星降る丘の支配人

作者:崎田航輝

 満点の星々が煌めく夜。
 無限の星明かりが辺りを照らす、広い丘に……1人の少年が歩いてきていた。
「“星降る丘の支配人”さん……今日なら、見られる気がする……!」
 言葉を零す、まだ幼い少年は……顔に期待を浮かべ、見回している。
 ある噂を聞いて、ここへ探検しに来たのだ。
「星がたくさん見える夜に丘にのぼると、会えるんだよね。ここの星空を管理してる、お人形さんで……星を降らせるからくりを動かしてるんだよね」
 反芻するように言いつつ、少年は丘を登り、探索。
 探すのは勿論、噂にある支配人だ。
「確か凄くきまぐれで、人間を見つけると、イタズラに星を降らせて殺しちゃう……って話だけど」
 ちょっと怖がりつつも、どこか御伽話めいたその存在を想像しつつ、少年は心躍らせる。
 尤も、少年が探すものは見つからなかった。
 代わりに現れたのは、1人の魔女。
「――私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 手に持った鍵で、少年の心臓をひと突きする――第五の魔女・アウゲイアスだ。
 少年は意識を失い、丘に倒れ込んだ。
 すると奪われた『興味』から――陶製の人形のような姿が現れる。
 ハットに白いスーツを着た、戯画化されたような人形紳士。
 その紳士は、どこかひょうきんな仕草で、映写機のような装置をからころと回し……星空を仰いでいる。

「星を降らせる、というと、どこかロマンチックな気持ちにもなりますね」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はそう言って、集まったケルベロス達を見回していた。
「今回は、ドリームイーターの出現が予知されたことを伝えさせて頂きます。第五の魔女・アウゲイアスによる、人の『興味』を奪うタイプのもののようで――とある丘にて、少年の興味から生まれるようです」
 放置しておけば、ドリームイーターは人間を襲ってしまうことだろう。
 それを未然に防ぎ、少年を助けることが必要だ。
「皆さんには、このドリームイーターの撃破をお願い致します」

 それでは詳細の説明を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、人形の姿をしたドリームイーターが、1体。場所は夜の丘です」
 星空が美しい丘で、その地元ではそれなりに有名な場所だそうだ。流星群の時節などは人も集まるようだが……今回は一般人の姿はないという。
 丘もなだらかで、戦闘の邪魔になるようなものはないといった。
「丘で誘き寄せるための行動を取れば、ドリームイーターは現れてくれるはずです」
 誘き寄せには噂話をするだけでも良いが、星に関する話をしたり、星に願い事をしたりすることでも関心を惹くことが出来るでしょうといった。
「ドリームイーターを倒せば、少年も目を覚ますことが出来るので心配はないでしょう」
 敵の能力は、雨のように星屑を降らせる遠列足止め攻撃、降らせた星屑から光を放つ近単パラライズ攻撃、からくりの星をばらまく近単プレッシャー攻撃の3つだ。
「敵を倒せば、綺麗な星空が眺められると思います。そのためにも是非、撃破を成功させて来てくださいね」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
ネロ・ダハーカ(マグメルの柩・e00662)
泉本・メイ(待宵の花・e00954)
北十字・銀河(オリオンと正義を貫く星と共に・e04702)
未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)
ハル・エーヴィヒカイト(ブレードライザー・e11231)
古月・蝶(絡繰仕掛けの揚羽蝶・e25044)
榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)

■リプレイ

●星夜
 ケルベロス達は、夜の丘にやってきていた。
「星降る丘、ですか」
 満天の星を見上げるのは未野・メリノ(めぇめぇめぇ・e07445)。無限の星のドーム――そんな光景に、ふわりと笑みを浮かべている。
「本当に、星空の良く見える、素敵な場所です、ね」
「うん」
 歩きながら、榊原・一騎(銀腕の闘拳士・e34607)は頷く。
「星降る丘の支配人――確かにこの光景と合わせてみると、ロマンチックだね。それを見ようと少年がここに通っていた気持ちも、分かる気がするよ」
 夜なのにどこか明るく、静かなのにどこか温かみがある。そんな空の下……皆はひとところに集まり、話を続けることにした。
 それはその存在を誘き出す為の、作戦だ。
「美しくて、今にも降ってきそうだな」
 北十字・銀河(オリオンと正義を貫く星と共に・e04702)は、本音も交えて口にする。
 するとネロ・ダハーカ(マグメルの柩・e00662)もまた、心からというように頷いた。
「そうだな。ネロも晴れた夜空は大好きだよ」
 言って、くるりと回るように星を眺める。
「この時節だと尚の事。初夏の星月夜だなんて物語の序幕の様じゃあないか」
「確かに。こんなところにいる支配人とやら……俺も興味がでてきたよ」
 銀河はそんな風に言ってみせた。
 すると、ふと空に異質な光が瞬く。
 それに気付きつつも――古月・蝶(絡繰仕掛けの揚羽蝶・e25044)は話を続けた。
「人形だという噂でしたね。どのようなからくりで……どのような方なのでしょうか。私も一度、お会いしてみたいものです」
「星の多い夜に現れるという話だったな」
 ハル・エーヴィヒカイト(ブレードライザー・e11231)も、周囲を見渡しつつ――言葉を継いでいく。
「このような夜ならば、会えるかもしれんな」
 その内に、かたかたと機械的な音が、どこかから、小さく響いた。
「あの明るい星がレグレスだから、あれは獅子座だよね。見て、凄く綺麗なの」
 泉本・メイ(待宵の花・e00954)は、それを意識しながらも、嬉しそうに声を零す。
 元々星が好きなこともあり、星座早見盤を手に、輝く星を指差していた。
「その横はスピカの乙女座で……今は木星も見えるなんてすごいね」
 南の一等星に、高空の明るい星。それらにはしゃぐようでもあった。
 ネロもそれを見上げる。
「ふむ。どれも美しいじゃないか。スピカに……そして大三角も。お目当ては、何かな――ねえ、支配人殿?」
 と、ネロは視線を下ろす。
 その方向にある影から……何かが近づいて来るように見えた。
 ロザリア・シャルクハフト(黒翼・e36943)は、そんな中、ビハインドのアルマに語りかける。
「何か星に、願いたいことはあるかい?」
 アルマは、何かを願うようでもあり……またその表情は完全には読めない。
 ロザリアは視線を下ろし呟く。
「“星に願いを”なんて、浪漫がある話だよね。まあ――僕は、星なんかに願わずに自分で叶える主義なのだけれど」
 と、言葉と共に、その手に握るのは黒き大鎌、Kali。
 その目線の先で……。
 夜から現れた白い人形紳士――ドリームイーターが、からころと機械を回していた。

●偽星
『これは、妙なお客サン。星でも御覧に入れまショウ――』
 人形紳士は周囲に、星にも似た煌めきを生んでいた。
 それは、今しも形を取ろうとしていた……が。
「遅いな。境界形成――」
 それよりも早く、ハルが殺界を形成。
 同時に、無数の刀を内包する領域をそこに展開している。『境界・雷皇鎚落』――髪を本来の白髪に変貌させたハルは、領域から刀を取り……疾駆。
「まずは初撃、受けてみるがいい」
 瞬間、刃を人形紳士に突き立て、避雷針代わりに雷を落とし、強烈な衝撃を喰らわせた。
 煙を上げた人形紳士は……しかしハットに手を添え、体勢を立てなおす。
 再び機械に手をかけるが……。
「させません、よ。夜空に流れる星だけで、十分だと、教えてあげます」
 そこに、歌声が響いた。
 メリノの紡ぐ、『立麝香草の馨』。小花の如き光を伴うその歌は、仲間に煌めきを注ぐと共に、力を与えていく。
 その力を受け取るように、ネロは手元に生み出す魔法の光を強め――発射。敵に夜色の光を纏わせ、動きを制限していく。
 人形紳士を眺めつつ、ネロは呟いた。
「ドリームイーターでさえなければ、物語の素敵な登場人物として、かなり好みなのだけれどね」
「うん……星空を管理する、なんてとっても素敵なお仕事なの」
 メイも応えるようにしながらも、人形紳士へ向かって走り込んでいた。
「でも、イタズラに星を降らせて殺しちゃうなんて、絶対、駄目だよ」
 相手を翻弄するように右に左に駆けると……跳躍。人形紳士の背中に、パンチを繰り出した。
『お戯れヲ。ひと目見てみれば、心も変わりマスヨ――』
 人形紳士も機械を操り……歯車仕掛けの星を生み出して、ハルへと飛ばした。
 だが……その星は途中で弾ける。
 跳び込んだ銀河が、ふた振りの剣をクロスし、衝撃を庇ったのだった。
「おっ、と。からくりでも、星で攻撃するのは気に入らないな」
 着地した銀河は、一瞬人形紳士を見据えると、そのまま疾駆。
 銀河自身にしか扱えぬその宝剣に、目映い雷鳴を宿し……神速の刺突を喰らわせた。
 銀河にもまた、星の余波によるダメージが残っていたが――。
「少しだけ待っててね」
 と、一騎が癒しの力を集中している。
 それは星明かりにも負けぬような虹色の光となり、銀河を始めとした仲間を包んでいった。
「このまま一気に回復してしまおう」
「は、はい! では、私も、参りますっ!」
 蝶も、少し慌てつつも応え――紙兵をばらまく。するとそこからエネルギーが生まれ、前衛を回復防護していった。
 蝶は、周囲に転がった星を少し眺める。
(「からくりの星、ですか。……ふふ、どこか親近感です」)
 星の名を持つ機体でもあった蝶は、少しだけ、笑みをこぼしていた。
『もっと沢山の星ヲ、お望みデ――』
 人形紳士はそれを見て、また機械に触れていたが……そこへ、鎌に炎を纏わせたロザリアが肉迫した。
「皆が言うように、星は空にある分で充分ではないかな」
 その表情は変わらず、どこか胡散臭さすら感じさせる笑み。
「勿論、浪漫は好きだけれどね。でも、壊すものは壊さねばね?」
 そのまま、余裕すら含んだ態度のまま鎌を振り上げる。
 アルマが金縛りで人形紳士を抑えると……ロザリアは一閃。陶製の体を溶かしながら、肩から足元まで強烈な斬撃を叩き込んだ。

●降星
 倒れた人形紳士は、機械を支えにして、がたごとと立ち上がる。
 ネロはそれを少し見て、また口を開いた。
「ところでその映写機には星屑が詰まっておいでかい? それとも、投影する為の夜空が?」
『さテ、そのからくりハ秘密でス――』
 と、人形紳士は機械を回す。
 ネロはすぐにそこへ接近し、拳にオーラを纏わせていた。
「面白い。尚更デウスエクスでさえなければ、と思ってしまうね。それこそ、聞いてみたい事は沢山在るのに!」
 心から、というように言いながらも――拳を打ち込む。
 同時、メリノと、ミミックのバイくんも接近していた。
「バイくん、行きます、よ」
 メリノに応えるように、バイくんはぴょんと跳ぶ。
 そのまま、人形紳士が避けようとするところに噛みついた。次いで、メリノも踊るようにくるくると動いて、その背中を取り……拳での打撃を喰らわせていく。
 だが、人形紳士も機械を空へ向け、星屑を雨のように降らせた。
 それは前衛へ絶え間ない衝撃を与えてくるが……。
「成る程。星を落とすか、大それた御伽噺だ」
 その光を縫うように、ハルが人形紳士へと肉迫していた。
「だが所詮偽りの星屑――我らに砕けぬ道理はない」
 同時、斬魔刀“緋月”と具現化した刀で、縦横に剣線を走らせる。
 破片を散らしながらも、人形紳士は機械にしがみつき、星屑を降らせ続けようとするが――その手首が切り落とされた。
 ロザリアが烈火の如き勢いで放った斬撃である。
「アルマ、無事かい」
 星屑の止んだ中、ロザリアは振り返って、ダメージを受けていたアルマを抱き留める。
 己が魂を削り生を求めた、亡き妹。それが僅かにでも傷ついた姿に、ロザリアは激昂していた。
「……これで終わりと思うなよ」
 ロザリアはさらに鎌を振るい、人形紳士の体中に裂傷を刻み、吹っ飛ばす。
 散らばった星屑は、地面に留まりこちらの動きを制限していたが……そこに、銀色の粒子が広がる。
 一騎の展開したオウガ粒子だ。
「思いのほか、厄介だね。でも――!」
 言葉と共に一騎は、一帯に広く粒子を飛散。星屑を溶かすように、銀色の光の中に消していく。
 同時、蝶も銀に瞬く光を広域に輝かせていた。
「私も、支援させていただきます……!」
 煌々と照らされた銀色は、一騎の力と重なるように、一帯に強く作用し――前衛を足止めしていた星屑の全てを消滅。さらに、仲間の知覚にも作用し、体力の回復と共に、その機能を高めていった。
「これで大丈夫でしょうか?」
「ありがとう、助かった」
 と、応えるのは銀河。飛ばされた人形紳士に向け、両剣を掲げていた。
 直後、オリオン座と獅子座、天秤座の力を蓄え、眩しい程の光を剣に湛える。
「ここから反撃だ。我を守護せしオリオンよ――獅子と正義の女神の力を借りて負の者の罪を償わせよ!!」
 そのまま目映い軌跡を描く斬撃――『星霊同化』で、人形紳士を切り裂いていく。
 足元の石化した人形紳士は、動きを鈍らせながらも、再び機械を手にするが……。
「させないの」
 そこへ、メイが『耀く銀漢』を行使。それは星降る夜の記憶とともに、光を降らせる力だ。
 メイは思い出す。父親に連れられて星を見に行った事。星や星座の名前を教えてもらった事。初めての知識に驚いた事。
 メイにとって星空は、楽しい思い出に満ちている場所だ。
「だからこそ、星で悪いことなんてさせないの」
 想いを込めた流星は人形紳士を穿ち――その片腕を吹っ飛ばしていった。

●星空
 人形紳士は、胴体にひびを入れつつも、変わらぬ調子で起き上がる。
『これハ愉快。星を増やしテ、パーティと行きまショウ――』
「パーティなら、踊りが必要かな」
 と、そこへネロが踏み込んでいた。
 繰り出すのは『舞闘会:夜来たる』。
「今はひとたび、戰場に燦めく星とならん――」
 言葉と共に、両腕を魔獣の如き形状へ変え……踊るように、燐光を纏った打撃を喰らわせていった。
 そのまま、人形紳士をぐらつかせると……次いで、ロザリアが接近する。
「行くよ、アルマ」
 声に呼応して、アルマが敵を金縛りにすると……ロザリアは『簒奪するは命の華』。機械を両断しながら、人形紳士にも痛烈な斬撃を加えていく。
『これハ驚嘆。星を、集めねバ――』
 敵は機械が壊れたと見ると、散らばったからくりの星を拾おうとする、が……。
「なら、その機動力を奪う!」
 同時、一騎がガントレットのジェットで飛び出し、その勢いのままに蹴りを叩き込んだ。
 再び転倒した人形紳士に、メリノと銀河が距離を詰めている。
「静かで綺麗な星降る丘を、返してもらいます、よ」
「ああ。少年の心から奪われた、その興味もな」
 メリノが宙で回転して踵落としを打ち当てると……銀河は両剣に稲妻を纏わせて、小爆発を伴う突きを直撃させた。
 亀裂を全身に広げる人形紳士だが、それでもからくりの星を拾っている。
 と、そこへ蝶が、機械蝶型の小型無人機を複数、宙へ飛ばしていた。
「対応します。詠唱省略。蛹化解除――ファイア!」
 瞬間、そこに搭載された機関銃から一斉射撃を行う、『奏』で人形紳士を足止め。
 その間隙に、メイが高々と跳んでいる。
「ばいばい、支配人さん」
 流星のような、高空からの蹴撃で、人形紳士が転倒すると……。
 同時、ハルは二刀から衝撃波を放っていた。
「さぁこの夜に幕を引こう。――夢は醒めるもの、幻想は夜に溶けて往くがいい」
 鋭く飛来したそれは、人形紳士の体を裂き……粉々に打ち砕いていった。

 戦闘後、皆は周囲のヒールをし、少年も介抱した。
「怪我はない? もう大丈夫だよ」
 と、メイは、目を覚ました少年を優しく抱き起こす。
 ハルも事情を説明してから、言った。
「君の好奇心は尊いものだ。だから次は危なくない話を選ぶといい」
 その言葉に、少年は頷き……丁寧に礼を言って、丘を去っていったのだった。
「では、暫しの星見を愉しむとしようか。――この特等席、今宵ばかりはネロ達が独占だ」
 そしてネロの言葉を機に……皆は再び夜空を眺め始めた。
「それにしても、綺麗だ」
 ハルは仰ぎながら、改めて呟いた。
 空の撮影も始め、しばし星を収めていく。
「任務報告にこの星空の写真も添えておこう」
「ほ、北斗七星も見えますよ」
 ちょっと人見知りしつつ、北を向くのは蝶。見るのは、Dubhe、Merak……姉妹機のコードネームでもある名の星だ。
 そのうちに、自身の元の名でもあるAlkaidも発見。それを眺め……どこか懐かしい気持ちにもなっていた。
 一騎も星を見つつ、呟く。
「デートに良さそうだな……」
 それは、いつか出来るであろう彼女と、手を繋ぎながら寝そべって流星群鑑賞をする……そんな妄想なのだった。
「本当に綺麗です、ね」
 メリノも、実感するように声を零す。
 スコットランドの田舎で生まれ育ったメリノは、日本の夜空は明るい、と思っていた部分もあった。だから尚更、星が綺麗に見られるという今日を楽しみにしていたのだ。
 ホットティーとお菓子を傍らに、メリノは笑む。
「……えへへ、お疲れ様、バイくん」
 それにバイくんも応えるように、開閉部をがじがじとさせていた。
 メイもまた、紅茶と金平糖を手に空を仰ぐ。
「星はずっと見ていても飽きないの」
「そうだな。ネロは真夏の喧しいくらいの輝く星空も好きだけれど……この、霞がかったみたいな初夏の夜空もうんと好きだ」
 ネロも並びつつ、応えるように言う。
 銀河は聞きながら、自身も、大切そうに、愛しそうに星空を見ていた。
「この星空は、地球に住む俺達の何よりの宝だよな? この宝を見る事が出来るこの場所を、これからも守っていきたい……俺はそう思うよ」
「うん。――あ、流れ星!」
 メイは頷きつつも、空に光が通るのを見つけた。
「本当に星降る丘だったんだね」
 呟きながら、願う。これからも大好きな人達と楽しく過ごせます様に、と。
 一騎もそれを見つつ言う。
「来月からは本格的に流星群の観測シーズンみたいだし、今度は流星群を見るためにここに来たいね」
「ふむ。それも良いかもしれないね」
 と、ロザリアはまた始めと変わらぬ笑顔で応えつつ、アルマと共に時を過ごしていた。
 星夜の時間は未だ続き――皆は今暫く、その美しい光景を楽しんでいた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年6月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。