酉年様事件~願掛けギャンブラー

作者:雷紋寺音弥

●今年こそ勝ちたい!
 正月気分も、10日ほど過ぎれば少しばかり落ち着いて来る。毎年、この季節の神社は初詣の人で賑わうが、しかし正月に初詣ができる者ばかりとは限らない。その日も、正月に初詣に行けなかった者達が、近所の神社で遅れた初参りを行っており。
「頼む、神様! 今年こそ、俺に夢を見させてくれ! 競馬も競輪もパチンコも、バカ勝ちできる一年になりますように!!」
 そう言って、金髪頭の青年が社に向かって手を合わせた瞬間、彼の身体が突如として謎の光に包まれた。
「……っ!?」
 気が付いた時には、既に遅し。青年の姿は煌びやかな翼を持った鳳凰のようなビルシャナへと変化していた。
「……ふふふふ……なるほど、解ったぞ! 俺がギャンブルに勝ち続けるには、常に幸運の神を……酉年なら、一年中酉年様を崇め奉って祝わなければならないのだということをなぁっ!!」
 何やら意味不明な悟りの境地に達し、ビルシャナと化した青年は、カードのような物を取り出して人々へ投げ付ける。瞬間、眩い光と共に多数の鶏が出現し、逃げ惑う参拝客へと襲い掛かって行った。

●酉年様、現る!
「召集に応じてくれ、感謝する。新年も明けて早々に、酉年様というビルシャナが出現したらしい」
 その日、クロート・エステス(ドワーフのヘリオライダー・en0211)よりケルベロス達へ伝えられたのは、日本全国の各地にある神社で、『酉年様』というビルシャナが引き起こす事件の報だった。
「このビルシャナは12年に一度だけ、特別な力を得る能力があるらしいな。今年は、その12年目ということで、酉年を祝う人々の祈りを奪って急速に力をつけたようだ」
 そして、その集めた力を利用して、神社で祈りを捧げた者を『酉年ビルシャナ』に変貌させてしまうのだという。その上で人々を殺害させ、更なるグラビティ・チェインを得ようとしているのだとか。
「酉年ビルシャナが現れるのは、岩手県にある神社になる。元になったのは、賭け事が好きな青年だ。やたら羽振りが良く派手な姿をしたビルシャナで、戦闘になると巫術士達の使う、シャーマンズカードに似たグラビティを使って攻撃して来るぞ」
 ちなみに、元になった人間がギャンブラーなだけに、攻撃の際も運任せにカードを使うことが多いらしい。だが、決まった攻撃パターンがないというのは、考えようによっては厄介だ。
「敵は、より強力なグラビティ・チェインを得る為に『酉年を褒め称える』発言をした相手を最優先で攻撃する性質がある。これを利用すれば攻撃を特定の対象に集中させたり、周囲にいる一般人を狙わせなくしたりすることも可能だぞ」
 ケルベロス達が酉年を褒め称えるような発言をしながら戦闘をすれば、周囲の一般人は避難させる必要もない。上手く利用すれば、狙って囮となれるのは幸いである。
「酉年ビルシャナは、強制的にビルシャナ化させられているだけに過ぎない。だが、今回撃破できなければ、ビルシャナ化が定着してしまい救出できなくなってしまうから注意してくれ」
 そうなる前に、不幸な青年を救ってやって欲しい。神に願を『掛け』に行ったら、自分の命を『賭ける』ことになるなど、洒落にならない。
 そう言って、クロートは改めてケルベロス達に依頼した。


参加者
椏古鵺・笙月(黄昏ト蒼ノ銀晶麗龍・e00768)
モモ・ライジング(鎧竜騎兵・e01721)
水沢・アンク(クリスティ流神拳術求道者・e02683)
アルレイナス・ビリーフニガル(ジャスティス力使い・e03764)
ミント・ハーバルガーデン(眠れる薔薇姫・e05471)
アゼル・グリゴール(アームドトルーパー・e06528)
中島・花桜梨(永遠の乙娘の子・e23049)
リュリュ・リュリュ(リタリ・e24445)

■リプレイ

●神、降臨!?
 正月気分も、少しばかり落ち着いてきた1月の半ば。それでも、神社には遅れて初詣にやってくる人々の姿が見受けられる。
 今年も一年、宜しくお願い致します。商売繁盛、家内安全、それぞれ神へと祈りを託す参拝者たち。そんな彼らの中の一人が、突如として眩い光に包まれたところで事件は起きた。
「……ふふふふ……なるほど、解ったぞ! 俺がギャンブルに勝ち続けるには、常に幸運の神を……酉年なら、一年中酉年様を崇め奉って祝わなければならないのだということをなぁっ!!」
 閃光と共に、最前列にいた青年の姿が鳥頭の怪人、ビルシャナの姿へと変わっていた。どこから取り出したのか、その手には護符にもカードにも見える、奇妙な札が握られている。
「さあ、まずは手始めに、お前達から俺の生贄になってもらうぜぇっ! 酉年様を崇めない不埒なやつらは、全員俺の幸運の種になりなっ!」
 そう言って、ビルシャナが早くも逃げ惑う人々に札を投げつけようとする。が、その札が力を発揮するよりも前に、逃げ惑う人々の中から歩み出る者達がいた。
「酉年だからビルシャナが現れるって……。トラトラトラならぬ、トリトリトリだね」
「見事縁起でもないものに当たったギャンブラー、ですか。『当選お見事』と皮肉るのも見当違いでしょう」
 参道の両脇に生えている木の陰から、 モモ・ライジング(鎧竜騎兵・e01721)とアゼル・グリゴール(アームドトルーパー・e06528)の二人が姿を現す。そんな彼らにビルシャナの意識が向いた瞬間、残る者達も一斉にビルシャナと人々の間に割って入るようにして現れた。
「酉年様、ですか。今年は酉年ですし、拝むと良い事がありそうですね」
「なるほど、新年早々随分と縁起の良い事で。酉年様様ですね」
 ミント・ハーバルガーデン(眠れる薔薇姫・e05471)の言葉に頷く水沢・アンク(クリスティ流神拳術求道者・e02683)。無論、これは敵の意識をこちらへ引き付けるための布石。まずは少しでも誉めて、煽てて、一般人達から意識を逸らせておかなければ。
「酉年っていいよねー。具体的に何がいいって言うと、鳥って縁起のいい生き物じゃない? 日本だと不死鳥伝説とか、鳳凰とか、色々あるって聞いたよ」
「鳳凰……または朱雀か。南方の守護者として、麻雀にも縁のある存在じゃ」
 続けて酉年様を誉め湛えたのは、アルレイナス・ビリーフニガル(ジャスティス力使い・e03764)と中島・花桜梨(永遠の乙娘の子・e23049)だ。
 鳳凰は神聖なる神の使いにして、首を失っても生き続けるとされる不滅の存在。韋駄天の如く天を駆ける様は、賭け事においてもスピード勝負の象徴となる。ある意味では、今回のビルシャナの姿や願望と、至極マッチした存在と言える。
「まさかまさか、こんなところで偉大なる鳳凰様に遭遇出来ると思わなんだ。我らの人生に勝利を導く……あなた様こそ偉大なギャンブルの神様!」
 そう言って誉め湛えながらも、椏古鵺・笙月(黄昏ト蒼ノ銀晶麗龍・e00768)は心の奥で、疑念を捨ててはいなかった。
 まあ、それはそうだろう。そもそも、酉年様を信仰して運が良くなるという保証はなく、他人に迷惑をかけている時点で既に勝負師のモラルも失っているのだから。
「でも……人様に迷惑かけるギャンブラーが、真のギャンブラーとは言えないざんしなぁ……」
 そう、小声で呟くが早いか、笙月はハンマーから強烈な竜砲弾をお見舞いした。
「ぶげっ! ……な、何しやがるっ!」
 顔面に直撃をもらったビルシャナが慌てて叫ぶが、もう遅い。時の運の流れを見極めることこそが勝負の鍵。人々を襲おうと札を取り出した時点で、既に戦いは始まっていたのだから。
「さあ、それじゃあリュリュたちは勝てる勝負を挑むとしようか。――逃がしはしないよ!」
「ええ……。それでは、そろそろ攻めますか。クリスティ流神拳術、参ります……!」
 ドローンを展開するリュリュ・リュリュ(リタリ・e24445)の言葉に続けて、アンクもまた右手の炎を開放する。白炎が手袋と袖口を焼き、左腕の闘気と入り混じって、鳳凰のようなビルシャナの姿を照らし出した。

●真剣勝負!
 賭け事に魅せられ、そこを付け込まれてビルシャナと化してしまった哀れな青年。だが、同情の余地こそあれ、手加減をして勝てる相手ではないということもケルベロス達は承知していた。
「さすが、総合的に恵まれた運気の持ち主ね……。洞察力も優れているし、多才。几帳面だけど緻密で頭の回転も良い、集中力も持続力もある熱中型の凝り性。一言で例えるなら、完璧主義者って言った所ね。本当に羨ましい限りだよ」
 リュリュのドローンに重ねるようにして、ビルシャナを誉めつつモモが新たなドローンを展開して行く。その間に、先程の鬼気迫る様子から一変し、アンクもまたビルシャナに近づいて行き。
「……ところで、酉年というのは申と戌の間に入る事で、犬猿の喧嘩を止めているそうですね。素晴らしいものと思いますよ」
「ふふふ、その通り! だからこそ、その素晴らしき力を讃え、俺の強運の礎に……ぶべらっ!?」
 調子に乗ったビルシャナの懐に、間髪入れずに強烈な掌底を叩き込む。その衝撃で羽根が抜け落ちて、早くも神々しい鳳凰の翼が無残な姿に。
「ぬぅ……てめぇら! こうなりゃ、もう手加減しねぇぞ!」
 騙し討ちを食らってブチ切れたビルシャナが、怒りに震えながらカードに手を伸ばす。もっとも、イカサマもギャンブルの内だと思えば、ケルベロス達の行動も決して間違ってはいないのだが。
「いくぜぇっ! 俺様は……この瞬間、鶏軍団を召喚だぁっ!」
 お目当てのカードを引き当てたのか、ビルシャナが再び調子を取り戻して叫んだ。瞬間、その爪と嘴に猛毒を携えた凶暴な鶏の群れが現れて、ケルベロス達に突撃を開始した。
「「コケェェェッ!!」」
 甲高い雄叫びと共に、突進してくる鶏軍団。が、しかし、先にドローンによる障壁を張られてしまったためか、勢いに反してダメージを与えられていない模様。
 初手の読み合いは、どうやらケルベロス達に軍配が上がったようだ。勝負師たる者、先の先まで見越して手を打つのは常識である。
「どうやら、思った以上に盾が効果的に働いているようですね。ならば、これは駄目押しです」
 次なる鶏軍団の攻撃に備え、更なるドローンを展開するアゼル。その防御効果は、モモやリュリュ達の出したものの3倍近い。こうまでガッチリと固められてしまうと、そう簡単に防壁を突破することもできなくなるわけで。
「貴方の動きを、封じさせていただきますね。この飛び蹴りを受けなさい」
「旋刃脚! とう!」
 呆気に取られるビルシャナを余所に、ミントが高々と跳躍して跳び蹴りを。同じく、駆け出したアルレイナスもまたビルシャナの側方へ回り込み、勢いに任せて回し蹴り!
「ぐほぉっ!? な、何故だぁぁぁっ!!」
 頭と脇腹を同時に蹴られ、ビルシャナの身体が神社の神木の方へと吹っ飛んで行った。あれだけ酉年様を讃えていたビルシャナだが、今のところ、戦闘で御利益っぽい何かは見られない。
「夢見がちな若者よ……。夢は夢のままで置いておいた方がええもんじゃ。いざ現実になると、夢と現実の境が曖昧になり、破滅へと導く……。公営ギャンブルはもとより、宝くじもそうじゃ」
 だから、そんな現実をしっかりと叩き込んでやる。そう結んで、花桜梨はビルシャナを追撃し。
「明日を掴む為に……駆け抜ける!」
 一瞬のすれ違いざまに、鋭い一閃を懐に叩き込む。先程、アンクに羽根を抉られた場所を斬り裂いたが、それだけでは終わらない。
「あなた様の攻めては封じてあげるざんしヨ!」
 笙月の投げた手裏剣が、不可思議な軌道を描いてビルシャナの手に持っている札へと突き刺さった。折角の切り札でも、穴が空いては効果は半減。一世一代の大勝負に出るのが博打ならば、こうして少しずつ相手を追い込んで行くのもまた、立派な博打の戦術だ。
「どうしたんだい? 攻めきれていないようだけど?」
 立ち上がろうとしたビルシャナの脚を払うようにして、リュリュが真横から蹴り飛ばした。それでも、辛うじて転倒することは避けたようだが、しかし次の瞬間、モモが手にしたナイフの刀身が目に入り、ビルシャナは思わず己の目を疑った。
「私と同じギャンブラーなら、私と同じトラウマも持ってるのかしら?」
「うわぁぁぁっ! 止めろ! 止めてくれぇぇぇっ! 俺は負けたくねぇっ! もう、負けたくねぇんだよぉぉぉっ!」
 どうやら、賭け事で酷く負けた際の記憶を掘り返され、精神的なダメージを受けているようだ。あの叫びっぷりからして、賭けの元手にするために、消費者金融に借金でもしたのだろうか。
 賭博というものは、時に身を滅ぼすものである。トラウマに苦しむビルシャナの姿を前にして、それを痛感させられたケルベロス達だった。

●チェックメイト
 酉年様を信仰し、自らの運を高めるために人々を手に掛けようとするギャンブラーのビルシャナ。その攻撃は、確かに正確無比。狙った獲物は逃がさないという点では、強力と言えたかもしれない。
 だが、持ち前の勝負師根性が災いしてか、ビルシャナの攻撃もまた完全にランダムの運任せ。引きの悪さを狙撃手の補正でカバーしようとするが、しかし火力が追い付かない。
「ふっふっふ……ついに、俺はジョーカーを引いたぜ! こいつで決めてやる!」
 自信満々な表情で黄金の不死鳥を召喚するものの、その札には既に穴が空いている。おまけに、無数に展開されたドローンに阻まれて、折角の切り札も殆ど通らない。
 リアルラックに任せたビルシャナの戦い方に対し、ケルベロス達の戦い方は、正に堅実そのものだった。防御を固め、敵の火力を奪い、おまけに回避率まで低下させる。火力よりも、搦め手勝負。押しの一手ばかりで勝てるほど、戦いも賭け事も甘くはないのだと知っていたから。
「貴方の魂を奪う一撃を、その身に受けると良いですよ」
 お返しとばかりに、ミントの拳がビルシャナの腹にめり込む。同時に、そこから敵の魂そのものを侵食し、彼女の傷を瞬く間に塞いで行く。
「ユニット固定確認……炸薬装填……セーフティ解除……目標捕捉、これより突撃する!」
 もう、これ以上は様子を見る必要もないと、アゼルが巨大な杭打機を構えて突進した。
 火薬の爆発により、至近距離から杭を打ち込む。傍から見れば、なんと前時代的で、ナンセンスな武器に見えたことだろう。
 だが、それだからこそ、この技は切り札と成り得るのだ。ジョーカーは、引いたことに意味があるのではない。切るべき場所を見極めることに、その本質があると言わんばかりに。
「ぐほぉっ! な……なんだ……と……」
 身体を貫通される衝撃に、さすがのビルシャナも両目を見開いて悶えることしかできなかった。こうなってしまえば、もうこちらのものだ。このまま一気に、押し切るのみ!
「行くぞ! 絶、空、斬!」
「これでツモじゃ! 上がらせてもらおう!」
 空の気を纏った斬撃で、アルレイナスと花桜梨がビルシャナの翼を左右から斬り付ける。黄金色に輝く美しい羽根が舞ったところで、笙月がここぞとばかりに笑みを浮かべ尋ねる。
「ふっ……己の命を賭けてこそ……真のギャンブラー精神!! あなた様には、その覚悟はおありか? なら試してあげるざんしよ……昏く螺威来深淵に唯一咲誇る華の謳……我が呼び声に応え給え」
 詠唱と共に、櫻華の華刃が無常にもビルシャナの身体を切り刻んで行く。栄枯盛衰、盛者必衰、万物流転の現世において、不滅も不変もありはしないと。
「実力の伴わない運任せ……気に入らないな、そういうのは」
 もはや、立っていることさえ精一杯なビルシャナへ、リュリュが追い撃ちの蹴りを浴びせた。それでも倒れないビルシャナへ、続けてモモが斬り掛かり。
(「まさか彼奴が使っていた得物が、私にとって役に立つ日が来るとはね……」)
 彼女自身、腕に付けたナイフに対して思うところがあったようだが、それはそれ。
「ぐぅ……。な、なんでだよぉ……。いつも負けてばっかりなんだから、今日ぐらい俺に勝たせてくれたっていいじゃねぇかよぉ……」
 満身創痍のビルシャナが、懇願するようにして天を仰ぐ。だが、ここで情に流されて、勝負を捨てるわけにもいかない。
「……先程の話ですが、争いを止める役割をしているという事は、あまり勝負事に向いていない……とも言えます。その力に頼るには、賭け事に向かないと思いますよ」
 だから、申し訳ないが、元の人間に戻してやろう。痛みを伴う荒療治だが、歯を食い縛って耐えろとアンクが告げて。
「決めます……! 外式、双牙砕鎚(デュアルファング)!!!」
 冷気を纏った足刀で相手を浮かせ、続けて白炎を纏った右拳を叩き込む。酷寒と灼熱。双方の力を身に受けて、黄金の羽根と共にビルシャナは散った。

●厄落とし
 戦いの終わった神社には、再び神聖なる静けさが舞い戻っていた。
「所詮は運任せか。自分以外の何かに任せるのではなく、自分で勝ってからこその勝負だと言うのに……」
 ビルシャナの力から解放された青年だったが、リュリュの評価は手厳しい。勝てるかどうか定かでないものに熱を上げることを、彼女が好んでいないからだろう。
「確かに……お金を賭けるギャンブルは、悪いことかもしれないね」
 正義に燃えるアルレイナスも、青年の願いには賛同できないものがあったようだ。
「ギャンブルはそう簡単に勝てる物ではありません、現実に目を背けたらいけませんよ」
「世の中、運だけで生きていけん。その上での立ち回りを覚える事が、生きていく為の秘訣じゃ」
 それぞれに青年へ苦言を呈すミントと花桜梨。しかし、これも彼のことを思ってのこと。博打も嗜む程度なら問題ないが、のめり込み過ぎるのは危険であると。
「博打は程々に、ですよ。次は助けられるか分からないのですから」
 自分の着ていたコートを青年にかけて、アンクもまた念を押すようにして言った。ビルシャナの力に魅入られた者は、その多くがビルシャナと運命を共にしているのも事実だったから。
「何だか大変な事に巻きこんでごめんね? お詫びに私達と一緒にお参りしよ?」
 それでも、どうしても勝負師でありたいならと、最後にモモが青年を誘って言った。
 参拝の内容は、もちろん今年のギャンブル運。ついでに運試しとして、おみくじでも引いてみることにしたのだが。
「うげぇっ! だ、大凶!?」
 ケルベロス達が軒並み大吉を引き当てる中で、何故か見事にピンポイントで大凶を引き当てる青年。ここまで運がないと、それはそれで才能と言えるのかもしれない。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年1月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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