花咲く庵にて

作者:崎田航輝

 春花に囲まれた庵は、和やかな賑わいに満ちていた。
 美しい庭を望む広いテーブルで、人々が一生懸命に形を整えるのはろくろで回る粘土。手を大きく動かさぬよう、柔らかな土色に器の形を与えている。
 その隣では、細かなヘラやこてを使って小さな動物の箸置きを成形中。綺麗な仕上がりになるよう、教えられる通りに丁寧に作業していた。
 わいわいと愉しげな声が響くそこは──陶工房。
 赴きあるその庵では陶芸教室が催されている最中。少なくない人々が参加し、思い思いの作品作りに挑戦していた。
 絵付けのイメージを紙に描く者や、初めてのろくろに大苦戦する人。皆がそんな体験を、笑顔と長閑な空気の中で過ごしている。
 と──そんな庵を彩る庭へ空から漂ってくるものがある。
 それは謎の胞子。鮮やかに咲き誇るツツジの花へと舞い降りると──取り付いて同化。ゆるりと蠢き出していた。
 いつしかそれは巨大な異形となって──獲物を求めるように這い出して。人々の姿を見つければ、彼らが悲鳴を上げるのにも構わず獰猛に喰らいかかっていった。

「集まって頂きありがとうございます」
 イマジネイター・リコレクション(レプリカントのヘリオライダー・en0255)は皆へ説明を始めていた。
「本日は攻性植物が現れる事が予知されました」
 とある陶工房にて陶芸教室が開かれていて賑わっているのだが──その庭に咲く花が変化してしまうのだと言った。
「現場は大阪市内です。爆殖核爆砕戦の影響によって続いている事件の一つと言えるでしょう」
 放置しておけば無論、人々が危険だ。
「そこで皆さんの力を借りたいんです」
 戦場は工房の庭。
 花の間から這い出してくる敵を、こちらは迎え討つ形となるだろう。
「庵の人々は、警察や消防が先んじて避難をさせてくれます。皆さんが到着して戦闘を始める頃には、人々は逃げ終わっていることでしょう」
 こちらは到着後、戦闘に集中すればいいと言った。
「建物にも被害を出さずに倒すことが出来るはずですから……勝利した暁には、皆さんも工房で陶芸など楽しんでみては如何でしょうか」
 当日参加できる教室だ、歓迎してもらえるだろう。
 食器や花瓶、箸置きにペーパーウェイト。成形から絵付けまで分からないことは教えて貰いつつ、思い思いの作品を仕上げてみては、と言った。
「そんな楽しみの為にも、ぜひ撃破を成功させてきてくださいね」


参加者
クレーエ・スクラーヴェ(明ける星月染まる万色の・e11631)
キリクライシャ・セサンゴート(林檎割人形・e20513)
アルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の白烏・e39784)
ウリル・ウルヴェーラ(黒霧・e61399)
リュシエンヌ・ウルヴェーラ(陽だまり・e61400)
ラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547)
山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)
四季城・司(怜悧なる微笑み・e85764)

■リプレイ

●春花の庭
 清く色づいた花々が、庭に上品な色を添えている。
 そこに建つ庵は素朴な雅さを備えていて──降り立った山科・ことほ(幸を祈りし寿ぎの・e85678)は感心の吐息を零していた。
「ん~~~、エモい! いかにも工房ですっていう雰囲気がいいよね。こだわりの逸品ってこういう場所で生まれるのかもって思ったら納得ー!」
「うん。お庭もきれいで──」
 と、華やぐ声で見回すのはリュシエンヌ・ウルヴェーラ(陽だまり・e61400)。咲き誇るやわらかな紅色を瞳に映しながら。
「春の日本庭園に咲くつつじってとっても風流よね」
「そうだね。すっかり春らしくなってきた、という気がするな」
 隣り合うウリル・ウルヴェーラ(黒霧・e61399)も、漂う花香りに仄かに笑んでいた。
 事実景色は見惚れる程、けれど。
 その花の間に揺らめく影がある。
 皆が視線を留めるそれは、がさりと這い出てくる異物。鮮やかな色彩だけを残し──異形へ変容した嘗てのツツジ。
「謎の胞子も案外侘び寂びとか分かんのかな?」
 ことほが言いながらも戦いの体勢を取ると、ウリルも立ちはだかるよう立ち位置を取りながらそうかもな、と返す。
「或いは季節が変わると活発になる、ということかもしれない。こんな場所があるなら、浮かれる気持ちも判るけどね」
「どっちにしても、素敵な景観をダメにしちゃう攻性植物はご不要なのよ。だから──今日も張り切って毟っちゃうの!」
 リュシエンヌが意気を漲らせれば、ウリルもそんな妻を頼もしく思い。
「ん、今回もしっかり片付けてしまおう」
 同時に戦いの間合いへ踏み込み、焔の滾る蹴撃を狂花へ叩き込んだ。
 合わせてリュシエンヌは庭園の蔓草にも劣らぬ優美な鎖を繰り、仲間へ護りの加護を齎していく。
 そんな夫婦の姿が、クレーエ・スクラーヴェ(明ける星月染まる万色の・e11631)はちょっとだけ羨ましく。
(「いいなぁ……」)
 自分も奥様と一緒が良かったな、と。
 けれど傍らを見れば、娘のようなビハインドがいる。クレーエの白にゃんパーカーに合わせた、薄い桜色の猫耳フード姿でご満悦の微笑みを返してくれるから。
「桜と一緒だからいいもん。さぁ、行こう?」
 ふわりと頷く桜が一体を風で縛れば、クレーエは猫の肉球型ハンマーをぐるぐる振り回し、猫型焔で敵陣を巻き込んでいく。
 嘶きながらも、花の一体が葉を振るってきた、が。
「通さないよ」
 声と共に滑り込むのがラグエル・アポリュオン(慈悲深き霧氷の狂刃・e79547)。腕に氷晶を重ねて盾とし、衝撃を庇い受けていた。
 誰かを護る盾役は、何度やっても未だに慣れない。けれど決して退きはしない──弟の前で格好悪いところは見せられないから。
「アルシエル、今のうちに」
「判ってるよ」
 と、声を投げるのはアルシエル・レラジェ(無慈悲なる氷雪の白烏・e39784)。
 視線も呉れないのは、兄の実力を信頼しているのと同時に──未だ素直な心を向けることも出来ないからか。
 ぶっきらぼうな応えだけを返すと、後は敵に向いて。翼の輝きを冷気に変え、周囲に氷片を舞わす。
 『燐光氷雪』──瞬間、氷の扱いは兄にも劣らず。澄んだ刃で氷波を薙ぐと、攻撃を目論んでいた二体を含め敵陣の根元を凍らせる。
 その間にラグエルが氷の霊力を巻いて治癒と防護を兼ねれば──。
「……私も、手伝うわ」
 キリクライシャ・セサンゴート(林檎割人形・e20513)がそっと手をのべていた。
 春陽に光を重ねるように、掌から零すのは暖かな輝き──『陽光の珠』。燦々と優しく瞬くそれが、前衛の皆へ透けて同化し穢れに抗う力を与えゆく。
 銀の髪を光風に揺らがせながら、キリクライシャは皆の補助を継続しつつ。テレビウムのバーミリオンには攻勢に向かわせ、刃で一体の花弁を削ぎ落とさせた。
 狂花達は間合いを取って攻撃の機を窺おうとする、が。
 その瞬間、空に光の粒子が輝く。
「遅いよ」
 それは声と共に光翼で飛翔する四季城・司(怜悧なる微笑み・e85764)。敵陣の上方を取りながら、すらりと伸ばした手に氷風を渦巻かせていた。
「これでキミ達も氷漬けにしてあげるよ」
 刹那、手刀を振り抜くと、鋭い風圧が吹き抜けて花達の体を固めて軋ませる。
 そこへことほが鋼を煌めかせ、黒色の波動で敵陣の足元を浚えば──倒れ込む一体へ、司が間隙を作らずに滑空。
「僕のこの剣技を、避けられるかな?」
 風を滑るように肉迫してレイピアに流線を描かせ、『紫蓮の呪縛』。紫に明滅する鮮やかな衝撃波で一体を両断した。

●決着
 嫋々とそよ風の吹く静やかな庭に、花の吼え声が木霊する。
 異形のツツジは二体へ減じても、尚殺意に震えていた。そこに種としての兇猛さを感じて、クレーエは呟く。
「それにしても……いつになったら落ち着くんだろうね?」
「そうだな。いい加減攻性植物の時代が終わっても良いと思うんだが……」
 と、アルシエルも肩を竦めていた。
 声音は素が顕になったように、乱暴に。次には銃を握って真っ直ぐに向けている。
「まぁ、何にしても──見過ごすわけにはいかないから潰すけどな」
 刹那、眩い雪片を輝かせながら弾丸を放ち、接近を目論んでいた一体を後退させた。
 他方の一体が蔓を掠めさせてきても、ラグエルは下がって深手を逃れるが──その光景に感情を動かすのが、ラグエル。
「──」
 弟を傷つけた敵に、内奥から激憤が湧き上がるのを自覚しながら。それでも大人としてぐっと堪えるよう腐心し──あくまで心の中では恨み言を忘れずに。
 喰霊刀より暗殺者の魂を喚び自己へ力を付与。己が魂を削り氷の針を放つ、CoDe:【sicarius】。自己の痛みも顧みず二体の花弁を突き破った。
 生まれた隙に、ウリルが『Lune』。自身の内の昏き力から月光の刃を顕現させて、冥く眩い斬閃で一体を刻みつける。
「後は頼めるか」
「うん」
 と、頷くクレーエはハンマーの爪を冷気で固めて一撃。肉球の衝撃と共に清冽な斬撃を見舞い一体を斬り裂いた。
 残る狂花は鈍く輝く蜜を撒く。が、リュシエンヌがトゥシューズで廻るよう、優美に鎖を踊らせれば──描かれた光の紋様が蜜を弾き皆の体力も保っていく。
 同時に翼猫のムスターシュが柔風を施せば万全。厚い護りも伴って憂いは残らなかった。
「攻撃はお願いするの!」
「……ええ」
 キリクライシャはふわりと翼で風を除け、攻勢へ前進。暴れる敵から建物を背に護り──燦めく紅色の水晶炎で花弁を斬り刻む。
 戦慄く狂花は、それでも蔓を縦横に振り回し抵抗をしていた。が、司はその遥かな高みより、煌々と滾る炎を抱いて翔び降りる。
「このまま炭になると良いよ」
 焔の滝を落とすよう、縦一閃の蹴撃は花の全身を灼いた。
 ことほはそこへライドキャリバーを奔らせる。
「藍ちゃん、やっちゃってー」
 轟きを上げて駆け抜ける藍は、強烈な速度を以て狂花を吹き飛ばした。同時にことほが跳躍し、零下のエネルギーを湛えた槌を掲げる。
「じゃ、これで終わり!」
 剛烈な膂力で振り下ろされた一撃は、花を千々に砕いて欠片も残さず消滅させた。

●庵にて
 花咲く庭を望む工房に、長閑な賑わいが満ちる。
 戦いの痕を癒やした番犬達は、早々に人々へ無事を告げて呼び戻していた。陶芸教室も再開の運びとなり、皆が準備に取り掛かっている。
「これ、ここに置いておくねー」
 と、袋に入った粘土を運ぶのはことほ。怪力を活かして助力していた。
 それから自分も卓について教室に参加することにする。
 そこに丁度同席するのが司。
 変わらぬ涼し気な表情ではあったが、その内奥には楽しみに思う気持ちも同居していた。何しろ、あまり経験もないことである。
「この機会に作り方とか、学んでおこうかな」
「何を作るの?」
 ことほは見本の焼き物を見つつ訪ねた。
 皿に椀に小物と、千差万別だ。司は悩みつつも、粘土を練り始める。
「そうだね……僕は花瓶とか作ってみようかな」
「花瓶かー、私もそうしようかな?」
 と、ことほも挑戦。まずはしっかりと練ってから、ろくろに置いて水をつけた手先で成形を始めた。
 司も山のような形の粘土塊を、回しながら両手で包むように筒状にして──そっと指を当てて窪みも作っていく。
「初めてだから、ちょっと形が歪になりそうだけど……」
 実際、中々見本のようにはいかないものだ。けれど微妙な力加減が成果に現れるのは、他にはない感覚で。
 教えられつつ微調整して、仄かに膨らみを帯びた上品な形が出来た。
 ことほは感心しつつ、自分も力を入れるが──。
「あっ……」
 これも怪力故だろう、ぐしゃりと握り潰してしまう。
「難しいなー……あ、そうだ」
 と、そこでふと思いつく。丸くなった粘土を手にとり、ヘラで整えると──丁度いい箸置きの形になった。
「箸置きかぁ、いいね」
「でしょー?」
 ことほは笑顔で返す。
 それから乾燥後、素焼きを経て顔料で絵付け。ことほは桜を描いて可愛らしい一品に、司は艷やかな紫の単色にした。
 それができれば釉薬に浸けた後、本焼き。
 完成後──艶を帯びた箸置きと、美しい花瓶を見て二人は笑む。
「結構上手く出来たみたい」
「うん」
 自身で作ったが故に、感慨も一入に。世界に一つの焼き物を二人は手にとっていた。

 キリクライシャは粘土を丁寧に成形中。
 ペーパーウェイトを想定して、完成図を思い描きつつ。可愛らしい兎を二羽作っていた。
「……こういう道具も使うのね」
 細い部分や、綺麗に均すためにコテやヘラの使い方も教わって。
 少し大きい一羽は、赤いツツジに寄り添い抱くように──やや小柄な一羽は、赤いツツジを髪飾りのようにつける形で。
「……お菓子のデコレーションとは勝手が違うわ」
 盛り付けるだけではなく、削って、整えて。長い時間を費やして完成度を高めるのは大変だけれど新鮮味がある。
 と、ふと横を見れば粘土をこねる小さな姿。
「……リオンも作るの?」
 こくりと頷くバーミリオンは、丸めて林檎を形成中だ。
 可愛らしい形が揃うと、素焼きの後絵付け。兎のツツジと林檎、ふたりでそれぞれに紅色を入れて、本焼きで完成。
 つるりとした手触りの林檎を持って嬉しげなバーミリオンを、キリクライシャも兎と共に優しく眺めていた。

「皆、楽しそうじゃないか」
 アルシエルは周りを眺めつつ、自身も作業を始めようとしていた。
 陶芸は初体験だけれど、物作りには興味津々。こうして卓につくと、何を作ろうとかと楽しみにもなってくる。
 そんな弟の姿に、ラグエルは笑顔で歩み寄ってきた。
「アルシエルもやるんだ。隣いい?」
「……」
「何作るの? 同じの作ろうかな」
「……」
 と、アルシエルはそれにも無視を決め込んで思考中。難易度や自由度等を鑑みて箸置きを作ろうと、粘土をこね始める。
 ラグエルはその間もかまえー、とばかりに覗き込んだり話しかけたりする、けれど。
「……」
 アルシエルは塩対応続行中。なのでラグエルはしゅんと椅子に座った。
 それでも隣からは離れず、弟とお揃いに出来ないかと自分も粘土を成形し始めていく。
 アルシエルはコテとヘラで曲線を整えつつ、粘土を狼型にしていた。
 思いつきで、深く考えて決めた訳ではない。けれどそれでこの形になってしまう辺り──秘めているつもりの恋心を拗らせているなと実感が湧いてしまう。
 内心で苦笑いしながら、それでも綺麗に仕上げる。と、ラグエルもそれに合わせるよう、しっかりと狼を作っていた。
「これでお揃いだね?」
「……、ま、何でもいいよ」
 アルシエルはちらりと見ると、諦めるように息をつく。
 それから焼きの工程を挟み、銀にも見える澄んだ白の顔料で絵付けをしていくと、完成。
「使えるくらいのものは、出来たか」
 手のひらサイズの狼を見つめつつ、アルシエルが呟くと……ラグエルも並ぶ自分の狼を見て、嬉しげに頷いていた。

 クレーエは桜と一緒にペーパーウェイトを作るところ。
 一つだけでなく、おおよそ大きさを合わせた粘土を幾つも並べていた。
「こっちはこれでいいかな?」
 と、クレーエがヘラで均して置いたのは烏の形。羽の曲線が滑らかに整えられている。
 同時に狼型も進めていて……こちらは可愛らしくも靭やかな美しさがあった。
 桜は一生懸命に小鳥を作っていて、細かそうな部分はクレーエも手を添えて一緒に調整してあげる。
 そうして桜が愉しげに形を仕上げると──さらに二人で沢山の猫型を作成。全部合わせて、家族を表現した。
 乾燥と素焼きの後、全部に桜の模様をつけると統一感も出て。本焼きを終えれば、重みが快い陶器の完成。
 烏に狼、小鳥、その周りの猫達。
 卓に置いてみると、和やかに寄り添う家族そのもののようで。
「並べると可愛いね」
 クレーエと桜も隣り合って、自分達の作ったそれらを見つめていた。

 ウリルとリュシエンヌはムスターシュを間に、仲良く並んで卓についていた。
 粘土をこねこね、何を作るか迷うけれど──。
「せっかくだから湯呑みを作ろう」
 二人で寛ぐ時間は格別だと思うから、と。
 ウリルが発案すればリュシエンヌもほわりと頷く。
「素敵なアイデアなの!」
 いっしょに飲むお茶がきっともっと美味しくなると、想像できた。
 そんな笑みにウリルも柔く瞳を細める。
「今から完成が待ち遠しくなるだろう?」
「うん! お揃いのがいいな」
 ということで成形開始。リュシエンヌも、ウリルの湯呑みより少し小さめの夫婦茶碗を作ろうと──荒練りの後、ろくろで回る粘土を手で整え始めていた。
 淀みないその手元を、ウリルは覗き込む。
「ルルは経験があるんだっけ。さすが上手いな」
「うりるさんだって、初めてとは思えない轆轤捌きなの」
 嬉しそうにしながら返してくれる、その言葉にウリルも「そう?」と微笑んで。いつだって褒めてくれる妻が尚愛おしい。
 ろくろを回しながら粘土に触れるのも、童心に返るようで。すべらかな感触も気持ちよく、とても楽しかった。
 素焼きの後の絵付けに入ると、全体の色を決めた後で……仕上げにムスターシュにお手伝いしてもらう。
 お揃いのシルシに──肉球すたんぷを、ぽん、と。
「これで、ばっちり!」
「世界に二つだけの湯呑みになったな」
 笑みつつ、ウリルは活躍してくれたムスターシュを撫でながら。
 本焼きの工程が終われば、そこには艶々の表面にしっかりと肉球柄のある湯呑みの出来上がり。
 夫婦茶碗も完成。湯呑みと共に食卓に並ぶ姿を想像して、リュシエンヌは花咲く笑みを見せた。
「晩ご飯のあとに、これでお茶を飲むのが楽しみね」
「うん、楽しみが増えた。ルルの淹れてくれたお茶がより一段と美味くなりそうだ」
 物作りを楽しんだ後には、家での幸せな食事の時間が待っている。
 それを心待ちにするように、二人は完成品を大切そうに見ていた。

作者:崎田航輝 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2020年4月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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