■第5ターン結果
●第一王女エテルネ
アスガルドゲートは、魔導神殿群ヴァルハラの神殿を力の源とする結界により守られている。この戦争以前に、ケルベロスが陥落させた神殿が5つ。そこから3つを制圧することで、全部で12の神殿の、2/3が陥落することとなる。
そうすることで、ゲートを守る結界は破られるのだ。
その3つ目の神殿を巡るケルベロスとエインヘリアル「紅炎騎士団」の戦いは、ケルベロスの優勢で進んでいた。
「疾く往け」
火の粉を散らす騎士達の攻撃を凌ぎ、無造作に踏み込むと共に、八上・真介(夜光・e09128)は抜き打ちの一撃を放つ。
刃がエインヘリアルの腕の腱を裂き、武器を取り落した瞬間、突き出された切っ先が心臓を貫く。
消滅するエインヘリアルの向こうに、第一王女エテルネの姿が見えた。
死の宿命が、彼女の元へ忍び寄ろうとしている。命尽きようとしている彼女を守らんと、紅炎騎士団は決死の抵抗を見せる。
彼女たちと切り結ぶうち、真介は己の心がひどく冷え切っていくのを感じていた。
「俺はこの戦争を待っていただろうか。
それとも目を逸らしていただろうか?」
真介は、そう自問する。
憎悪の心だけで戦うことを、どこか迷うような心持ちとなっているのは、共に戦い挑んでいる仲間達のためかも知れない。
「それでも、憎いものを決定的に滅ぼす時を、俺は待っていたはずだ。ずっと」
今、この時だけは己の中で燃え盛る心に従おう。
紅炎騎士団の繰り出す炎に反応するかのように、紫の色をした地獄の炎が、静かに心のうちで揺らめくのを感じる。
怒涛のように撃ち出されてくる炎。
それをかいくぐり、あるいは炎の包まれながらも、ケルベロス達は前進していく。
「終わらせよう」
真介の振るった刃は、エテルネの繰り出した炎を切り裂き、そして流れるように彼女の鎧の隙間へと吸い込まれた。
「その目を開いてよく見ていろ、エインヘリアル。ここがお前たちの最期の地だ」
目を見開いたまま事切れたエテルネの姿が消滅していく。
その様を、真介は目に焼き付けるのだった。
●獅子宮の謎
『狂戦士オーディンが予知能力を持っていたのではないか』そして『獅子宮フリズスキャルヴの機能と、予知能力が関連しているのではないか』という予測はできた。
だが、予知能力に価値を見出さないならば、何故第一王女エテルネは調査を行っていたのか。
「『予知』だけではない……ということかも知れないな」
だが、エテルネが死んだ今、彼女の目的を知るのは英雄王シグムンドだけであろう。
かの王が待ち受ける、アスガルドゲートへの道は開かれた。
ケルベロス達は、大空洞の最奥にあるゲートを目指し、歩みを進めるのだった。
●宝瓶宮「グランドロン」跡
「兄上や姉上達がやられてる……!?」
第二王子と第一王女、その両方が敗北したことに、第六王女フィオナは驚きを隠せない様子だった。だが、それで怖気づくことを、無謀戦士の血は認めない。
「仇討ちだよ! ケルベロスのやつら、絶対許さないんだから!」
「おう、奴らが殺した分以上の血を流させてやれ!」
「皆殺しだ! 全員残らず血祭りにあげろ!」
ケルベロスの攻撃によって窮地に陥りながらも、無謀戦士達はますます士気を燃えたぎらせていた。
前線にいた、死翼騎士団の指揮官の一人、『猛将』が唖然とした様子で言う。
「死を覚悟したが故の強さ……というわけじゃねぇな。あいつら、頭おかしいんじゃないか?」
「お前に言わせるとは相当だな……だが、同意だ」
猛将の言葉に、勇将も深くため息をついて応じる。
戦力を減じながらも止まらないエインヘリアル側の攻撃に、死翼騎士団の戦力も確実に減って来ていた。
(3)の制圧により、このターンの判定から重傷率が低下しています
→有力敵一覧
→(2)宝瓶宮「グランドロン」跡(7勝1敗/戦力540→180)
→(4)白羊宮「ステュクス」(4勝1敗/戦力900→690)
→(5)ヴァルハラ大空洞(0勝2敗/戦力1260→1240)
→(9)巨蟹宮「ビフレスト」跡(1勝0敗/戦力1000→950)
→(12)獅子宮「フリズスキャルヴ」(13勝2敗/戦力110→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。