■第7ターン結果
超神機アダム・カドモンと、使者として訪れたケルベロス達が会談をもった空間。
そこが、超神機との最後の決戦の場となった。
「さあ、互い使える手は何でも使って、これで負けたら仕方ない、って笑えるくらいの勝負をしよう! 生き残るために! 自分の意志を示すために!」
「アダム・カドモン! 私達も常に前に向かって進む! いかなる困難も切り伏せ、未来を切り開いてみせる! その思いをこの『剣』に賭ける!」
アダム・カドモンに挑むケルベロス達は、その勝利への意志を叩きつけていく。
その死をもたらす力を超神機に届かせまいと、彼と共に戦うダモクレス達は、身を呈してそれを阻止する。
「戦いは、数だけでは決まりませんっ!」
我知らず『ヘリオライト』を口ずさみながら、スズナ・スエヒロ(涼銀狐嘯・e09079)は自分が経験したこれまでの戦いを思い返す。大磨上無銘を一瞬にして抜刀、眼前で刀を振るい、納刀した瞬間、関節部分を切り裂かれたダモクレス達が音を立てて倒れ伏す。
「いかにも、その通りだ。戦いは数だけでは決まらない」
アダム・カドモンが振るう『剣(ブレイド)』が、ケルベロス達を切り裂き、一人また一人と地に伏せさせていく。
彼が動くたび、ケルベロスは次々と倒されていく。
「我が『剣』にかけ、諸君を断ち切ろう」
決して動きを止めようとしない様は、彼が先へと進まんとする覚悟志を示すかのようだ。
アダム・カドモンが放り投げた『剣』が、高速で回転を開始する。
「グラビティ・チェインの枯渇から宇宙を救い、コギトエルゴスム化の喪失という退化をもたらさんとするケルベロス。諸君の行いは、デウスエクスの『力』を重視する思考をも変えうるものだ」
大気を引き裂く音を立てながら、ダモクレスの『剣』がケルベロスを、次々と切り裂いていく。
「死を持たぬが故に『個の力』を判断基準とする。それがデウスエクスの論理」
エインヘリアル第一王子ザイフリートが、予知という希少な能力を持ちながら軽んじられていた理由がそれだ。
デウスエクスは、戦闘力が全ての基準となる。
戦っても死なぬが故に、多くの種族は戦いで全てを決めがちだ。
実のところ、ケルベロスが異常なほどにデウスエクスから軽んじられて来た理由も、その点が大きい。
個人の力で劣る者を、デウスエクスは評価する思考がほとんど無いのだ。
そういった指標を持つ者達は、既に定命化している。
「なればこそ……諸君は、力の論理を踏み砕いていけ!!」
古きデウスエクスを象徴する根源として、アダム・カドモンはその『剣』と共にケルベロス達の前に立ちはだかる。
その覚悟に、シル・ウィンディア(鳳翼の精霊姫・e00695)は背筋を震わせた。
「あなたの覚悟、たしかに受け取ったよ。だから……敬意をもって、討たせてもらうっ!! いこう、琴ッ!」
マントが翻し、シルは幸・鳳琴(精霊翼の龍拳士・e00039)と共に、アダム・カドモンへと突っ込んだ。
両者の
「不死を捨てるのが退化だなんて、誰が決めたの!?」
デウスエクスが『死なない力』……コギトエルゴスム化の喪失は、アダム・カドモンが語ったように、死なないという強力な能力を失う『退化』の側面はある。
「でも、それだけじゃない」
シルは、そして戦う多くのケルベロス達は思う。
『定命の者』としての志を背負い、力の限り戦って来た。
それこそが、ケルベロスたる自分たちの輝きなのだと。
「定命の者だからこそ、輝くものがある……コギトエルゴスム化を失うことは、きっと、デウスエクスが新たな『輝き』を得るための、道程なんだ!!」
アダム・カドモンが目を見開く。
シルの精霊魔術が収束砲の魔力の砲撃が、超神機を飲み込んでいった。
●
アダム・カドモンの手から、『剣』が落ちた。
床に落ちた『剣』は、まるで硝子のように、音を立てて砕け散る。
「私の敗北だな」
ケルベロスの力は、アダム・カドモンの体を確実に蝕んでいた。十二創神の死が間近であることは、その場にいる誰の目にも明らかだ。
「約束通り、必要となるだろうデータは遺しておいた。
私が死ねば、諸君の艦に届くだろう」
「それだけ?」
と、言ったのは鳳琴だった。不審げなアダム・カドモンに、彼女は続ける。
「勝者が全てを得るなら、もうひとつ。ダモクレスと生きる未来を頂戴よ」
「強欲なことだ。……だが、未来を切り拓くならば、それも必要か」
そう呟くと、彼は惑星中、そして交戦を続けるダモクレス艦隊へと通信を送る。
マキナクロス最高司令官・人級星戦型ダモクレス「アダム・カドモン」である。
同胞諸君に、ケルベロスとの停戦を命じる。
だが、私は130秒後に死亡する。
その後は諸君は自由だ。何を為すべきか、自ら考え、そして己の魂に従え。
ダモクレス達への通達を終えると、アダム・カドモンはケルベロス達に告げた。
「諸君が望むならば、マキナクロスの『ゲート』を、『ピラー』に戻す実験台の一つにすると良いだろう。近く地球に訪れる『季節の魔力』が、それを可能とする可能性もあるようだが……」
金属の床に、アダム・カドモンの腕が落ちた。
生命を維持する力が、失われようとしている。
「製造や研究を担当するダモクレスの多くは生き残っている。仲良くやると良い。
研究が完了する前にグラビティ・チェイン切れでコギトエルゴスム化する者もいるだろうが、なんらかの感情を抱き、地球を愛したなら、定命化もする者もいるだろう」
機械文明の創造主たる彼は、どんなことがあろうとも『自分が絶対にそうならない』ことを確信しているようだった。
その後、アダム・カドモンの遺言通り、ダモクレスの大半はケルベロスと停戦した。
もはや、地球を攻める気もない彼らの多くは、マキナクロスに残り、ケルベロスとの協力の道を選ぶこととなる。
第二次大侵略期、その最後の大きな戦いは、こうしてその終わりを迎えるのだった。
→有力敵一覧
→(2)近衛軍(0勝3敗/戦力65→35)
→(4)輝ける楽園の夢想(1勝0敗/戦力515→380)
→(5)機神雷獣クアトロフォルマッジ(0勝1敗/戦力390→380)
→(8)ギガント・エリラー(1勝0敗/戦力915→780)
→(10)ステラ・バイター(0勝1敗/戦力825→815)
→(11)弩級機動要塞メタルマザークィーン(1勝0敗/戦力555→420)
→(13)アンヴィル(0勝1敗/戦力815→805)
→(14)超大型航宙巡洋戦艦BCS-004(1勝0敗/戦力1220→1085)
→(15)超弩級航宙戦艦アマテラス(1勝0敗/戦力1470→1335)
→(16)33Ki−US(1勝0敗/戦力400→265)
→(20)ジ・ウラヌス(1勝0敗/戦力2500→2365)
→(23)超神機アダム・カドモン(26勝11敗/戦力2025→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。