魂の矢

作者:崎田航輝

 夜の海辺に、1人の少年が歩いてきていた。
「この辺でいいのかな……。弓使いの幽霊さんが出てくるのって」
 人のいない浜辺で、独り言のように言うのは、聞いた噂の話。
「昔、戦があった時代に凄い弓の達人がいた。その人は生涯弓を鍛えることだけをしてたら、死んで幽霊になっても弓を持って彷徨うことになった……だっけ」
 弓こそ最強の武具という悟りに達し、あらゆるものを射抜けるようになった結果、霊的な存在にまで上り詰めた、という話もあるようだ。
 そしてその幽霊がいるというのが、この海辺ということらしい。
 眉唾だが、一目見ることが出来たら、と思ってここまで来たのだった。
「怨念だけのような存在だから、生きた人間を見つけると襲ってくるらしいけど……」
 それでも見てみたい、そんな気持ちで探索を続けるが……。
 現れたのは幽霊ではなく、1人の魔女だった。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 背後に降り立ち、手に持った鍵で、少年の心臓をひと突きする――第五の魔女・アウゲイアスである。
 少年は意識を失い、浜辺に倒れ込んだ。
 すると奪われた『興味』から――胴丸を身に着けた和装の戦士の影が生まれた。
 幽霊らしく、微かに透けた体を持つその戦士は、弓を携えて一歩一歩と歩き出し、そのうちにどこかへ消えていった。

「皆さんは、どんな武器をご愛用していますか?」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)は、集まったケルベロスにそんなことを言っていた。
 それから、気を取り直したように説明を続ける。
「今回は、ドリームイーターの出現が予知されたことを伝えさせて頂きます。第五の魔女・アウゲイアスによる、人の『興味』を奪うタイプのもののようで――海辺にて、少年の興味から生まれるようです」
 放置しておけば、ドリームイーターは人間を襲ってしまうことだろう。
 それを未然に防ぎ、少年を助けることが必要だ。
「皆さんには、このドリームイーターの撃破をお願い致します」

 それでは詳細の説明を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、弓使いの姿をしたドリームイーターが、1体。場所は海辺です」
 夜の海であり、他に人の姿はない。
 浜辺は平坦で障害物はなく、視界が開けている状態だ。敵の特性を考えて、近くの岩礁地帯や浅瀬など、適宜位置取りを考えておくのもいいでしょうと言った。
「海辺の周囲で誘き寄せるための行動を取れば、ドリームイーターは現れてくれるはずです」
 このドリームイーターは、自分の事を信じたり噂するものに引き寄せられる性質がある。
 なので、誘き寄せには弓使いの噂話をするといい。武具の話などをするのもいいだろう。
「ドリームイーターを倒せば、少年も目を覚ますことが出来るので心配はないでしょう」
 敵の能力は、矢による遠単ホーミング攻撃、霊的な矢を撃つ遠単催眠攻撃、矢の雨を降らす遠列パラライズ攻撃の3つ。
「是非、撃破を成功させてきてくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
岬守・響(シトゥンペカムイ・e00012)
リシティア・ローランド(異界図書館・e00054)
アマルティア・ゾーリンゲン(リビングデッド・e00119)
シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)
草間・影士(焔拳・e05971)
鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)
地留・夏雪(季節外れの儚い粉雪・e32286)
天喰・雨生(雨渡り・e36450)

■リプレイ

●静海
 波音が響く浜辺に、ケルベロス達はやってきていた。
「静かな海、ですね……」
 地留・夏雪(季節外れの儚い粉雪・e32286)は暫し夜の波間に視線をやる。寄せては返す波は、ゆっくりとした時間を思わせる景色だった。
 が、同時に周囲には、何かが潜んでいる気配があるようでもあった。
「では、準備をして作戦を始めようか」
 アマルティア・ゾーリンゲン(リビングデッド・e00119)は浜を歩き、意識を失っている少年を発見。抱き上げて安全な場所まで運んでから、再度浜の中ほどに歩く。
 皆も頷いて、四方を警戒できる立ち位置について、それを始めた。
 即ち、敵を誘き出すための、噂話だ。
「んっんー! 弓使いの幽霊さん、だったデスか!」
 シィカ・セィカ(デッドオアライブ・e00612)が、始めに口を開く。
 その朗らかな声に、夏雪はふわりと頷いて言った。
「海辺で弓という事は、船で攻めてきた敵さんを上陸させないように、弓で迎撃していたのでしょうか……? だとしたら、浜辺を守る戦士という感じですね……!」
「海の迎撃手か。一体、どれくらい遠くのものまで射抜けたんだろうね」
 言葉を続けたのは天喰・雨生(雨渡り・e36450)。周囲の警戒はしつつも、噂話を繋いでいく。
「あらゆるものを射抜けるっていうのがそもそも、すごいよね」
「実際にそういう霊がいるかは、まだわからないけど」
 鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)も応えつつ、一帯を見回している。
 霊的な話は苦手で若干落ち着かない様子ではある、が、それでも言葉は止めなかった。
「だとしても、人の及ばない領域まで何かを極めるって言うのは、少しロマンを感じるな」
 すると、少し風が吹く。
 未だ周りの風景に変化はない。だが波音の間に、ほんの微かに物音が聞こえたようでもあった。
 皆は視線を交わしつつ、話を進めることにする。
「私も弓の達人と聞くと興味があるな」
 岬守・響(シトゥンペカムイ・e00012)が言うと、アマルティアはそれに目を向けた。
「響も弓を使うのか? いや、きっと似合うと思うが」
「ふふ、ありがとう。そういうティアさんこそ、素敵な武器だよ」
 響はアマルティアの武装・Rheintochterを見て言う。それは独自の形をした弓だ。
「まあ、これは弓というには、何だがな」
 アマルティアが苦笑していると、郁は皆に視線をやった。
「皆、それぞれ多彩な武器を持っているよね」
「拘りという程のものはないのだけれどね」
 応えるリシティア・ローランド(異界図書館・e00054)は、自身の武器、地烈弓に視線を落とす。
「この弓もそろそろ新調するべきかしらね……」
 言いながらも、先の言葉通り、どこか興味薄でもあった。
 郁はハンマーを取り出してみせる。
「俺は最近は近接寄りのものが多いかな。遠距離武器を使いこなせる人はかっこいいよね」
「幽霊の持つ弓というのも、見てみたいね」
 雨生もまた、闇夜の遠くまで見回しつつ続けた。
「弓が最強っていうほどのこだわりがあるなら、弓も相当なものだろうし」
「弓こそ最強、か」
 と、声を零すように言うのは草間・影士(焔拳・e05971)だ。
「間合いの外から射抜く戦法は、たしかに理に適っているだろう。だが、俺の理想は素手で如何なる武器とも渡り合える事。まだ道は遠いがな」
 そう、拳を握っていた。
 一方シィカはぎゅいん、とギターを掻き鳴らしている。
「弓がどれだけすごくても、ロックさではボクのギターの方が上デスね、イェイ!」
 と、そうやってギターの音を夜空に響かせていた、直後のことだ。
 ギターの音、そして波の音の中でも、響が狐耳をぴくんと動かして何かに気づいていた。
「来たみたい、備えて!」
 その視線の先。
 一瞬遅れて、敵影と、弓弦を引く音が確認できていた。
 それから間もなく、闇の中から現れた人影が、遠くからこちらを狙っているのが見えた。それが、胴丸を身に着けた戦士、ドリームイーターだった。

●対敵
 弓使いの戦士は、闇に紛れるように、矢を撃ってきていた。
 それは風切り音とともに、ケルベロスの方へと飛来してくる。が、警戒していた皆は、八方に散るように退避。矢は砂浜に突き刺さるだけにとどまっていた。
「皆さん、大丈夫ですか……!」
 夏雪が確認するように言うと、皆は肯定の返事をしながら、再び陣形を取る。そして遠い間合いにいる戦士に接近し始めた。
 郁は紙兵を散布し、味方を霊力で覆いながら呟く。
「いきなり攻撃だなんて、戦士とは言え、やっぱりドリームイーターだね」
「敵らしくていいじゃないか」
 クールに笑んでみせるのは響だ。
「早速、夏の夜らしく、怪異を祓うとしようじゃないか」
 そのまま、戦士へと距離を詰めていく。
 戦士は後退し、間合いを保とうとしてくる。だが、そこへ影士が、手を伸ばす。
「離れているなら離れているで、戦いようはある」
 戦いの中で柔軟に己のやり方を変えるのも、影士のやり方だ。瞬間、距離を無視して集中されたグラビティが、遠隔の爆破攻撃を生む。
 その圧力に、戦士は足を止めた。この間隙に、響は一息に戦士へ近づいた。
「さて、この距離まで敵が来たら……どう捌く?」
 その言葉に、戦士は霊力の矢を番えて素早く撃ち出そうとする。
 が、そこにアマルティアが跳ぶ。抜刀して縦一閃に矢を弾くと、そのまま刀を砂に突き刺す。同時に遠心力を利用するように、刀を起点に自身の体を回し、強烈な蹴撃を叩き込んだ。
「今だ。頼むよ、響」
「うん、わかったよ」
 応える響は、生まれた隙に飛び込むように跳躍。軽い身のこなしで、戦士の頭上から蹴りを打ち当てる。
 攻撃が終わると、響とアマルティアは的を絞らせないように、ヒット&アウェイで飛び退いてもいた。
 戦士も、矢を再び番え、反撃。だが、影士に飛んだ矢は、郁が滑り込んで防御。ハンマーで弾くようにして衝撃を抑えていた。
「ある程度防御の態勢を整えておいたほうがいいかもしれない」
 郁が言うと、夏雪はこくりと頷いた。
「ええ……まずは攻撃に備えさせていただきますね」
 言うと、剣を掲げて眩い光を生む。それが後衛を広く包み、攻撃への耐性を高めていた。
「じゃあ、ボクも歌わせてもらうデース!」
 と、ギターを奏で始めるのはシィカだ。
「今宵は夜の海でゲリラライブデース!」
 言葉とともに響かせるのは、『竜姫謳う生命讃美』。
 それは、その血に流れる“病喰い”の『白金の竜騎』の末裔たる力を引き出し、己の声に乗せる、渾身の一曲だ。
 ギターとともに朗々と空に響くその歌は、シィカ自身に加護を齎し、その耐性を増していった。
 この間に、戦士も再び後ろに飛んで、攻撃を狙ってきていた、が。
「こっちも、座して見ているわけじゃないからね」
 そこへ雨生が大槌を構えている。
 雨生は、左半身に刻まれた梵字の魔術回路を赤黒く輝かせると、打ち出の小槌のような形状のその武器を砲撃形態へ変化させる。
 直後、フードの付いたローブを棚引かせながら、煙を上げて砲弾を発射。爆発力で戦士にたたらを踏ませる。
 それでも2本目の矢に手を掛ける戦士、だが、その矢が突如燃え上がった。
「遅いわ」
 と、呟くリシティアによる魔法だ。
 リシティアは薄い表情のままに、小さく脚を上げて砂浜を蹴る。すると脚部に宿った炎が豪速で地面を伝い、再度戦士に命中。その全身を炎で包み込んだ。

●打合
 戦士は膝をつき、暫し苦しそうな呻きを零していた。
 だが、その間も隙は見せず、起き上がるとまた間合いを取っていく。
 郁はそれを見て言葉を零す。
「まだまだ、簡単には倒れそうにないね」
 戦士は今も弓を構え直し、怨念だけの存在、という噂通りの殺意を漂わせている。
 だが、こちらとてそれで怯む者は居ない。対するように、郁はハンマーを構え、敵の射線上に立ってみせる。
 そして戦士が矢を射る、その直前に砲撃。番えられた矢を潰しながら、戦士の体に強烈な衝撃を与えた。
「次の攻撃、頼むな」
「ああ、任せてくれ」
 応えて、戦士に接近しているのは影士。初撃から、常に敵に離されないように間合いには気を使い、ここで一気に距離を詰めていた。
「やっと手が届くな。まずは一手、返させてもらおう」
 同時、拳を強く引く。
 そこにオウガメタルを流動させ、拳を鋭い狂気と化した影士は、そのまま一撃。胴丸を砕き、戦士の腹に重い一打を叩き込んだ。
 吹き飛ばされ、微かに血を吐く戦士。だが、勢いのままに距離を取ると、その手に複数の矢を番えていた。
「皆さん、頭上から、来ます……!」
 そして、夏雪が皆に呼びかけた直後、戦士の放った矢が降り注ぐ。それは雨のようになって、前衛にダメージを与えてきた。
 戦士は連続で矢を番えて二撃目を狙う、が、雨を縫うようにして、そこに雨生が疾駆してきていた。
「それ以上はさせないよ」
 同時、一本足の高下駄で地を蹴って跳躍、戦士の斜め上方を取った。
「その弓の腕、ドリームイーターじゃなかったら手ほどきを受けたかったけど、ね」
 言葉とともに、放つのは体を翻しての踵落とし。
 痛烈な一撃に戦士がふらつくと、そのタイミングで夏雪は泡雪状のグラビティを生み出していた。
「今すぐ、回復しますから……待っていて下さい……」
 粉雪のように舞い降りるその輝きは、『初夏の雪解け』。響の体へ溶けるように浸透したそれは、体力の大幅な治癒を齎していく。
「それじゃあボクも、弓にも負けないロックを見せてあげるデース!」
 同時、シィカもギターをひと鳴らしすると、手元から治癒のグラビティを生成している。
 それは銀色の光の粒子となり、辺りに拡散。前衛を広く癒やすとともに、その足元を縫い止める敵の矢をも消滅させていった。
「これで完璧なはずデース!」
「ええ、ありがとう」
 応えたリシティアは、既に敵に向いている。
「弓使いと言うなら、これは躱せるかしらね」
 言って手に取っているのは地烈弓。
 そこに魔法の力を込めると、凍えるような空気が渦を巻き、弓を包む。凍結の力を得た弓は、リシティアが構えると、氷の魔法矢を弓弦に生成し、白い輝きを生んだ。
 そのまま、リシティアは魔法矢を射出。豪速で命中した一撃で、戦士の手元を凍らせていた。
 間断を置かず、響は戦士の右方から接近している。
「ティアさん、挟撃と行こうか」
「ああ、一気に斬り込んでやろう。パフも頼むぞ」
 アマルティアが言って左方へ駆けると、ボクスドラゴンのパフも呼応して飛来。戦士にブレス攻撃を浴びせ、傷を刻み込んでいく。
 同時、響は戦士の横合いに入り込んでいる。
 瞬間、大鎌を下方から振るい、足元からの強烈な斬撃を喰らわせた。
 アマルティアも、逆側から刃で縦一閃。苛烈な斬り下ろしで、点対称の如き鮮やかな連撃を決めてみせた。
「流石だな、響」
「ティアさんこそ、綺麗だったよ」
 ふふ、と大人っぽく笑んでみせる響。
 2人が抜け目なくその場から飛び退くと、戦士は連撃のダメージに一度倒れ込んでいるのだった。

●決着
 砂地を血だまりで汚す戦士。
 だがあくまで戦意を失うことはないように、ふらつきながらも立ち上がってくる。
 影士はそれを見て、ふと口を開く。
「最後まで戦うだけの存在、か。射手は厄介だと思っていたが、こうなるとやはり、相手にしたくないものだ」
 だが、同時に、グラビティを集中してもいた。手を伸ばすと続ける。
「こちらも最後まで気を抜かずにやる。行くぞ」
「はい……僕も支援させて頂きます……」
 影士に応えた夏雪は翼を光らせてふわりと飛翔。戦士が矢を放つ前に、一片の雪が降るが如く、静かな蹴撃を加えた。
 数歩後退した戦士へ、影士は一気にグラビティを解放。砂塵が発生するほどの爆破を生み、戦士の体を宙へと煽る。
 次いで、シィカも走り込み、拳にオウガメタルを纏った。
「このまま一気に畳み掛けるデース!」
「そうだな。攻撃の隙は、与えずにいこう」
 言った郁は、『雷葬の魔弾』を行使。グラビティで生成したライフルから、雷を纏ったエネルギー弾を発射し体を穿つ。
 そこへ、シィカの打撃も直撃し、戦士を再び転倒させていた。
 だが戦士も、起き上がりざまに、霊力の矢を放つ。標的となったアマルティアは、しかし矢を受けきってなお倒れない。
「そんなもので、やられはしないさ」
 直後、戦士の眼前へ迫ると、刃で弓を弾き、空いた懐へまっすぐに膝蹴りを打ち当てた。
 連続して、響は『虎杖丸』。神々が宿るひと振りの神剣を召喚した。
「斬り裂き、廻れ。神宿る剣」
 そのまま、宿る獣神の力のままに、剛烈な剣撃を叩き込む。
 吹っ飛ばされる戦士へ、リシティアは魔力を高め、重力を圧縮した魔弾を創り出していた。
「どれだけの弓の名手だろうが、夢物語では意味がないのよ。夢の住人は夢のまま消えてしまいなさい」
 撃ち出すそれは、『時喰弾』。
 着弾と同時、戦士の周囲を時間の牢獄へ変え、相対時間のずれを発生させる。その歪みが物理崩壊を起こし、戦士の体を裂いていく。
 同時に、雨生も『第壱帖漆之節・流斬』を繰り出していた。
 それは一族に伝わる術『雨呪』の一つ。周囲の気体中の水気と魔の波動を同調させ、増幅することで質量を増した水を生み出した。
「これで遊びの時間はお仕舞い。おやすみ」
 射出されたそれが刃のように飛び、命中。戦士の体を千々に裂き、四散させていった。

「終わったな。皆、お疲れ」
 戦闘後。郁の言葉に皆は頷き息をついていた。
「中々、戦い甲斐のある敵だったな」
 影士が言うと、雨生は頷く。
「うん、ドリームイーターだったのが残念だったかな」
 そうして短い時間、浜を眺めていた。
 それから皆で、少年の元へと戻る。少年は無事に目を覚ましており怪我もなかった。
「弓使いの幽霊は……」
「弓使いさんはもう帰っちゃいましたよ……?」
 少年の言葉に、夏雪は応えて、帰るように促す。
 響も事情を説明し、くすりと笑った。
「夜は怖いって、わかった?」
 少年は少々怖がるようにして頷く。それから早々と、砂浜を去っていった。
「では、周りをヒールするデスよ!」
 シィカが言うと、それを機に皆も周囲の修復作業。綺麗な砂浜の姿を取り戻していた。
「これで景観も問題はあるまい」
 アマルティアが浜を見渡す。リシティアは小さく頷いて、歩きだしていた。
「それじゃ、帰りましょう」
 皆もそれに続いて、それぞれの帰路へつく。
 静かな海には、最早幽霊の姿はない。夜の中に、ひたすら波の音だけが響いていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年8月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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