義理チョコメーカー

作者:ハル


 裏路地の小さな店舗で、一人の男が頭を抱えていた。
「あと数日でバレンタインだというのに……それよりも前に店が潰れてしまうなんて……」
 店舗の看板には、チョコレートの文字。だが、ただのチョコレート専門店ではないのだろう。内装はスイーツ系の店にしては簡素なもので、看板にはチョコレートの前に二文字が刻まれている。
 それは――。
「男という生き物は、たとえ渡されたのが十円チョコだとしても、『もしかして、あの子俺に惚れてる!?』なんて勘違いをしてしまうものなんだ! そのためにも、僕の開いたこの店は必要なんだ!」
 苦悩する男には、なにやらトラウマがあるのかワナワナと震えている。男は、ふいに包装がされたチョコレートの包みを開ける。そこには、安価ながらも、丹精込められて作られたと分かる質の良いチョコレート。そして、これでもかとチョコいっぱいに刻印された、『義理』の二文字。
 そう、この店は義理チョコ専門店。なるほど、確かにこれはあらゆる希望を打ち砕き、勘違いをさせる余地が少しも無い。
「僕のような勘違いで時間を無駄にしてしまう男をこれ以上生み出す訳にはいかない! だというのに、売れない! ネタとしても扱われない! 何故!? どうしてだ!?」
 そんな、呻きながら後悔する男の背後にその影は現れた。第十の魔女・ゲリュオン。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 ゲリュオンが、男の心臓を鍵で一突きする。すると、言葉もなく男の身体は倒れ伏すのであった。


「なんといいますか、夢のない夢のお店といった感じですね」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、苦笑を浮かべながら言う。
「義理チョコ専門店を作ったはいいものの、肝心のバレンタイン直前にお店が潰れてしまい、後悔している男性の感情がドリームイーターに奪われてしまう事件が起こりました」
 大元のドリームイーター、第十の魔女・ゲリュオンはすでに逃走している。だが、奪われた『後悔』を元に生まれた、男性そっくりのドリームイーターは何食わぬ顔で店舗の営業を再開させている。
「お願いします、ドリームイーターを倒して下さい。倒す事さえできれば、男性も目を覚ましてくれるはずです」
 セリカは、敵の詳細な資料をケルベロスに配る。
「ドリームイーターの手にする包丁で斬りつけられると、過去のバレンタインに関するトラウマが呼び起こされてしまう場合があるようですので注意してください。それ以外にも、溶けて熱々状態のチョコを浴びせてきたりするようです」
 ドリームイーターに、配下はいないようだ。また、店内にケルベロス以外の客は存在しないので、周囲を気にする事無くドリームイーターに集中できるだろう。
「直接ドリームイーターを急襲する事も可能ですが、お客さんとして入店し、サービスを受け、かつ受けたサービスを心から楽しむ事ができれば、ドリームイーターは満足して戦闘力が低くなるようです」
 ドリームイーターを満足させる事ができれば、被害者の男性の中の後悔は薄れ、意識を取り戻した際に前向きになる効果があるようだ。
「堂々と『義理』と刻印されたチョコを貰っても、心から喜べる器の大きな男性や、異性の友人などに渡しても、変な勘違いをされないチョコレートを求めていた、モテモテの女性なら快くサービスを受ける事ができそうですね。あとは、純粋にチョコレートが好きというのもアリだと思います」
 なんにせよ、『心から楽しむ』というのが大事だ。
「バレンタイン特有の華やかなお店! という感じではないですが、店長の男性は彼なりに思いがあってお店を開いたのでしょう。たとえ、本番前にそれが潰えたとしても、このお店も思いも店長さんだけのものです」


参加者
チャールストン・ダニエルソン(グレイゴースト・e03596)
西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)
南條・夢姫(朱雀炎舞・e11831)
ファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)
植田・碧(紅の癒し・e27093)
鞘柄・奏過(曜変天目の光翼・e29532)
天河・麗那(蒼の踊り子・e29903)

■リプレイ


「ここが本当にチョコレートショップなんですか?」
 思わず、南條・夢姫(朱雀炎舞・e11831)がそう零してしまうくらいには、眼前に聳える店――義理チョコ専門店は、簡素な店構えであった。
「コンセプトとしては、とってもユニークで素敵だと思うのですけれど……ね」
 それは、苦笑を浮かべるレティシア・アークライト(月燈・e22396)も同じ気持ちであったようだ。一応女性客を狙っているはずなのだが、まったくといっていいほど、訴求力を感じない。
「(お店の店長さんとしては、真剣にサービスしようとしているんでしょうけれど……)」
 どこまでも無骨で、質素で、簡易。扱っているのは甘いチョコレートにも関わらず、まさに男らしさの粋を集めたようなお店だと、天河・麗那(蒼の踊り子・e29903)は深く息を吐く。これでは、潰れてしまうのも無理はないだろう。チョコレート以前の問題で、勝負の土俵にすら上がることができていない。
「あと、売り出し方も間違えたのかしらね? 大型ショッピングモールなんかで、バレンタイン期間だけ店舗を借りて……みたいな形だったら良かったと思うのだけれど」
 今更な話しだけれどね……と、植田・碧(紅の癒し・e27093)が肩を竦めた。
「とりあえず、入りましょうか?」
「そうだな」
 来客を知らせるベルの音を耳にしながら、西村・正夫(週刊中年凡夫・e05577)が店のドアを開けると、その脇をファルゼン・ヴァルキュリア(輝盾のビトレイアー・e24308)が抜けていく。正夫はそのまま、全員が店内に入った事を確認すると、ドアをゆっくりと閉じた。
「いらっしゃいませ」
 ケルベロス達を出迎えてくれたのは、何の変哲もない男性であった。だが、決して油断してはならない。何故ならば、この義理チョコ専門店の店長そっくりの男性こそが、ドリームイーターであり、すでに戦いは始まっているといっても過言ではない。
「どうぞ、店内を自由にご覧ください」
 笑顔のドリームイーターは、余程チョコレートに自信があるのか、どことなく胸を張っているように見えた。元の店長が経営していた時にも、ほとんど客など来なかったのだろうが、店内の装飾は必要最低限ながら、よく掃除が行き届いており、清潔に思えた。
「この『義理』という刻印の遊び心が、バレンタイン以外でもパーティグッズとしても使えそうですね」
 チャールストン・ダニエルソン(グレイゴースト・e03596)が、冷蔵ショーケースを眺めながら、感心したように何度も頷く。
「これは……間違えようがない程に……義理チョコですね」
 そして、鞘柄・奏過(曜変天目の光翼・e29532)の言う通り、チョコレート自体も、店の外観、内装を裏切らない無骨さである。掌程度の大きさのチョコいっぱいに刻まれた、『義理』の二文字は、まさにインパクト十分。
「ふむ、これがバレンタインのチョコというものか……」
「まぁ、厳密には少し違うんですけどねー」
 バレンタイン初体験のファルゼンが物珍しげにチョコを眺める。一人の乙女として、勘違いさせてはならないと、苦笑を浮かべた夢姫が一応訂正しておく。
「よろしければ、試食なさいますか?」
「いいのですか?」
「ええ、もちろん。購入するかどうかは、それから決めてくださって構いません」
 笑顔のドリームイーターの提案に、麗那が喜びと共に問い返す。二つ返事で肯定するドリームイーターのサービスを受けるため、ケルベロス達はイートインスペースに腰掛けた。
「カカオのすごく良い匂い」
 しばらくして運ばれてきた一口大の大きさに砕かれたチョコレートは、スッと鼻で息を吸い込むだけでカカオの芳醇な香りが胸一杯に広がってきた。リラックス効果もあるその香りに頰を緩めたレティシアは、チョコを何気なく口の中に放り込んで、
「あ、美味しいです」
 思わず、自然とその一言を呟いていた。
「あ、アタシも食べたいです」
 レティシアに釣られ、チャールストンもチョコを一口堪能して、目を見開いた。
「甘さの加減も絶妙ですね。男でも普通に食べられますよ」
 考えて見れば、男性が食すことを想定して作られているのだろう。嫌味のない甘さに、チャールストンは続けて二つ三つと口に放り込む。
「なら私も、有り難く頂きましょうか」
 続いて、麗那もチョコを食して顔を綻ばせた。
 すると、
「私も頂くわ!」
「わ、わたしも食べます!」
 碧と夢姫も身を乗り出して、皆が絶賛するチョコを堪能する。
「(大丈夫そうだな)」
 敵に出されたチョコレートゆえ、毒の混入を心配していたファルゼンは、心配が杞憂に終わって警戒を緩める。別に仲間を毒味役にした訳ではないが、問題ないと分かった以上は躊躇なくチョコを食す。
「……美味いな」
 ただ、その一言だけは、紛れもなくファルゼンの本音であった。


「娘が彼氏に送るチョコレートの中身、これとすり替える方法ってないですかね?」
 皆でチョコの試食をする中、唐突に正夫がポツリと呟いた。ポカンとする一同に、正夫は少し間を置いてから、「冗談ですよ冗談」と笑う。
「そもそも、その程度の事が起こった位でガタガタするような関係なら別れてしまえばいいんですよ。残念な事にうちの娘のところはその辺盤石でしてね」
 そう言いつつも正夫の声色には少し残念そうな色があった。なんだかんだと、まだまだ娘には頼られたいのだろう。
「彼氏……か」
 そして、正夫の言葉に触発された人物が一人いた。意中というか、気になる男子がいる、碧であった。
「バレンタインだし、告白しちゃえば?」
 さすが、彼氏持ちの夢姫は言うことが違う。そんな簡単に言わないでと頬を膨らませる碧に、夢姫は苦笑を浮かべて「ごめん」と手を振る。
「ここの商品ほどわかりやすければ……勘違いしないですむのですよね……」
 女子トークが炸裂する中、聞こえてきた奏過の声は暗く澱んでいた。
「ん……おいしいですね……とっても。でもおかしいです、何か少ししょっぱいんですよ」
 それは、奏過の頰を伝う涙の味。バレンタインにトラウマのある身としては、思春期の少女達の話しは、幾分刺激が強かったのかもしれない。
「さて、そろそろ本格的にチョコを選びますか」
 試食を終え、レティシアが立ち上がると、再びショーケースの前へ。
「職場で配りますから、沢山用意しないといけないんですよね。誤解されにくい物を選ぶのが大変で。その点、ここのチョコは誤解の余地がありませんし、面白いですよね」
「味も文句のつけようがありませんしね」
 レティシアに合わせて、麗那もチョコを褒める。お世辞ではなく、純粋な気持ちだった。お店と一緒になくなるのが惜しいくらいだ。
「おすすめはどれかしら?」
「これですね」
 碧がドリームイーターに聞くと、彼はとあるチョコを指さした。そのチョコは、刻印された文字が少し変わっており……。
 ――業務連絡・義理。
 と、刻まれていた。
「なにこれ、面白いですね」
 職業柄、年上の知り合いの多い夢姫達に、それは大層受けたようで、レティシアも興味津々である。
「チョコレート自体の味はすごく楽しむことができたからな、私もどれか買おうか」
「私はどうしましょうかね」
 真剣にチョコを見つめるファルゼンへ、奏過がチラチラ視線を向ける。奏過の視線は、ファルゼンだけでなく、他の女性陣にも。自分で買うのもいいが、せっかくだから女の子に貰えないかなー、などと考えているのだろう。
「アタシも、もちろんいくつか購入するわ。相手への義理を果たし、口にせずとも本音を伝えられる、まさに一石何鳥分もの価値があるチョコを布教しないとですよ」
「なら、残りは私が買い占めますね。ところで、すり替えに使うなら、既製品ぽいのと、フィントも凝ってる一点ものと、どちらがいいんでしょうね?」
 チャールストンと正夫も、それぞれ好みのものを購入する。特に正夫は、「冗談じゃなかったんかい!?」と仲間に一斉に突っこみを入れられていた。その顔は、娘の彼氏の反応を楽しみにしているとしか、最早見えない。
「ありがとうございます」
 その時、ドリームイーターが深々と頭を下げた。心なしか、初見時よりも威圧感がなくなっているような気がする。
 満足したケルベロス達は、やがて会計をしようとレジに向かう。
 そして――。
「ご購入、ありがとうございます。お会計は、皆様の命でございます」
 仕事の本番が幕を上げるのであった。
 

「させんっ!!」
 ドリームイーターが振り下ろす包丁を持つ腕に、ファルゼンが網状の霊力を放射して緊縛する。
「バレンタインに絡む悲しい事は……終わりにしましょう!」
「ええ! 皆さん、トラウマには気を付けてくださいね!」
 奏過と夢姫が、それぞれ仲間に気合いと警戒を促しながら、儚げに揺れる炎の種火と、カラフルな爆風でエンチャントを。プリンも翼を羽ばたかせて援護する。
「いきます!」
 その時、舞刀:紅星、蒼星を抜刀し、麗那が駆けた。釣られるようにして、ドリームイーターの視線も麗那を追うが、
「どうやら、アタシ達の作戦は上手くいったみたいですね」
「そんな余所見をして、私の追跡から逃れられるのかしら?」
 一瞬の隙を縫うように、チャールストンが壁を利用した跳弾でドリームイーターを打ち抜き、予期せぬ方向からの攻撃に体勢を崩した所を、ハンドガンを構えた碧が、執拗に変幻自在のグラビティ弾で追撃する。
「――ッ!?」
 ドリームイーターは、チャールストンの言葉が正しい事を証明するように、防戦一方だ。よろめき、呻き、なんとか劣勢を脱しようと、熱々に熱された溶けたチョコを浴びせかけてくる。
「あっづつっ……!」
 それは確かに熱く、正夫の肌を焼くが、ジャマーとしての効果を得られない現状では、恐れるような攻撃ではない。
「そこです!」
 そこへ、一連の攻撃によってドリームイーターの意識の外にいた、麗那の暴風を伴った蹴りが叩き込まれる。暴風と蹴りにより、ドリームイーターの身体が浮き上がれば、正夫の降魔の一撃が襲いかかった。
「行きますよ、ルーチェ!」
 レティシアが相棒の名を呼ぶと、スカーフを揺らしたルーチェが「やれやれ」とばかりに飛び立ち、長く伸ばした爪でドリームイーターに斬り掛かる。
 そんな相棒の活躍に負けじと、レティシアは構えたtictaclockから主砲の一斉発射を繰り出した。

 店内の壁が砕け、粉塵が舞い上がる。そんな、激しい戦場の渦中で、ドリームイーターは口いっぱいにチョコレートを放り込んでは回復に勤しんでいた。
「おじさんちょ~っとカッコつけますね……六道輪廻に絶えなき慈悲を……」
 それこそが、敵が相当疲弊している証拠だと判断した正夫が、大岩さえ穿つ拳をドリームイーターの腹部へ叩き込む。
「ふふ、素敵よ、西村さん」
 碧は西村に微笑みながら、よろめくドリームイーターを電光石火の蹴りで吹き飛ばす。せっかくのバレンタイン関連の仕事だ。このくらいは言ってあげてもいいだろう。正夫は、嬉しそうに頰を搔いた。
 その様子を羨ましがったのがいけなかったのか、奏過の身体にドリームイーターの振るう包丁が掠めた。左腕と胴体を覆う鬼瓦に傷が入り、眼前にかつてのトラウマ……この店の店長のように、思わせぶりな態度でチョコ渡された当時の記憶が蘇り、少女の幻影に襲われる。
「鞘柄さん、大丈夫ですか!?」
 奏過が幻影に襲われて苦悩していることを察した夢姫は、すぐに奏過を桃色の霧で癒やす。
「わかりにくいってのは……もやもやしてしまいますよ!!」
 幻影から解放された奏過は、夢姫に感謝しつつ、もやもやをも振り払うように叫んだ。そして、怒りと共に「ドラゴンの幻影」を放ち、ドリームイーターを焼却する。
「(夢もなく、……味気ない店……なのかもしれませんが)」
 それは、紛れもなくチャールストンがこの店に抱いた第一印象だった。
「ですが、それはアナタのものではありませんよ!」
 だが、この現実をどう生かすか、どう反省するか、どう受け止めるかは、ドリームイーターの仕事ではない。いつまでも店主面を見せるドリームイーターに、
 ――SHOOT!!
 Crime Kaiserに困られた弾丸、全六発が次々と連射。四肢、頭部、腹部と、弱点を探るように放たれた弾丸は、ドリームイーターに痛撃を与えた。
 グラリとよろけるドリームイーターだが、まだ終わりではないとばかりに、再び包丁を振り回す。
「フレイヤ、援護は任せた!」
 フレイヤに属性を注入してもらったファルゼンは、包丁を縛霊手で巧みに受け止める。バレンタインの経験がないファルゼンならば、トラウマも影響も最小限だと思われるが、今の所その推察通り、被害は少ない。
「そろそろ『後悔』を返して頂きますよ!」
 拮抗するファルゼンとドリームイーター。状況を打破するため、レティシアのピンヒールが蹴りと共に炸裂し、
「(ここだ!)」
 そして、ここが勝負所と見たファルゼンは、瞬間的な判断で武装を妖精弓に持ち帰ると、弓を引き絞り発射する。心を貫く矢は、ドリームイーターの胸を易々と貫通し、壁に縫い付けた。
「終わりです。羅刹の舞踊、ごらんにいれましょう……」
 蒼と紅の小太刀が美しい軌跡を描く。人の目を奪う舞のようでありながら、羅刹の如き雄々しさを併せ持った剣戟は、縫い止められたドリームイーターを滅殺するのであった。
 

「男はバカだからこういう時は勝手に傷ついて勝手に立ち直るからほっときゃ良いんですよ。でも、こういう仲間同士で笑えるアイデアは、なかなかいいと思いますよ」
 店内をヒールした後、無事目を覚ました店長に、正夫は朗らかに声をかけていた。
「そうですよ。したいと思った事をなさればいいのです。貴方の勇気は、とても素敵なものです、どうか無くさないでくださいね」
 何事もチャレンジ。レティシアの応援に、店長はやる気を取り戻したように拳を握る。
「でも、あまりやりすぎもよくないんじゃないかと。今回は義理を強調しすぎて、逆の意味で捉えられてしまったんじゃないのかと思います」
 義理を強調しすぎて、逆に意識しているように思われてしまう。麗那が告げると、店長は勉強しますと、恥ずかしそうに何度も頷いた。
「はい、これ」
「私からも、です」
 何はともあれ、無事に作戦は終了。
 碧と夢姫が、綺麗に包装してもらったチョコを男性陣に渡すと、
「お酒に合う味なので、ウイスキーの肴にさせてもらいます!」
 奏過などは涙目で喜んだ。
 正夫は、さすが、落ち着いた様子で受け取り、
「(変に夢を見るよりも、現実を知る方が大切……ですけど――)」
 たとえ、そのチョコに『義理』がデカデカと刻まれていようとも。
 貰えないよりは、遥かに嬉しいじゃないですか! 表向きはクールながら、チャールストンは心から喜ぶのであった。

作者:ハル 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年2月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。