■第7ターン結果
●暴風竜ボレアス
竜業竜十字島との戦いに一定の目処がついた段階で、ケルベロス達は残る竜業合体ドラゴンへの戦力を振り分けていた。
「ドラゴン・ウォーを逸したドラゴン。確かな実力を保有したまま生存されては後の禍となることは明白。この一戦にて討伐することが望ましいと判断」
款冬・冰(冬の兵士・e42446)は、その理由を端的に結論する。
竜業合体ドラゴンの力が、恐るべきものであることは、既に十分に理解出来ていた。
既に大罪竜王シン・バビロンという難敵が、戦場から姿を消している。
これ以上、地球に被害を出しうる存在を逃すわけにはいかない。
『ならば、貴様らを返り討ちにしてくれよう!!』
暴風竜ボレアスの全身から、その名の如く凄まじい暴風が巻き起こる。
「本質は、グラビティによる、空間の歪曲と、回転」
惑星上であれば大気の乱れを伴うが、おそらくは宇宙空間でも支障なく使える能力なのだろう。
高速の移動能力としても活用しうるボレアスの力は、戦争開始以来、攻め入ったケルベロス達を阻み続けて来ていた。
「でも、あの風も、ここで、止める」
「ええ、ジューゾー。冰は武装換装済」
十三と言葉を交わし、冰はふわりと中に舞った。
翔ぶ鳳を思わせる装束を翻し、ボレアスの翼の一本を浅く切り裂く。
「回避されている、だけではない。歪曲による位相のズレ……」
歪曲した空間は、ケルベロスの認識をもズラしている。
感覚のズレは、戦闘において致命的になりうるものだが、ボレアスはそれを敵に強要し、かつ高速の中で動きをさらに変えて来る。
「でも、理解」
吹き荒ぶ暴風の中、長い髪を風になびかせながら冰は飛ぶ。
感覚がズレているなら、補正すれば良い……。
目で見えるものに頼らない。困難ではあるが、不可能ではないのだ。
ケルベロス達もまた、マインドウィスパー・デバイス等でそれを共有すると、ボレアスの逃げ場を奪うように攻撃を繰り出していく。
無数の爆発の発生は、暴風空間をまとうボレアスの位置を、くっきりと浮かび上がらせる。
「そこ」
『青星』の凍てつく刃が、月弧を描く。
ボレアスの喉笛を深々と切り裂いた。血がしぶき、暴風がケルベロス達の乗る艦載機を激しく揺らす。その風が収まると共に、暴風竜の巨体がぐらりと揺れた。
力なく落ちていく暴風竜は、もはや飛ぶことは無い。
●虚無王アバドン
かつてゲートの存在した火口部。
無数の竜業合体ドラゴンを退け、ケルベロス達は虚無王アバドンと相対していた。
「合体してまで地球を滅ぼそうだなんて、そこまで怖いの?」
『恐ろしいか、か……。危険視することを恐れるというならば、その通りなのだろう。
我らは恐れる。ドラゴニアをはじめ数多の星々を既に滅ぼした貴様らケルベロスを』
「それは……攻めて来るからでしょ」
言いつつも、シルはそれが『恐れない理由にならない』ことに気がついていた。
『魔竜王の予知が正しいならば、いずれケルベロスは、宇宙全ての生命を滅ぼす存在となろう。我らは、地球を滅ぼし、その根を断つ』
「何にせよ、地球を守るため、ここであなた達を討つことに変わりはない!」
シルをはじめとしたケルベロス達の猛攻は、虚無王アバドンに重い傷を負わせていく。だが残存するドラゴン達に守られる形で、アバドンは闇の奥へと消えていった。
「ケルベロスが、宇宙全ての生命を滅ぼす存在になる……? 飛躍しすぎでしょ」
だが、『魔竜王がそう予知していた』という事実だけは、変わりそうになかった。
→有力敵一覧
→(2)漆剋竜アマデウス(6勝1敗/戦力975→215)
→(7)暴風竜ボレアス(8勝3敗/戦力825→0/制圧完了!)
→(9)竜業竜十字島(10勝4敗/戦力1680→390)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。