■第3ターン結果
●神星竜イルミナルセイバー・ドラゴン
既にイルミナルセイバーズ!のドラグナーや竜牙兵の戦力は壊滅。
ケルベロス達は決着をつけるべく、神星竜イルミナルセイバー・ドラゴンに直接対決を挑んでいた!!
彼らを撃滅すれば天守閣への増援も途絶え、爆殖核の破壊に近づくのだ。
「シールドはなくなっちまったか。だが、それがどうした!! 最後のライフが削られるまで、サレンダーはしねぇ! それが、カードバトラーの誇りだ!!」
「その意気や善し、なのでっす!」
カードショップの店長であるダダル・ダル(ウェアライダーの店長・e00561)だった。彼は、自身のグラビティに用いるカードを見せつけるようにして言う。
「カードファイトの時間でっす!」
「おお!!」
歓喜の声をあげ、イルミナルセイバー・ドラゴンは己の『カード』を繰り出していく。
「俺のターン!! 空を総べる竜の息吹が、死の使いを滅する光となる! 喰らえ!イルミナル・スター・バーストォッ!! 続けて残る兵士達でフルアタック!」
神星竜イルミナルセイバー・ドラゴンの剣が光輝き、ケルベロス達へと解き放たれた。3つの爆殖核に繋がる重要地点を任されたドラゴンは、その力を全力で駆使し、残るドラグナーや竜牙兵達と共に決死の攻撃を仕掛けて来る。
その力はカンギには及ばずとも、地上にいる敵デウスエクス最強は疑いない。
しばし戦ううち、ダダルの元にも、無効可されたカードがうず高く積み上げられていた。
「何故、あなた程のカードバトラーが他の種族……カンギのためにそこまでするのでっす?」
「友情のためならば命も捨てるさ。カードを通じた友情に種族など関係ない! そうだろう、ケルベロスのカード使い!!」
その友情は、洗脳されて得た仮初のものなのだろうか?
ダダルには判断はつかなかった。
だが、敵がカードバトルをする気なら、彼がやるべきはただ一つ。
「ならば、カードで語るのみでっす! これが私の切り札ッ!」
「迎え撃つぞ! イルミナル・スター……!!」
デッキから飛び出したカードを高々と掲げるダダルに、相手もまたカードで応じようとする。しかし、相手の効果が放たれるよりも早く、ダダルのカードが発動した。
「死は冥より放たれ天より降り注ぐッ! 死の力を味わえでっす、≪DEATH・フロム・アハヴ≫!」
ダダルの詠唱に、無効可されたはずのカード達が一斉に息を吹き返したかのように宙に舞いあがる。そして、神星竜イルミナルセイバー・ドラゴンの装甲の隙間へと、連続して突き刺さった!
「あ……ありません……」
植物迷宮の床に、ドラゴンの巨体が横たわる。
「ケルベロス達……お前達は……忘れるな。カード名が大仰で長いと、かっこいいが……別に……強いとは限らないってことを……」
「ええ、そうです。基本のカードの把握こそが重要でっす……」
消えゆくイルミナルスターセイバー・ドラゴン。
その存在の証のように、後には1枚の古びたトレーディングカードが残されていた。
●虚月
ススキ型攻性植物の満ちる草原はケルベロス達の前に次第に切り拓かれていき、夜の草原のように見えていた光景も、次第に揺らぎつつあった。
「結界みたいなものだったのか」
敵の減った草原を見れば、ユグドラシルの開けたと思しき爆殖核へ通じる大穴が、草原に空いているのが分かった。
この夜空……おそらくはススキ型攻性植物達による結界は、それを隠すための急場を凌ぎの措置でもあったようだ。これからさらにユグドラシルが成長する以上、本格的な工事は敵側もできなかったのだろう。
そんな中、ギメリア・カミマミタ(俺のヒメにゃんが超かわいい・e04671)の眼力は、草原の中心部に一際強力な存在の姿を認めていた。
「あの女がススキ型攻性植物のボス、虚月……。……いや、あれ野郎か?」
「男性で兎耳ですね。……ウェアライダーです」
八千沢・こはる(ローリングわんこ・e01105)が告げる。
ギメリアがよくよく見れば、一見して長い黒髪と見えたのは、垂れた兎の耳だ。
こはるの言った通り、兎のウェアライダーらしい。
「須々加君まで……」
押し殺したような声が、こはるの口からこぼれ落ちるのをギメリアは聞いた。
こはるの故郷は、攻性植物の襲撃によって滅び、同郷の者達は行方知れずの者も少なからずいた。
その中には攻性植物に寄生された者も含まれており、こはるは既に、この戦争に先立つ一連の寄生型攻性植物事件で、攻性植物を蒔く側と化した自分の姉を斬っている。
おそらくは、あの虚月もまた彼女の知人なのだろう。
またしても知人が攻性植物に寄生されて現れた彼女に、周りのケルベロス達も咄嗟にかける言葉も見つからない。
だが、事ここに及んで、戦わないという選択肢は無かった。一般人に寄生したススキの群れは波のように揺れ、黄金の輝きがケルベロス達の体を焼かんとしている。
ケルベロス達の目を逃れ、ここまで逃げおおせた人型攻性植物。
虚月自身もまた、攻性植物の犠牲者なのかも知れないが、逃がすことはできない。
「行くぞヒメにゃん、今が駆け抜ける時だッ!」
ギメリアの真剣な声に、ウイングキャットが軽く空中で宙返りした。
清浄なる翼の羽音が、ギメリア達の神経を侵さんとするススキの音を断ち切る。
ケルベロス達は勢いよく、敵戦力を減らしていった。
『こはる、君の姉さんは死んだよ。君は同郷の者をまた斬るのか』
「いい加減にしとけよ攻性植物、他人のなりすまし行為はNG行きだ!」
ギメリアはそう看破する。今の虚月は攻性植物。喋っているのも、寄生している攻性植物が寄生した相手の記憶を利用しているだけだ。
犠牲者の中にはきっと猫が好きな人もいただろう。
いや猫が嫌いな人類なんているわけでがないのでつまり全員猫好きである。
つまり犠牲者全員の無念を晴らさねばならない。
その決意と昨晩見た猫動画の可愛さが、ギメリアの魂を衝き動かす。
「我が内に秘める魂の躍動、力となり顕現せしめん! Neco-Driveッ!」
ギメリアの秘める猫愛が、幻の猫となって虚月へと飛んだ。
『猫……!? 猫、なんで!?』
まぼろしの猫は揺れ動くススキをもてあそぶように飛び回り、あざといまでのかわいさで攻性植物をも幻惑する。
その隙を、ギメリアが見逃すはずもない。
力強いバールの一撃が、虚月を葬り去っていた。
→有力敵一覧
→(3)純なる愛の師団(1勝1敗/戦力1860→1750)
→(4)竜忍爆殖核(16勝2敗/戦力2780→1960)
→(8)中芯爆殖核(29勝3敗/戦力2300→820)
→(9)パティシエール洋菓子隊(1勝1敗/戦力1430→1370)
→(10)蠱中天忍軍(1勝1敗/戦力1440→1380)
→(11)火怨樹林隊(1勝0敗/戦力1200→1150)
→(12)イルミナルセイバーズ!(6勝2敗/戦力220→0/制圧完了!)
→(14)天守爆殖核(5勝1敗/戦力2700→1708)
→(16)怪竜大森林(2勝2敗/戦力1830→1710)
→(17)虚月ヶ原(12勝3敗/戦力530→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。