ケルベロス・ウォー

■第2ターン結果

●(19)タイプ・ジョン
 ザ・ニビルを守る星戦型ダモクレスは、『プラネットフォース』によって建造された、惑星の衛星の名を冠する戦士たち。
 かつても出現したことのある、モヒカンや筋肉や犬といった外見の者達だが、宙間戦闘に特化した彼らは、小剣型艦載機に騎乗したケルベロスと同等の機動力を発揮して、戦闘を繰り広げる。
 一体一体の戦闘力も高かったが、それ以上に、計算しつくされた戦闘行動に手を焼かされる。
 戦闘は互角以上に戦えているのだが、巧みな位置取りによりザ・ニビルへの決定打となるような攻撃はことごとく防がれてしまうのだ。

「さーて、次なる呪い相手は、と」
 遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)は、何度目かの敵の攻撃を防いで反撃しつつ、戦場の状況を探り……、篠葉は、戦場全体を俯瞰し、敵味方の動きを計算し、その上で最善の手を打つ……そんな指揮官が戦場を支配している存在に気が付いた。

「あいつ、あからさまに怪しいよね。はい、決定!」
 篠葉の視界の先では、頭部がコンピューター型のダモクレスが、矢継ぎ早に指示をだしている様子が見える。

「あのコンピューター頭は、きっと、私のスマホを壊そうとしてくるのね。なんて邪悪なのかしら? ということで、次の目標は、あのコンピューター頭にけってーい!」
 ザ・ニビルの破壊を目指していた篠葉だったが、ここは自分が露払いに徹するべきだろうと考え、近くにいたケルベロス達に声をかけ、頭部がコンピューター型のダモクレス、タイプ・ジョンへの攻撃に誘った。

「あれを倒せば、他の誰かがザ・ニビルを打ち取ってくれるよ。だから、私達は、指揮系統を狙って電撃戦なのね!」
 そういって、真っ先に敵後方に吶喊する篠葉に続いて、多くのケルベロスが鋭い槍の穂先となり、タイプ・ジョンにめがけて突きかかり、敵陣を切り裂き、タイプ・ジョンの眼前までの道を切り開いていく。

「なんという突破力か。まだ計算が足りなかったというのか?」
 ケルベロスの戦力を上方修正して計算をやりなおしたタイプ・ジョンは、眼前に現れたPC達の前で、頭部のランプを激しく明滅させ、驚きの表情を作る。
「ならば、また再計算するまで……」
 タイプ・ジョンの頭部のコンピューターがヒートして煙をあげる。
 だが、その計算終了を待つまでもなく、篠葉がタイプ・ジョンの背後から主張でその首をトンと叩いて戦闘不能にしてのけた。

「計算しても無駄なんよ。私達ケルベロスは、過去の自分を越え続けてここにいるの。あなたの無駄な計算が終わるころには、私達はもっと強くなってるんだから」
 篠葉の絵加減攻撃で、膝から崩れたタイプ・ジョンは、
「馬鹿な、この私がこんな屈辱的な攻撃で……。ケルベロスは、本当に計算不能だというのか!!」
 と怒りのあまりコンピュータを熱暴走させながら、爆発四散して果てる。
 こうして、ザ・ニビルの戦場の敵は、その統制を失ったのだった。

●(19)ザ・ニビル
「これは、思ったよりも強敵ですね……」
 マキナ・グランドクロスを構成する四体の惑星級ダモクレス、ザ・ニビルを前にして蓮水・志苑(六出花・e14436)は、そう息を吐いた。
 地球をマキナクロス化するというアダム・カドモンの作戦。
 それを阻止するには、この惑星級ダモクレスの撃破が必要になる。

 だが、目の前のザ・ニビルは、重いタールのような表層を持つ直径10kmを越える超大型のダモクレスであり、周囲を守る星戦型ダモクレスとの緻密な連携により、付け入る隙が無い。
 護衛艦隊を一つ破ったとはいえ、敵の戦力はまだ残っており、今回の攻撃で陥とす事は至難の業と言ってよいかもしれない。
 志苑もまた、群がる敵を撃破しつつも、ザ・ニビルを有効射程に収めきれないでいた。
「あの巨体を削り切るには、かなりの時間が必要だというのに、敵防衛部隊がそれを許さない。厳しいですね」
 このままではじり貧だと、志苑が考えた時、敵防衛部隊の動きが大きく変化した。
 これまで、計算しつくされた動きをしていた防衛部隊が、目先の敵を狙って勝手に攻撃するような稚拙な動きを繰り返すようになったのだ。

「敵の指揮官が討たれたのでしょうか? いえ、別の部隊が討ってくれたのですね!」
 志苑は、そう察すると、周囲の仲間達に号令を出して、ザ・ニビルを包囲して攻撃する布陣を完成させてみせた。
「互いに譲れないものがある限り決着をつけなければなりません。今こそ、決着をつけましょう!」
 ザ・ニビルも、怪しい光を瞬かせながら、星を形成する粘体を射出しケルベロスを迎撃するも、その反撃は限定的であり、ケルベロスの猛攻の前に、その体積を減じていく。
 体積を失えば、それだけ敵の攻撃の圧力が減っていくのは道理だった。

「このまま敵戦力を削りきります! 地球を機械化などさせません!」
 志苑はそう言うと、ザ・ニビル包囲網を更に狭めて、より密度の高い攻撃をザ・ニビルに集中していく。
 この攻撃でザ・ニビルを覆う黒い粘体は蒸発するように消え去り、更にその体積を減少させていく。そして遂に、粘体の奥に隠されたものが姿を現す。
「見えました、あれが、ザ・ニビルの本体です!」
 鈍色に光る、ザ・ニビルの中枢部分。
 それを露出させたケルベロス達は、一気呵成に、その中枢へと攻撃を仕掛けていく。
 志苑も先頭に立って、ザ・ニビルの中枢と相対し、雪月華氷刀を構えて対峙する。

「地球の全ての生命の為、必ず勝ってみせます。凍れる白雪、散らすは命の花……」
 ケルベロスの集中砲火を受けるザ・ニビルの中枢に、凍れる白雪の桜が舞い散る。
 志苑が守ろうとする地球の命達が、その花弁に力を与えたかのように、凍れる花弁がニビルの中枢に殺到した。
 一瞬の後、露わになった中枢部は、花弁によって切り刻まれ、ただの金属の塊とかした。
 この志苑の桜花霜天散華の一撃によって止めを刺され、ザ・ニビルの中枢はボロボロに崩れて崩壊していく。それに呼応する世に残されたザ・ニビルの星の残骸もボロボロに崩れて崩壊を開始する。

「ザ・ニビル撃破を完了しました。崩壊に巻き込まれないよう、すぐに撤退してください!」
 最速で惑星級ダモクレス、ザ・ニビルの撃破に成功した志苑達は、ケルベロス・ウォーの勝利を確信しつつ、胸を張って凱旋したのだった。

(21)ジェノサイドプラネット
 全長10kmを越えるジェノサイドプラネット。
 その中央には堅固にして巨大な砲身が聳り立っていた。
 砲身の全長は数キロ、砲門の直径ですら1000メートルを越えている。
 SF小説で語られるようなコロニーレーザーをもかくやという、ジェノサイドの名に相応しい巨大砲である。
 この砲門が地表に向けて発射されれば、オーストラリア大陸の1/4程度は消滅させる事ができるだろう。

 そのジェノサイドプラネットの主砲の砲身の内部で、中島・花桜梨(永遠の乙娘の子・e23049)達はダモクレスの防衛部隊と戦闘を繰り広げていた。
 ジェノサイドプラネットの主砲は巨大すぎる為、小さな目標であるケルベロスには使用できない。それを見越して、花桜梨は、仲間と共に砲塔内に突入してのけたのだ。

「これが、歴戦のドワーフの智慧という奴じゃ!」
 花桜梨がそう嘯くが、それは嘘では無い。
 ダモクレス側は、花桜梨達を迎え撃つ為に砲塔内に迎撃戦力を投入してしまったために、ますます主砲の発射が不可能になってしまったのだ。
 やむを得ないと、ジェノサイドプラネットは、ダモクレスの防衛戦力だけでなく、ジェノサイドガスを使用、更に、防衛用のジェノサイドキャノンを砲塔内に展開させるなどして、、ケルベロスを食い止めようとするが……。
 だが、その常識的な対応で、花桜梨達を止める事は出来ない。
「未踏の地に足を踏み入れる……。これに勝る楽しみは無いわい。お前さん達も、守りの薄い処を強引に突破して前に進めっ!」
 花桜梨の激に応じて、ケルベロスは前線を強引に押し上げていく。
 ダモクレスの防衛戦が、最前線のケルベロスの更に後ろにあるような大乱戦。
 だが、この大乱戦も花桜梨の作戦のうちである。
「敵味方がこれだけ混在すれば、主砲を発射する事は出来ないのじゃ。そもそも、この乱戦では指揮系統など、あってないようなものじゃからのぉ」
 果敢に敵ダモクレスを打ち取りながら前に進む花桜梨は、そう言うと、更に強引に前に出る。
「そして、完全な乱戦になれば、個々の戦闘力が物を言うのじゃ。であれば、精鋭たるケルベロスに敵うものなしじゃっ!」
 その言葉の通り、ケルベロスの精鋭たちは数キロの砲塔内を掛け進み、遂に、ジェノサイドプラネットの中枢へと動力部へと辿りつく。
 慌てて、ジェノサイドプラネットは、砲塔内のダモクレスごと主砲で一掃しようとチャージを開始する。だが、
「遅いっ!」
 チャージを開始した動力炉を、花桜梨たちケルベロスが破壊してのける。
 最前線の部隊が主砲を破壊した事で、砲塔内の戦闘も、いよいよケルベロス有利となっていった。
 動力部を破壊されて混乱したジェノサイドプラネットが、有効な打開策を旗下の部隊に指示する事が出来なくなった事もあり、ダモクレス側は更に数を減らし、加速度的にその差が開いていったのだ。
 ほどなく、砲塔内のダモクレスは掃討され、時を同じくして、最前線のケルベロス達も、ジェノサイドプラネットの中枢に到達していた。

「【武蔵坂調査隊DoHighGo!】参上! うぬらを放逐できる喜びに勝るものなしじゃ!」
 そして、花桜梨が中枢部に打ち込んだ絶空斬によって、ジェノサイドプラネットの全機能は停止し、完全に沈黙したのだった。

→有力敵一覧

→(2)近衛軍(0勝2敗/戦力320→300)

→(4)輝ける楽園の夢想(1勝0敗/戦力1190→1055)

→(5)機神雷獣クアトロフォルマッジ(1勝0敗/戦力1065→930)

→(6)THE FIVE-O(0勝1敗/戦力500→490)

→(7)ドミネイター・ドラゴスネーク(0勝1敗/戦力430→420)

→(8)ギガント・エリラー(1勝0敗/戦力1600→1465)

→(10)ステラ・バイター(1勝0敗/戦力1500→1365)

→(11)弩級機動要塞メタルマザークィーン(3勝0敗/戦力1500→1095)

→(13)アンヴィル(0勝1敗/戦力1365→1355)

→(16)33Ki−US(1勝1敗/戦力1095→950)

→(19)ザ・ニビル(11勝1敗/戦力1260→0/制圧完了!)

→(21)ジェノサイドプラネット(15勝3敗/戦力1750→0/制圧完了!)

→重傷復活者一覧

→死亡者一覧

■有力敵一覧

有力敵 戦功点 現状

ザ・ニビル
4800
(19)ザ・ニビル:Battle1にて、蓮水・志苑(六出花・e14436)に倒される。

タイプ・ジョン
2400
(19)ザ・ニビル:Battle2にて、遠野・篠葉(ヒトを呪わば穴二つ・e56796)に倒される。

ジェノサイドプラネット
5000
(21)ジェノサイドプラネット:Battle1にて、中島・花桜梨(永遠の乙娘の子・e23049)に倒される。

戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。