■第1ターン結果
●第二の魔女・レルネ
「撤退の準備を始めなさい。私が撤退するまで、ケルベロスを近づけないで!」
パッチワークの第二の魔女・レルネは、配下の幻獣達をケルベロスの迎撃に向かわせると、自分は脱出の準備へと取り掛かる。
寓話六塔配下の要請ではあったが、彼女に、ゲートを守護しなければならない理由は無い。
タイタニアという手駒を失った埋め合わせとして、ドリームイーター残党を、出来るだけ多く大阪城に連れていければという程度の思惑であり、自分の命が危険になるようならば、ここに残る義理や信頼などある筈ないのだ。
「レプリゼンタもハールも信用できない。あそこで生き延びるには、ドリームイーターの残党を連れ帰って、配下を増やさなければならなかったのだけど……」
どうやら、当てが外れ、更に配下の戦力を磨り潰しただけで終わりそうだ。
「でも、チャンスはまだある筈。生き延びてさえいれば……」
そう言って、逃げ出そうとするレルネに、幻獣の防衛陣を強引に押しとおってきた巽・清士朗(町長・e22683)らケルベロスが、躍りかかった。
「簡単に、逃がすわけないだろう?」
清士朗は、自勢力のゲートを護る戦争ですら、仲間の筈のドリームイーターを信じて戦う事が出来ないレルネを哀れに思った。が、だからといって、ここで逃がす理由は無い。
「デウスエクスに真の友情も信頼もありえないのだろうが、信じられないというのは悲しいことだ」
「知ったような事を言う。だが、お前達の信頼が幻想でないと誰が証明するというのだ?」
清士朗の言葉にレルネは反駁する。信頼を欠損したレルネにとって、ケルベロス同士の信頼もまた、理解する事ができない概念なのだろうか。
「私は私の力で、私の力だけで生き延びて見せる!」
レルネは、襲い来るケルベロスの刃を避けて、なんとか活路を見出そうと足掻く。
そのレルネを守って幻獣達が命を懸けて戦い散っていっているのだが、レルネにはそれが見えていない。
『照りもせず 曇りもはてぬ春の夜の おぼろ月夜に しく物ぞなき』
清士朗は、レルネの信頼を欠いた心の醜さを、哀れに思いながら、流れるような足さばきで身を翻した。
まるで分かっていたかのように、逃げ出そうとしたレルネが清士朗の進んだ方へと駆けて来る。
「なっ!」
驚くレルネが再び方向転換する隙を与えず、失った信頼の宿るべきモザイクを、愛刀『雷切』で刺し貫く。
「自分の為に戦う配下を信じられないものが、戦場で勝者となる事はない……。ゲートへの道、通らせてもらうぞ」
清士朗はレルネにそう告げると、刀を引き抜いた。
誰にも顧みられることなく消滅していく魔女が消滅するのを見届け、彼は刀を鞘に納め、歩を進めていく。
●フォーチュンテイカー
ケルベロスとドリームイーターの乱戦の中、フォーチュンテイカーはその異形の姿を示していた。
「その首、もらったーっ!!」
あいつの首ってどこだろう? と自分の発言に一瞬思いながら、露切・沙羅(赤錆の従者・e00921)は広間の柱を利用して凌ぐと駆けだした。
ドリームイーターとケルベロスとの乱戦の中で生まれた一瞬の空隙の中、赤錆色をした銃を片手に一直線に駆け抜ける。
飛来した光線を転がるようにして避けると、至近距離から銃を突きつけ、引き金を引く。
銃口から放たれるのは、幻想の弾丸だ。
フォーチュンテイカーの肉体が素早く反応。
肉塊から伸びる触手が、その弾丸を全て弾き飛ばしていく。
「私の幸せは」
だが、それら全てはフェイントだ。
「召喚に応じろ」
沙羅が小さく言うと共に、フォーチュンテイカーの頭上に無数の刀が現れる。
「さぁ、幸せすぎて爆発してしまえ!!」
切っ先を真下に向け、降り注いだ刀の群れは、フォーチュンテイカーの幾つもある目を貫いていく。
血の代わりに、大量のモザイクがその体内から溢れ出した。
「え、どうなってるの?」
沙羅の言葉に、フォーチュンテイカーは幾つもの目を彼女へと向けた。
「今の私は、モザイクが造った似姿に過ぎない。ジュエルジグラットの最奥へ至れば他の者達とも遭遇することになるだろう」
言葉を放つと、フォーチュンテイカーは大きく跳ねて後退した。
生き残ったドリームイーター達が、それに追随する形で退いていく。
「もう! でも、あと一歩ってところかな」
完全制圧とはいかなかったが、敵は駆逐できている。
この戦場も制圧できれば、ケルベロスはゲートの攻略に向けて大きく前進することになるだろう。
→有力敵一覧
→(2)第二の魔女・レルネ(14勝3敗/戦力600→0/制圧完了!)
→(3)フォーチュンテイカー(13勝2敗/戦力700→30)
→(4)ファーストキス(5勝1敗/戦力600→340)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。