖核爆砕戦で大阪城周辺に抑え込んでいた攻性植物たちが動き出したと見ていいでしょう」
 その動きは大規模な侵攻ではない。
 だが、このままの動きが続くと、大阪市内から人が離れていき、彼らは拠点を拡大するだろう。
「そうなると、徐々にですが好ましくない状況へと進んでいくことでしょう」
 それを防ぐため、まずは敵の侵攻を防がなくてはならない。
「今回現れるのは女性型の攻性植物で、深夜の繁華街で酔っぱらった男性を誘惑し、攻性植物化させようとしているようです」
 あからさまに怪しい姿をしているため、普通の男はまず引っかからないようだ。
 だが、繁華街という場所で、女性に縁のないタイプの男性が酔っ払っている。
 このくらいの条件がそろうことで、時々引っかかった男がその体を奪われるのだ。
 ここには沢山の人が居るため、事前に男を避難させた場合、敵は他の獲物に狙いを変えるため、被害を防ぐことはできない。
「ですが、襲われる直前に接触して、男が誘惑を振り切れる様に仕向ける事ができれば、男性が被害に遭わず、相手を捉えることができるでしょう」
 この作戦の場合、長い時間接触することはできないため、短い時間でどうやって男にアプローチするかが重要となるだろう。
「攻性植物は戦闘になると、じわじわと相手を弱らせる戦い方をするようです」
 花の香が思考を鈍らせ、手足から伸びるツタが体の動きを鈍らせる戦い方が基本のようだ。
「また、口から吐き出す小さな花粉のような粒子を放って感覚を鈍らせて、捕まえた相手に口づけして内部に植物を寄生させてとどめを刺しに来ます」
 一般人とは違い、ケルベロスはその攻撃で寄生されてしまうことはない。
 だが、当てづらい攻撃である分、受けた場合のダメージは馬鹿にならないだろう。
「一つ一つの攻撃に対処することもできますし、相手がとどめを刺しに来たところで耐えて、一気に反撃する手段も有効かと思います」
 なお、被害に遭う男性が誘惑を振り切れなかった場合、攻性植物に寄生されて配下として戦闘に加わるようだ。
「そうなってしまうと対応が難しくなってしまいますが、攻性植物の撃破を優先してください」
 今はまだ平穏な大阪の街だが、ゆっくりと、確実に侵略の手は伸びてきている。
「賑やかな街を守るために、ご協力お願いします」
 そして、被害者の男性に願わくば幸せを。
 セリカはそう言って、ケルベロスたちに後を託すのだった。


参加者
ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)
ロスヴィータ・クロイツァー(官能の導き手・e00660)
エルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216)
機理原・真理(フォートレスガール・e08508)
マルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685)
彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)
那磁霧・摩琴(シャドウエルフのガンスリンガー・e42383)
リアナ・ディミニ(謎のシンガー歌手ベロス・e44765)

■リプレイ

●男を奪い取れ!
 夜の大阪の街。
 ケルベロス達は繁華街の雑踏の中に紛れ、酔っ払いながら歩く男を尾行する。
 気配を消し、男に近づく那磁霧・摩琴(シャドウエルフのガンスリンガー・e42383)は、
(「攻性植物って生存戦略すごいね。非モテ男子狙うとか……それも美人局で!」)
 冴えないその男の姿を観察して、予知された末路に同情する。
「あっ」
 そこへ彼に狙いを定めた美人局が路地裏から現れ、
「目標が出て来たよ」
 摩琴は仲間にサインを出して作戦の開始を合図した。
「おにーさんっ、い……」
「お兄さん、私とじっくり遊ばないかしらん?」
 男の前方から声をかけようとする女性の声が、背後からの妖艶な声でかき消される。
 男はその誘いに足を止め、振り返り、
「……!!」
 セクシーなドレスの女性が胸を揺らしながら近づく姿に、ごくりとつばを飲み込んだ。
 ただ歩く姿ですら色気を感じさせるロスヴィータ・クロイツァー(官能の導き手・e00660)は、
「ほら、ほらぁ」
 男の胸元に顔を寄せてその大きな胸を押し付け、
「ぁっ……」
 呆気にとられる男を上目遣いで見つめながら顔を近づけ、唇をついばむ様に奪って、
「ふふぅん」
 背中をなでるように抱きしめた。
「……あら。お嬢ちゃん。何をしようとしていたのかしら」
 そして、男の肩ごしに女性を見つめ、たかが草の分際が誘惑でサキュバスに勝とうなんて甘いとばかりに勝者の笑みを浮かべる。
「まってよおにーさんっ。そんなおばさんなんかじゃなくて……」
 女性も負けじとロスヴィータをけなしながら、男を奪い取ろうとする。
「あらぁ。お子ちゃまは必死ねん。でも……」
 ロスヴィータはその言葉に苦笑しながら、男を彼女の後ろにいる若い女性に預けた。
「若さの勝負ならあたしもまけないからねぇ」
 男を受け取った彩葉・戀(蒼き彗星・e41638)はそう言うと、
「おにーさんは、どんな容姿の相手が好みなのかしらねぇ? あたしのような見た目幼く見える合法な相手が好きかしらぁ?」
 かつて邪恋のキューピットという異名で浮名を欲しいままにしていた戀は、
「ふぅん……」
 男の表情を値踏みして、直接的な誘惑にあっさり流されそうになっていると判断し、
「こういうのは、どうかしらぁ……?」
 巫術服を大胆に着崩し、どんどんと露出を高めていく。
 見えそうで見えないラインで体を見せつけ、視覚に訴え続けるていく色仕掛けに、
「ぁぁ……もっと……見せて……」
 男は釘付けとなり、ずぶずぶと深みにはまっていくのだった。
「おっと……」
 だが、戀は思わず着崩しすぎて、腰帯を落として服がすとんと落ちてしまいそうになる。
「みせられないよ!」
 そんなこともあるかもしれないと危惧していたエルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216)が、すかさず透明化したサキュバスミストで戀を包み、磨りガラスの向こうのようにぼかした姿で彼女を守り抜く。
「で、何この虫除け菊?」
 そして、必死に声を出して男を振り向かせようとしていた花を纏った女性を睨みつけ、
「虫除け菊ならあっちで蚊でも落としててよ」
 しっしっと追い払うように手を払って、ロスヴィータたちのサポートを続けた。
「私の出る幕はなさそうですね」
 男が攻性植物の誘いにのりそうであれば、彼に自信を持たせて振り切るのを手伝おうと考えていた機理原・真理(フォートレスガール・e08508)は、
「ならば私のすべきことは……」
 そう呟いて、右手で蠢く自らの武器、『白の純潔』に目を落とし、同じ名前を与えられている女に敵意を膨らませる。
「真理。顔が怖いよ。笑顔」
 そんな彼女の気持ちを察した恋人のマルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685)は、体を寄せて肩を優しくなぞる。
「んっ。ありがとうございます。マリー」
 真理は最愛の恋人の心配そうな感情に平常心を取り戻し、
「そろそろ男の人の酔いをさます。戦いはそれから」
 マルレーネはそう言いながら、サキュバスミストを男の周囲に放出する。
「……ぁんま、変わった気、しなぃ」
 男の酔いはさめたようだったが、ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214)から見た彼は、相変わらず幸せそうな快楽エネルギーに満ち溢れており、
(「ぃじめたぃ。かも」)
 ラトゥーニは男のことがちょっとだけ、甘いお菓子のように思えた。
「それだけ2人の誘惑の手管が鮮やかだということだね……逆ナンってあんな感じでするといいんだ……」
 摩琴は男を奪い取る……もとい、守り切ったロスヴィータと戀の動きを、自分が男性を誘うときのための参考にしようと目に焼き付ける。
「ごめんなさい。こちらの男性は私達がいただきますね」
 リアナ・ディミニ(謎のシンガー歌手ベロス・e44765)は路地裏に逃げようとしていた女性を追いかけ、
「あなたには、私の拳を刻み込んであげます」
 早く戦いたくて仕方ないという感じで、襲いかかった。

●女の嫉妬は見苦しく
「あああああああああああっ!」
 作戦を完全に叩き潰された女性は、正体を隠さずリアナの手足に植物を絡みつかせる。
「ヒステリーは見苦しいですよ」
 リアナは絡んだ植物に締め付けられないように最低限外しつつ、
「サキュバスである私達の力を見誤ったのが、貴方の敗因です」
 間合いを詰める勢いを乗せた拳で攻性植物の胸を強打し、すぐに間合いを取る。
「親愛なる仲間たちに期待を、希望を掴む集中力を。香れフォーサイシア!」
 リアナが離れると同時に攻性植物に近づいた摩琴は、彼女の注意を惹きながらガンベルトに備え付けられている薬瓶を投げ割り、その薬効で仲間たちの集中力を高め、
「グイっとイくわよん♪」
 その後ろからロスヴィータが鎖を投げつけ、攻性植物の四肢を雁字搦めにする。
 たゆん。と揺れる彼女の胸に先ほどのことを思い出した攻性植物は、
「おまえさえいなければっ!」
 苦々しく叫びながらロスヴィータを狙おうとするが、
「それ以上はやらせないよ!」
 摩琴がカバーに入って彼女の蔦を手で鷲掴みにする。
「これがアナタの黒歴史、ってねん」
 その間にロスヴィータはトラウマボールを投げつける。
「おのれ! おのれーーーっ!」
 彼女はは先程の敗北がトラウマらしく、ロスヴィータに殺意をこめた叫びを繰り返す。
「そーれ、たっぷり味わいなさい? ~♪」
 ロスヴィータは妖艶な笑みで迎え撃ち、無数のハートマークを弾丸として打ち出すと、
「まけないっ、負けたくない……!」
 攻性植物の全身を痺れさせ、彼女の悔しそうな声が震え声になりながら響き渡る。
「摩琴さん、変わります」
 真理はやけくそ気味に暴れまわる攻性植物の対応に手を焼き始めた摩琴に声をかけると、
「今度は私が相手です」
 攻撃をするライドキャリバーのプライド・ワンとマルレーネを守るように立ちはだかる。
「マリー。合わせられますか?」
「いつでもいいよ」
 プライド・ワンの突撃にバランスを崩した攻性植物に向けて、真理とマルレーネはそれぞれ攻性植物を伸ばし、お互いの武器を敵の体で絡み合わせ、カモミールの花の香りでほのかに包みこむ。
「マリー! 危ない!」
 次の瞬間、真理は敵の反撃を察知して、マルレーネを抱きしめるようにして庇い、
「エルネスタ。真理が危ない」
 摩琴はすかさず前に出ながら、エルネスタに声をかけてヒールしてほしいと頼んだ。
「わかったよ。おかーさん、ちょっと待っててね」
 敵に執拗に付け狙われたロスヴィータをヒールしていたエルネスタは、
「頑張ってだよう」
 真理に向けて癒しの力を放つ。
「こっち向きなさいよ!」
 摩琴は必死に敵の挑発するが、敵は真理に花粉を放ちながら手足に蔦を絡め、離そうとはしなかった。
「那磁霧、さん。だいじょうぶ、です」
 事前の作戦通りに勝負を決めるため、締め付けられながらも気丈に振る舞う真理に、
「わかったわ。無理しないでね」
 摩琴は頷いて、彼女に相手の行動パターンを読んで伝えることに集中した。

●ヤキモチは我慢できない!
 攻性植物に絡みつかれた真理は、徐々に抵抗する力が弱まっていき、
「ん……っ」
 くすぐるように撫でられ、四肢を操られ、力強く抱き寄せられる。
「ぃ……ゃ」
 真理はなんとか抵抗しようと唇を左右に振るが、
「いっしょに、なりましょう?」
 顔を押さえこまれ、攻性植物の唇がゆっくりと重なり……。
「真理にキスしていいのは私だけー!!」
 そんな姿を目の前で見せつけられた恋人、マルレーネが作戦とはわかっていても我慢できなくなって、攻性植物を引き剥がそうと迫り、思いっきり蹴り飛ばす。
 だが、攻性植物はバランスを崩して唇が離れたものの、四肢を絡め取られた真理ごと吹っ飛んでいき、再び唇を重ねようとして、
「ぃってこーぃ」
 それまでのんびりとお菓子をつまみながら、戦局を見極めていたラトゥーニが、無造作にミミックのリリを放り投げる。
 リリは必死に頑張って加速して、攻性植物の唇めがけて全力で体当たりをかまし、
「ちゅっ……」
 同時に彼女の口づけを受け、口の中を植物まみれにされながら吹き飛ばされ、ご主人様の足元に目を回しながら転がる。
「んっ、ぇらぃぇらぃ。きもちぃぃ?」
 ラトゥーニは箱から草が生えて新種のミミックのような姿になったリリをそっと撫でると、
「……もっかぃ、ぃってこーぃ」
 さっきよりちょっとだけ力をこめて、再び無造作に放り投げる。
 リリは攻性植物の顔に再びぶつかって、今度は彼女の視界を覆い隠すように喰らいついた。
「霧に焼かれて踊れ」
 作戦とは言え、恋人を奪われそうになってヤキモチを焼いていたマルレーネは、そのエネルギーを桃色の霧に変え、真理を捕らえている植物を包み込み、まとめて溶かしていく。
 そして、支えを失って崩れ落ちそうになる真理の体を、絶対離さないと言わんばかりに力強く抱きしめた。
「往くぞ、妾の忠実なる下僕共」
 大技を出した直後の攻性植物の隙を狙って、戀はそれまで1体ずつ呼び出して攻撃していたエネルギー体を全て召喚し、
「この身は世の為、人の為万物の為、万物の神々の為に捧ぐ者成り」
 死者の安息を祈る曲を奏でさせ、死者の魂を呼び寄せ始める。
「うん、私はやっぱり、考えるより戦う方が性に合ってます」
 同時に飛び出したリアナは、男性を誘惑する方法とかあれこれ考えるよりも、目の前の敵を殴り、引っかき、そして相手の殺気をギリギリのところで避けることに快楽を感じながら全力で殴りかかる。
「星より出し命の灯火、此処に集いて、妾と共に撃ち抜かん。いざ参ろうぞ!」
 リアナが戦う間に戀は呼び寄せた死者の魂を纏い、蒼き光をまとって彗星のように突っ込む。
 死者の怨念と、安息を神々に祈る力の全てを乗せた一撃が攻性植物の背中を襲い、
「迷わず黄泉へ送ってやるからの」
 続けざまに追撃の一撃を放ち、攻性植物はたたらを踏んで躓き、倒れそうになる。
「私は、あなたを、斬ります」
 だが、彼女が倒れる前にリアナはそう強く宣言し、自分に暗示をかけると、光で形成された剣で駆け抜けざま、その胴を真っ二つに薙ぎ、剣の光で包み込んで消滅させるのだった。

●キスは、愛し合う人と。
「さっきはすまなかったのぅ、突然で困惑したじゃろう。お主の身を護るためじゃよ」
 突然始まった女の戦いを通りから呆然と見つめていた男に、戀は巫術服を正してから丁寧に謝罪し、上目遣いで見つめながら許しを請う。
「い、いえ……」
 男は困惑しながらも、先ほどの記憶に残る戀の艶姿に少しずつ興奮がよみがえるのが、彼女たちには手に取るように分かった。
「ところでおにーさん、ちょっと女性を人間とは違う変な生き物みたいに思ってない?」
 エルネスタはどぎまぎしている男に18歳の姿で近づき、女性も人間なんだから普通に接した方がいいとアドバイスをしてから、
「あとはちゃんと清潔な格好しててね。例えおにーさんの内面が良かったとしても、それを知るのは外見を知った後だよ。1人の女性を特別にするなら、まず同じ所に立たせてから!」
 女性への接し方を説教し始める。
「そのくらいにしてあげなさい?」
 これは終わりそうにないと感じた彼女の母は、そう言って娘をたしなめ、
「ごめんなさい。娘はまだ若いので……。ああ。私たち、親子なんですよ」
 槍玉に挙げられて泣きそうになっている男に、ロスヴィータはそう言いながら、
「娘の事、許してくださいねん?」
 色っぽい仕草でその首を縦に振らせた。
「にしても、男性ってああいうスタイルにデレデレするよね」
 男を手玉に取るロスヴィータたちの姿を見ながら、摩琴は胸元に視線を落とし、
「……羨ましいなぁ。私ももっと女を磨いて彼氏作らなきゃ!」
 少し悔しそうに見つめていると、
「摩琴ちゃんはすごくスタイルいいし、奇麗だとおもうわよ?」
 ロスヴィータはそう耳元でささやき、もっと自信を持たなきゃと背中を叩き、
「服でも買いに行きましょう?」
 と、他の仲間たちも連れ立ってにぎやかな繁華街を後にする。
 ……あえて、2人の女性を残して。
「良かった。でも、もうあんな作戦やめて」
 真理を抱きしめながらヒールしていたマルレーネは、
「真理にキスしていいのは私だけなんだから」
 泣きついてそう懇願し、顔を真っ赤にして感情を爆発させる。
「ごめんなさい」
 真理はそうつぶやくきながら、涙に濡れるマルレーネがとてつもなく愛おしく思え、
「ん……キスしていいですか?」
 その言葉と同時に彼女を抱き寄せ唇を重ね、時間を忘れて深く愛し合うのだった。

作者:きゅう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2018年5月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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