■第5ターン結果
●(6)THE FIVE-O
『ファイブ・オー・パーティ・ターイム!!』
THE FIVE-0が腕を前へと突き出した姿勢を取ると、全身の装甲が開き、砲門が現れる。
再び攻め寄せたケルベロス達を血祭りにあげんと、巨人型ダモクレスの装備する火器が、一斉に火を吹いた。
『さあ諸君、私と共にケルベロス達を退けようではないか!!』
高らかにダモクレス達へと呼びかけるTHE FIVE-0。
もっとも、残るダモクレスの残存数は多くはない。
その姿に、リリエッタ・スノウ(未来へ踏み出す小さな一歩・e63102)は不覚にも心の浮き立つような感覚を覚えていた。
「派手なロボットだね。マキナクロス化なんて起こさなければ、地球の子供達にも大人気だったかもしれないのに……」
争う必要が無いのであれば、どれだけ良かったことか。
だが、機械化を進めようとするダモクレスとは、いずれにしても雌雄を決さねばならなかったのかもしれない。
機械の巨人は、ケルベロス達の熾烈な攻撃を受けながらも、その耐久力と火力を見せつけていた。
『インパークト!!』
繰り出される巨腕をかわし、リリエッタは間近を突き抜けていくFIVE-Oの装甲を蹴った。
開閉を繰り返す装甲、そこからの全身からの射撃を続けながら、FIVE-Oは別のケルベロス達へと迫っていこうとしている。
離れていこうとするTHE FIVE-Oの背へと、リリエッタはライフルの銃口を向けた。
「これで、決めるよ!」
『死ヲ運ブ荊棘ノ弾丸(スパイク・バレット)』が、THE FIVE-Oの装甲の隙間へ飛び込んだ。開口部から飛び込んだ弾丸は、巨人の体内へと食いつき、その内部に満ちる精密機械を破壊していく。
『ギ、ガガガ……ッ』
巨大な40m級ダモクレスの動きは、次第に鈍り、そして停止していく。
その姿に、リリエッタはどこか寂寥感を覚えるのだった。
●(6) 報復型バグトルーパー『ヘイト』
「敵戦線指揮官、報復型バグトルーパー『ヘイト』を確認しました。これより、撃破を目指します」
戦場到達と同時に戦場の把握と分析を行った、クロム・アメジスト(アメジストハート・e67662)は、敵指揮官の位置を特定し、即座に殲滅行動に移行した。
ファーストアタックから続く戦闘から、星戦型ダモクレスの能力を分析した彼女は、現時点で最も有効と思われるフォーメーションで、報復型バグトルーパー『ヘイト』に迫り、その斧の間合いにヘイトを追い詰める事に成功する。
「このケルベロスは、強敵どころじゃないようね。でも、だからって、あたしの配下達を殺した事は許さない。あたしは、たとえ、命を失ってでも、報復は必ず行なうのよ!」
クロムらケルベロスに追い詰められたヘイトは、それでも戦意を失う事は無く、六脚の足で素早く動き回りながらアントブレードを振るい、アントアシッドでケルベロスの陣形を崩そうとする。
「あなたの行動の意図は理解しました。であれば、その意図は挫かせてもらいます」
しかし、その必死の行動も、先回りしたクロムによって防がれ、思うように成果を出すことができない。
報復を阻止されたヘイトは、その怒りを、クロムとケルベロスにぶつけるが、戦場の趨勢は既に決まりつつあった。
「次にあなたは、アシッドブレードを振るって突破を狙おうとするでしょう」
次の瞬間、クロムの言葉どおりにヘイトが動き、その動きを読まれていたがゆえに、阻止される。
「くっ、何故……」
「あなたの行動は既に私の予測範囲内です。ですので……」
クロムは手にしたルーンアックスを、大振りで振り回すと、攻撃位置を確認することなく振り下ろすが、その攻撃点は、六本脚を巧みに使ってケルベロスを振り切ろうとしたヘイトの移動経路を的確に捉えていた。
「私達は、ケルベロス・ウォーに勝利し、マキナクロス化は必ず阻止してみせる。だから、あなたは、ここで確実に打ち取るのです」
ルーンアックスの攻撃で動きを止められたヘイトに対して、クロムは足場とした小剣型艦載機を蹴って高々と飛び上がると、ジャンプ先を飛んでいた別の小剣型艦載機を蹴って軌道を変えると、ヘイトの頭上へと襲い掛かった。
「このあたしが報復も出来ずにっ!!」
ヘイトは、なんとかクロムの攻撃を回避しようとするが、その回避行動さえ読んだのか、クロムのルーンアックスが寸分たがわずに脳天に突き刺さった。
そして、
「敵前線指揮官の撃破を完了しました」
戦闘の終了を告げるクロムの言葉と共に、報復型バグトルーパー『ヘイト』は爆発四散し宇宙の塵と消えたのだった。
●(7)アボミネイター・クロックブル
「許サナイ、同胞、破カイ、破カイ、破カイ!」
ファーストアタック以後、ケルベロスの攻撃により甚大な被害を受けた戦場に、アボミネイター・クロックブルの慟哭の唸り声が響き渡る。
「あなたは、仲間を倒されて怒り狂っているの?」
セレスティン・ウィンディア(穹天の死霊術師・e00184)は、そのアボミネイター・クロックブルの様子を見て、そう判断する。
月遺跡での戦いでも、その怒りの片鱗を見せていたという報告もあり、おそらく正しい筈だ。
「でもね、指揮官であるあなたが、我を忘れて怒り狂えば、もはや挽回できる目は無くなるわ」
セレスティンは、そう言うと、冷静に武器名を構えると周囲の仲間達に指示を送る。
その指示に従うように、ケルベロス達は、小剣型艦載機群を移動させ、それを足場に、アボミネイター・クロックブルを半包囲するように起動しつつ、周囲のダモクレスを駆逐していった。
残存する僚機が次々と落とされていく状況に、アボミネイター・クロックブルは激怒し、機体を震わせながら、ケルベロスに向かいくる。
だが、ケルベロス達は、そのアボミネイター・クロックブルの攻撃を去なすように反包囲を続け、怒り狂ったアボミネイター・クロックブルの体力を削り取っていった。
「破カイ者ドモ、真ッコウカラ勝負シロ!」
周囲のダモクレスは壊滅させられた、アボミネイター・クロックブルは、孤立無援となった戦場の中心で、獰猛に叫ぶ。
だが、それは最後の悪あがきでしかなかっただろう。
「そこまで言うのならば、私が相手させても良いわよ」
ネームド敵に止めを刺すチャンスとみたのか、セレスティンは、その手に枯骨の夢の鍵を掲げつつアボミネイター・クロックブルの前に出る。
このセレスティンに、アボミネイター・クロックブルは獰猛な唸り声と共に襲い掛かった。
「良ク出テ来タ! オ前ダケデモ道連レニシテクレル!」
怒りのままに、アボミネイター・クロックブルは、クロックブル・ホーンを撓めてセレスティアに全ての力をぶつけようと後足を蹴る。
しかし、その最大威力の攻撃こそが、セレスティンの狙う隙であった。
セレスティンは、クロックブル・ホーンの暴威をやり過ごすと、その手に虚無の魔法を発動する。
「怒りに任せた大技の後には隙ができる……。それこそ、止めを刺そうと狙った攻撃であれば」
セレスティンは、そう言うと、操っていた小剣型艦載機を蹴って距離を取ると、そのまま別の小剣型艦載機を足場にして、アボミネイター・クロックブルに、触れたものを全て消滅させる虚無球体を撃ち出した。
「さぁこの虚無の魔法が、あなたの真実の瞬間になるわ」
その言葉と共に打ち出されたセレスティンのディスインテグレートが、アボミネイター・クロックブルの心臓を射抜き消滅させ、その命を奪い取った。
「あなたが、仲間を思うと意思は私にも理解できる。でも、あなたの間違いは、それを、憎悪でしか表現できなかった事……」
セレスティンは、崩れ行くアボミネイター・クロックブルを確認すると、小剣型艦載機を操って戦場を後にした。
●(7)ドミネイター・ドラゴスネーク
戦場では、《支配者》の名を冠する決戦兵器ダモクレス、ドミネイター・ドラゴスネークのドラゴニックフルバーストが猛威を振るっていた。
アダム・カドモンが来るべき決戦の為に用意した星戦型ダモクレス。
その中でも、ドラゴンの戦闘力を再現したドミネイター・ドラゴスネークは、その瞬間戦闘力において、群を抜いていたのだろう。
「まさに炎の暴風というべきかしら?」
御巫・神夜(地球人の刀剣士・e16442)は、ドラゴニックフルバーストの威力に舌を巻くが、その弱点を見抜いてもいた。
「その体から感じる戦闘力に比べて、攻撃力が高すぎるのよ。アンタ、かなり無理をして、その戦闘力を保っているのじゃないかしら? それこそ命を削ってね」
神夜の挑発に、ドミネイター・ドラゴスネークは更なるフルバーストで応えるが、その威力は最初期の頃に比べて、かなり落ち込んでいた。
「戦闘が長引くほど、能力が低下する……ね。つまり、ファーストアタック時から戦い続けているアンタは、既に、稼働限界という事よ」
神夜の指摘に、ドミネイター・ドラゴスネークは、ブルリと鋼鉄の竜鱗を震わせる。
フルバーストで焼け付いた砲身は、冷却の暇さえ与えられず、ブスブスと赤熱化しており、その限界が近い事を示していた。
「時間ガ限ラレタトシテモ、最後マデ全力デイク。ソレガ、我ダ!」
ドミネイター・ドラゴスネークは、ブレイドウィングを広げて、神夜へと吶喊すると、最後のドラゴニックフルバーストを打ち込んだ。
その威力により、自分自身の体を破壊しながら、それでも、フルバーストを打ち続けるドミネイター・ドラゴスネーク。
その姿は、ドラゴンよりも誇り高い竜の姿であったかもしれない。
「アンタ達ダモクレスに譲れないものがあるように、私達ケルベロスにも譲れないものがあるのよ。それが、戦う理由であるのならば、たとえアンタが限界であろうと、手を抜くことはできはしない。だから……」
これが、私の戦う意思よと、神夜は空の霊力を帯びた斬霊刀を大きく振りかぶると、満身創痍のドミネイター・ドラゴスネークの傷口を抉り取った。
ドミネイター・ドラゴスネークは、神夜の攻撃で命をすり減らしつつも、フルバーストの攻撃を続行する事を選択する。
神夜とドミネイター・ドラゴスネークの視線が交差する。
既に体が限界である以上、回避や防御をしても耐えきれない。ならば、最後まで攻撃を続けるのみ……。
神夜は、ドミネイター・ドラゴスネークの意志を感じ取ると、その意思に敬意を払いつつ、も斬霊刀を振り切った。
その攻撃は、ドミネイター・ドラゴスネークを両断し、両断されたドミネイター・ドラゴスネークは、その命がつきるまで攻撃を続け、そして消滅していった。
「アンタは強かった。でも、私達はもっと強い。だから、この戦い、勝つのは私達ケルベロスよ」
神夜は、消えゆくドミネイター・ドラゴスネークに、そう勝利を約束して、アダム・カドモンとの最後の決戦に向かう為に、戦場を後にしたのだった。
●(22)インペリアル・ディオン
近衛軍の精鋭部隊は、その限界に達しようとしていた。
ダモクレスの最精鋭とはいえ、万能戦艦ケルベロスブレイドとの全面対決を選べば、こうなることは免れられない。
だが、インペリアルディオン、インペリアル・ディザスターをはじめとしたダモクレス達は、既に大きく傷つきながらも、限界を越えた力をケルベロス達に見せていた。
「なんということだ」
アダム・カドモン直属の近衛軍の強さに、最後までインペリアル・ディオンと交戦していたジョルディ・クレイグ(黒影の重騎士・e00466)も驚きを禁じえない。
その装甲の内に生じる輝きは、明らかな『死』を感じさせるものだ。
その戦力の最期まで、彼らは、己に任じた役割に殉じようとしている。
「敵ながら、見事……!」
戦闘不能に陥ったケルベロス達が撤退していくが、対するディオンにも、彼らを追う余裕はない。
先程の戦いで、ケルベロスに貫かれた傷はコギトエルゴスムに達していた。
「活動限界時間まで、あと僅か……戦闘継続は不可能か。近衛軍総員、生存者は撤退し、アダム・カドモンの指示を待て」
部下達にそう通信を入れたインペリアル・ディオンの体が、惑星マキナクロスの地表へと墜落していく。
その目が最後に捉えるのは、万能戦艦ケルベロスブレイドに挑み続けたインペリアル・ディザスターが沈む光景だ。
「ディザスター・キング、お前を破ったケルベロス達は、やはり強かったな」
旧友に呼び掛けたインペリアル・ディオンは空中でその機能を完全に停止する。
白い機体はそのまま地表へと墜落し、散っていった。
→有力敵一覧
→(2)近衛軍(0勝4敗/戦力135→95)
→(4)輝ける楽園の夢想(1勝0敗/戦力785→650)
→(5)機神雷獣クアトロフォルマッジ(1勝0敗/戦力660→525)
→(6)THE FIVE-O(2勝0敗/戦力220→0/制圧完了!)
→(7)ドミネイター・ドラゴスネーク(2勝1敗/戦力275→0/制圧完了!)
→(8)ギガント・エリラー(1勝0敗/戦力1185→1050)
→(10)ステラ・バイター(1勝0敗/戦力1095→960)
→(11)弩級機動要塞メタルマザークィーン(1勝0敗/戦力825→690)
→(13)アンヴィル(1勝0敗/戦力1085→950)
→(14)超大型航宙巡洋戦艦BCS-004(1勝0敗/戦力1490→1355)
→(15)超弩級航宙戦艦アマテラス(0勝1敗/戦力1490→1480)
→(16)33Ki−US(1勝0敗/戦力670→535)
→(22)インペリアル・ディオン(13勝12敗/戦力420→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。