孤独の中の死せる蟻

作者:秋月きり

 深夜。山陰地方。
 やや広島県寄りの島根県山中に、シスター服を纏ったデウスエクスが歩みを進めていた。三体の体長2mを超す浮遊する怪魚を従える彼女の名前は『因縁を喰らうネクロム』と言った。
 ふと歩みを止めた彼女は、周囲に視線を巡らせる。幾多のヒールにより修復されたその場所は、しかし、彼女の目には激しい戦闘の形跡が映っていたのだ。
「あら、この場所でケルベロスとデウスエクスが戦いという縁を結んでいたのね。ケルベロスに殺される瞬間、彼は何を思っていたのかしら?」
 従者である怪魚達に呼び掛ける様に呟く。応えは無くとも、彼女の呟きは終わらない。
「折角だから、あなたたち、彼を回収してくださらない? 何だか素敵なことになりそうですもの」
 浮かぶ表情は恍惚。此処で彼が得た怨みを有効活用出来るのであれば、それはとても楽しい事になりそうだ。
 怪魚は頷き、周囲を回遊する。彼らから零れる青白い燐光はやがて魔法陣を描き、そして光を放つ。
 その様子を見届けたネクロムは満足げに頷くと、闇の森の中へ姿を消した。
 後に残ったのは彼女の配下である怪魚達。
 そして。
 ――知性のない瞳で、ぐるると唸る、一体の蟻騎士の姿だった。

「六合・剣(太陽の化身・e22295)の悪い予感が当たったわ。島根県の山中で死神、『因縁喰らうネクロム』によるデウスエクスのサルベージが行われたの」
 アギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)の宿敵、『因縁を喰らうネクロム』が暗躍し、ケルベロスによって殺されたデウスエクスを蘇らせている事は皆も承知しているよね? と続けるリーシャ・レヴィアタン(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0068)が浮かべる表情は、むしろ憐憫であった。
 生前は人々を襲うデウスエクスであれ、死を迎えた後も酷使される謂われはない。そんな憤りと悲哀に満ちた視線は伏せられ、代わりに強い決意をケルベロス達に向ける。
 ――彼のデウスエクスに安寧を与えて欲しい、と。
「変異強化されたデウスエクスは狂愛母帝アリアに仕えたアリア騎士の一員よ」
 今から向かえば丁度サルベージが完了した直後に到着出来る筈だ。
「怪魚の方は下級の死神だから、さほど苦戦する相手じゃないと思う。問題は変異強化されたアリア騎士ね」
 ただでさえケルベロス相手に奮戦した相手だ。それが変異強化されているとなると、苦戦は必至だろう。無論、ケルベロス達もあの頃より成長している。変異強化と言う伸びしろがあるにせよ、ケルベロス達が倒せない敵ではない。
「厄介なのは鎧の代わりになっている外骨格と、高い攻撃力、それと同士討ちを誘う鳴き声ね」
 つまり、彼が発する全てのグラビティは警戒しろと言う事だった。
「戦い方はみんなの方が判っていると思うから、口出しするつもりはない。それでも敢えて言うなら……おそらく、真っ向からの殴り合いになると思う。そうであれば高い攻撃力にだけは警戒して欲しい」
 小細工を弄するよりも真正面からぶつかった方が良い、との台詞は悲痛な表情で紡がれる。
 それが最も被害を少なくする方法、しかし、被害を免れない方法と知っての台詞だった。
「それでも死神の策略を許すわけに行かないわ。止めなくちゃいけない。だから……」
 そうして、彼女はいつも通りケルベロス達を送り出す。
「いってらっしゃい。みんなの無事を祈ってる」


参加者
アギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)
シルク・アディエスト(巡る命・e00636)
サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)
狼森・朔夜(迷い狗・e06190)
大成・朝希(朝露の一滴・e06698)
鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)
天目・宗玄(一目連・e18326)

■リプレイ

●闇夜の森
 ヘリオンから降り立った森林地帯は、既に夜の帳が辺りを支配していた。
(「あの時と同じだな」)
 暗き森は嫌が応にも過去を思い出させる、と狼森・朔夜(迷い狗・e06190)は内心で呟く。
 過去、ローカストの元から逃亡してきたオウガメタルを救出に向かった彼女は、その場でアリア騎士との交戦を経験していた。流石に此度、死神によって復活した個体が彼女の交戦した同個体とは思えなかったが、それでも心中は複雑だった。
「かつて争った相手とはいえ、こうなってしまっては憐れだな……」
 気持ちは天目・宗玄(一目連・e18326)も同じだった。彼もまた、この地でアリア騎士との戦闘を経た一人だ。
 故に誓う。手早く片付ける事が、せめてもの手向けだと。
 そんな彼の独白に、鏑木・郁(傷だらけのヒーロー・e15512)も強く頷く。自身も想いは同じだと。
(「こういう形で戦いたくなかったな……」)
 倒したアリア騎士の最期はこの目に焼き付いていた。ローカストと言う種を守る為、死地から退かなかった彼らをただの駒のように扱う。そんな死神の存在を許せるわけが無かった。
「ええ。……こんな事で命を掘り返されるなんて、間違っています」
 憤りの色を隠せないのは大成・朝希(朝露の一滴・e06698)も同じだ。安寧の中にいるアリア騎士を無理矢理蘇らせ、再度酷使する。その所業に対する怒りは彼も変わらなかった。
「行きましょう」
 憤りを隠せない仲間達を制し、シルク・アディエスト(巡る命・e00636)は先を促す。彼女が手にしたライトは、暗き森を、そしてケルベロス達の行くべき道を照らしていた。そして、その先で仄かに輝く青色の燐光をも浮かび上がらせる。
「奴らもお待ちかねのようだな」
 サイガ・クロガネ(唯我裁断・e04394)の呟きは、大胆不敵に紡がれる。任務に忠実な猟犬の双眸は、敵影を的確に捉えていた。
 周遊していた怪魚達は動きを止め、視線を彼らに送っている。元より深夜の森は奴らの領域だ。ケルベロス達の気配を気取られるのは百も承知。死に神達に、そして蘇った蟻騎士に死を与える未来は変わらないと、鼻で笑う。
(「どこかで見てるんだろう? シスター……いや、ネクロム」)
 宿敵の名を思い浮かべ、アギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)はぎりりと歯噛みした。因縁喰らうの二つ名の通り、因果や怨恨に悦を見出す彼の存在だ。ケルベロス達の憤り、そしてアリア騎士の抱く怨嗟を捨て置くとは思えない。演劇を楽しむ観客の如く、安全域で見守っていても不思議はないと思う。
 ならば、それを打ち砕いてやる。今回も、だ。
 それが彼の存在に近付き打ち破る最短距離だと、アギト自身が信じる故に。
「シャァァァ」
 待ち構えるアリア騎士、そして怪魚達から呼音が零れる。それは何処か、物悲しく感じた。

●死神と死者のダンス
「疾く死ね」
 短い文言を言い放ち、ヴォルフ・フェアレーター(闇狼・e00354)がガーデンライトを周囲に散布する。ぼおっと光るそれは、地形の起伏、そして障害物と化した木々を照らし出していた。
 闇に溶ける狼の動きはそれに留まらない。ライトの投擲と同時に駆け出す彼は、居合いの如くLametを抜刀。青白い光の尾を引く死神の一体にナイフの刃を突き立てる。
 周囲に響く耳障りな怪音は、死神が零した悲鳴だった。
 それに続くのは郁が放つ幾多の焼夷弾だ。炎熱は死神を焼き、ライトに照らされた周囲をより一層、明るく染め上げる。
「やっぱり、庇うよな」
 感心にも似た呟きを零してしまう。ネクロムの『回収しろ』と言う命令は絶対なのか、彼の放った焼夷弾は怪魚達に阻まれ、アリア騎士に届いていない。ディフェンダーと言うポジションの恩恵に、そしてその覚悟に舌を巻いてしまう。一筋縄では行きそうにない。
「ァアアアアアアッ!」
 轟く咆哮はアリア騎士からだった。咄嗟に耳を塞ぐケルベロス達に、破壊音波まで昇華された悲鳴が突き刺さる。
「――っ!」
 だが、その悲鳴がケルベロス達を侵食することはなかった。
 朝希が咄嗟に掲げた朝顔の種子――そこから零れる治癒の光を用いて悲鳴を遮ったからだ。範囲回復のグラビティ故、傷の快復そのものには程遠くも、破壊音波による混乱から仲間を守った事を是と判断する。
「よぉくご覧」
 サイガの放つ地獄は蒼炎と化し、アリア騎士を喰らった。己を蝕み消失させる毒にしかし、死から蘇ったアリア騎士に怯えの色は浮かばない。
 虚ろな複眼がサイガに向けられる。巨大な顎がカシャリと音を立てた。
 死神によって変異強化が施されているとは言え、グラビティが通じない筈はない。それを理解する知能を失っているのだ。
(「……だが、強い」)
 独白する。仲間が死神を屠るまで、アリア騎士を抑えるのが自身の役目と選んだ。それが不可能と言うつもりはなかった。だが、容易い道でもないと理解してしまう。
「サイガ。無理はするな」
 その側面を駆け抜ける影――朔夜が紡ぐ言葉は短い声援だった。無骨だが、仲間を案ずる文言に、サイガはコクリと頷く。視線は交わさず、だが、ケルベロス同士の絶対の信頼がそこにあった。
 そして朔夜は凍結の一撃を放つ。死者を弄ぶ者に進化は不要と、その未来を凍結させる一撃だった。
「歪んだ生に終わりを。そして、生と死の連鎖を正しましょう」
 シルクの宣告は冷たく告げられる。吹雪もかくやの冷気に覆われ、凍結していく鱗の痛みに、死神達が悲鳴を零した。
「人は誰しも死ぬまでは幸福ではない、と言うがね」
 反撃とばかりに突き立てられる牙から仲間を庇い、アギトが独白する。傷つく自身の身体に呪紋を浮かべた彼は、二の語句を紡いだ。
「――こいつは不幸でしかないな」
 生を享受する人間にとっても、蘇らせたアリア騎士にとっても、今の状況は不幸でしかない。利益は死神達にしかなく、それを認めるつもりはなかった。
「敵に怒りを持つのは悪いことではない」
 雷を纏った刃を死神に突き立て、宗玄は諭すように言う。胸の内は熱く、それ故に、頭は冷静に。
 まずは目の前の敵――死神を倒し、アリア騎士を倒す。その仕事を着実に進めなければならない。
「シャァアアア」
 黒色の怨霊弾は怨嗟混じりに咆哮と共に吐き散らかされた。自身らに刻まれた痛みを思い知らせようと、死神達がケルベロスに向かって吠える。
「お前たちでも怒るのか?」
 ヴォルフの問いは、意外そうに紡がれていた。痛みを受ければ悲鳴を上げ、傷を与えた主に憤怒の感情を抱く。それは目の前にいる死神達とて変わらない、当然と言えば当然の事。だが。
「――その憤りの資格は、お前たちに無い」
 冷たく断ずる。死者を弄び、残された者達の感情を踏みにじる彼らの怒りに共感するつもりはなかった。 

●孤独の中で死せる蟻
 闇夜の森に物悲しげな悲鳴が響く。それはケルベロス達によって奏でられる死神達の断末魔だった。
「一歩決殺――断ち斬る」
 宗玄の紡ぐ地獄の炎は、彼の抱く刃を獄炎で染め上げる。爆発的な一撃を生み出すのは、同じく炎に包まれた彼の脚だった。神速かくやと踏み込みと、そこから生み出される抜刀術は死神の身体を断ち切り、無へと帰していく。
「はぁっ!!」
 負けじと放たれる一撃は朔夜による渾身の蹴りだった。闘気をまとった蹴打は死神の鱗を切り裂き、宙を泳ぐ魚体を吹き飛ばす。大木の幹に叩き付けられたそれに肉薄するのは、ヴォルフによる暗殺術だった。
「何処まで逃げてくれますか?」
 気狂いの暗殺の意を持つ技は、死神の命を在るべき場所へ誘う。すなわち、黄泉路へと。死を司る異邦者には、死の刻印こそが相応しいと、ヴォルフは冷たい視線で最期を贈る。それが葬送だと言わんばかりに。
 ディフェンダーの恩恵だろう。互いに庇い合う死神達はしぶとかった。だが、それでもケルベロス達の猛攻を凌ぎ切る事は出来なかった。
 やがて番犬の牙は三体目をも駆逐するだろう。死神達の最期は時間の問題だった。
 だが。
「――サイガさん?!」
 朝希の悲鳴にも似た叫びが夜闇を切り裂く。その眼前に広がる光景はアリア騎士の牙によって、深く脇腹を抉られるサイガの姿だった。
 仲間達が死神を屠る間、アリア騎士を引き付けておく。サイガの選択は間違っていなかった。彼の騎士を放置していれば、今のような快勝は難しかっただろう。
 だが、その代償は安くなかった。変異強化されたアリア騎士の攻撃を一身に受け続けた彼は、ディフェンダーの恩恵を得てもなお、深い傷を負わせられていた。度重なる朝希のヒールは立ちはだかる力を彼に注いでいた。だが、今、彼が負った傷に対して、治癒は回復の体を為していない。
「……迷わねぇ」
 それでも、サイガは立ち塞がる。己の任務をアリア騎士の抑止力と決めた。それを違えるつもりなどないと四肢に力を込め、装甲のような外骨格にチェーンソーの一撃を叩き込む。
 がりがりと削れる音と、闇夜に広がる火花が辺りを明るく染め上げた。しかし、その一撃を以っても、アリア騎士は倒れない。複眼は自身を襲う悪鬼への復讐に燃え、蟻の筋力から生み出された跳躍は、飛び蹴りとしてサイガの身体を襲う。
 ぐしゃりと肉の潰れる音が響いた。
「戦っているのはこいつだけじゃねぇぞ?」
 蹴りを止めたのは、横合いから差し出された右手だった。腕をぐちゃぐちゃにしながらも、その主であるアギトは不敵に笑う。
 破壊された腕は即座に戦いの紋様がその傷を癒し、血肉を補っていく。ダメージは大きかったが、アギトもまた歴戦の勇者である。ダメージは大きくとも、蟻の一撃如きで戦意消失する筈が無かった。
 アリア騎士の触角がピクリと揺れる。人間であれば眉をひそめたか、それとも鬱陶し気な視線を送った、と言うところだろうか。いずれにせよ、ケルベロス達に対して嫌気とも警戒とも取れる感情を抱いた事は想像に難くない。
 だが、瀕死の死神にとっては違ったようだ。アリア騎士によって追い込まれたサイガの存在を勝機と捉え、彼に牙を突き立てんと飛来する。――有り体に言えば、その目にはサイガしか映っていなかった。
 「全てを攫う風の如く」
 故に、シルクの追撃から反応が遅れた。最大出力のブースターにより生み出された推進力は夜闇を裂き、彼女の手に抱くゲシュタルトグレイブの切っ先を死神に届ける。さながら、ランスチャージの如き吶喊だった。
 深々と槍が死神の身体を貫く。神経系統、あるいは行動の要となる要所を破壊されたのか、死神の動きが止まった。
「これがお前達の終焉だ」
 宣言と同時に薙がれた郁の光剣は死神の身体を両断する。消滅の間際、死神が出来た事は断末魔の悲鳴を上げる事だけだった。
「――ァアアアアアッ」
 その声に呼応し、アリア騎士から破壊音波が零れる。別れの言葉の如き旋律は、死神を仲間と捉えているが故か。それとも意にすら介していないのかもしれない。自身を死の安寧から無理矢理起こした彼らを仲間と意識しているのか否か。ケルベロス達は推し量る事しか出来ない。
「もう、眠れよ」
 表情を悲哀に染めたサイガは蒼き炎と化した地獄をアリア騎士に叩き込む。今まで渡り合った好敵手である彼は確かに強い。だが、ここに集うケルベロス達もそれは同様だ。彼を守るべく存在した死神達が死した今、彼に勝機はない。
 サイガの一撃が皮切りとなった。
 闇夜を切り裂くナイフが、弱体化光線が、無数の砲弾が、ブラックスライムの牙がその身体を削り、蝕んでいく。
 如何に蘇った騎士と言えど、吹き荒れる暴風のような暴力に耐えられる術はなかった。
「死んだなら死ぬべきだ」
 アギトの降魔の一撃はその身体を砕き。
「お前がこれ以上戦う必要はない。……もう、休め」
 宗玄が掛けた言葉は優しいすらと思えるものだった。合わせて煌く抜刀が、まるで死神の鎌の如く、アリア騎士の命を摘み取る。
 どぅっと倒れたそれは二度三度、痙攣すると、その動きを止めるのだった。

●終局は儚く
 さらさらと砂のように崩れていく。死を迎え、光の粒と化していく騎士が最期に抱く気持ちは何なのだろうか。
(「知性を失ってる……と言っても、なぁ」)
 もしも未練があるなら一つだろうと、朔夜は最期を迎える彼に告げる。
「アリア一族はとりあえず無事だ。今は安心して眠ってくれ」
 ぶっきらぼうな物言いは、マイペースな彼女そのもの。
 それが騎士に救いをもたらしたかはわからない。だが、消失の間際、アリア騎士に浮かんでいた表情が苦悶で無かった事が、語りかけの意味を告げているようでもあった。
 ふと視線を巡らせると、既にヴォルフの影はなかった。戦いを終え、戦場そのものに興味を逸したのだろう。闇の森に溶け込んで消えた同族の二つ名を思い返し、仕方ないな、と呟く。
「さて、帰りましょうか」
 傷めた木々にヒールを施したシルクが呼びかけ、朝希がコクリと頷く。サイガや郁が瞬間、目を閉じていたのは、消えゆく騎士に黙祷を捧げていたからだろうか。
「アギト?」
 騎士の最期を悼む仲間と違い、空を睨む彼の姿に、いぶかしげに声を上げたのは宗玄だった。彼のサングラス越しの瞳は、まるで射貫くように闇の奥――虚空へ向けられている。そこに仇敵がいるかのように。
 だが、視線の先には何もない。ヘリオライダーの予知と配下である死神の動き以外、その存在を示す痕跡は残っていないのだ。
「ネクロム……」
 眠る死者を、そして残された生者の感情を弄ぶ忌まわしき存在の名を、アギトが口にする。彼の者に終焉を与えなければこのような悲劇は繰り返される一方だ。そして決着の時はそう遠くない未来に実現する、そんな予感はあった。

 闇に染まる森をケルベロス達は歩いていく。
 七つの影は言葉を交わさず、だが、信頼の色をその瞳に湛えて。
 蟻は孤独に終わり、そしてまた、孤独な終焉を迎えた。
 だが、ケルベロス達は一人ではない。その団結が、死神の野望を打ち砕き、歪んだ生に終止符を打った。それは、彼らが孤独ではない、と言う証でもあった。

作者:秋月きり 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年1月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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