鈴鳴る夜に

■リプレイ

●雪夜
　美しい光に街が包まれる夜。
　晃々と注ぐ雪が穏やかに景色を飾る中、鈴が遠くに響いて愉しさを感じさせるから──。
「せっかくのクリスマスに水を差しに来るなんて、空気読めないエインヘリアルだなぁ」
　ヴィヴィアン・ローゼット（びびあん・e02608）は真白い息を吐いて、淡紅の瞳を道の先へ向けていた。
　そこに見えるのは、鎧兜の巨影。
　四方に視線を遣りながら、獲物を探している罪人の姿。
　それこそが今宵討つべき敵。だから躊躇わず、狼炎・ジグ（恨み貪る者・e83604）は奔り込んでまずは視界を塞ぐ。
「よぉ。ゴミ虫は聖夜でもお構いなしに年中無休で虐殺行為か。リア充になんか怨みでもあんのか？」
「……何だと？　てめぇは──」
「ケルベロス。地獄の十字架に貼り付けにして掲げてやろうか」
　罪人の声に、ジグは獰猛に笑んで見せていた。
　その棘のある言葉に、しかしエインヘリアルも嗤って剣を握っている。
「番犬か。面白ぇ、一緒に愉しもうってか？」
「俺達とあんたは楽しみ方が違うんすよ。ただ──」
　と、篠・佐久弥（塵塚怪王・e19558）は無表情を向けながら、それでも真っ直ぐな感情を言葉に宿す。
「──俺らが付き合ってやるっすから、皆のクリスマスに手を出すなってことっす」
「……いいぜ。結局は同じことだ、斬り合いをさせてもらうさ」
　巨躯は一瞬黙しながらも笑いを上げ、踏み出してきた。
　それは自身の勝利を疑わぬ歩調、だが。
「なら今のうちにせいぜい愉しめよ。そのうち苦痛しか感じなくなる」
　ノチユ・エテルニタ（夜に啼けども・e22615）の声音は、罪人が抱く過信の昂りを一瞬で冷ますような、雪よりも醒めた温度。
　瞬間、その手から風に踊らせた魔法の硝子細工が、細かに砕け散り。無数の星屑を舞わせて仲間に加護を宿していく。
　それが美しき宣戦。
　直後、光の中から跳び出したヴィヴィアンが鮮やかな蹴撃を叩き込めば──罪人も刃を振り上げてきた、が。
　ジグが刃でそれを受けている。
「殴るのは暖まって来てからだぜ。それまでは……こいつでも十分なんでなぁ！」
　そのまま膂力で刃を弾き、旋風の如き斬撃を見舞っていく。
　下がる罪人はすぐに剣を握り直す、が、そこへ光が舞い降りた。
「遅いさ」
　鋭い声と共に、ブーツで涼やかに跳ぶラウル・フェルディナンド（缺星・e01243）。
　粉雪の間に踊る白金の髪は、まるで星空の中の月。淡い光を靡かせながら翻ったラウルは、薄縹の風を帯びた蹴りを打ち込んでいる。
　罪人は反撃に黒炎を放ったが──直後には佐久弥が銀の鋼球から、光の粒子を風に乗せていた。
　明滅する耀きは、前衛の灼けた傷を拭って視界を澄み渡らせていく。
「任せるっす」
「了解しました」
　と、淑やかに応えて反撃に出るのがアクア・スフィア（ヴァルキュリアのブラックウィザード・e49743）。
「動きを、封じてあげますね」
　水流のように波打つ髪を靡かせて、携えるのは水龍の加護を受けた大槌。一振りすれば、滝の如き飛沫を伴った衝撃波が放たれていた。
　弾ける雫と共に、罪人の足元が払われると──水の次に巨体を襲うのは滾る焔。
　──猛き炎を持つものよ。忌わしき牙を持つものよ。
　それは草間・影士（焔拳・e05971）が声と魔法陣によって顕した、炎の毒蛇。『プロミネンスヴァイパー』──宙を撓って飛びついたそれは巨躯へ食らいつき牙を立てる。
　膚を破られた罪人へ、隙を逃さず藤守・景臣（ウィスタリア・e00069）も一閃。藤色の揺れる瞳で見据えながら、燦めく斬撃を重ねていた。
「さあ、皆さんも」
「勿論っす」
　応えた佐久弥も、よろめく罪人へ鉄塊剣で大ぶりの連撃。
　地を滑る巨体へアクアも細腕を翳していた。瞬間、顕現するのは暗色の塊。
「この球体に──飲まれてしまいなさい」
　業風の速度で飛来した魔力の球は、巨躯の全身を飲み込み命を削りゆく。そこへ影士は疾駆し零距離に入っていた。
「この力の侭の一撃を、受けてみろ」
　腕に纏うは炎の気力。
　自身の闘気をも交えたそれは大きく燃え盛り、放つ拳に苛烈な衝撃力を与え──罪人の鎧を突き破らせて、骨をも砕かせた。

●決着
　浅く積もった雪を踏み、罪人はふらりと後退する。
　零れる吐息は血混じり。だがそこには愉悦を含んでもいた。
「悪くねぇ……これでこそ愉しい切り合いだぜ」
「……何が楽しいんだか」
　あたたかな煌きと雪白に彩られた夜を、赫に穢すこと。それをラウルは理解できぬと首を振る。
　罪人は諭すように腕を広げた。
「心を昂ぶらせ命を削る、それが最高でなくてなんだ」
「だが、自分が死ぬのは厭なのだろう？」
　影士が声を返せば、罪人は微かに歯を噛む。だから影士はゆるく首を振った。
「結局は、一方的に虐殺するのが好きなだけだ」
「……弱くて死ぬほうが悪いのさ」
　罪人は反抗するように刃を突きつける。
「俺が全力すら出せねえほどの雑魚がな」
「なら、ここで全力を出し尽くすが良いっす」
　佐久弥は剣を構えて膝を僅かに落としていた。
「勿論、こっちも全力っす。斬り合い、殺し合い──切るでもなく殺すでもない、『合い』なんっすからね」
　刹那、強靭な踏み込みから一刀、焔の剣戟で巨体に傷を灼き込んでいく。
　ラウルも言葉に頷いて、そっと指先で宙を撫でていた。
「ホワイトクリスマスが血の赤で塗り変えられる前に──さっさと終わらせようか」
　瞬間、軌跡に生まれ咲く瓊葩がはらりと降って色を重ねる。『弥終の花』──溢れる万華の彩と香りが、罪人の心を奪って動きを止める。
　そこへ影士が滑り込み接近。巨躯の眼前で横回転し、打力に全てを込めた蹴撃で腹部を貫いた。
　同時にアクアが燦めく流体を繰っている。
「ブラックスライムよ、敵を貫きなさい」
　命に応じた半液は、槍の形を取って脚を穿つ。傾ぐ巨躯へ、アクアは淀みなき視線を注いでいた。
「私達は退きません。必ず、皆が幸せになれるクリスマスにします」
「うん！　みんなの楽しい時間、絶対に守ってみせるよ！」
　頷くヴィヴィアンも幸福と博愛、そして希望を込めた唄を編む。
　『紅き吹雪の狂詩曲・新章』──優しくも美しい旋律で花弁と香りを踊らせ、浄化するよう罪人の魂を削る。
　苦しみながらも罪人は冥色の剣撃を放った。が、佐久弥が刃を使って防御すれば、ヴィヴィアンの箱竜、アネリーが淡紫の光を注ぎ治癒。
　ノチユも星色を溶かした霧で佐久弥を癒やし──連撃を狙う罪人を鋭く見据える。
「こんな夜くらい、静かにしてろよ。誰も彼もがわらいあえる──こんな、穏やかな夜くらいは」
　だから、と刃に銀灰の焔を湛えて握り込み。
「……邪魔を、するな」
　剥き出しの敵意で巨躯の膚を突き通して血潮を散らせていった。
　膝をついた罪人へ、アクアが艶めく深赤の瞳で狙いを定めている。
「そこから、動かせはしません」
　轟音を上げて放たれた水流は、巨大な質量を伴って罪人の脚を浚った。
　その一瞬に、佐久弥は二本一対の鉄塊剣を合わせている。
　機構の咬み合った二振りは、変形合体して一本の大剣へ変貌。柄に生えた突起に、佐久弥は自身の拳を突き刺していた。
「これで、勝負をつけにかかるっすよ」
　瞬間、自身の心臓より生まれる炎血を送り込み、刀身にプラズマとして赫かせていく。
　極短距離から突き出して放つ、その煌きの一撃は『電離血漿大刃・灼血』。罪人の体内へ閃光を送り内部から躰を灼いた。
　呼気を零す巨体は、それでも斃れず踏みとどまるが──影士が焔を靡かせながら走り出している。
「死に際を楽しむ自由はくれてやった。が、それもここまだでだ」
　その言葉に呻きを返し、罪人は剣で受けようとする。が、影士は近づかず周囲を廻り、炎で四方を囲んでいた。
　そうして敵の視線が迷ったところで跳躍して頭上へ。回転しながら踵落としを叩き込み、脳天へ重い衝撃を食らわせる。
　倒れ込む罪人へ、ジグは歩み寄っていた。
「生物を殺せるのは生物に殺される覚悟がある奴だけだって、聞いたことあるだろ？」
　言いながら、具現化するのは自身に宿るあらゆる怨み。
「さて、お前にはあるか？　壊され、潰され、溶かされ、体を生きながらに焼かれる終わらない無限の破壊に耐えるだけの覚悟がさぁ……！！」
　刹那、怨みの怪物が巨体を壊し、潰し、溶かしゆく。
　──『終焉の怨鎖。再臨する絶廻の豪牙。（リィ・ザレクション・エンドロウル）』。
「終いだ」
　ジグの声と共に、巨躯は跡形もなく喰らわれ消滅していった。

●聖夜
　澄んだ鈴の音が反響し、行き交う楽しげな笑顔を飾る。
　戦いの痕を癒やして人々を呼び戻すと、街には平和な景色が戻っていた。雪の降る中で、歩む人達は聖夜の時間を過ごし始めている。
　番犬達もそれぞれにマーケットへ。影士はクリスマスのプレゼントを探しに店々に立ち寄っていた。
「やはり、この時期ならではの物が多いな」
　飾り物に、クッキーやチョコレートなどのお菓子。スノードームも聖夜を閉じ込めた景色で、限定品が多く並ぶ。
　影士は歩みながら、一つ頷いて。贈る人の顔を浮かべつつ──その中から気に入ったものを選び、包んでもらった。
「では、帰るか」
　雪の景色へ歩み出すと冬の温度。
　影士はプレゼントを手に、その中を帰路についていった。

　佐久弥は服飾店へとやってきていた。
　今宵はウインドウのマネキンもサンタクロース仕様で、華やかな雰囲気。中に入れば勿論、冬用のアイテムが豊富に揃っていて人も多い。
　その中で佐久弥が探すのはコートだ。
「良さそうなものは、と……おや」
　手にとったそれはベージュの色合いが佐久弥のイメージに叶う一品だった。
「これはいいっすね」
　サイズや丈も問題なく、何より見た目が気に入った。
　表情は変わらず動かないが、声音にはどこか和らいだ空気を滲ませて。佐久弥はそれを購入して外へ歩む。
「これから、冬本番っすね」
　雪空を見上げて呟きながら。ゆっくりと歩を進めて夜に去っていった。

　サンタの人形に、綺麗な灯り、可愛らしい飾り物。
　綺羅びやかなマーケットは魅力的な品ばかりで、アクアは少しばかり目移りしている。
「素敵なものが多いですね」
　ただ、中でも特に欲しいものは決まっていた。歩んで向かうのは、小さなツリーの並ぶコーナーだ。
　テーブルや窓際、屋内に飾っておけるサイズで──クリスマスが凝縮された、見ているだけで心が和むものだ。
「これにしましょう」
　その中で選んだのは、星型の飾りが綺麗な一品。天頂で燦めく金色が聖夜の綺羅びやかさを感じさせて美しく──それを購入。
　後は帰りしなにパフェでも食べていこう、と。アクアはカフェに向かうのだった。

　長い行列が雪空の下にのびている。
　それは有名店のクリスマスケーキの順番待ちだ。その後ろの方に、今か今かと進むのを待つ──ジグの姿があった。
「思ったより、長いな……」
　すぐに買えるとは思っていなかったけれど……前評判もあったせいか店に辿り着いた頃には既に人が列をなしていたのだ。
　それでも並んだからには、途中で諦めるわけにはいかない、と。
　しんしんと冷える空気の中、時折寒さに震えたりもしながら──永遠とも思える時が過ぎた後、ようやくジグはケーキの入った箱を手にしていた。
「へ、へへへっ。苦節十数分……まさかここまで並ぶとは思わなかったぜ……」
　箱の重みは時間の重み。
　実感するように、ジグはそれを大切に持ち帰っていった。

　マグから昇る湯気が頬を撫で、薫るシナモンが鼻先を快く擽る。
　ラウルは燈・シズネと隣り合って雪道を歩んでいた。きらきらと輝く道を歩みながら、手のひらで包むのはグリューワインだ。
「温かくて、美味しいね」
「ああ！」
　シズネは朗らかな笑みを向ける。
　寒い夜にあたたかさを感じるのは酔いのせいだけではなく、隣に彼がいるからだろう。
　ラウルも同じ心で笑顔を返し……二人で心身を温めながら優しい光で満ちるマーケットを眺めた。
　サンタ帽を被ったトナカイに雪達磨のオーナメント。聖夜を彩る雑貨はどれも素敵でラウルは目移りしてしまう。
「これは──」
　と、中でも眼を惹いたのは猫用のふわもこサンタケープ。色も形も愛らしく、一瞬で心奪われていた。
　ラウルの横顔が嬉しそうなのは、留守番中の猫たちを思い浮かべているからだろうとシズネには判る。
　その証拠に、ラウルは幾つも手にとっていたから。
「我が家の猫達は５匹だから、６着、と」
「そうそう５匹だから６着……ん！？　１着多くないか？」
　ふわもこを見つめてシズネが首を傾げると、ラウルはその問いに明快に答えた。
「この１着は君が猫化した時用だよ！」
「なんだってー！？　オレの！？」
　ほろ酔い気分は何処へやら、瞳を大きく開いてシズネが驚くと──ラウルはそれに満面の笑みを咲かせてお願いした。
「お家に帰ったら着て見せてね？」
　その顔がとてもいい笑顔だったから、シズネも最後にはこりゃ着るしかない、と腹をくくって頷いて。
　そのかわり、とこちらもまた明るい笑いを返す。
「クリスマスのごちそう楽しみにしてるからな！」
「勿論！　ローストチキンにパネトーネ──沢山ご馳走を作るから期待しててね」
　優しいシズネに、自分もまた答えようとラウルはゆっくり歩み出す。シズネはそれにうんと頷いて、楽しみな心持ちでまたラウルについていった。

　光と白妙の景色の中、ノチユは巫山・幽子と共に歩んでいた。
　人混みを抜け立ち寄ったのはオーナメントの店。折角だから、広場のツリーに飾り付けようと決めてのことだ。
　とぼけたサンタや天使、星の飾りを眺めつつ、ノチユは横を見る。
「かわいいの、あった？」
「……はい」
　頷きながら、幽子が手にとったのは丸みのある星形の飾り。角度を変えると、プリズムのように中の星屑がきらきら輝いて。
「この星が少し、エテルニタさんに似ていて……綺麗なので……」
　微かな声で幽子は呟いていた。
　ん、と小さく頷くノチユも、品を選んで一緒に買って。店を出てツリーまでゆっくりと並んで進んでいく。
　広場のツリーは仰ぎ見る程大きくて、低い建物を超える高さ。
　その一角に飾りをつけようと、二人で近くへ。歩みながら、手に星を抱く幽子を、ノチユはふと見つめた。
　幾度と戦で見せる己の憎悪を、どう思ってるのか、と。
　訊けるほど、まだ近くはなくて。
　それでも前の年から、少しずつ近づいてはいると思うから。
「願いを叶えるのは七夕だけど、似たような物か」
　手に取る、ころんとした小さな天使が、彼女に似ている気がして。
　ノチユはそれを樹に飾って口にする。
「この一年、すごく楽しかった。来年も、貴女と出かけられたら、嬉しい」
「……私も、です……」
　幽子はゆっくり視線を返し、それから仄かに照れたように微笑んだ。
「……私でよければ、また一緒に行きたいです……」
「うん──あー……メリークリスマスって、こういう時言うんだっけ」
　急に恥ずかしくなって、ノチユは頬を掻く。
　想いはまだ、言えない。けれど聖夜らしい言葉を交わすことは出来るから。
「クリスマスだし、ちゃんとケーキも食べにいこうか」
　頷く幽子と共に、また並んで歩んでいく。

　赤や緑に真珠色。
　眺めるほどに街は燦めいて、聖夜の色彩で目を楽しませてくれる。
　年に一度の綺羅びやかな景色。その中を、ヴィヴィアンと水無月・鬼人は一緒に歩いていた。
「クリスマスの街って、歩くだけでウキウキしてきちゃう」
「そうだな」
　大切な人がいれば尚更、というように。鬼人は一歩一歩、二人でいる時間を大切にするように寄り添って歩く。
　ヴィヴィアンもそれは同じ。
「いつも同じ家で会ってるけど、こうして外でデートするのもやっぱりいいね」
「ああ」
　好き合っていても、それを十分に理解していても、デートは特別。白い雪の美しさに、二人はそれを一層実感する思いだった。
　ヴィヴィアンは彩り豊かなマーケットにも興味を惹かれる。
「せっかくだし、何か買って行きたいな～」
「この辺りで見ていくか」
　鬼人が歩を止めると、ヴィヴィアンは頷いて眺めた。その中で目を留めたのはツリーの形をしたテーブルランプだ。
「このランプ綺麗！　広場のツリーと同じ形なんだって」
「へえ、洒落てるな」
「うん。買って行こうかな！　それで、帰ったら夕食のテーブルに置くの」
　ヴィヴィアンは応えながら笑みを向ける。
「今年もね、料理頑張ったから！　楽しみにしててね」
「ヴィヴィアンの料理、美味いからなぁ……今から、楽しみだぜ！」
　鬼人も期待を声音に込めて、笑顔を返した。
　それからランプを買って外に出ながらも──広場を見る。
「すぐに帰って食べたいけど、もう少し、こうやって一緒に歩いていてもいいかな？　実物も一緒に見てみたいんだ」
「もちろん！」
　ヴィヴィアンは鬼人の腕にぎゅっとしがみついた。日常も特別な日も、こうして一緒にいられる幸せを噛みしめながら。
　その温かさを確かめる様に、鬼人も優しく見つめる。隣にいる、愛おしい人との時間も交わす言葉も全部、自分の中に留めておくように。
　そうして二人でツリーを見上げ、その美しさを胸に──。
「そうだ、ヴィヴィアン、この一言を言わなきゃな。メリークリスマス！」
「ええ、メリークリスマス！」
　笑顔を交わして、また寄り添う。そんな二人を、アネリーもまた一緒に、幸せそうに眺めていた。

作者：崎田航輝	重傷：なし 死亡：なし 暴走：なし
種類： 公開：2019年12月31日 難度：普通 参加：8人 結果：成功！
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