
世界を裸ワイシャツに染めるのだ!

●至高の裸ワイシャツを!
日差し優しく風弱く、車も余り通らない。穏やかな静寂に満たされた、お昼前の住宅地。その外れにある一軒家では、鳥人間ビルシャナが十名の男性に向けて語っていた。
「諸君、私は裸ワイシャツが好きだ。素肌にワイシャツ一枚というシチュエーション、全てを隠せず裾を引っ張るような仕草。隙間から見え隠れする肌、時に余る袖、時に恥じらい……そんな、裸ワイシャツのもたらす様々な自称はとても魅力あふれるものだ」
故に、とビルシャナは鉤爪を振り上げた。
「全てを裸ワイシャツに染めてしまう、全てを裸ワイシャツで満たしてしまう……それは、素晴らしいことだとは思わないかね」
おう! と男たちは声を上げた。
熱の入った声を上げた。
ビルシャナは満足げに頷いて、力強い笑みを浮かべていく。
「ならば考えよう、世界を裸ワイシャツで満たす方法を! 世界を裸ワイシャツで支配する方法を!」
●ビルシャナ討伐作戦
「こういう方々もいるんですね」
「そうっすねぇ……っと」
天河・麗那(蒼の踊り子・e29903)と会話していた黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、足を運んできたケルベロスたちと挨拶を交わしていく。
メンバーが揃ったことを確認し、説明を開始した。
「麗那さんの予想によって、悟りを開いてビルシャナ化する人間が行動を起こすことを察知したっす」
今回の目的は、悟りを開いたビルシャナ、及びその配下と戦い撃破する事が目的となる。
「で、今回のビルシャナが持つ教義っすけど……」
それは、裸ワイシャツ。主に男性が女性に対して求める、ワイシャツのみを身に着けた格好。
その裸ワイシャツこそ至高であり、世界に広めなければならない、満たさなければならない。そんな教義で、人を集めた。
集まった一般人の人数は十名、全て男性。ビルシャナ化した人間の言葉には強い説得力があるため、放っておけば一般人は配下になってしまうだろう。その場合、配下となった一般人はビルシャナのサーヴァントのような扱いで戦いに参加してくる。力量は低いがとてももろく、注意しなければ死んでしまうため色々と厄介な存在となるだろう。
一方、こちらから説得の言葉を投げかけることにより、ビルシャナの支配下から引き戻すことができる可能性がある。
そのためには、ビルシャナの教義を覆すようなインパクトのある言葉を投げかける必要があるだろう。
「さっきも話した通り、総数は十名。全員男性っすね」
中でも六名は、裸ワイシャツという姿そのものが好きという性質を持っている。
残る四名は、裸ワイシャツが好きなのはもちろん、特に自分のワイシャツを渡して裸ワイシャツをしてもらう。そのことによって生まれる様々な感情が大好きだ、という性質を持っている。
「この辺りを勘案して、言葉を投げかけて欲しいっす」
続いて……と、ダンテは地図を広げた。
「場所はこの、住宅地の外れにある一軒家っすね。わざわざ、知らない家に入ろうとする人もいないと思うっすから、家の敷地内で行動している分には、集まっている一般人以外への配慮は必要ないと思うっす」
最後に、戦うことになるビルシャナについて。
性質としては妨害特化。複数人を凍てつかせる八寒氷輪、一人を燃やす孔雀炎、心を奪うビルシャナ経文、といった攻撃を仕掛けてくる。
一方、配下は先に述べた通りとなる。
「以上で説明を終了するっす」
ダンテは資料をまとめ、締めくくった。
「色々と言いたいことはあると思うっすけど……とりあえず、放置できないことは確かっす。どうか、全力での戦いをお願いするっすよ」
参加者 | |
---|---|
![]() マイ・カスタム(重モビルクノイチ・e00399) |
![]() 真暗・抱(究極寝具マクライダー・e00809) |
![]() ノーフェイス・ユースティティア(それは無貌であるが故・e24398) |
![]() リュリュ・リュリュ(リタリ・e24445) |
![]() レオン・シシドウ(紅髪の戦神・e33172) |
![]() 出雲・緋霈(歪みの道化師・e33518) |
![]() セレス・テスモポリス(世間知らずのエルフ忍者・e34255) |
![]() 草薙・ひかり(闇を切り裂く伝説の光・e34295) |
●邪な野望を潰すため
――諸君、私はワイシャツが好きだ……。
風が冷たくも爽やかに吹き抜けるお昼前、いかがわしい言葉が聞こえてくる一軒家。その誤った熱を冷ますため、ケルベロスたちは草花が無秩序に繁茂する庭を歩いて行く。
漏れ聞こえてくる男の……ビルシャナの演説が徐々に力のこもったものへ変わっていると感じながら、出雲・緋霈(歪みの道化師・e33518)は笑みは崩さず小さな息。
「さてさて、お相手さんは結構熱が入っているようですが~」
「ほんと、面倒臭いのが出て来たねぇ」
草薙・ひかり(闇を切り裂く伝説の光・e34295)は体を覆うように着込んでいるマントの前を寄せながら、壁を背にしつつ演説が聞こえるリビングの大窓に接近する。
カーテンの隙間から見えるのは、演説を行っているビルシャナを十名の男たちが見つめている光景。
仕掛けるタイミングを調節しつつ、ロングコートに身を包むマイ・カスタム(重モビルクノイチ・e00399)は仮面のモノアイを一瞬だけ消灯した。
「ビルシャナがアホなのか、それとも洗脳される人間がアホなのか……どっちにしても、こんなのに地球を圧巻させるわけにもいかないよね。ガツンとやっちゃおう」
頷き合いながら、ケルベロスたちは各員配置についていく。
一方のビルシャナたちは気づいた様子もなく、演説を行い続けていた……。
●裸エプロン、全てが尊く
「ならば考えよう、世界を裸ワイシャツで満たす方法を!」
「今の季節に裸Yシャツとか当たり前に風邪引くわ!」
ビルシャナが演説を締めくくった瞬間に、ケルベロスたちはガラスをかち割り真暗・抱(究極寝具マクライダー・e00809)を先頭に突入した。
「何奴!?」
身構えるビルシャナとは対象的に、なんだなんだと騒然としていく男たち。
ぐるりと見回した後、抱は更に主張する。
「服装を着せたいがために着せる相手の体を心配しないとは人でなしめ!」
時は二月。多少は暖かくなり始めたと言っても、まだまだ防寒具や暖房が手放せない季節。いかように部屋を温めても、寒さから逃れることはできないだろう。片方がきちんとした服を着ているのならばなおさらだ。
男たちは言いよどむ。
一方のビルシャナは鼻を鳴らしていた。
「ふん、その程度のこと、我々が我慢すれば良いだけの話。裸ワイシャツの素晴らしさの前に、我々の感じる熱さなど障害にすら」
「ちょっと待った!」
半ばにてリュリュ・リュリュ(リタリ・e24445)が割り込み、落ち着きを取り戻しかけていた男たちへと向き直る。
「その裸ワイシャツにソックスやストッキングはあるのか?」
完全な全裸にワイシャツ一枚など、片手落ちもいいところ。単純すぎてアクセントがない。
「差別化できるのはシャツだけか? 一体その服装のどこが他人の裸ワイシャツと違うんだい?」
匂いだと、四名の男たちが主張し始めた。
一方の六名も、裸ワイシャツというだけで尊いのだと声を上げ始める。
鎮まらぬ様子を前に、リュリュは静かに一呼吸。
しばし思案する様子を見せた後、マイへ視線を送った。
「じゃあ、試してみる?」
「……」
頷き、マイが男たちの前に出る。
仮面のモノアイを巡らせた後、ロングコートの合せ目に手をかけ始めた。
「裸ワイシャツって、そういうサービスのあるお店か非合法な手段にでも頼らないと。それこそ裸を見せてくれるくらいねんごろな女性がいない限り見る機会ないよね」
四名の男がその通りだと頷く中、六名の男が小さな声と共に押し黙る。
全員、そういうパートナーがいるようには思えなかったけど……と聞こえぬほど小さな声で呟きながら、押し黙った六名へと向き直った。
「手に入らない夢にすがるよりも、手の届く現実の方がいいと思わない? 例えば……ほら」
ロングコートの前を開けば見えてくる、褐色の肌。
触れれば手に吸い付きそうなみずみずしさを持つ肌に、女性らしい膨らみを帯びた体つき。
むせ返るような色気を演出する、紫色のランジェリー。
目を見開き、釘付けになっていく男たち。
「どうかな……? お姉さんのサービスじゃ、不服かい?」
軽い前傾姿勢で胸の谷間を見せつけながら、余裕含みの微笑みを浮かべていく。
隣に、ひかりが並んだ。
マントを脱ぎ捨て、ゼブラ模様のリングコスチュームの上に男性者のワイシャツを羽織っている……裸ワイシャツにワンポイント加えた姿を披露した。
趣の違う二人を熱の籠もった……不躾な視線で見比べていく六名の男たちに対し、緋霈が軽い口調で語りかけた。
「裸ワイシャツでなくてそこから透ける下着がエロくない~」
背中に浮き出るラインなどたまらないものだ。
「ワイシャツでなくてTシャツとかはどうなの~?」
Tシャツもまた別の魅力を持っている。
小さな声と共に、考える素振りを見せていく六名の男。
ケルベロスたちの背後で押し黙っていたビルシャナも、口を挟む機会を伺っている様子。
だから、セレス・テスモポリス(世間知らずのエルフ忍者・e34255)は勢い良く前に出た。
「くっ、ジャパニーズ・ゲイシャの流れを汲む、日本の伝統文化、裸ワイシャツの良さを推してくるとは、敵は強敵のようですねっ!」
芝居がかった調子で語りながら、忍び服の襟元に手をかけていく。
エルフ忍者の里に伝わる、日本文化を解説した秘伝の資料でも、裸ワイシャツは極秘扱いになっていた。薄い資料に描かれた裸ワイシャツを読めるのは、里の長老たちのみだった。
果たして、まだ未熟な忍者である彼女が対抗できるのか……。
「いえっ! 諦めるにはまだ早いです! 裸ワイシャツに対抗するには、エルフの里に伝わっていた、もう一つの日本の伝統文化を使うしかありませんっ!」
気合と共に忍び服を脱ぎ捨てて、ふわりと膨らみ始めた下に来ていた布地を慌てて抑えていく。
忍び服が地面に落ちる中、セレスは胸を張っていく。
穢れなき白い布地から垣間見える、清らかなる肌。大きく開いた胸元が、短い裾の下から見える太ももが、腕が肩が、健康的な肢体をこれでもかと表現してくれている危うい格好。
裸エプロン、ここにあり。
「……」
マイ、ひかりに続いて男たちの視線を一身に受ける形となり、セレスは生唾をごくりと飲み込んだ。
頬を、胸元を滑る汗に従うように視線を落とせば、危ういほど薄い布地だけに守られている大事な場所。
少しだけ浮かんでいる、ピンクの膨らみ……。
頬が熱くなる。
慌てて、胸元そ裾を隠していく。
「い、いやぁっ……信者の皆さん、こっち見ないで下さいっ……」
勢い良く後ずさり、壁に背中を押し付けた。
ざらついた感触があるけれど、気にせず仲間たちの後ろへと身を隠した。
もっとも……彼女の犠牲が止めとなったのだろう。他に良い格好も多いと、六名の男たちはどことなくスッキリとした面持ちで信者たちの輪から外れていった。
黒き炎の如きノーフェイス・ユースティティア(それは無貌であるが故・e24398)が、口元と思しき場所に手を当てながら歩み出た。
「ええ、分かりマス。裸ワイシャツ……に似たモノをワタクシも知っていマスからネ。だがしかシ」
拳を握り、声高らかにいい連ねた!
「相手にして欲しいト思う服装ハ! 自ら渡すノではなく! 相手が自然にそれを着てくれル方が何倍モ魅力的だと思いまセンカ! 押し付けてはロマンのへったくれもナイのデス」
自分を想っていてくれる女性が、自分のための服装をしてくれる。それは、どれほど喜ばしいものだろう。
異論はないのか、男たちは頷いた。
しかし……と、一人の男が声を上げた。
「それもいいが、やはり自分のワイシャツに身を包んでくれるというものも良いものだ。それぞれ、別の魅力がある。そして私は、我々はそれが好きなのだ」
「だがな」
強い調子で、抱が意見を投げかける。
「そこの連中は自分の裸Yシャツを着てもらいたい、ということだが……まずその男物のYシャツでもサイズによっては胸が大きい女性や高い身長の女性なんか……うむ、チラリズムどころではなくなってしまう。それにお前達の好む風情はないだろう」
「だが、それも良い」
別の男がニヤリと笑った。
隠そうとしても、どうあっても隠せない。そんな女性が見せてくれる羞恥は良いものだと。
別の男も言った。
堂々としているのもまた、良いと。
男たちの語りは止まらない。
だから、レオン・シシドウ(紅髪の戦神・e33172)は浴びせかける。
別の方角から、冷水を。
「あんたたち、よく考えてみなよ。全てってことは、野郎も含まれることになるよ」
男たちが固まった。
ぎこちない動きでビルシャナへと視線を向ければ……。
「もちろんだ」
……大仰に頷き、何をいまさらと首を傾げていくビルシャナが。
薄く微笑み、レオンは続けていく。
「裸ワイシャツの中年オヤジたちが集まって、顔を紅潮させてるところとか、そんな光景を見たいの?」
震え上がる男たち。
何故だかわからないと言った様子で唸っているビルシャナ。
今こそ止めを刺す時と、ひかりは語る。
「そう、世の中の半分は男。そして、女性の中にもお婆さんとか、凄い肥満体型の女子プロレスラーとか……そういう裸ワイシャツ見たい?」
一人が、それはそれで……と口走るも、どうあがいても残る半分……男は許容できないのか、他の三人と共にビルシャナとの距離を取り始めた。
見守りながら、ひかりは更なる言葉を投げかける。
「きっとね、君達が世界の全てを裸ワイシャツにと思うのと同じくらい強く、裸ワイシャツは希少であるべきって人達もいると思うんだ。で、一般人としては、まだ希少派の方が世の中には受け入れられ易いかなぁ」
異論なしと、四枚の男もまた先に離脱した六名と混じりリビングの入口へと移動した。
廊下へ出ているよう伝えながら、ケルベロスたちはビルシャナに向き直る。
わけがわからないと言った様子を浮かべながらも、ビルシャナも身構えた。
「何故だ……男であろうが女であろうが、裸ワイシャツは素晴らしいはずなのに……まあ、良かろう。貴様らを倒して、教育していけば良い。全ての裸ワイシャツは、どの服装よりも素晴らしいのだということを!」
●ビルシャナの野望
戦いのゴングは、男たちがリビングの扉を締めた音。
抱は表裏に美少女イラストが描かれている抱き枕カバーで全身を覆い隠し、腕と思しき物を形成し……。
「汝、輝かぬ瞳よ、我に従え。三つ首の魔犬に光を捧げよ」
力を解放し、万全の状態を整える。それが……!
「究極寝具、マクライダー」
静かな調子でポーズを決め、ビルシャナを真っ直ぐに指差した。
さなかにはリュリュが小型の無人治療機械を展開し、前衛陣の守護へとつかせていく。
「さあ、さっさと片付けてしまおうか」
促される家のように、加護を受け取った抱のライドキャリバー・黒雷が突撃した。
すかさず飛び退るビルシャナを、レオンはビハインドのレヴェリーと共に猛追する。
「遅い!」
レヴェリーと呼吸を重ね、力強くも華麗な剣舞を披露する。
白銀の刃がひらめくたび、羽毛が一枚、二枚とちっていく。
真紅の刀身が軌跡を描くたび、黒赤の大鎌が薄いラインを引いた。
レオンが動きを止めた時、レヴェリーが姿を消していく。
次の刹那にレオンが刃を震えば、レヴェリーは背後から襲いかかる。
逃れるために右の翼を犠牲にして床に転がったビルシャナを、緋霈は見逃さない。
「あはは~とりあえず~撃ち抜かれて~もぎ取られてろ~」
言葉とは裏腹に狙いはしっかりと定め、轟音とともに砲弾を発射した。
かぎ爪を広げ正面から受け止めたビルシャナは、よろめきながらも無数の氷輪を浮かべていく。
煌めく氷輪が飛び交う中、ノーフェイスは大きなハンマーに炎を宿した。
「あなた二は凍てつくようナ冷気ヨり、地獄ノようナ業火がお似合いデス」
氷輪を砕きながら距離を詰め、力任せにフルスイング!
打ち上げられたビルシャナが熱き炎に抱かれていく中、マイは放電を始めていく。
「大丈夫、まだ行ける」
電流に治療の力を注ぎ込み、リュリュと声を掛け合い万全の状態を整えた。
ケルベロスたちは素早く反撃に対処して、間断なき攻撃を仕掛けていく。
守るものなきビルシャナに、猛攻を防ぐすべなど存在しない。
焼かれ凍てつき切り裂かれて足元をふらつかせたビルシャナを前に、ノーフェイスが姿を消す。
「さア、終わラせまショウ」
再び姿を表した時、ビルシャナが何かに蹴られたかのように壁際へと吹っ飛んだ。
すかさず黒雷が距離を詰め、鋼のボディをぶちかます。
力任せにビルシャナを壁に押し付ければ、抱が座席を踏み越えた。
「裸ワイシャツではなく、抱き枕カバーにしておけばよかったものを」
流れるように告げながら、超技術の腕でぶん殴った。
「まあ、いい。いずれにせよ……年貢の納め時だ」
「あはは~あんまり耐えないほうが身のためだと思うよ~」
自らが持つ者と同じ腕や足を無数に生み出し、女性陣の傍をわざと通る軌道を取らせながらビルシャナへと襲いかからせていく。
ボコボコに殴られ蹴られたビルシャナを、ひかりが力任せに引きずり出した。
「私が架ける七色の虹の橋、あなたは最後まで渡り切れるかな!」
正面から相手の両脇に両腕を差し込み、腰回りを抱え込んでブリッジして投げるフロントスープレックスを皮切りに、次々と刻まれていく色とりどりなスープレックス。
七つ目のホールドへとつなげるジャパニーズオーシャンスープレックスで締めくくり、珠のような汗を七色に輝かせた。
苦しみながらもまだ耐える様子を見せたから、セレスが背後を気にしながら歩み寄る。
後ろに誰も居ないことを確認しつつ、クナイを高く振り上げた。
「これで……終わり、です……!」
体中を真っ赤にしながら振り下ろし、ビルシャナの喉元を貫いた。
痙攣した後、ビルシャナは床に倒れていく。
ひかりに抑え込まれたまま、跡形もなく消滅する……。
静寂が戦いの終わりを伝えてくれたリビングの中、リュリュが安堵の息を吐き出した。
「なんとかなったね。みんな、お疲れ様」
「お疲れ様……です」
セレスは静かな息を吐いたと、その場にぺたりと座り込む。
「ふぇぇ……もうお嫁に行けません~」
涙目になりながら、すがるように周囲を見回し脱ぎ捨てた忍び服を探していく。
多種多様な表情で休息や事後処理へとケルベロスたち。
見まわしていたレオンは、ただ静かに瞳を閉ざした。
「裸ワイシャツねえ……夏場とかならいいかもしれないね……なんて」
冗談めかした言の葉は、会話の華を咲かせていく。
暖かな日差しが差し込むリビングを、平和な場所へと戻していく。
いかがわしい雰囲気を漂わせていた一軒家を、あるべき姿へと……!
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2017年2月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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