デスバレス・ウォー

■第6ターン結果

「う~ん、やっぱり今の攻撃はかなり来てるみたいだね」
 建造以来、幾度も攻撃に晒されつつも、ケルベロス達によって守られてきた万能戦艦ケルベロスブレイドは、初めてとも言える、大きなダメージを受けていた。

 ゼーミアミン・ブロイトによる一点集中狙撃、白鯨率いる鯨型死神軍団による突撃、『神託の死神』の祈りと共に押し寄せて来た死神の群れ、さらには寒冷地帯を統べるヴォジャノーイ・カローリ率いる死神達の冷気。
 それらを一度に受けた万能戦艦ケルベロスブレイドの装甲は、大きく損傷し、攻撃は内部にまで届いている。

 シャーロット・ドレーク(レディオブドレーク・e37173)は、出撃の合間を見計らって、その損傷部位の点検に当たっていた。
 自動修復機能は機能しており、シャーロットを含めたケルベロス達がヒールで修復を試みているものの、次の戦場までには間に合いそうにない。

「とはいえ、もう時間も無い……ここは中央突破一択か」

 シャーロットは、出撃口へと走りながら考える。
 見下ろせば、『カラミティ』の控える第7防衛ラインが、煌々と輝きを放っている。
 主戦場を守るのは、『地獄』を操るカラミティの1体、カラミティ・ラニオ。
『地獄』へ向かわんとするケルベロス達は、『地獄』を操るカラミティとの交戦に突入していく。

●カラミティ・ラニオ
 主戦場にいる者達、全てが『カラミティ』。
 それが、第7防衛ライン主戦場の実態だった。
 鎌を振るう死神然とした姿をとるもの、あるいは魚のような姿をとるもの。
 いずれも強力な死神だ。
 その異様な状況の中で、ケルベロス達は確実にカラミティの戦力を削りつつあった。

『ドラゴンすら破ったケルベロスの力、これ程のものとはな』

 結跏趺坐の姿勢を取ったカラミティ・ラニオが感心したように言う。
 ドラグナーかドラゴニアンかといった姿だが、その全身は赤々とした焔を纏う。
 ブレイズキャリバーなどが使い、そして目指す先にも満ちる『地獄』の焔だった。

「余裕だね」
『お前達のもたらす死は、カラミティには意味を為さない。
 有力な個体を失うことは、損失とも言えるだろうが重大ではない』
「こっちはちょっと戦艦が傷ついただけで補修で大忙しだっていうのに。……カラミティって、一体何なんだ?」
 シャーロットの繰り出した拳が、斬り掛かってきたカラミティの1体を迎撃する。
 カラミティ・ラニオは、淡々と言った。
『イグニスとの初戦から、ここにまで至ったことに我なりの敬意を表して言おう。
 カラミティとは、冥府の言葉で『蘇生』を示す概念であり、一つの『神』としての意志を共有する者達の総称だ』
「……蘇生神って……死の神じゃないのかよ」
 シャーロットは思わずうめいた。モンブランという言葉はオーク語では地球とは異なる意味を持つが、それと同じ類だろう。
 そして同時に、カラミティをこの場で倒し切るのが不可能であることも理解できてしまったからだ。
 死神がいる限り、『蘇生』はついて回る。
 死神……少なくとも、この戦場にいない者も含めた『カラミティ』全てを倒しきらない限り、その概念が滅ぶことは無い。

『そして、イグニスが聖王女の力を奪い切るまで時間を稼ぐことが出来れば、我らに大きなダメージを与えうる有力な手立ても潰えるだろう』

 カラミティを、この場で倒し切ることはできない。
 ならば、目の前の敵を破り、突破するだけだ。
 カラミティ・ラニオから渦巻く『地獄』を突っ切って、ケルベロス達は群れを為すカラミティへと攻撃を仕掛けていく。

『デウスエクスに死をもたらす力で、救済を求めるのか、ケルベロス』
「あいにくと、こっちは地球を守るケルベロスなんでね」
 拳を大きく振りかぶり、シャーロットはラニオへとそれを突き出す。
「地球も何もかも滅んだ死の宇宙で、あんたらと過ごすのは真っ平ごめんだよ」
 熱を帯びた拳に喰らいように、ラニオの姿が消滅していく。
 それを見届けると、シャーロットは万能戦艦ケルベロスブレイドへ帰還していく。

●そして『地獄』へ
 第7防衛ラインの主戦場を攻略し、万能戦艦ケルベロスブレイドはまっすぐに降下していく。その艦体に、立て続けに激震が走った。
 残存しているカラミティ達からの攻撃だ。

「艦底部のダメージを確認してくれ!」
「メディックは至急破損部の補修に……!」
「重傷者の移送は……!!」
 この艦がここまで甚大なダメージを受けた時の対応など、ほとんど想定の外だ。
 ケルベロス達の警報と怒鳴り声の響く中、艦の象徴とも言うべき磨羯宮の『剣』に大きなヒビが入る。
『断ち切れはしなかったか。流石に硬いな』
 カラミティ・ニルヴァーナ。彼女の率いる剣士達の斬撃は、ザルバルク剣化波動を発する磨羯宮に大きなダメージを与えていた。
「頼むから、『地獄』に辿り着くまでは保ってくれよ……!」
 損傷を受け、激しく揺れながらも、ケルベロスブレイドは降下していく。
 やがて、その行く手には、赤々と燃え盛る『地獄』が見えてくるのだった。

→有力敵一覧

→(22)カラミティ・アンダートゥ(1勝1敗/戦力1000→860)

→(23)カラミティ・ニルヴァーナ(1勝1敗/戦力1000→860)

→(24)第7次防衛ライン主戦場(28勝3敗/戦力1500→0/制圧完了!)

→(25)カラミティ・赫奕姫(1勝0敗/戦力1000→870)

→(26)カラミティ・スミト(0勝1敗/戦力1000→990)

→重傷復活者一覧

→死亡者一覧

■有力敵一覧

有力敵 戦功点 現状

カラミティ・ラニオ
4500
(24)第7次防衛ライン主戦場:Battle1にて、シャーロット・ドレーク(レディオブドレーク・e37173)に倒される。

戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。