音の小箱

作者:崎田航輝

「貴方たちに使命を与えます」
 ミス・バタフライは、配下の螺旋忍軍2体に指示を出していた。
 頭を垂れている配下の両名は、はい、と揃って頷く。1体は道化師のようで、もう1体はサーカス団員のような格好をした螺旋忍軍だ。
 ミス・バタフライはその2体を見下ろしつつ続ける。
「この街に、オルゴール職人として生活する者がいるそうです。この男性に接触し、仕事内容を確認・習得。そのあとで――殺害しなさい」
「――了解しました、ミス・バタフライ」
 2体は、簡単な仕事とでもいうように頷いていた。
「一見、意味の無いこの事件も――巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのでしょう」

「オルゴールの音色というのは、とても素敵ですよね」
 集まったケルベロス達に、イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)はそんなことを言っていた。
 それから、改めて見回す。
「集まっていただいて、ありがとうございます。まだまだ未熟かも知れませんが、頑張って務めさせていただきますね。今回の事件は――ミス・バタフライの起こすものです」
 以前より確認されている、珍しい職業を持つ一般人を狙った事件だ。
 今回はその新たな一件であり……オルゴールを作る職人の男性を狙ったものになるという。
「その男性の元へ、ミス・バタフライの配下の螺旋忍軍が現れて……仕事内容を習得したあとに、殺してしまう――そんな目的があるようです」
 これを阻止せねば、巡り巡ってケルベロスにとって不利な状況が発生する可能性が高い。
「勿論、人の命を無碍には出来ません。この螺旋忍軍の撃破を、お願いします」

 作戦詳細を、とイマジネイターは続ける。
「敵は、螺旋忍軍2体です。場所は、神奈川県の工房となります」
 この工房へ行き、職人の男性を警護して、現れた螺旋忍軍と戦うのが目的である。
 が、事前に職人を退避させた場合、敵が別の対象を選んでしまうために、被害を防ぐことが出来ない。
「そこで、皆さんには、事件の3日前から職人さんに接触して……オルゴール制作の仕事を教えて貰ってください」
 見習いに見える程度の仕事が出来れば、螺旋忍軍の狙いを自分達に変えさせることができるといった。
 オルゴールは、突起の付いた円柱……シリンダーをゼンマイ巻きで回し、鉄琴のような弁をその突起で弾くことで音を出すというような構造を持つ。
 その辺りの機構も複雑ではあるが……一番はやはり、奏でるメロディが美しいかどうかだ。
 弾く度合いや弁の削り具合などに寄って音色も微妙に変わるし、短い再生時間にどのようなメロディを詰めるかなど、芸術的な部分が問われるという。
 この工房では箱の装飾から曲の内容まで全てオリジナルで作っていると言うことで、技術だけではなく感性も重要になりそうだといった。
「デザインやメロディ……3日で形にするとしたらこの辺りの部分でしょう。表現したいもののイメージがある程度想像できているといいのかも知れませんね」
 囮になることに成功したら、修行と称して外に誘い出すなどして、有利な状況で戦闘を始める事が出来るはずだと言った。
 それでは螺旋忍軍の説明を、とイマジネイターは続ける。
「螺旋忍軍は、2名とも、螺旋手裏剣を使って来るようです」
 囮作戦が上手くいけば確実に先手が取れるので、頑張ってみて下さいと言った。
「……オルゴールというのは、音の世界が箱に詰まっているみたいで、とても素敵ですよね。皆さんが作るオルゴールも、きっと世界に1つのものになるのだと思うと……やりがいがあると思います」
 と、イマジネイターは少しだけ心愉しげに語った。
「綺麗な音を奏でる楽器。職人さんの命。どれも勿論、大事な物です。皆さんのお力で、是非、守って頂ければと思います」
 イマジネイターはそう言葉を結んだ。


参加者
安曇・柊(神の棘・e00166)
呉羽・律(凱歌継承者・e00780)
ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)
武田・克己(雷凰・e02613)
リリー・ヴェル(君追ミュゲット・e15729)
リリス・セイレーン(ちょっとこカニ太郎・e16609)
斑鳩・朝樹(時つ鳥・e23026)
エレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)

■リプレイ

●入門
 工房を訪れたケルベロス達は、職人の男性に接触し、事情を説明していた。
「――そういう理由で、これから3日間程、俺達に仕事を教えて頂けないだろうか。突然訪ねて、不躾ではありますが――」
 丁寧な挨拶の後、呉羽・律(凱歌継承者・e00780)は細かに状況を伝えていく。
 皆も、真摯に話をすることで……職人も、理解したように頷いていた。
「分かりました。3日間で、やれるだけのことはやりましょう」
 そうして、ケルベロス達を工房内へ案内する。
 加工や組立を行う仕事場であり、ここが修行の舞台でもあると告げた。
「ありがとうございます。経験も浅く、無礼と為ることもあるでしょう……それも含め、どうかご指導ご鞭撻を――」
 改めて、斑鳩・朝樹(時つ鳥・e23026)は深く辞儀をした。
 旧家の出自で「道」の付く武芸を一通り教え込まれており、礼節を重んじる身として――それは、職人への心からの敬意の表れでもあった。

 こうして皆は、工房での修行を始める事になった。
 まずは、完成品や作られた部品を元に、基本の構造や加工技術などを教わっていく。
「これを作れると思うと、何だか楽しいのパオ!」
 エレコ・レムグランデ(小さな小さな子象・e34229)は職人が作った1つを手に、少しわくわくした表情だ。
「それに、リリスさんやリリーちゃんも一緒で心強いパオ」
「ええ、私も一緒で嬉しいわ」
 と、応えるのはリリス・セイレーン(ちょっとこカニ太郎・e16609)。ただ、オルゴールを見つめる目は真剣だ。
「きちんとしたものを作りたいし、しっかり作り方を学びましょうね」
「そうです、ね」
 リリー・ヴェル(君追ミュゲット・e15729)もこくりと小さく頷き……オルゴールを鳴らす。金属的であると同時に叙情的な、独特の音が流れていた。
「セカイや物語が、ひとつの箱に詰まっていて。ただ、ひとつしかない、なんて、ステキです、ね」
 暫し曲を聴いてから、呟く。
「これを、守れるように、頑張りましょう、ね」
 それには皆も、頷いていた。
 工房は広いスペースに、細かな道具や部品が多数並んでいる。ピンセットや鎚など、使う道具も金属加工場という雰囲気だ。
「こうして見ると、本当に細かいお仕事なのですわね」
 ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)はそんな中、音を出す元となる、ミニチュアの鉄琴のような振動板を眺めていた。
「デザインと、曲も含めて、最低限のものを作らないとですね。……が、頑張らないと、いけませんね……」
 安曇・柊(神の棘・e00166)は……元々細かい作業は得意ではあるのだが、気の弱さもあってか、少しばかり不安げだ。
 律は、友人のそんな姿に、安心させるような笑みを作った。
「手伝えることは手伝うさ。オルゴールだって楽器の一つだ……ここは音を作ることを楽しもうじゃないか」
「ま、やるしかないなら、出たとこ勝負だな」
 武田・克己(雷凰・e02613)はいつも通り、といおうか、どこかマイペースに語る。
 そうしてケルベロスのオルゴール作りは本格化していく。

●表現
 基本の技術を学びつつ……皆は次に、オルゴールを形にするためのデザインやメロディを定める段階に入った。
 歌劇の役者でもある律は、ここに関して不安はない。
「柊、君をイメージした曲だから……よかったら使ってくれ」
 と、自分の分と別に、柊にも用意していた楽譜を渡した。
「律さん……あ、ありがとうございます。う、嬉しいです……」
 柊はおどおどとしつつも……憧れの存在でもある律からの贈り物を、しっかりと受け取った。
 柊自身は、加工や組立などは上達している。これを組み込めば、後は試行錯誤で完成への道が見えそうだった。
「り、律さんは、どんな、オルゴールを……?」
「出来てからのお楽しみ――と言いたいが。柊のものとはある意味、対照を為すようなものかもね」
 律はそんなふうに、微笑みを浮かべ、自身の作業を続けていくのだった。
 一方、工房内の別の席では、朝樹も制作を進めている。
 朝樹は初日から真摯に学ぶ姿勢を見せており……明確なイメージを持って、既に箱の細工に入っていた。
「木箱に硝子……とても楽しいオルゴールになりそうですね」
 職人がデザイン画を見て言うと、朝樹は頷きを返した。
「そう言って頂けるのならば、光栄です。これを形に出来るよう、今は精進するのみです」
 言うとまた、作業を続ける。
 未知の領域を知り得る喜びは、朝樹にとっていつでも大きく楽しい。だからまずは、修行に邁進した。
 休憩時も、朝樹は興味深げに皆に視線を巡らす。
「こちらはどのようなテーマで?」
「これは、不思議の国とそこに迷い込んだ姫様のイメージですわ……♪」
 にこりと応えるのはミルフィ。
 ミルフィもデザインには凝っており……その小箱は、メルヘンチックで、まるで絵本の世界のようだ。
「まだ試作ですけれど完成が楽しみですわ……。ちなみに、武田様はどのような曲を?」
 隣で、克己はできかけのオルゴールをためつすがめつしつつ、そうだな、と呟く。
 完成にはまだ遠そうだが、特に焦りはないようだ。
「オルゴールっつうと、ガキの頃子守唄みたいな感覚で聞いてた覚えがあるからな。ああいう感じの優しいメロディを作りてぇなぁ」
 言うと、紙にさらさらと、思い出から生まれたメロディの萌芽をメモしていた。
 その後も修行は続く。
 そんな中で、エレコの上達には職人も舌を巻いていた。
「加工も簡単ではないのに、凄いですね」
「パオ! 我輩、ゴーレム作りでならしてるから手先は器用なのパオ!」
 応えるエレコは、金属を打ち、切断し……細かい部品も既に再現できるようになってきている。
 ただ、デザインについてはまだ青写真といった状態だ。
「我輩デザインセンスとか音楽センスはあんまり……って、そうだ! せっかく一緒なんだから、リリーちゃんとリリスさんの助言が欲しいパオ!」
 気付いたように言うと、リリーは頷く。
「ええ、できることでしたら、なんでも。デザインについては、どのような、イメージでしょう?」
 と、リリーがヒアリングしていくと、エレコは何となく元気なイメージを想起し、伝えた。
「でしたら、それをデザインに、表しては、いかがでしょう。このような、カタチで」
 リリーがイメージ画を描くとふんふんと頷くエレコ。
 リリスの方は、五線譜に音符を描いていた。
「曲もそれに合わせたら、いいんじゃないかしら?」
「リリスさま。もしよろしければ、わたくしも曲を、ソウダンさせてくださいまし」
「勿論よ。えっと、リリーちゃんのイメージだと、凄く綺麗で、でも力強いところもある感じね」
 と、リリスはリリーの曲にも、的確にアドバイスを送っていた。
 エレコは逆に、技術的な面で2人を教え……適材適所、想像を形にしていった。

●音色
 日も過ぎ、皆は試作品となる物を作り上げていた。
 この日はまず職人が皆のところを周り、それらを順に見て、聴いていく。
 まずは柊と律からだ。
「ぼ、僕のは、うまくできているか、心配ですけど……」
「何、まだ試作品だ。上手下手に構うまい」
 と、2人が出したのはどこか対照的なオルゴールだ。
 まず柊の物を開け奏でると……軽やかな旋律が流れ出す。
 優しい風合いの音色は、どこか春の青空に飛び立つ、小鳥をイメージさせる。それは正に、空の音律、といったものだった。
 律のものは、暗色も使った、星々を想起させる小箱だ。
 鳴らすと、所々で、星屑が零れるようなアルペジオが美しい。それは良い夢へと誘う、子守歌のオルゴールであった。
「こちらは爽やかで、こちらはどこか純粋にさせてくれるような、美しいオルゴールですね」
 朝樹は、非常に関心惹かれたように、それに耳を澄ましていた。
 朝樹自身のオルゴールは、飴入れ兼用の、硝子をはめ込んだ木箱だ。
 メロディを奏でさせると……それは雨の唄。7つの音階で、時に単調に、時に弾ける水滴の如く可憐に、音を鳴らす。
 徐々に雨足が弱まるように、ゆっくりになった曲は……最後に明るく7音を駆け上り、虹の情景となった。
 雨と飴を掛けた、見た目にも楽しい、実に遊び心満載のオルゴール。子共が喜び、大人も虹を見上げた子供時代を振り返るような、新しさとノスタルジックが混じった魔法の小箱……そんな風合いだ。
「部屋に籠りがちな梅雨時も、きっと楽しい音楽会に変えてくれる――そんなものになればいいと思って、形にしました」
「期待通り、とても楽しいものが出来そうですね」
 職人も、完成を心待ちにするように言っていた。
 次は克己のオルゴール。こちらは思い出を感じさせる、懐かしさに富んだ穏やかなメロディだった。
「まあ、直観的に作った曲だけどな。悪くはないだろ」
 職人もそれには頷いていた。
 ミルフィが鳴らすのは、一転してメルヘンの世界に誘うようなメロディだ。
 デザインは、不思議で可愛らしい世界観。
「わたくしは……お仕えする姫様をイメージして作りましたわ……♪」
 確かにそれは、音楽と相まって、可憐な姫が住まう世界を彷彿とさせる物に仕上がっていた。
「可愛らしくて、愛情が感じられますね」
「愛情だなんて、照れますわ……♪」
 職人にそんなふうに返すミルフィだった。
 最後は、エレコと、リリス。そしてリリーだ。
「音楽はみんな、リリスさんに見てもらったパオ」
 そう言って、エレコが鳴らすのは、軽快な音楽。アタック感のある金属特有の音色を活かし、弾むような、心躍るような音を奏でていた。
「こんなふうに綺麗な音が出てるのは、エレコちゃんの技術があるからね」
 リリスは微笑んでそれを聞く。
 次に鳴らすのはリリスのオルゴール。それは夜の森と星空をイメージした、美しい小箱だ。
 上蓋には夜の森と、夜空に輝く星々の細工があしらわれている。
 側面は森を吹き抜ける風や、音を現す波模様。中には黒猫と少女がデザインされていた。いずれも綺麗な加工に仕上がっていて、統一感がある。
 メロディも、しっとりとした小夜曲で、時折響く高音が、星の瞬きや流星をイメージさせ、世界観を飾り立てていた。
「そうです、ね。おふたりに手伝っていただいた、おかげで。いいものが、できたと、思います」
 少し目を閉じるようにして、聴いているリリー。
 そのリリーのオルゴールは、煌めく硝子匣。メロディは芽から向日葵が花咲くまでを描く、展開のあるもの。
 小さなものが、やがて空へ昇るような……愛嬌がありながらも、力強さも内包させた曲だった。
「皆さん、素晴らしいですよ。後は、完成度を高めるだけだと思います」
 職人が言うと、皆は頷き、再び研鑽に入る。
 そうして、計3日が経過し――。
 その日、予知通り、工房へ螺旋忍軍が訪ねてきたのだった。

●作戦
 ケルベロス達は、職人は隠れさせ、自分達のみで応対した。
 すると、皆の仕事ぶりを見た2体の螺旋忍軍は――問題なく入門を申し込んできた。
 皆は暫し、工房で螺旋忍軍に仕事を教えた後……。
「さて、必要な物があるので、倉庫へ部品を取りに行こうか」
 その律の言葉を機に、螺旋忍軍を連れて移動し始める。
 螺旋忍軍は、その先で潜むケルベロスも居ることに気付かず――外にまで、誘導された。
「ここは――」
 そして、2体が違和感を覚えたように言うのと、同時。
 道化師風の1体を猛烈な砲撃が襲った。
 潜んでいたミルフィによる、不意打ちだった。
「申し訳ありませんが――素晴らしい匠の技、奪わせるわけには参りませんわ」
「何っ……」
 焦る螺旋忍軍。そこへ朝樹の蹴撃と――さらに、リリスの放つ魔法光とリリーの生んだ火炎が一気に命中する。
「さぁ、戦劇を始めようか!」
 口調も凛々しく、律も鋼の拳で集中攻撃に拍車を掛けていた。
 サーカス団員風の1体が、慌てて反撃を狙うが――。
「おっと、お前の相手は俺達だ」
 そこに、克己が斬撃を浴びせて立ち塞がる。さらに柊も加わり、この1体を抑える態勢を取った。
「柊、護りは任せるぞ」
「わかり、ました。冬苺は、みんなの方を、お願い……!」
 律に柊が応えると、ウイングキャットの冬苺は、雪の様に真っ白い長毛をたなびかせ……道化師の方へ、リング攻撃をしていた。
 道化師も反撃に、手裏剣を放つが――その攻撃を防ぐ無数のものが現れる。
 エレコの『小さな錬金工房』によるゴーレムだ。その群が手裏剣を押しとどめ、仲間の負傷を抑えていく。
「攻撃はお願いしますパオ!」
「ええ。それじゃ、リリーちゃん。一緒に――踊りましょうか」
 と、リリスは『幻想の蔓薔薇』。舞い遊ぶように跳ぶと、足元から可憐な蔓薔薇が花開き、咲き乱れていく。
「わかり、ました。それでは、ご一緒に」
 同時に、リリーも跳ぶ。花嵐の中でリリスとリリーは、踊るように道化師に蹴りを加え――四散させていった。
 それを確認した克己は、刀を握り直す。
「じゃ、こっちも本気で行くか」
 それまで自己回復で体力を保つ態勢を取っていた克己は――抑え込んでいた修羅の本性を現すように、獰猛に笑った。そのまま嵐のような斬撃を喰らわせていく。
「このまま、畳みかけて行きましょう――」
 と、朝樹は『紅霞楼』――その薄紅の霧で螺旋忍軍を麻痺させていく。
 律も同時、光と闇を入れ替える呪詛の調べ――『第七の凱歌』を歌い上げ、一気に体力を奪い去っていた。
「オルゴールの、技術を奪うまでは、倒れぬっ……!」
 敵も手裏剣を放つが、それを受けながらも、柊は接近。
「……お、オルゴールは、とても繊細なんです。だから……職人の仕事場に土足で踏み入るような真似、絶対にさせません……!」
 そのまま翼をはためかせ、回し蹴りを叩き込んだ。
 克己も、手裏剣を受けて流血しながらも、高揚するように刀を振り上げた。
「風雅流千年。神名雷鳳。この名を継いだ者に、敗北は許されてないんだよ――喰らえ、この一太刀で、神すら斬ってみせる!」
 闘気を込めた乾坤一擲の斬撃、『神斬』。それが真正面から螺旋忍軍を両断し、打ち砕いた。

 戦闘後、皆は職人と合流し、その無事を確認した。
 職人が礼を言うと、ミルフィは笑顔で応える。
「こちらこそ、素晴らしい技術をお教え頂き感謝致しますわ♪ わたくしの姫様にも、良いお土産ができましたわ……♪」
「ええ、貴重な技術と、音楽に満ちた楽しい時間をありがとうございました」
 朝樹も、礼を返すと同時に、皆にも言っていた。
 それから皆は、改めて周囲を修復していく。
「……悦んでくれるかねぇ」
 ヒールしつつも、オルゴールを眺めて克己は呟いていた。
 修復が終わると、皆もそれぞれ、持ち帰る者はオルゴールを受け取り――職人に見送られつつ、帰還していくのだった。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年5月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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