■第2ターン結果
●第二王子ジギスムント
ガイセリウム跡を突破すると、神刀隊に守られた天蝎宮エーリューズニルへ、ケルベロスは怒涛の如き勢いで攻め込んだ。
「ゆこう、奏くん!」
「ああ!」
リーズレット・ヴィッセンシャフト(碧空の世界・e02234)が伸ばす手を取り、鍔鳴・奏(碧空の世界・e25076)と共に神殿を駆け抜けていく。
かつては女神ヘルの神殿であったというエーリューズニル。現在はエインヘリアルの軍事施設となった、その内部の構造は、先の奇襲において大体のところを把握されていた。
ケルベロス達は、神刀隊の守りを退け、その中枢部へと突き進む。
やがて辿り着いた中枢部で待ち受けるのは、分厚い黒鎧に身を包んだ男の姿だった。
エインヘリアル第二王子、ジギスムント。
現在のアスガルドにおいて、最も英雄王シグムントの後継者に近いはずの男だ。
その力が、これまでケルベロスの前に現れた王族の中でも最強格であろうことを、リーズレットは即座に感じ取る。
エインヘリアルに限らず、これまでにケルベロスが遭遇した全てのデウスエクスの中でも屈指だろう。
「やはり、容易ならざる相手のようだな」
「それはお互い様だろう。部下達をこうもやすやすと突破されるとは、何百年にも渡る攻性植物との戦のなかでも、そうはなかったことだ」
好戦的な笑みを口元に浮かべながら、ゆっくりと剣を構えるジギスムント。
その手にする魔剣もまた、尋常ならざる妖気を放ち始める。
能力も背丈も、性格も似ない兄弟だな、とその場に居合わせたケルベロスはザイフリートと比較して思った。
「アスガルドのためにも、ゲートを破壊させるわけにはいかぬ……貴様らを倒し、ユグドラシルも完全に滅ぼして、私は新たな王となろう!」
「やってみるがいい!」
ごう、という音と共に、魔剣が振るわれた。
その一振りごとに、猛烈な冷気がケルベロス達を襲う。
「ユグドラシルを滅ぼすために生み出した我が必殺剣、受けるが良い!」
戦慄すべき威力の斬撃が、ケルベロスを一撃の元に戦闘不能に陥れる。
それに乗じて斬り込んでくる神刀隊のエインヘリアル達を、ケルベロス達は凌ぎ切り、そして次々と撃破していった。
だが、その姿にジギスムントは高揚を隠さずに言う。
「やるものだな……! 新たな勇者となるに相応しい器だ! 双魚宮を取り戻した暁には、ただちに新たな勇者として蘇らせてやる!」
「情熱的な誘いだが、クリスマスには既に先約があるのでな!」
奏へ視線を向けるリーズレット。彼の歌声が、魔剣の攻撃にさらされたリーズレットを奮い立たせる。
「さぁ! 一緒にいくぞー!」
魔剣を振るった直後のジギスムントへと、リーズレットは飛び込んだ。
大上段から振り下ろされる大鎌の強烈な一撃を、ジギスムントが魔剣で受け止める。
そして反撃とばかりに冷気が放たれようとした瞬間、リーズレットは鎌を手放し、高々と跳躍した。空中で反転し、骨でできた天井を蹴ってさらに加速。
「最高のクリスマスを迎える為……貴様らなどに負けるわけにはいかぬのだ!」
巨大な炸裂音が、神殿に響き渡る。
重力加速を伴い、流星の如き速度で繰り出された蹴りが、ジギスムントの鎧に陥没を生んだ。
どう、と倒れる第二王子。
「なんと、な……兄の言葉が正しかったとでもいうのか……?」
その消滅と共に、天蝎宮エーリューズニルは、ケルベロスの制圧下に入るのだった。
●『鉄蛇将』ヘイズレク
「エーリューズニルが陥落したのか……!? まさか、ジギスムント様が敗れたというのか……!?」
鉄蛇隊の『鉄蛇将』ヘイズレクは、エーリューズニルから生き残りが撤退していくさまに瞠目していた。
「ええい、このままでは王に申し訳が立たん!」
「待て!」
結城・レオナルド(弱虫ヘラクレス・e00032)の投げつけたバールに打ち据えられつつも、ヘイズレクは残り少ない部下をまとめ、反撃の機を狙おうとする。
彼を含めた『鉄蛇隊』の残数は僅か。
だが、その戦い抜こうとする意志に、レオナルド達は王への忠誠心を感じずにはいられなかった。
→有力敵一覧
→(2)宝瓶宮「グランドロン」跡(2勝0敗/戦力850→750)
→(3)磨羯宮「ブレイザブリク」跡(3勝1敗/戦力290→130)
→(5)ヴァルハラ大空洞(1勝1敗/戦力1390→1330)
→(6)人馬宮「ガイセリウム」跡(1勝1敗/戦力70→10)
→(10)天蝎宮「エーリューズニル」(20勝2敗/戦力1000→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。