■第5ターン結果
●オウガメタル『烈火』
早朝の奇襲から、およそ12時間を経て、ケルベロス達は再びオウガメタル烈士軍との交戦に入った。
「ジューダス様を、ゲートを守るため……なんとしてもここで奴らを食い止めろ!」
ローカストゲートを間近にした敵軍の士気は極めて高い。
「来るぞ……!!」
ケルベロス達の間から、警戒を促すように声が上がる。
眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)は、頭上を見上げた。
昆虫のトンボを思わせる翼を凄まじい勢いで震わせ、こちらへと墜落するような勢いで飛びこんで来るのは、オウガメタル『烈火』だ。
「シホ!!」
朝霧・美羽(そらのおとしもの・e01615)のサーヴァント『シホ』が、地面に激突ざま、ケルベロスを貫こうとした烈火の『尾』に貫かれて消滅する。
地面に激突する凄まじい衝撃が走るが、全身が流体金属で構成された『烈火』には痛みを感じた様子も無い。
「うわっ……すごいな。うちに来たオウガメタルよりも大きい気がする」
戒李は巻き上がる粉塵に目を細めながら呟いた。
烈火の全長は軽く見積もっても50mはあろうか。
原初にして最強と謳われる巨大なオウガメタル。
「トンボは英語でドラゴンフライ……だっけ」
トンボとドラゴンを混ぜ合わせたような姿だが、下手なドラゴンなど及びもつかない力を持っていることは一目で分かる。
「『烈火』に負けるな! 我ら烈士軍の力、見せてやれ!!」
オウガメタルに身を包んだローカスト達が、一斉に攻撃を開始する。
彼らは元々の実力でも、確実にケルベロス達を上回って来ている。
にも関わらず、ケルベロス達がここまで戦い抜くことが出来ているのは、全世界戦闘態勢(ケルベロス・ウォー)の影響が大きいことを、戦っている誰もが理解していた。
ローカスト達、そして彼らを率いるジューダスが自らの星のために戦っているならば、ケルベロス達とて同じことだ。
ケルベロス達が確実にオウガメタル烈士軍を撃破していくにつれて、『烈火』は悲しそうな金属音をあげる。
悲しんでいるのは、同族の死か、それともローカスト達のそれか。
「アポロンと違って、ジューダスとこいつはまっとうな絆で繋がれてる、か……。
厄介だけど…だからこそ、正面切って戦えるってものだよね」
変に心を惑わせる必要もない。思う存分、戦うべき時だ。
『烈火』の動きを観察していた戒李は、あることに気付いて目を細めた。
攻撃を受けた時、そして戦闘の中で形を変える時。
必ず、胸の緑色の部分が光るのだ。
「あれが、烈火のコアか!!」
そう判断すると、ケルベロス達は着地際の『烈火』に飛び掛かっていく。
。
だが、それを予期していたかのように、『烈火』のコアの周囲を覆うように生えた脚が、次々とケルベロス達を弾き飛ばす。
『烈火』の口元に、気化した金属が凝集される。あたかもドラゴンのブレスのように、『烈火』が弾き飛ばされるケルベロス達を目掛けてそれを吐き出そうとした瞬間だ。
「手向けの花を散らすなら、【彼女】の怒りを買う覚悟でやるんだね」
弾き飛ばされながらも、囁くように発された戒李の声と共に、『烈火』を包むように不意に花畑が広がった。
蒼い彼岸花の花畑の中、『烈火』の複眼はそこに佇む少女の幻影を見た。
もはや止めようもなく、ブレスが吐き出されるのと同時、幻影の少女の口から漏れる声は、不定の波となり、『烈火』の全身へと染み渡っていく。
ブレスが花畑を消し飛ばす中、消えない少女の幻影から発される声が変調する。
少女の放つ声は、振動と化した。
超振動が『烈火』の全身を駆け抜け、その金属の肉体を爆砕していく。
『────!!!』
金属をかきむしるような、耳障りな音が響く。
その轟音の中で、烈火の体の中央に緑色をしたコアが輝くのをケルベロス達は見た。
好機を逃すはずもなく、コアを目掛け、一斉の攻撃が放たれる。ガラスの割れるような音と共に、原初にして最強なるオウガメタルは無に帰していった。
●特務戦隊インセクター~第2部死闘篇~
黄金装甲の試験テストに志願したイエローシケイダ。
だが、彼はケルベロスによって倒されてしまった!
そしてケルベロス達は、暴殖要塞アポルオンへと攻め寄せて来る。
ここを喪えば、ローカストはレギオンレイドと地球を行き来する術を喪うのだ!
ローカストゲートを守るため、特務戦隊インセクターは決死の戦いを挑むのだった!
「以上、これまでのあらすじ」
「何を言っているんだ何を」
そんな感じで戦場を駆け廻っていたレッドホッパーだが、ついに天野・司(不灯走馬燈・e11511)によって倒されることとなっていた。
「俺を倒した戦士よ、名を聞こう」
「秘密結社オリュンポスが一員、天野だ。互いの大切なものの為とはいえ、争う事になったのは悲しい。 出来るなら違う形で出会いたかった……」
「ああ。だが俺も最後の戦いの相手がお前のような奴で……」
レッドホッパーの言葉に、司がそっと目を伏せた時だった。
「天野さん、危ない!!」
ホワイトモスと戦っていた小鳥遊・優雨(優しい雨・e01598)の警告が飛ぶ。
司を黒影が遅い、青い影がその間にレッドホッパーの体を運び去った。
「へっ、何やってんだよリーダー」
「ブラックアント」
「私達の指揮官ともあろうものが、こんなところで諦めるとは情けない」
「ブルーホーネット」
「もごもごもごもご」
「怪我してるのに無理にしゃべらなくていいぞホワイトモス……。そうだな、諦めるにはまだ早い! 仲間達のためにも、最後の最後まで戦い抜こうじゃないか!!」
満身創痍となった特務戦隊インセクターの生き残り4人は、大体そんな感じで撤退していった。司が去っていく4人の後ろ姿に声をかける。
「……あれ、最後の戦いは? おーい」
「まだみたいですね……」
優雨が大きくため息をつく。
この戦場の戦いも、案外長引きそうであった。
→有力敵一覧
→(3)ヘラルド先遣隊(2勝6敗/戦力500→400)
→(6)ヘルクレスト侵略部隊(1勝0敗/戦力1250→1200)
→(7)ストリックラー・キラー(1勝3敗/戦力1300→1250)
→(9)狂愛母帝アリア(0勝2敗/戦力1650→1650)
→(10)特務戦隊インセクター(3勝5敗/戦力250→100)
→(11)スコルピア・ヴェノム(4勝1敗/戦力1800→1600)
→(12)狂愛のポリリャエラ(1勝1敗/戦力1900→1800)
→(14)阿修羅クワガタさん(2勝1敗/戦力1800→1700)
→(15)オウガメタル『烈火』(49勝13敗/戦力1600→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。