ドラゴン・ウォー

■第5ターン結果

●柱の古老・アトランテス
 まるで岩山が動き出したかのような、重厚な外観を持つドラゴン柱の古老・アトランテス。
『突破を許してしまうとは……!! ならば、ここで一人でも多くの戦力を奪う!』
 不知火・妖華(夕焼けの魔剣・e65242)は、アトランテスの周囲にあった岩塊が一斉に空中へと舞い上がるのを見た。
「念動力……いや、『重力』操作!!」
 体に感じる圧力から、とっさに後退して逃れた妖華の前で、前進していた仲間がその身を地面に縫い留められたかのように地に伏せる。
 その上で、アトランテスの傍に浮かんでいた岩塊が音を急激に圧縮され、槍の形を取った。
「いけないっ……!」
 鋭い槍となった岩塊が、ケルベロスへ向けて重力飛翔。貫かれたケルベロスが一撃の元に動けなくなる。翻って、アトランテスへと向けられた攻撃は重力波を盾のように使い、凌いでいた。
 本人はほとんど動こうとはしない。だが、その力はピラーの番人として君臨していた過去を想像させるのに十分であった。
「……ですが、あの能力にも隙はありますね」
 妖華は、重力場が地面やアトランテスの近くにいる配下種族に影響を与えていないことに気付いていた。
 常に範囲に影響を及ぼしているのではなく、影響を及ぼす対象を意識的に選択している。
(そして、意識の外からの攻撃には対応できていない!)
 相手の能力を見切るが早いが、妖華はアトランテスへとあえて無防備に突撃した。
「本気で行きます!」
『愚かな!!』
 妖華の体に、強烈な重力がのしかかる。
 だが、妖華の体が重力によって地面に縫い留められるよりも早く、アトランテスは動きを止めていた。妖華のグラビティ……細い糸のような霊気により敵の動きを封じる『封魔剣』が、竜の動きを封じていた。
「これで、どうですか……!!」
『……抜かったわ! 魔竜王様、御役目を果たせず、申し訳ありませぬ!!』
 滅んだ主への謝罪の言葉と共に、集中攻撃を受けたアトランテスの肉体は崩壊していった。

●魔竜アポクリファ・セラフィム
 夜を迎えつつある竜十字島に、グラビティの輝きが交錯する。
 総身に傷を受けながら、魔竜アポクリファ・セラフィムは宙を舞う。精神を打ち崩す咆哮、そして降り注ぐ刃は、ケルベロス達を次々と戦闘不能へと追いやっていった。
 戦いが長引くにつれ、もはや動けなくなった者の数は増加していく。
 だが、ケルベロス達の側も負けじとグラビティを打ち放ち、配下のドラゴンを、ことごとく撃破していった。
「適応出来ねば淘汰されるが宿命。それこそ、貴方達の理でしょう」
 進化によって、己を強化し続けて来たドラゴン。
 その指導者の一たる魔竜に向け、シルク・アディエスト(巡る命・e00636)はアームドフォート『適者生存』の砲口を向ける。
 ドラゴンの能力を参考にして作成された武具『適者生存』。
 数々の戦いを経て、変化し続けて来たそのアームドフォートから、無数の爆発が魔竜の顔面を襲った。咆哮をあげる魔竜が見たものは、空中へと跳んだシルクの姿だ。
『適者生存』を突き付け、シルクは宣告する。
「抗うなとは言いません。ただ、ここで貴方達を堕とします!」
 そして、『適者生存』の砲口から、最大出力のビームが放たれた。
「光に呑まれ、果てなさい!」
 零距離から撃ち込まれた光はアポクリファ・セラフィムに突き刺さり、地へと叩き付けると、瞳と頭蓋とを貫いた。
 絶叫が上がり、強靭なる魔竜の肉体は崩壊していく。
『魔竜となっても、なお……我が身……勝利すること能わずか』
「適応の方向性を間違えたのでしょう」
 地球という環境で生きるには、彼らは強過ぎた。
 力の大半を捨てボクスドラゴンとなった者達もいるが、いずれが正解であったのかは、間もなく分かるだろう。

●魔竜ハート・バイター
 アポクリファ・セラフィムの滅びを、同じくケルベロス達に苦戦を強いられている魔竜ハート・バイターは敏感に感じていた。
 その隙を見逃さず、アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)の攻性植物が大きく伸びた。
「向こうはやったみたいだね。こちらも、倒させてもらう!!」
 締め付けたハート・バイターを見据えるアンセルム。
『我が力……そう易々とは潰えぬぞ』
「死に辛くなる力、か。羨ましいよ」
『ならば、我が力を受け入れるか?』
「いや、羨ましいだけだよ、ちょっとご遠慮願いたい見た目だからね、キミ」
 ドラグナーへの誘いをあっさりと断ったアンセルムは、攻性植物にさらなる攻撃の指示を下す。
 だが、確実にハート・バイターの骨を圧し折ったと思ったのも束の間、竜牙兵『ハートスティーラー』をはじめとした配下種族が救援にかけつけると、ハート・バイターは身を起こし、撤退していく。
「……次は全部の心臓ごと、体を粉々にでもしないとね」
 どうしたものかと手段を思案しながら、アンセルムも再度の攻撃に向かうのだった。

→有力敵一覧

→(3)柱の古老・アトランテス(2勝1敗/戦力90→0/制圧完了!)

→(5)ジルニトラ(0勝1敗/戦力470→460)

→(6)ギュルヴガ(1勝0敗/戦力480→430)

→(7)魔竜ハート・バイター(17勝13敗/戦力1350→370)

→(8)魔竜アポクリファ・セラフィム(5勝4敗/戦力280→0/制圧完了!)

→重傷復活者一覧

→死亡者一覧

■有力敵一覧

有力敵 戦功点 現状

柱の古老・アトランテス
2100
(3)柱の古老・アトランテス:Battle1にて、不知火・妖華(夕焼けの魔剣・e65242)に倒される。

魔竜ハート・バイター
3000
(7)魔竜ハート・バイター:Battle1にて、アンセルム・ビドー(蔦に鎖す・e34762)に死の宿命を付与される。

魔竜アポクリファ・セラフィム
3000
(8)魔竜アポクリファ・セラフィム:Battle1にて、シルク・アディエスト(巡る命・e00636)に倒される。

戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

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