■第3ターン結果
●傭蜂集団~次代の女王~
暴殖要塞アポルオンの中層に至り、ローカスト達の抵抗は激しくなりつつある。
傭蜂集団とケルベロスとの戦いは、混戦模様を呈していた。
傭蜂集団は赤い蜂型のランサー兵を前に、ガンナー兵を後ろに置き、確実にケルベロスの戦力を削りに来る。
「さすがに傭兵部隊ですね。覚悟も決意もガッシリしています!!」
芥河・りぼん(リサイクルエンジン・e01034)は、汗を拭うと前を見た。
向かって来るのは敵の前線指揮を執る1体のランサー兵。
明らかに他のランサー兵とは一線を画した実力を発揮している。
「あの人が、傭蜂集団の『次代の女王』というわけですか!!」
発明少女の頭脳は、即座にその結論を導き出した。
『私に続け! ケルベロスを破り、私達の実力を統合王や太陽神に見せつけてやれ!』
少女らしさを残した、若々しい声が響く。まだ完全な女王とはなっていないようだが、若き女王候補は既にカリスマを発揮しているらしい。
だが、その動きにまだ隙があることを、りぼんは見逃さなかった。
「ちょっと前に出過ぎですよ!!」
りぼんの手に生まれたエネルギー体のスパナが、毒槍を構えて突進してくるランサー兵を捕らえる。
「さあ、きっちり締めてあげましょう!!」
叫びと共にぐるりと回ったスパナが、ランサー兵の体を強引に締め上げながら地面に叩きつけた。
駆け寄ったりぼんは、ランサー兵の胸に光る部位を見る。
「もしかして、これが情報共有細胞『ソーシャル・ネスト・シグナル(SNS)』というわけですね! ちょっと失礼……」
興味を抑えるでもなく、りぼんはその部位に触れた。
途端、情報の奔流が彼女の頭を叩く。
『ローカスト蜂巣虫蜜命グラビティ・チェイン赤い大地黒い太陽レギオンレイド太陽王餓えジューダス日照り枯渇餓飢餓飢餓飢餓飢餓飢餓飢餓飢餓』
膨大な情報に一瞬立ちくらみを起こしながらも、りぼんは念じた。
「わたしは熱血でファイヤーなケルベロスですよ! 目的を見失ったりはしません! ローカストゲートの情報を!!」
瞬間、情報の奔流は鎮まり、ローカストゲートの光景が、頭の中に流れ込んで来る。
原色の塗料を混ぜ合わせた渦のような、ローカスト本星レギオンレイドに通じる『ゲート』。その周囲では『統合王ジューダス』自らが率いる最精鋭部隊が、ケルベロス達を迎え撃つべく防備を固める。
守備部隊の人数は『2000』。
緊急時の各方面からの増援を含めると『3500』まで増加。
「結構多いですね……っと」
次代の女王を守ろうというのだろう、敵の一団が突出し、りぼんと次代の女王を引き剥がす。どうやら、今回の攻撃で制圧するとはいかなかったようだ。
「もう1回倒したら、また何か見れますかね、あれ?」
りぼんはそう考えつつ、再度の攻撃に向け自らも後退するのだった。
●ナイト・シーカー
知られざる「古代の戦闘部族」の数少ない生き残りであるナイト・シーカー。
ケルベロス達は、彼の率いる部隊を追い込みつつあった。
「全く、手強い連中だ。だが、我らの最後の戦いを飾る相手には相応しい!!」
杭打機状に変形したオウガメタルと、槍状の右腕を駆使し、ナイト・シーカーはケルベロス達を次々に貫いていた。
背中の羽を小刻みに動かしながら、高速で戦場を駆け廻る。
浮遊しての高速移動を繰り返すナイト・シーカーに狙いを定め、スプーキー・ドリズル(雨傘・e01608)はリボルバーから弾を放つ。
容易く回避し、飛翔を継続するナイト・シーカーが、スプーキーはその飛翔軌道上へと身を躍らせた。
「こちらの動きを制限したか!」
「分かっていることを繰り返す必要があるか」
振り下ろすように繰り出された竜爪撃は、ナイト・シーカーを地に叩きつける。
「見事──!」
墜落したナイト・シーカーだが、彼は身を震わせながらもまた立ち上がる。
「良い根性をしてるじゃねぇか」
「ジューダスが戦い続ける以上、我らもまた退くわけにはいかん」
不退転部隊にならうわけではないがな、と苦笑気味の言葉を残しつつ、ナイト・シーカーは部下の肩を借りて後退していく。
なおも制圧を拒むナイト・シーカーの存在は、ケルベロス達の進軍速度を削いでいた。
→有力敵一覧
→(3)ヘラルド先遣隊(6勝4敗/戦力900→600)
→(5)傭蜂集団(17勝7敗/戦力900→50)
→(6)ヘルクレスト侵略部隊(6勝1敗/戦力1600→1300)
→(7)ストリックラー・キラー(5勝2敗/戦力1600→1350)
→(8)ナイト・シーカー(8勝6敗/戦力500→100)
→(13)六花の王国(33勝4敗/戦力2200→550)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。