青の世界、止まる時間

作者:崎田航輝

「貴方たちに、使命を与えます」
 薄暗闇の中、ミス・バタフライは、配下の螺旋忍軍2体を見下ろしていた。
「――この町に、水中写真家として暮らしている者が居るようです。海の中の風景などを専門にしている、芸術的な写真を撮る職業ということらしいですよ」
 配下の両名は、従順に話を聞き、頷いていた。
 1体は道化師、もう1体は軽業師風の格好をした螺旋忍軍である。
 ミス・バタフライはその2体へ言葉を続ける。
「そこで、その写真家に接触し……仕事内容を確認・習得。そのあとで、殺害しなさい」
「……了解しました、ミス・バタフライ。一見、意味の無いこの事件も――巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのでしょう」
 2体は静かに応えると、風のように去っていった。

「水中写真……青い世界で、色々な生き物や光が輝いて、別世界みたいに綺麗ですね」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)は資料を繰りつつ、そんな言葉を零す。
 それから改めて、ケルベロス達を見回していた。
「集まって頂き、ありがとうございます。今回の事件は――螺旋忍軍、ミス・バタフライの起こすものです」
 以前より続く、珍しい職業を持つ一般人を狙った事件だ。
 今回はその新たな一件であり……水中写真家の男性を狙ったものになるという。
「螺旋忍軍は、その男性から仕事内容を習得したあとに、殺してしまおうという目的があるようです」
 これを阻止せねば、巡り巡ってケルベロスにとって不利な状況が発生する可能性が高い。
「そこで皆さんには、この螺旋忍軍の撃破を、お願いします」

 作戦詳細を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、螺旋忍軍2体です。場所は、沖縄県にある、写真家さんのアトリエと周辺の海になります」
 写真家は、主にアトリエ周辺の海に潜り、写真撮影をしているという。
 その男性を警護し、現れた螺旋忍軍と戦うのが目的だといった。
 なお、事前に写真家を退避させると、別の対象が狙われてしまい、結果的に被害を防げない。
「なので、皆さんには、事件の3日前から写真家さんに接触して頂き……水中写真撮影の仕事を教えて貰ってください」
 見習い程度の仕事が出来れば、螺旋忍軍の狙いを自分達に変えさせることができるだろうといった。
 水中写真家の仕事は、言葉通り海の中で美しい写真を撮るという作業になる。
 シュノーケルを付けた潜水や、カメラの使い方に撮影のテクニックなどの基礎の他に……海の中のどんな場面をどんなふうに撮影するか、という部分も重要になる。
「これに関しては、海に潜って、美しい風景を見つけて、どんどん撮っていくしか無いと思うので……写真家さんに教えてもらいながら、挑戦してみてくださいね」
 螺旋忍軍の標的を自分達に向けさせる事が出来たら……戦いやすい場所に誘い出すなどして、有利な状況で戦闘を始める事が出来るはずだ。
「では、螺旋忍軍の説明を。道化師風の1体は螺旋手裏剣を、軽業師風の1体はエアシューズを装備しています」
 囮作戦が上手くいけば先手が取れる筈なので、頑張ってみて下さいと言った。
「何日にもわたる作戦になりますが……仕事も撃破も是非、成功させてきてくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
ルリナ・アルファーン(銀髪クール系・e00350)
落内・眠堂(指括り・e01178)
シエラシセロ・リズ(勿忘草・e17414)
ゲリン・ユルドゥス(白翼橙星・e25246)
モモコ・キッドマン(グラビティ兵器技術研究所・e27476)
黄瀬・星太(火風・e28582)
月見里・ゼノア(鏡天花・e36605)
塚原・あかね(魂喰・e37813)

■リプレイ

●海へ
 太陽が光り、海が輝く。
 沖縄の砂浜に、ケルベロス達はいた。
「お仕事の邪魔をしてしまって申し訳ないですが──改めて、よろしくお願いします」
 と、黄瀬・星太(火風・e28582)は、目の前にいる写真家に頭を下げる。
 事情の説明を受け、協力を約束していた写真家は……こちらこそ守っていただくわけですから、と、丁寧に辞儀を返していた。
 道具もアトリエから調達してあり、準備は万端。
 これから早速、撮影の実践に入るところなのだった。
「これがシュノーケルだね」
 シエラシセロ・リズ(勿忘草・e17414)は、顔を覆うような水中メガネとパイプを付ける。
 皆も同様に、教わりながらウェットスーツも身につけた。
 カメラの基本的な操作も、教わっており……あとはひとまず、海で実際に撮影、ということになった。
「海とは余り縁が無い暮らしだったので、楽しみですねぇ」
 フィンを付け、水辺を見下ろす月見里・ゼノア(鏡天花・e36605)は……どこか飄々とした中にも、期待感に似たものを浮かべていた。
 そして海に入ると……その風景を、ゼノアは思わず見回す。
(「これは──」)
「美しい風景ですね……」
 と、水面から顔を出して言ったのは塚原・あかね(魂喰・e37813)。
 透明度の高い水。陽の光が揺らぐ様、色とりどりの魚。
 水中世界に少々テンションが上がったように、再度潜っては、あたりを眺めているのだった。
「写す方に回ると、中々簡単ではありませんね」
 ルリナ・アルファーン(銀髪クール系・e00350)もまた、海を漂いつつ、真剣に撮影を試みていた。
 普段は写される側だが、写真には元々興味もある。
 積極的に教えを請いつつ……三分割や二分割の構図、あおりや俯瞰を意識したショットなど、確かめるように、撮っては確認するのを繰り返していた。
 皆も、撮影ポイントを教えてもらいながら、それぞれに撮影していく。
 シエラシセロは白い砂の見える水底で、小さい魚の群をぱしゃり。
 ただ、そこの部分だけでも、魚を驚かせないようにしたり、砂を巻き上げないようにしたり注意点は多い。
 一度皆で海に上がると、シエラシセロは息をついた。
「楽しかった! でも、気をつけることってたくさんあるんだね」
「ああ」
 と、頷くのは、落内・眠堂(指括り・e01178)。
 撮影したデータを確認しつつ、呟く。
「俺達には息長く居ることのできない、幻想的で美しい世界──だからこそ、切り取るのは難しいのだろうな」
「ええ、でも……海ってこんなに綺麗で気持ちいい場所なんですね……!」
 ゼノアは、感嘆したように、海に振り返っている。
 モモコ・キッドマン(グラビティ兵器技術研究所・e27476)も、心の底から、というように頷いていた。
「そうですね。なんか圧倒されちゃいました。海の中ってすごく綺麗で……」
「うん、泳ぐのって楽しいよねー」
 ゲリン・ユルドゥス(白翼橙星・e25246)も、にこにこと、純真な笑顔を浮かべている。
 ただ、ウェットスーツはつまんでみせた。
「けど、フィンとかスーツとかいろいろ身につけて泳ぐの結構、大変……」
「そこは、やっぱり慣れていくしかないよね! というわけで、もっかい潜ろう!」
 シエラシセロが言うと、皆は再び、写真家とともに海へ。
 星太がハコフグを見つけて、その可愛らしい姿を撮影する横で──。
(「こういう視点も悪くないな」)
 と、眠堂は、水底から見上げる視点で、光る海面を撮っている。
 一方ゲリンは、逆に見下ろすように、岩々の隙間に陽光が差す様を収めた。
(「キレイだなー」)
 撮りながら、そんなふうにゆらゆらと眺めていると、その近くを、モモコが泳いでいる。
(「本当に──」)
 モモコは、撮影に打ち込みながらも、全ての方向に展開される海の世界に──少し心を奪われている。
(「素敵な世界──」)
 蒼く透明な水。虹のように色彩豊かな小魚たち。芸術的な造形を持つ珊瑚。
 都会を出たことのないモモコには……その世界は何もかもが新鮮だった。

●青の写真
 1日目に知識を得て、海の雰囲気にも慣れたケルベロス達は──。
 2日目以降、撮影範囲を広げ、さらに本格的な訓練に入っていた。
 シエラシセロとゼノアは、水底の深いポイントに向けて海を泳いでいる。
「ゼノアちゃんは、どんな写真撮るの?」
「私は、そうですね……小魚の群れでも撮ってみようかと」
 応えるゼノアに、シエラシセロはそっかぁ、と頷く。
「ボクも、魚のかわいい姿を撮りたいんだ。一緒に潜ろうか?」
 そうして、2人は青の深い世界に、どんどん潜っていく。
 そこでは小魚の群れが戯れるように行き交っており──同時に、濃い蒼の遠景が幻想的でもあった。
 一方、星太も魚や海藻を探して、海を探検中だ。
(「いろいろな生き物がいるなぁ……」)
 その先で、イソギンチャクやクマノミ、他にも点在する美しいサンゴを写真に収めていく。
 途中で、ゲリンと行き会った。
「ゲリンさん、写真は撮れましたか?」
「うん、中々いい感じのが撮れたよー!」
 ぷかぷか浮かびながら、ゲリンはカメラを確認。
 前日から撮っていた、岩や光が作り出す風景を、何度も練習を重ねつつ仕上げていたのだった。
 そこに写るのは、眩しい陽光が水底まで届いている光景であり……全体がきらきらと輝いて、光の楽園のような風景でもあった。
 2人の近くでは、眠堂が水中から、再び水面を撮影している。
(「……」)
 眠堂は、こうして海にいると、ふと想起される事があった。
 それは亡くした恩人と行った海の思い出。
(「――あの時は忌々しかったこの青色も……今はただ、綺麗で、いとおしいような気持ちだ」)
 苦しい記憶。だがそれさえも、美しい青色は透かして溶かしてくれるようでもあった。
 その後、皆は一度海から上がる。
「皆のそれぞれ感じる、美しい風景、見てみたいな」
 そして眠堂の言葉を機に、互いに撮った写真の出来を見直していった。
「これ、綺麗ですね」
 と、モモコはあかねのデータを見る。
「そう言っていただけると嬉しいです。何度も撮りに行ったかいがありました」
 応えるあかねの写真は、魚や海の遠景、水底など、多岐にわたっている。
 撮っては写真家に教えを請い、ということを繰り返していたこともあり、技術は確かに向上しているのだった。
「モモコさんの方こそ、素敵な景色が多いですね」
 あかねが見る、モモコの写真は──海の美しさをダイレクトに感じ取れるような、青のパノラマ写真。
 モモコが生んだ感動を、そのまま写し取ったかのような一枚になっていた。
「そういえば、人を被写体にするのもあるんだね」
 と、シエラシセロが、写真家のカメラにあるデータを眺めて言葉をこぼす。
「なるほど。わかります。美しい写真には、美しい被写体が必要、ということでしょう」
 そう言ってウェットスーツに手をかけるのは、ルリナだ。
 無表情で淡々としたままに──スーツを脱ぐと、そこに水着を着用しているのだった。
「これでさらにいい写真が出来るはずですね」
 と、再び撮影に戻っていく。
 シエラシセロも、一緒に海へついていく。
「ボクも、海と一緒に撮ってほしい気はするかも。誰か、手伝ってくれるかな?」
 そう言うと、皆も、再び撮影に戻り──。
 風景だけでなく、互いを収めた写真も撮って、さらに幅広く、仕事を覚えていくのだった。

●計略
 そして、作戦最終日。
 予知通りに──螺旋忍軍2体が訪ねてきていた。
 ケルベロス達は、皆が写真家に認められていたが……そのうち、星太とあかねが応対を担当。
 その仕事ぶりで、螺旋忍軍に問題なく弟子だと信じ込ませることに成功した。
「ここから良い撮影スポットが有るんです。行きましょう」
 そして、星太が仕事の途中で、アトリエから離れた砂浜に誘導していく。
「こちらです」
 あかねも言って、先導すると──螺旋忍軍は、疑うこともなくついてきた。
 そこは岩礁に囲まれた砂浜で、海からも離れた場所。
「ここは……海ではないのか?」
 螺旋忍軍は当然、不思議そうにしていたが……。
 その頃にはもう、遅い。
「悪いですが、穏やかな海を乱す様なまねは許しませんよ」
 言葉と共に、鮮烈な歌声が響く。
 ルリナの歌う、「殲剣の理」。それが鋭いエネルギーとなって、螺旋忍軍2体を襲っていたのだった。
 同時に、待ち伏せていたケルベロス達が、2体を囲んでいる。
 あかねも、ウエットスーツを払うと、蝶柄の和装という格好で──腰には刀、左手にガントレットと臨戦態勢。
 そのまま抜刀した刃に雷撃を纏わせて……道化師に刺突を喰らわせていた。
 道化師はふらつきつつ、睨む。
「くっ──貴様ら、ケルベロスか……ッ!?」
「先生には手を出させないよ。キミ達、覚悟しなよね?」
 と、宙から飛来するのはシエラシセロ。
 弧を描くような軌道で、そのまま一閃。刀で頭上からの斬撃を加えていく。
 ふらつく道化師に、モモコは斬霊刀・イズナを突きつけていた。
「貴方達は、いったい何を企んでいるの?」
「……。ふん、我らはただ、使命を果たすのみよ──」
 道化師は体勢を直しつつ、言うが……。
 モモコは予想していたというように、地を蹴っている。
「なら、いいわ。どちらにしろ、貴方達の好きにはさせないから」
 瞬間、放つのは『片手平突き』。
 水平に構えた刃を、距離を詰めるとともに突き出し、苛烈な勢いで道化師の腹部を貫いていく。
 道化師も、手裏剣を手に取っていた。
「こちらこそ、技術習得の邪魔者は排除するのみ──!」
「あんな素晴らしい仕事を奪おうだなんて、野暮な方たちですね」
 すると、ゼノアが魔導書から光の渦を生み出し──星太の能力を飛躍的に高めている。
「そうだね──狙いは知らないけど。守ると決めたものは必ず、守る。誰にも、何も奪わせない」
 星太はその力を乗せるように『時空金縛りの術』。
 時間凍結毒の塗られたダーツを的確に撃ち当て、道化師の足元を硬化させていった。
 同時、眠堂は攻撃陣護符を掲げている。
 すると、焦げるように燃えたそれから紋が浮かび……巨大な霊体が生まれた。
「連撃で仕留めるとしようか」
「了解だよ! 一気にいこう!」
 それに応えるのはゲリン。
 舞い踊るように、足元から星型の光を生み出す。それを蹴り放って、道化師に命中させると──。
 さらに光を描きながら、縱橫に飛び回り、星の光を連発。光の雨を敵に降らせていった。
 そこへ、眠堂の開放した霊体が、唸りを上げるように突進。
 軽業師も衝撃に巻き込みながら……道化師をふっ飛ばし、四散させた。

●決着
 螺旋忍軍は残り1体となっていた。
「おのれ……まだ負けではないッ」
 と、それでも戦意は失わず、こちらへ接近してくるが──。
 そこへ、轟音が響く。
「遅いよ」
 そう言った星太が素早く、最小限の動きで大槌から砲弾を放っていた。
 それは狙い違わず、螺旋忍軍の腹部に命中、体を吹っ飛ばす。
 この隙に、ゼノアは再び魔導書から魔力を生み……あかねの脳髄を賦活。
 あかねは、既に敵の横合いを取っており──振るった刀で斬撃の嵐を喰らわせていた。
 血を吐いた螺旋忍軍は、無理矢理に走り込み、シエラシセロへと蹴りを放とうとするが──。
「おっと、それ以上はやらせないぜ」
 そこへ、眠堂が立ちはだかり、衝撃を庇い受けていた。
 同時、眠堂は『廿樂花』を行使。
 塵となった護符から現れた紋が、敵を縛り上げ、刃のように切り裂いていく。
「回復は任せてねっ!」
 そのタイミングで、ゲリンは「陽光の勇姿」を歌い上げていた。
 それは、ケルベロス達の冒険の叙事詩。歌詞を紡ぐたびに色とりどりの星が舞い、眠堂の体へ入り込み──その傷を癒やしていく。
「攻撃は頼んだよ!」
「ええ、おまかせ下さい」
 ルリナは、ゲリンに応えて高々と跳躍している。
 空に虹の軌跡を描きながら急降下し……そのまま光と速度を束ねた踵落としを叩き込んだ。
 次いで、シエラシセロもまばゆい光を生み出していた。
 それは、神速を誇る光鳥。神々しいその姿から、ひらりと羽が舞い落ちると──それがシエラシセロの足を纏い、光で覆った。
 瞬間、シエラシセロは目にも留まらぬ速さで蹴撃。その『隼破羽』の一撃で、螺旋忍軍を地に叩きつける。
「このまま畳み掛けていこう!」
「もちろんです──逃しませんよ!」
 シエラシセロに頷きつつ、モモコは疾駆。
 間合いを取ろうとする螺旋忍軍を捉え、突きからの横薙ぎで胸部を深々と切り裂いた。
「くっ……まだ、だ──」
 息も絶え絶えに、螺旋忍軍は反撃を試みてくるが……。
 ゼノアはそこに砂を撒き、目潰し。
「其は罪なり。裁きを――って感じですね」
 敵の視界が塞がったところへ、無貌の従属を召喚して体内から蝕んでいく。
 悲鳴を上げる敵の背後へ迫るのは、あかね。
「これで、終わりです」
 刀を突き刺すと同時、ガントレットで螺旋忍軍の心臓を鷲掴みにすると……。
 刹那、それを握りつぶし──魂を喰らい取って、とどめを刺した。

「終わりましたね。お疲れ様でした」
 戦闘後。ルリナの言葉に皆は頷きを返し、息をついていた。
 それから皆はアトリエに戻り、写真家の無事を確認。
 ようやっと、数日間に渡る作戦を終えたのだった。
 星太は写真家に、礼を言う。
「撮影、すごく楽しかったです。ありがとうございました」
 すると写真家も、こちらこそ守っていただいてありがとうございます、と頭を下げて返していた。
 それから皆は改めて、砂浜に出た。
 モモコは、その一角に座り……しばらく海を眺める。
「海って、本当に広くて深くて、綺麗……」
 呟くように言う。思い起こすのは、自分から人を遠ざけ、反発して孤立して──そんな自分を憐れんでいた毎日。
「これを眺めていたら……なんかいろいろどうでもよくなっちゃった。私、ケルベロスになってよかった」
 ふと、モモコは無邪気な笑顔を浮かべる。この数日の体験で、何か新しいものも自分の中に生まれた、というように。
 一方、ゼノアも、自分の撮った写真を眺めている。
「いい思い出ができましたね」
「ねえ、せっかくだし、最後にもみんなで思い出作ろうよ! 海の中で記念撮影してさ!」
 と、そこでゲリンが皆に言う。
「いいね! 先生も一緒に撮ろうよ!」
 シエラシセロも言うと、写真家も頷いて、準備をする。
「楽しそうだな。なら、俺も入らせてもらおうか」
 眠堂も言って、海へと入っていった。
「では、私も参加させていただいて──」
 と、潜っていくのはあかね。少し恥ずかしそうにしながらも──セットしたカメラの前で柔らかな表情を作ってみせた。
 できたのは、青色の中で楽しげな様子を見せるケルベロス達の写真。
 それを、海と平和を守ることができた思い出にして……皆はまた、海の遊泳を楽しむことにしたのだった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 5
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