ユグドラシル・ウォー

■第8ターン結果

●(24)ユグドラシルゲート

 攻性植物の本星、世界樹ユグドラシルに通じるゲート前での戦いは、長期戦の様相を呈していた。
 18時頃にはゲートを攻略可能となっていたケルベロス達は、援軍を送り込んでいる戦場を次々と制圧。レプリゼンタ・カンギ率いる軍勢を追い込みつつあった。

「さあ、行きますわよ皆さん!」
 レプリカントだけで結成された軍団『レプリフォース』を率いるレーン・レーン(蒼鱗水龍・e02990)は、その手にガネーシャパズルを握っていた。
 彼女やレプリフォースの者達だけではない。
 戦場にいるケルベロスのほとんどが、ガネーシャパズルを握っている。

「我らは許さぬ。母星を滅ぼしたユグドラシルを、我らを裏切ったカンギを。
『ガネーシャパズル』はいかなる幸運も加護もはねのけ、カンギを永劫に呪おう!」

 パズルの中から、声が響き渡る。
 ガネーシャパズルからの呪いが、戦場の中央に立つカンギへと降り注ぐ。
 滅びし種族ガネーシャの最終生存体(レプリゼンタ)たるカンギの死を望むガネーシャ達の意思が、彼の『不死性』を剥ぎ取っていく。

「宇宙のために必要なことだ。だが、許されようとは、思っていないとも」
「居直りましたわね。……皆さん、警戒を!!」

 カンギを見つめていたレーンは、不死性を失ったはずのカンギの力が増していくのを感じていた。
「ガネーシャ達の憎悪の念は、私の不死性を失わせる……だが、その窮地でこそ私の力は発揮される」
 言葉を発する間にも、カンギが纏う雷光はその勢いを増していた。
「何故ならば……!! 尋常の手段では覆せぬ窮地を打開するためにこそ力を発揮する。それが惑星ブラフマンの民が私に望んだこと!」
 それまでの何倍もの力がカンギから放たれる。
 雷光を思わせる輝きを纏って地を蹴ったカンギは、地の底とは思えぬような光が、戦場に満ちた。全身に生える植物が、さらに彼の肌を覆い、その姿を変貌させていく。
「……『暴走』みたいなものですわね!!」
 あれが、世界樹ユグドラシルが将として迎えたカンギ本来の力であると、ケルベロス達は察した。戦場に君臨する雷神が如く、カンギは強烈な雷を振りまいていく。
「全てをユグドラシルの元に束ね、滅びを免れる! それこそが、我が使命!」
「そのために、故郷の星をも裏切ったというんですの……?」
 暴走状態に陥ったカンギは、その言葉には答えない。
 雷を纏い、ケルベロス達を薙ぎ払おうとするカンギを見据え、レーンはガネーシャパズルを操作する。
「ならば聞きなさい! 我こそはレーン・レーン! レプリフォースを率い、ガネーシャ達の呪いも担って……貴方をここで倒す者です!!」
 レーンの組み上げたパズルが、巨大な戦女神の幻影を呼び起こす。
 躍りかかって来る女神を雷で貫いたカンギは、急加速してレーンの元へと突っこんで来る。それこそが、レーンの狙いだ。
「今です!」
 その号令に応じるように、レプリフォース、いや戦場にいる全てのケルベロス達の繰り出したガネーシャパズルのグラビティが、一斉にカンギへと叩き込まれた。
 巨体がぐらりと揺れ、その身を覆っていた雷が消えていく。

●ユグドラシルゲート破壊

『感謝を』
『我らが残せし願いは果たされた』
『地球を、我らの星のようにせぬため、我らもまた共にを……』

 パズルの中に留まっていたガネーシャ達の怨念、あるいは願いとでも言うべきものが、薄れていくのを戦場にいたケルベロス達は感じ取っていた。
 だが、パズル自体のグラビティは健在だ。これからもケルベロス達が望むならば、力となってくれるであろう。
「やりましたわね。ですが、急がないと……!!」
 ゲートの奥から、巨大な力を持つ気配が近付きつつあった。カンギの死に反応してか、ユグドラシルが地球に迫る勢いはますます強くなっている。

「時間がありませんわ。ゲートの破壊を!!」

 ケルベロス達が一斉に、渦巻くゲートへ向けてグラビティを繰り出す。ゲートはその威力を受け止め、やがて快音と共に弾け飛んだ。
「やりましたわね!!」
 勝利を確信し、仲間達と喜びをかわそうとしたレーン達だが、勝利を収めた感慨に浸る余裕は、彼らには与えられていなかった。
 大阪城ユグドラシルを構成しているユグドラシルの根が、激しく揺れたのだ。ゲートが遮断され、切断されたユグドラシルの根が見る間に力を失い、枯死していく。
「……つまり、ユグドラシルの力で支えられていた地下空洞が崩れると……」
 ケルベロス達は、一瞬顔を見合わせると、全速力でその場から走り始める。
「生き埋めになりたくなければ脱出です脱出!!」
「大阪湾トンネル側にいるケルベロスは!?」
「俺達よりは安全だよ!」
 一目散に、ケルベロス達はその場を後にする。

 かくして、ケルベロス達はレプリゼンタ・カンギを撃破し、大阪城ユグドラシルのゲートを破壊することに成功した。
 攻性植物のミッション地域も全て解放しており、地球における攻性植物の脅威は僅かな残党を残して完全に消えたと言える。
 東京焦土地帯に急いで戻った者達の存在もあり、エインヘリアルによる襲撃も行われずに済んでいる。

 一方で、大阪城ユグドラシルにまだ残っていたダモクレス、ドリームイーター、ドラゴン、そして謎の『聖王女』達は地下空洞の崩壊と共に行方をくらませている。
 そして、大阪市には、いまだ巨大な要塞ヤルンヴィドも健在だ。
 勝利の喜びと共に、ケルベロス達は次なる戦いへの準備を始めるのだった。

→有力敵一覧

→(2)要塞ヤルンヴィド(1勝0敗/戦力1330→1280)

→(3)ハール軍残党(0勝1敗/戦力680→670)

→(6)屍隷兵実験場(2勝2敗/戦力400→280)

→(7)ドリーム学校空間(1勝0敗/戦力620→570)

→(8)ファンガス地帯(1勝0敗/戦力590→540)

→(10)ニーズヘッグ地帯(0勝1敗/戦力1180→1170)

→(11)ダモクレス実験施設(1勝0敗/戦力870→820)

→(12)ドリーム直角迷宮(1勝0敗/戦力740→690)

→(15)邪樹竜の森(0勝1敗/戦力710→700)

→(21)バシュム樹海(1勝0敗/戦力1150→1100)

→(24)ユグドラシルゲート(25勝9敗/戦力500→0/制圧完了!)

→(25)聖王女殿桃の宮(0勝1敗/戦力900→890)

→(26)聖王女殿黄の宮(1勝0敗/戦力900→850)

→(31)大阪城地下港(1勝0敗/戦力790→740)

→重傷復活者一覧

→死亡者一覧

■有力敵一覧

有力敵 戦功点 現状

レプリゼンタ・カンギ
3960
(24)ユグドラシルゲート:Battle1にて、レーン・レーン(蒼鱗水龍・e02990)に倒される。

戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。