■第4ターン結果
●辰将パジュラ
「どうやら、攻略は順調のようね。でも、この戦い、勝てば良いというものでは無いのよ。勝った後の事を考えれば、敵の数は減らしておかなくっちゃ」
稲垣・晴香(伝説の後継者・e00734)は、ファイティングポーズを取りながら、磨羯宮「ブレイザブリク」跡へと攻め込んだ。
十二神将の戦力は、残り僅かで、戦力としては形骸化している。
だが、辰将パジュラと十二神将という将の存在は無視する事はできないのだ。
仮に、アスガルドの敗残兵が、辰将パジュラと十二神将に率いられれば、大きな脅威になるだろう。
「そうならなくても、十二神将が、攻性植物の聖王女の勢力などに合流すれば、それはそれで厄介よね」
だからこそ、殲滅戦を行わねばならない。
「さて、残敵を掃討する簡単なお仕事、一番は私よっ。正調式バックドロップ!」
晴香のプロレス技が、十二神将巳将に襲い掛かる。
その巳将の危機にすかさず子将がカバーに入るが、それもものともせずに、晴香は子将の背中に回って腰を掴むと、大きく弧を描くように、子将を頭から地面に叩き落した。
「これでフィニッシュ!」
十二神将軍は、この晴香のバックドロップを皮切りにケルベロスの攻撃の前に撃ち減らされ撃破されていく。
十二神将を率いていた辰将パジュラは、その様相に、秀麗な顔を歪めた。
「余の軍勢と戦うのが、簡単なお仕事だと! 許さぬ、許さぬぞ!」
バジュラは、かつての部下……仲間達の死に憤激しつつ、ケルベロスに切りかかる。
「これが、十二神将辰将の刃だっ!」
受けられるものならば受けてみろとばかりに放たれた攻撃は、だが、ケルベロスに襲い掛かる。
「さすが、十二神将のリーダーと言うところね」
バジュラの攻撃で仲間が戦闘不能に陥るが、逆に、晴香は不敵な笑みを浮かべ、バジュラに攻撃を仕掛けた
「そーれ! 必殺!正調式バックドロップ!」
「その技は、既に見た!」
華麗に攻撃をかわあすバジュラ。
だが、攻撃を回避されても、晴香の獰猛な笑みは消える事が無い。
このくらいやってくれなければ、戦い甲斐が無いではないか?
いや、逆に、晴香のファイティングスピリットに火をつけたのだ。
「やってくれるねバジュラさん。でも、コレはかわせるかしら?」
「余の十二神将は、エインヘリアルの精鋭部隊。余に敗北という結果は許されていない」
更に間合いを詰める晴香に、バジュラも迎撃の体勢を取る。
互いに互いの制空権を潰し合い、そして、次の一撃に賭ける。
「十二神将・辰将刃」
「指先ひとつでダウンよっ! 指天殺!」
2人の猛者の攻撃が交差する。
晴香は、見切られたバックドロップでは無い指天殺。
バジュラは、自らの最高の技、辰将刃。
その技の選択が、勝敗を決めたのだろう。
「その技は、既に見せて貰ったのよ」
攻撃を紙一重で回避し、その指を喉元に突き入れた晴香が、バジュラの命脈を絶ち、「ブレイザブリク」跡地の戦いに終止符を打ったのだった。
●第一王女エテルネ
かつての狂戦士オーディンの神殿、獅子宮フリズスキャルヴ。
紅炎騎士団の繰り出す炎のグラビティが、神殿のあちこちで爆発音を響かせている。
攻め入ったケルベロス達は、神殿の奥深くにまで至っていた。
「ヘリオンデバイスの反応、そして神託……」
大剣を振るい、前方を遮る女騎士を叩き切ったレスター・ヴェルナッザ(凪ぐ銀濤・e11206)は、この神殿、そして狂戦士オーディンにまつわる秘密について考察を深めていた。その中でも彼が気になっていたのは、『神託』という言葉だ。
「神託……ヘリオライダーの予知とも似ているな」
レスターは、そう推測するに至っていた。
「というわけで、狂戦士オーディンは、予知能力を持っていたんじゃないかと思うわけだが……エテルネ。お前は何か掴んだのか?」
彼はその問いかけを、第一王女エテルネへと放つ。
「……未来を知る力。それをオーディンが持っていた可能性はあるだろう」
エテルネは、答えと共に剣を振るって来た。押し寄せる炎の波が、最深部での戦いの幕開けとなった。
「だが、それでは矛盾するのだ」
「そうか?」
ヘリオライダーの予知で未来に起きる事件を知り、それに基づいて動くことを常識とするケルベロス達。アスガルド神も、そうであったのならば、様々なことにも納得はいくのだが……。
「狂戦士オーディンが真に未来を見通せるならば、そもそもアスガルド神を敗北に追い込むエインヘリアルを造り出すこともなかっただろう」
「確かにそうだな。予知が不完全だったのか、変えるのに失敗したのか……」
いずれにせよ、オーディンの行動には奇妙な部分がある。
「けど、そちらにもザイフリート王子がいただろうに。この神殿、試さなかったのか?」
「力なき愚兄のことなど、考慮に値せぬ」
「うわ、ひでえ」
一瞬で切って捨てるエテルネ。レスターは一瞬同情した。が、
(「まあ、実際ビフレスト持ち出して失陥してるしな……」)
とも思う。
ザイフリートの予言は、エインヘリアル本国では全く顧みられていなかった。
彼と、その能力が重要視されていなかったことは、鎌倉防衛戦の後、本人が切り捨てられたことからも察される。
本人の戦闘力を重んずる、デウスエクス故といえばそうなのだろう。
そんな問答の間にも、ケルベロス達は紅炎騎士団を追い込んでいた。
「やってくれるな……!!」
エテルネの炎の剣が、爆轟と共に共に振り下ろされる。
だが、その寸前、レスターのバスターライフルから光線が撃ち出された。炎を突き破って飛んだ光線が、エテルネの腕の付け根に突き刺さり、顔を歪ませた。放たれようとした炎は、虚しく壁を焼くに留まる。
「姫様!」
配下の騎士たちに支えられ、エテルネが後退していく。残敵の激しい抵抗に、ケルベロス達は一時の後退を余儀なくされる。
「この神殿の能力は予知の強化……なのか?」
だとすれば、ヘリオライダーが来ればわかることもあるのだろうか。単にヘリオンの重力子演算装置のような役目という可能性もあるが。
レスターは深く息をつくと、敵を追撃する態勢を整え始めるのだった。
→有力敵一覧
→(2)宝瓶宮「グランドロン」跡(2勝1敗/戦力650→540)
→(3)磨羯宮「ブレイザブリク」跡(2勝1敗/戦力20→0/制圧完了!)
→(5)ヴァルハラ大空洞(1勝0敗/戦力1310→1260)
→(12)獅子宮「フリズスキャルヴ」(19勝4敗/戦力1100→110)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。