「はっ!」
大声とともに、どむっ、どむっ、と衝撃音が鳴る。
ここは山奥。1人の青年が、修行に勤しんでいた。行っていたのは、ラリアットやドロップキックというプロレス技である。
「うむ、プロレス技を組み込んだこの武術、やはり最強だ」
青年は手応えを感じるように、頷く。
異種格闘戦でプロレスが活躍することはままある。そこからヒントを得て、この武道家の青年はプロレス技を使った独自の武術を鍛えているのだった。
「体は大きくするとして、今は技の練習だ。強くなったら、試しに異種格闘技の道場破りだ」
青年は気合を入れ直し、木の幹にマットをくくりつけて鍛錬を再開する。
と、その時だった。
「お前の最高の『武術』、見せてみな!」
不意に背中から声をかけたものがいた。
それは少女の姿をしたドリームイーター・幻武極。
すると、その言葉に、青年は操られたように幻武極に技をかけ始めた。
ひとしきり技を受けた幻武極はなるほど、と頷く。
「僕のモザイクは晴れなかったけど、お前の武術はそれはそれで素晴らしかったよ」
そして、青年を大きな鍵で貫いた。
青年は、意識を失って倒れる。すると、その横に体の大きなドリームイーターが出現した。
骨格と筋肉のバランスを備えたその姿は、強豪レスラーのような風貌。
直後にラリアットで大木をなぎ倒すその強さこそ、まさに青年の理想とするものであった。
幻武極はそれを見て言った。
「お前の武術を見せ付けてきなよ」
ドリームイーターは、言われるがまま、戦う相手を求めて歩き出した。
「集まっていただいて、ありがとうございます」
イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)は、ケルベロス達に説明を始めていた。
「本日は、ドリームイーターが出現したことを伝えさせていただきますね」
最近現れたらしい、幻武極というドリームイーターが起こす事件だ。
目的は自分に欠損している『武術』を奪って、モザイクを晴らすことらしい。今回の武術家の武術ではモザイクは晴れないようだが、代わりに武術家ドリームイーターを生み出して暴れさせようとしているようだ。
このドリームイーターが人里に降りてしまえば、相応の被害も出てしまうだろう。
「その前に、この武術家ドリームイーターの撃破をお願いします」
それでは詳細の説明を、とイマジネイターは続ける。
「今回の敵は、ドリームイーターが1体。場所は神奈川県にある山林です」
大きな敷地に木々が広がっている一帯で、ひとけのない場所だ。
一般人などが介入してくる心配もないので、戦闘に集中できる環境でしょうと言った。
「皆さんはこの山中へ赴いて頂き、ドリームイーターを見つけ次第、戦闘に入って下さい」
このドリームイーターは、自らの武道を見せ付けたいと考えているようだ。
なので、戦闘を挑めばすぐに応じてくるだろう。
撃破が出来れば、被害者の青年も目をさますので心配はない、と言った。
「このドリームイーターは、被害にあった青年が理想としていた、プロレス技を駆使する武術を使いこなすらしいです。中々の強敵ではあるようですね」
能力的には、打撃系の技を使う近単服破り攻撃、距離を詰めて関節技を使う遠単パラライズ攻撃、投技でなぎ倒してくる遠列足止め攻撃の3つ。
各能力に気をつけておいてくださいね、と言った。
「一筋縄ではいかなそうな相手ではあると思います。是非、頑張ってきてくださいね」
イマジネイターはそう言葉を結んだ。
参加者 | |
---|---|
ジョーイ・ガーシュイン(地球人の鎧装騎兵・e00706) |
ニーナ・トゥリナーツァチ(追憶の死神・e01156) |
ファン・バオロン(剥ぎ取りは六回・e01390) |
ヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638) |
沙更・瀬乃亜(炯苑・e05247) |
穂村・華乃子(お誕生日席の貴腐人・e20475) |
フレア・ガンスレイブ(ガラクタ・e20512) |
ブラック・パール(豪腕一刀・e20680) |
●対峙
山中に入ったケルベロス達は、現場を目指して歩いていた。
「この辺りね……と」
そこに近づいた頃合い。見回していたブラック・パール(豪腕一刀・e20680)が、ふと木々の間に何かを見つけていた。
それは倒れている人影。意識を失った、被害者の青年だ。
「安全な位置へ移しておきましょうか」
沙更・瀬乃亜(炯苑・e05247)が言うと、皆で見つかりにくい陰に青年を移動させた。
「それにしても随分山奥に来たわね」
途中、ふと口を開くのは、穂村・華乃子(お誕生日席の貴腐人・e20475)だ。
「こういう人里離れた場所での修行って、漫画とかの定番なのよね。秘密の特訓っぽくてオトコゴコロを擽るのかしら?」
「今回の場合は、それほど本気で鍛錬していたということだろう」
ヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638)は青年を見下ろす。
「希望と覚悟をもって邁進する武闘家とは善いものだ。こうして眠らせておくには惜しい」
「武闘家……」
と、その言葉に、フレア・ガンスレイブ(ガラクタ・e20512)は不思議そうな瞳をしていた。
「私のような殺し合い前提の戦闘特化とは全く違う武の探究者ですね。求める強さの定義が違うのでしょうか」
「強さを求めるというのは、生きていくうえで必要不可欠なものなのかもしれません。この方にとっては、それが武術だったのではないでしょうか」
瀬乃亜はどこか静々と応えていた。
「そんなヤツを利用した上、テメーの手を汚さずに人を襲うってか。コソコソしやがって……気に入らねェなァ」
ジョーイ・ガーシュイン(地球人の鎧装騎兵・e00706)は、敵の背後にいる存在、それを睨むように、空を仰いでいる。
ヴァジュラは頷いた。
「その目論見を砕くためにも。そして青年の為にも。さっさとドリームイーターを討ち果たし、起こしてやらねばな」
皆もそれに頷き、敵の探索を再開した。
そして、程なく。
「あら、ご登場ね」
ニーナ・トゥリナーツァチ(追憶の死神・e01156)は言葉に反し、どこか興味薄に、まっすぐを見る。
そこに、草木を踏んで歩く、体格のいい男がいた。
レスラー風の、武術家ドリームイーターだ。
『む……何奴!?』
ドリームイーターは、すぐに気づいて振り返る。
ケルベロス達もまた、接敵していた。ジョーイは歩み寄り、冥刀「魅剣働衡」を突きつけてみせる。
「腕試ししたいんだろ? 俺達でよけりゃあ相手になるぜ?」
『ほう。対戦希望か! 面白い』
するとドリームイーターも、好戦的に構えていた。
と、そのマッスルボディを上から下まで、華乃子は観察するように眺める。
「敵ながら見事な肉体美ね……」
ひとしきり堪能すると、それから初めてガントレットを調整して拳を構えたのだった。
「次のネタの参考になったわ。さぁ、勝負しましょう!」
『ネタ? 何か胸騒ぎが……否。とにかく、理想を体現したプロレス武術を受けて、生きては帰れんぞ!』
「構わないさ、全力でかかってくるがいい」
応えたのはファン・バオロン(剥ぎ取りは六回・e01390)。中国武術の練度を窺わせる構えを取ると、気力を集中した。
「貴様が理想の武を奮うというのであれば……貴様の想像を絶する武を、見せてやろう」
瞬間、気力は虹色の光となり拡散。前衛の力を飛躍的に高めていた。
瀬乃亜は戦闘に際して一礼。静かな辞儀を見せてから、守護星座の光を煌めかせ、前衛の耐性を増していく。
次いでフレアも、霊力を篭めた紙兵を重ねて散布。耐性をさらに向上させ、一瞬の内に戦闘態勢を整えた。
その間にジョーイは敵へ迫り、刀が背中につく程上段に振りかぶっている。
「プロレスも組み込んでるんだろ? しっかり受け止めろよ?」
5秒の溜めのあと、『鬼神の一太刀』。地球を叩き斬らん勢いの、剛烈な振り下ろしを喰らわせた。
『ぬぅっ!?』
あまりの衝撃に、足元が地に沈み込むドリームイーター。
その間隙にブラックも迫る。
「それじゃあ私も、まずは一撃入れさせてもらおうかしら」
瞬間、野太刀を片手で軽々振るい、風のような刺突を打ち込んだ。
華乃子の飛び蹴り、そしてヴァジュラの鉄塊剣・暴風龍ルドラの連撃も受け、ふらつくドリームイーター。
それでも反撃に走り込んでくる、が、その頭上に現れた影があった。
逆光の中、まるで黒い影のように降下するニーナだ。
「貴方が武道を見せようとしてくるのであれば──此方は暗殺を教えてあげる」
瞬間、ためらいなく顔を踏み抜き、血潮を散らせていた。
●打ち合い
顔から血を零しつつも、ドリームイーターは体勢を直していた。
『お前達もかなりの使い手のようだな』
そして再び笑みを作ってみせる。
『ならば俺も本気でやってやろう。異種格闘の王者を目指す者として!』
「異種格闘の王者か! 素晴らしい志だな!」
ヴァジュラはその心意気を歓迎するように声を零す。
「俺もかつてはステゴロ最強に憧れたものだ。今でも、武具やグラビティに頼らぬ強さを追い求めているつもり。なればこそ貴様の全力──受けてやる!」
ドリームイーターは、いいだろうとばかり駆け込んできた。
だが、その眼前に、先んじてジョーイが迫る。今度は素早い動作で、刀を下段に引いていた。
「まさか避けたり防御するなんて野暮ってェことしねェよなァ?」
瞬間、逆袈裟に剣閃を走らせ、弧を描く斬撃を叩き込んだ。
ドリームイーターは言葉通り正面から受け、動きを鈍らせた。が、まだ倒れない。ヴァジュラへめがけ、ドロップキックを放ってきた。
それは強力な衝撃。だが、ヴァジュラも地を滑りながら、受けきった。
「腕の軋む程の感覚、流石だ。だが、まだまだ──我が炎を宿し我が血肉と成れ!」
直後、『鎧装地獄化』。鎧装へ地獄を流し込み、回復とともに防御力を強化していた。
「それにしてもプロレス武術なんて変わっているわね」
地面に着地したドリームイーターを、ブラックは見下ろしていた。
「私はあまり、プロレス技を組み込もうとは思わないけどねぇ。──魅せ技多くて隙だらけだし」
その直後、技後の隙を的確に狙うように、刃を振り下ろして背を斬り裂いた。
敵は衝撃で地を転ぶ。その間にフレアは『サプリケイション』。ドローンを集中させることで、ヴァジュラの体力を回復していた。
「ヴァジュラさん、あまり無茶はしないでくださいね」
「あの程度、まだ足りん程だ」
ヴァジュラが応えると、フレアはどこか息をつくように、敵に向き直っていた。
瀬乃亜は守護星座を描き、美しい光とともに後衛の耐性を高め、防備を万全にしている。
「赤薔薇、攻撃をお願いしますね」
更に、テレビウムの赤薔薇へ指示を出す。すると赤薔薇は即座に呼応して走り、凶器で一撃。敵の顔面に殴打を加えていた。
『くっ、だがまだまだ……もっとこの武術の美技を披露してやる!』
ドリームイーターは言いつつ走り込んでくる。
だが、その首元に鋭利な鎌がかかっていた。オウガメタルで死神を象る、ニーナの攻撃だ。
「見せつける武道なんて、円舞と変わらないわ」
ニーナはそのまま鎌を引き、敵の首から鮮血を噴出させた。
「だって、戦いは見せる前に殺すものでしょう?」
『ぐっ……!』
ドリームイーターは首を押さえつつも、ニーナに狙いを定めてくる。が、振るった腕は、華乃子のガントレットに弾かれた。
「お姉さんのこと忘れてない?」
華乃子はそのまま踏み込み、懐へ。
「ネタ提供のお礼に。この愛を受け止めてね」
同時、『痛恨の一撃』。腹部へ重い拳を打ち込んだ。
口から血を吐きながらも、敵もチョップやラリアットを繰り出してくる。が、ファンがそれらと拳や蹴りで打ち合い、威力を殺していく。
「動作が大きければ、いなすのも難しくはない」
多様な武術に通じるファンは、プロレスにも明るい。その性質を理解している分、敵の手の内はある程度読めた。
そしてファン自身、拳はボクサー、蹴りはムエタイ、受け流しは合気道と、それぞれの武道家に比肩するが如き実力を持っている。
「真武館当主、ファン・バオロン。──真武道源流・真武活殺法にて、一芸披露仕る」
そして、ゼロ距離で一撃。炎を湛えた裂帛の拳を打ち当て、ドリームイーターを吹っ飛ばした。
●武
傷ついた体で起き上がるドリームイーター。
しかしその顔には、未だ喜色があった。
『敵ながら天晴だ。倒れるまでやるぞ!』
威勢よく声を上げると、人間では不可能な気迫を漲らせ、周囲の葉をゆらゆらと揺らした。
それを眺め、フレアはふと口を開く。
「しかし、武闘家の理想の姿として、グラビティは有りなんでしょうか……」
「それこそが、敵が倒すべきデウスエクスであるという証左だろう」
ファンが言うと、瀬乃亜も頷く。
「そうですね。あれは想像から生まれた夢……。そしてその強さをも上回らなければならないのが、ケルベロスなのでしょう」
「ならば、上回ってみせよう」
ファンは言葉と同時、敵へ疾駆。首元に拳を入れ、動きを鈍らせた。
敵も反撃を狙うが、最前にいたジョーイは横に逸れ、正対を避けている。
「こちとらテメーのプロレスに付き合う気はねェからな。最善手だけとらせてもらうぜ?」
そのまま、剣閃に冷気を篭め、足元を凍らせた。
敵は苦悶を浮かべながらも、倒木を抱えて、ジャイアントスイングの要領で振り回してくる。
だが、ヴァジュラは地獄を滾らせ、その攻撃にも正面から相対した。
「プロレスラーとは相手の技を全て受ける者。ならば俺も倣い、全ての攻撃を受け切る!」
瞬間、自らの腕で防御し、大木を砕いてしまう。
嵐のような風圧は、ファンが受け止めている。結果、2人で全ての衝撃を受けきった。
華乃子は2人の勇姿に、嬉しげに言う。
「こうやってみると、たまには守られる立場も素敵ねぇ」
「心配、というより支援すら要らなそうでしたね……」
ヴァジュラを見て零すのはフレアだ。
「それでも、回復だけさせてもらいますね」
瀬乃亜は、オウガ粒子で前衛を治癒。フレアも中衛に霊力を施し、防備を完全にしていた。
華乃子は隙の出来た敵へ、炎を纏った回し蹴りを打ち込んでいる。
後退したドリームイーター。そこへブラックが、地を割るような踏み込みで一気に肉迫していた。
「力技には力技で御相手するわ。避けられるものなら、避けて御覧なさい?」
瞬間、『桜花一刀・剛断』。全力の縦一閃で、肩を深々と抉り、悲鳴を上げさせた。
「次は、内側を抉られてみる?」
間を置かず、そっと囁くように言ったのは、ニーナだ。
直後、『陽炎に揺らぐ死神の舞踏会』。転移の力により敵の臓物を取り出すと、その手で握りつぶす。
「内臓は鍛えられないのが世の常──あぁ、ずいぶんとひ弱な血肉ね?」
散った血を浴びながら、ニーナは妖しく嗤った。
「残念だわ。これじゃあ……魂の方も期待出来なさそう」
●決着
ドリームイーターは血に塗れながらも、気力を絞るように起き上がっていた。
『最強の武術で、負けるはずがあるものか……っ!』
「なら、まだまだ最強じゃなかったのかもな」
ジョーイは言葉を返しながら、そこへ接近していた。そしてためらいなく刃を振り下ろし、表皮を斬り裂いていく。
同時、華乃子もエクスカリバールにグラビティを篭め、連続攻撃。一気に傷を抉り込んでいた。
「さぁ、このまま倒しちゃいましょ」
「ええ。私も攻撃に移らせてもらいますね」
と、フレアも腕部を駆動。敵の筋肉を断ちながら、旋風の如き拳を喰らわせた。
瀬乃亜も体内から熱気を漂わせている。直後に業火のブレスを吐き、ドリームイーターの全身を燃え上がらせていった。
「攻撃、きます」
瀬乃亜が素早く言うと、ドリームイーターは火だるまのまま突撃してくる。
が、放たれたラリアットもまた、ヴァジュラが胸部で跳ね返す。
ダメージは刻まれたが、ヴァジュラはその負傷に昂ぶった笑みを返した。
「悪くない一撃だったぞ」
直後、お返しの爪撃で敵を吹っ飛ばす。
ファンはそこへ疾駆して、追いすがっていた。
「一瞬たりとも、気は抜かせんぞ」
そのまま、繰り出すのは『抜拳』。多様な格闘技に通ずる究極にして基本の技──まっすぐの拳を打ち出し、敵を木に叩きつけた。
地に落ちたドリームイーター。その腹部へ、ニーナは鎌の柄で刺突。臓物を失った虚ろな体に、文字通りの風穴を開けた。
「見えるわ。貴方の終わりが」
『まだ、だ……』
息も絶え絶えながら立ち上がり、歩んでくるドリームイーター。
「いいえ、残念だけどこれで終わりよ」
ブラックはそこへ、舞うような動きとともに、容赦のない剣撃を見舞っていた。
無数の剣閃は嵐のように舞い、体を切り刻む。そのまま千々に裂けるように、ドリームイーターは散っていった。
ドリームイーターの亡骸は消滅していく。その霧散する煌めきの中から、ニーナはどす黒い飴玉の様なものを見つけ、口に入れて噛み砕いていた。
「やっぱりとっても不味いわ。貴方は、何も成し得なかったのね」
ニーナが見下ろす頃には、ドリームイーターは完全に消滅していた。
それから皆は、青年の元へ戻った。
「もう大丈夫ですよ」
瀬乃亜が声をかけると、青年は次第に意識をはっきりさせる。その内に事情も理解して皆に礼を言っていた。
ただ、青年は悔やんでもいるようだった。
「実力不足が招いたことです」
それは自身の武術にすら疑問を抱いているようでもある。
ジョーイは青年に言った。
「まァ、そのスタイルは面白かったぜ?」
「ああ。むしろ更なる高みを目指せば良い。理想を体現したとて、それを打ち破るものがいる、ということを知ったのだからな」
ヴァジュラも言うと、青年は黙ってから、頷く。
ファンは、自身が看板を掲げる真武館の連絡先を伝えた。
「武術をより究めたいのであれば、損はさせん。興味があるなら来ると良い」
青年はそれにも応じ、ありがとうございました、と改めて頭を下げていた。
帰る準備をする青年に、華乃子は声をかける。
「あまり、無理をしないようにね?」
「そうですよ。武術をたしなむというものは、素敵なことですが、限度というものもあるものですから」
瀬乃亜も言うと、それにもはい、と頷いて、青年は帰っていった。
「さて、戦闘痕は消しておきましょうか。自分で壊したままじゃ世話ないし」
ブラックが戦闘場へ戻りつつ言うと、フレアもその場へ戻り、見回す。
「ええ。敵が荒らした部分も多いですけど……。大木を倒したり熊を倒したり、武闘家はもう少し自然に優しくなって欲しいです」
言いつつ、皆も参加してヒール。場を修復した。
それが終わると、皆も帰還する。
瀬乃亜は最後、木々を見回していた。
(「なかなかいい山ですね」)
静かに思うと、それから土を踏みしめ、ゆっくりと家路についていった。
作者:崎田航輝 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年9月17日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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