スパイラル・ウォー

■第6ターン結果

●星喰いのアグダ
 最上ゲンジョウの軍が壊滅したことで螺旋忍軍の抵抗が止み、ロキも撤退したことで、星喰いのアグダの歩みを阻む勢力は今のところなくなっている。
 淡々とゲートを目指そうとするアグダの軍と、ケルベロスは交戦状態に入っていた。
「『全ての星を破壊すると言う憎悪』……ちょっと親近感が沸くわね」
 ブラッディ・マリー(鮮血竜妃・e36026)は、眼前に現れた少年の姿をしたダモクレスを見てそう考える。
 彼女自身もまた、許されぬ欲望を抱える存在だ。
「私も、世界の全てを殺したいと言う衝動が、この身体を動かしている……」
 アグダが扱い辛さから排斥され、こうして事実上の捨て駒として使われていることへの憐憫の情を抱かなくもない。
 だが、ブラッディの感情を、アグダは切り捨てるようにいった。
「その視線、不快だ。目標、ケルベロス……破壊する」
 エクスガンナー達を彷彿とさせる拳銃型の武器が、ケルベロス達へと向けられる。
 そこから放たれるのは圧倒的に高い破壊の力を秘めた重力塊だ。
「往け、雑魚ども」
 量産型のダモクレス達に命じると、さらにアグダは動き続ける。
「……『星喰い』限定起動……!!」
 より強い破壊の力を求めるように、アグダは学生服を切り裂く。
 内から現れる炉心の力を受け、彼の踏みしめた足が、振り回す手が、ダンジョンの壁をも破壊していく。
「冗談……!!」
 その手を掻い潜り、ブラッディはアグダへの距離を詰めると無造作にナイフを振るった。アグダの手首が切り裂かれ、黒い潤滑油が噴き出す。
 切り裂かれたアグダの視線には、機械知性によって再現された、憎悪の情だけが宿っていた宿っていない。
 そこに感じる虚無感すらをも切り裂くように、ブラッディは破損部を目掛けナイフをさらに突き刺した。
 破損部からジグザグに斬撃が走り、上半身へ、そして炉心部へと至る。
「破壊を……全ての、生命を……」
「あなたのその憎悪……今、ここで、殺させてもらうわ」
 すとん、と落ちたナイフが、アグダの機能を完全に停止させた。

●螺旋帝の血族『イグニス』
 螺旋大伽藍奥ノ院、その最奥。
 勅忍達との激戦を潜り抜け、ケルベロス達は最奥へと辿り着いていた。
「イグニスよ、年貢の納め時じゃ……!!」
「よくぞ来た、ケルベロスよ。では、殺し合おう!」
 一之瀬・白(八極龍拳・e31651)に応えるイグニスの言葉と共に、勅忍達が一斉にケルベロス達へと襲い掛かった。
 既に勅忍達と直接交戦を開始して3時間以上。
 勅忍の使うグラビティは判明し、その力の程も分かっている。
 その情報があってなお、ケルベロスが苦戦を強いられるのは明白な相手だった。
 ここに来るまでの間にも、敗北した戦場は数多い。
「なんとも強い兵を揃えたものじゃ」
「元々あったものを使っているだけに過ぎない。だが、私が生き延びれば、さらに増えるかも知れないな」
 氷の蔦を伸ばし、ケルベロス達を氷の棺へと封じ込めて来るイグニス。
 本来ならば、勅忍相手に勝ちを拾うのも、ケルベロス達にとっては相当に難しい。
 だが今のケルベロス達は『全世界決戦体制(ケルベロス・ウォー)』という形で、全世界からの後押しを受けている。
 勅忍達を一人一人撃破していくことで、イグニスの陣容は崩れ、ついにイグニス自身の体にも傷が生まれる。

「やるな。この短期間での力の付け方、流石と言わせてもらおう」
「如何なる手段で蘇ったかは知らぬが、此処を貴様の墓場にしてやろう! その為に、此処には一騎当千のケルベロス達が集ったのじゃからな……」
「……私には、過ぎた墓標だな」
 イグニスの顔に、微笑が浮かぶ。
 その力は、以前の東京防衛戦よりも何倍も増しているのを、ケルベロス達は感じた。

 だが、ケルベロス達がその間に積んだ鍛錬は、それを上回る!
 たとえ力の差はあれど、戦いの趨勢がケルベロス達の側に傾くのは必然であったかもしれない。

「これを受けても笑っていられるか、試してみるがいい……!!」
 白は両翼に闘気を集中させる。
 形成される光の翼が、白の体をイグニス目掛けて加速させていく。
 イグニスが氷盾を展開しようとするが、それが形成され切るよりも早く、白はイグニスの懐へと潜り込んだ。
「これで耐えられたら大したもんじゃ!!」
 氷の盾の内側で、強烈な掌打が炸裂した。
 イグニスの喉から血が溢れ、白い装束を朱に染める。

「どうやら、此度の生も私の敗北のようだ。全力は尽くした……悔いがあるとすれば、今度こそお前達に勝つことができなかったことか」
「では、いずれまた逢うとしよう。『緋紗雨』の悪巧みも、お前達ならば阻止できるだろうからな」
 イグニスの体が、制御を失った氷に覆われ、そして砕け散る。
「言うたな。ああ、止めるとも。大伽藍落としもさせはせぬ。
 デウスエクスの思うようになど、いかせはせぬ!!」
 螺旋大伽藍奥の院に響き渡る白の決意の声が、ケルベロス達のイグニスに対する勝利を告げていた。

●最上・幻夢&ダウ・ガル
「お待ちなさい!!」
 自分を捕らえようとする一之瀬・瑛華(ガンスリンガーレディ・e12053)の鎖を、文字通り腕を切り離して逃れた最上・幻夢は、切り離した手をヒールグラビティで治しながら、その驚くべき
「はぁ!? イグニス様が負けたんですかぁ!?」
「ほう、それは面白い話だな」
「ぎくっ」
 テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・e17208)の元からなんとか撤退して来たダウ・ガルは、冷たい目で幻夢を見た。
「お前には後でたっぷりと聞きたいことはあるが……まあ、いい。今はケルベロス達の攻撃を凌ぐのが最優先だ」
「さっすがダウ・ガルさん! ベテラン!」
「調子に乗るな」
「痛い痛い痛いもげる!もげます!」
 接合したばかりの手首を蹴られ、悶絶する幻夢。
「しかし『イグニス』ね。あのシャイターンのガキどもといい、何が起こっているのやら……」
 散々かき回された挙句、蚊帳の外に置かれたマン・ハオウ私兵団、その最後の指揮官は、そう頭を振るのだった。

→有力敵一覧

→(4)ペンプ・オグ&ナウ・ソーン(2勝1敗/戦力290→180)

→(7)最上・幻夢&ダウ・ガル(3勝2敗/戦力190→20)

→(8)ラクシュミ(7勝4敗/戦力1300→910)

→(9)星喰いのアグダ(4勝1敗/戦力200→0/制圧完了!)

→(11)最上・牡丹&亜紗斬(2勝1敗/戦力1130→1020)

→(15)イグニス(24勝31敗/戦力1093→0/制圧完了!)

→重傷復活者一覧

→死亡者一覧

■有力敵一覧

有力敵 戦功点 現状

ダウ・ガル
840
(7)最上・幻夢&ダウ・ガル:Battle1にて、テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・e17208)に死の宿命を付与される。

最上・幻夢
660
(7)最上・幻夢&ダウ・ガル:Battle2にて、一之瀬・瑛華(ガンスリンガーレディ・e12053)に死の宿命を付与される。

星喰いのアグダ
1050
(9)星喰いのアグダ:Battle1にて、ブラッディ・マリー(鮮血竜妃・e36026)に倒される。

螺旋帝の血族『イグニス』
2640
(15)イグニス:Battle1にて、一之瀬・白(八極龍拳・e31651)に倒される。

戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。