●嚆矢濫觴
月明かりが静かに闇を照らしている。
初春の空、そよぐ風、またたく星、穏やかな夜。
けれど不意に、それは訪れた。
湖面に落ちる青白い光。
それは幾つか連なり、ゆらゆらと漂う光で水の上に軌跡を描いていく。
光を引き連れて現れたのは、シスター姿の死神『因縁を喰らうネクロム』。
「この場所にも、ケルベロスとデウスエクスの戦いの縁が結ばれていたようね」
ネクロムは微笑みを浮かべて、湖面の上を浮遊する3つの光を見つめた。
「あなた達、今回は彼を回収してくださいな。素敵なことが起こりそうだもの」
湖面の上で光が瞬く。その光は、怪魚型の死神。
そして此処は琵琶湖、過日の戦いで植物迷宮が在った場所だ。
怪魚達はネクロムが指差した水の上を、くるくると浮遊する。
「そう、其処ね」
自由気侭に泳ぎまわっているように見えた怪魚達が、規則的に円を描いて泳ぎはじめた。すると其処に何時の間にか、怪魚が放つのと同じ色の光で描かれた魔法陣が浮かび上がる。
「ケルベロスに殺される瞬間の感情……因縁……ふふ、そうよ、その螺旋忍者よ」
恍惚とした声を残して、ネクロムは消え去っていた。
怪魚達は浮遊し続ける。魔法陣は次第に明るさを増していく。
その中心に、眩い光の柱が立ち昇った。
怪魚達による召喚。
乱される静謐。
眠りに沈んでいた魂がひとつ、サルベージされる。
喚び起こされた魂は、今ふたたび目覚め、光の陣から一歩踏み出した。
ぼさぼさの黒髪が顔面に掛かる忍びの姿をした者。髪の間から覗く顔は、無数の皹が入った仮面に覆われており、右眼だけがぎょろりと覗いていた。
右腕の掌に在る目玉は赤く血走り、そこから伸びた植物の蔓も赤黒く変色している。
指先の長い爪をカチリと鳴らして、感情の欠片も浮かばぬ右眼が虚空を見つめていた。
怪魚達に先導され、かつての螺旋忍者は歩き出す。
隙の無い獣のようなしなやかな動き、その気配に、理性は感じられない。
●『予知』
滋賀県琵琶湖で、死神の活動が確認された。
「『因縁を喰らうネクロム』が動きました。怪魚型死神に『ケルベロスによって殺されたデウスエクスの残滓を集め、その残滓に死神の力を注いで変異強化した上でサルベージし、戦力として持ち帰る』ように命じている死神です」
凌霄・イサク(花篝のヘリオライダー・en0186)が、はっきりと告げる。
「ネクロムは、先日琵琶湖の植物迷宮にて撃破された螺旋忍軍の『濫觴』を持ち帰ろうとしています」
「これが、本当の意味での始まり……ざんし」
椏古鵺・笙月(黄昏ト蒼ノ銀晶麗龍・e00768)は思案な表情で呟く。
濫觴――始まりを意味する名を持つ、笙月の宿敵。
「ネクロムのサルベージ作戦を阻止する為、至急現地へ向かって下さいませ」
そう言ってヘリオライダーは、番犬たる貴方達を見渡した。
「場所は、濫觴が倒れた場所……琵琶湖です。植物迷宮は既に在りませんが、そのポイントにて召喚されます。怪魚型死神によって湖の上から陸へ誘導されますので、そこで戦う事になるでしょう」
植物迷宮に突入した方角、琵琶湖北西の路上付近で交戦することになる。
時間帯は深夜。国道の外灯と、怪魚そのものが発光する為、それなりの明るさがある。
「彼は、既に撃破された存在です。死神によってサルベージされた『今回の濫觴』に、知性はありません。螺旋忍者として、デウスエクスとして、力を変異させられ召喚されたものとなります。攻性植物は赤黒く変異しており、右手の『バシリスクの瞳』も赤く血走り攻撃能力が変化しているようです」
それから、このタイプの事件を多々起こしている『怪魚型死神』が3体、彼の配下となっている。敵は計4体。
「カンギの次はネクロム……濫觴……木偶人形と化したざんしか」
笙月は目を眇め、小さく息を吐いた。
「おう。死神の勝手にはさせへん。俺も一緒に行くで」
真喜志・脩(星・en0045)が、尾でべしんと床をはたいた。
イサクは一礼すると、貴方達をヘリポートへと導く。
「――それでは、現地へご案内致しましょう、ケルベロス様」
参加者 | |
---|---|
椏古鵺・笙月(黄昏ト蒼ノ銀晶麗龍・e00768) |
エフイー・ゼノ(希望と絶望を司る機人・e08092) |
ルリカ・ラディウス(破嬢・e11150) |
ジェミ・ニア(星喰・e23256) |
死屍・骸(光のカデンツァ・e24040) |
ヒストリア・レーヴン(鳥籠の騎士・e24846) |
櫂・叔牙(鋼翼骸牙・e25222) |
シトラス・エイルノート(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e25869) |
「なんの因果ざんしかね?」
(「かつて死神に仕えていた奴が、別の死神にサルベージされるとは……」)
――と言っても、今の濫觴は既に奴ではない。憐れな木偶人形ざんしヨ。
――濫觴、だったモノ、……声を掛けた所で、私が誰か分かるまい。
(「それに”彼奴”のことだ、他人の手に堕ちた奴のことなど……」)
椏古鵺・笙月(黄昏ト蒼ノ銀晶麗龍・e00768)は闇夜に眼を凝らした。
琵琶湖から青白い光が近づいて来る。
国道161号西近江路、ケルベロス達は敵を迎え撃つ。
三つの光が先導し、濫觴が国道へと辿り着く。獣じみたその姿は以前の面影を残しながらも、矢張り既に別の存在であるのだと感じられる。
「さて、一度倒した相手ですが……ええ、今度も叩き潰してあげましょうか」
シトラス・エイルノート(ヴァルキュリアの鹵獲術士・e25869)は柔和に笑んだ。
過日に植物迷宮の中で濫觴と対峙した時と同じ表情だ。
敵の様子は変わり果ててしまったけれど。
●月夜
「死してなお死神に操られるとは哀れな。もう一度殺し直して今度こそ見取ってやろう」
ヒストリア・レーヴン(鳥籠の騎士・e24846)がライトで国道周辺を照らす。
仲間達が用意したそれぞれの照明を合わせれば、辺り一帯の明るさが増した。
真っ向から来る死神達自体が発する光と共に戦場を照らして、視界の明度は十分。
「憐れね、無残ね、無様ね。……死してなお利用され、使役され、使い捨てられる動く屍」
死屍・骸(光のカデンツァ・e24040)が歌うように紡いで、青い瞳に敵の姿を映す。
濫觴は国道に到達した。
「眠っていた、所……叩き起こされ。さぞ、ご不快でしょう」
櫂・叔牙(鋼翼骸牙・e25222)は敵を見据えながら、周囲にケミカルライトを撒く。
「また面倒なのサルベージしてくれちゃって。さっさと元のあるべき場所にお帰りいただかないとね」
ルリカ・ラディウス(破嬢・e11150)は濫觴の姿を見て、少しだけ眉を顰めた。
――もし、ルリカの宿敵が、このように死神によってふたたび召喚されたら……。
(「考えただけで身震いかも。わりと他人事じゃないわ、この事件」)
ルリカは軽く頭を振って思考を切り替えた。
立ち塞がるケルベロス達を敵とみなした死神が、攻撃を開始する。
濫觴は右腕を掲げた。
その掌にある目玉のようなモノがぎょろりと蠢き、赤い光を放った。光は刃となってケルベロス達を斬り付ける。威力よりは呪的防御を砕く力を備えている事が鬱陶しい。怪魚が宙を泳いで接近し、ヒストリアと叔牙に噛みついた。別の怪魚が怨霊弾を撃ち、後列に毒を与える。
「では……ちらちらと鬱陶しい死神から片付けて行くとしましょう」
シトラスの旋刃脚が怪魚の1体を捉えて、急所を貫く。
笙月のゲイボルグ投擲法が怪魚達を狙う。分裂した槍が降り注いで、怪魚達は右へ左へと泳ぎ回る。
「既に私の間合いだ……逃げれば「断つ」逃げぬならば「斬る」」
エフイー・ゼノ(希望と絶望を司る機人・e08092)は赤いオーラを纏いながらフォトンエネルギーを武装に集中させる。放つのはどこまでも敵を追尾する一撃、紅光の転輪剣(ソニックアスカロン)。
膨大な光が怪魚を包む。
ジェミ・ニア(星喰・e23256)のケルベロスチェインが守護の魔法陣を描く。
(「戦うほど、因縁を利用されていくのかな」)
元々あった因縁。
戦うことで新たに紡がれる因縁。
それは、終わり無く続くようにも思える。この世に戦いがある限り。
バイザーグラスで覆う目元から、ジェミの表情は窺えない。
敵と仲間の動きを常に把握し、今日の戦いについてはサポートに徹する構えだ。
「花よ! 力を」
ルリカの声と共に、真紅の花びらのようなオーラが敵の動きを麻痺させる。
超・散華の力で怪魚の動きが鈍った隙に、ヒストリアの呪歌が奏でられる。
「耳を澄ませ心を透かせ――語り部は静かに」
意味を成さない言葉で綴られる旋律は限りなく透明で、昂ぶりを鎮め、その矛先は鋭さを増す。明星の調べ(メヌエット)。
「もう一度、眠りに……お就きなさい」
叔牙は螺旋氷縛波を放つ。狙いは濫觴、氷結の螺旋が斬撃と共に敵を凍り付かせた。
骸のスターゲイザーが炸裂して怪魚の機動力を奪う。
真喜志・脩(星・en0045)はブラッドスターを奏でて戦う者達を癒してゆく。
「笙ちゃん! ゼノさん! この常闇の堕天使リーズレットがサポートに来たぞー!」
得意気に肉球グローブを填めて身長差を埋める為に背伸びをしたリーズレットが、笙月とエフイーを肉球ぷにぃっとして回復していく。
「二人とも、これで大丈夫だ!! がーーんばってねっ☆」
「あっ……」
一瞬止めようかと考えたベルフェゴールがジト眼でそれを見守った。
リズがはしゃぎすぎたら止める役は自分だと思っているベルフェゴールも、笙月の力になる為に来たのだ。
「リーズレット……来てくれたのか? すまない、背中は任せる」
エフイーは恋人の参戦に心強さを感じると同時に、背後の存在を守る為にも武器を持つ手に力が籠もった。
●傀儡
「本当にもう何も判らぬ……憐れな木偶人形ざんしな?」
笙月の藍の瞳が濫觴を見据えるも、彼の言葉は返らない。
ただ獣じみた動きで反応して、攻撃を繰り出した。
理力で編み上げた魔法の矢が真っ直ぐに放たれる。
素早く動いた叔牙によって、矢の攻撃は肩代わりされた。
「そう、簡単には……僕の、後に……攻撃は……通さない……!」
矢は光となり、魔法の力となって、叔牙の身体を捕縛してゆく。
怪魚の一匹は泳ぎ回って自己回復を施し、他の二体が怨霊弾を放つ。
毒の魔法が前列と後列に散布される。
「斬り刻む? 串刺しとする? 粉々に砕きます? いいえ、貴方の存在を虚無へと誘いましょう」
シトラスは地の底へと落とされた魔王を召喚する。その根底に沈み込んだ闇を解き放ち虚無へと誘い込む。怪魚の一体が、宙でびくりと仰け反った。
その怪魚をエフイーが狙う。破鎧衝の強烈な一撃は、構造的弱点を突いて敵を破壊した。
怪魚は静かに路上へと落ちる。
笙月の戦術超鋼拳が別の怪魚を拳で打ち、装甲を砕く。
ケルベロス達は連携して攻撃を怪魚へと集中させ、各個撃破を狙った。
ジェミのマインドシールドが叔牙の前に光の盾を創り出す。
ルリカの精霊魔法。吹雪の形をした氷河期の精霊を召喚し、怪魚達を氷に閉ざした。
続くカラフルな爆発はヒストリアのブレイブマイン。爆風が味方の士気を高めていく。
ウイングキャット『リィク』もヒストリアと連携して、清浄の翼で皆に癒しを与える。
「射線、確認。照準固定終了……そこ、頂いた……!」
叔牙は焼夷弾頭ミサイルを一斉発射する。敵の怪魚達に炎を撒き散らす対集団兵装、焼夷誘導弾(インフェルノミサイル)。
骸が竜語魔法ドラゴニックミラージュによって、掌からドラゴンの幻影を放つ。炎が怪魚を焼き捨てる。二体の怪魚は濫觴を守るように泳いでいた。ディフェンダーのようだ。
濫觴の爪撃がエフイーを狙って振り落とされる。
今度はヒストリアが攻撃から守った。鎧を纏う少年騎士は、細い身体に強い意志と誇りを秘めて敵と向かい合う。敵の爪が与える痛みにも毅然として耐えた。
「大丈夫だ……先に怪魚を」
作戦は変更無し。このまま怪魚を落として濫觴に集中するのが良いだろう。
怪魚は泳ぎ回って叔牙とルリカに噛みついた。怪魚の攻撃は濫觴の一撃ほどの威力はないものの、小賢しく動き回ってケルベロス達を消耗させてくる。
シトラスの如意直突きが怪魚の一体を捉えた。
ジェミのDevour(ディバウア)、影の中から発生した漆黒の矢が尾を引き敵を射抜く。
撃たれた怪魚がゆっくりと地に落ちる。これで2体目の怪魚を撃破。
笙月の螺旋氷縛波がまだ動いている怪魚を貫く。
一瞬怯む怪魚に、エフイーが気咬弾を喰らわせる。
ルリカは古代語の詠唱と共に魔法の光線を放ち、怪魚の一部を石化させた。
「……今だよ!」
ルリカの声を合図に、ヒストリアはハンマーを砲撃形態に変形させる。
轟竜砲。撃ち放たれた破壊の力が、三体目の怪魚の身体を粉微塵に砕いた。
これで怪魚は全て撃破。しかし濫觴ははじめから死神達の存在など意に介さず、次の攻撃モーションへと移っていく。
叔牙は螺旋の軌跡を描く手裏剣を放つ。手裏剣は螺旋力を帯び濫觴の武装を破壊する。
「さあ、憐れな屍さん。貴方の物語は此処でおしまい」
骸のレゾナンスグリードが、濫觴の片足を捕縛してゆく。
「同情はしないけれど、安らぎの中へ連れて行ってあげるわ」
脩はふたたびブラッドスターを奏でた。戦う者達を癒すのは、生きる事の罪を肯定するメッセージ。リィクも清浄の翼で仲間達を援護する。
●贖罪
濫觴が右腕を差し向ける。
掌の目玉はぎょろりと蠢いて、まるでケルベロス達を見ているようだ。
目玉から赤い刃の光が放たれる。
「バシリスクの瞳……」
笙月の熾炎業炎砲。半透明の御業は炎弾を放ち、濫觴の右腕を焼いた。
シトラスの召喚した魔王が闇を解き放ち、敵の生命活動を虚無へと誘う。
「グ……ガァ……、……」
濫觴は忌々しげに呻いて暴れた。
「効いているようだ」
シトラスの攻撃が有効と見たエフイーも、理力のグラビティを繰り出す。
紅光の転輪剣、赤いオーラを纏いながら放つフォトンエネルギー。その一撃は、濫觴をどこまでもどこまでも追尾する。
ルリカも超・散華で敵の動きを鈍らせる。敵は花びらのようなオーラに包まれた。
「せめて、華の中で永遠に眠るといいよ、今度こそね」
ジェミのメタリックバーストが光輝くオウガ粒子を放出、仲間達の超感覚を覚醒させる。
バイザーグラス越しの視線は、濫觴を、そして彼を宿敵とする笙月を見守る。
ヒストリアの明星の調べは、笙月達を癒し、矛先の鋭さを増して狙いを高める。
「濫觴は笙月殿と因縁があったか」
サポートするぞ、とヒストリアが声を掛ける。
叔牙のグラインドファイアが濫觴を捉えた。
炎を纏った激しい蹴りが、敵を追い詰める。
「逃がさないよ! 臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前 ……螺旋よ踊れ!」
舞華の螺旋喰いの力が、濫觴の動きを一瞬封じる。笙月とは義理の姉弟だ。
リーズレットとベルフェゴールも回復を支援する。
骸の跳び蹴りは流星の煌めきと重力を宿して炸裂した。
「おやすみなさい、次の目覚めは……あるのかしら」
濫觴の身体がぐらりと傾く。
(「本来、死を迎えた者は天であろうが地であろうが人であろうが、同じ理のもとに御霊は還るとされている……所謂転生輪廻というやつざんしな」)
「これで、終わりざんしな……」
笙月は、降魔術式『陰陽』を紡ぐ。
(「だが、荒魂となったモノはそのまま贖罪の期すら逃し無に帰する。つまり転生成り得ない。時に、贖罪の期を得ても改心が見込めなければ、結局は抹消対象となり転生が出来ないらしい……」)
「天と人と地の理……総じて環の理なり。かくありき汝が御霊荒魂候」
螺旋の力で濫觴の動きを封じ、そのグラビティを喰らう。
真っ直ぐに己の宿敵を見据える笙月の口元に、微かな笑みが浮かんだ。
「――課されるはずの贖罪、私が与えてやろう」
(「これで、復讐と新たな力が得られて、一石二鳥……ざんしな」)
降魔術式『陰陽』が完成する。
「……いま一度眠れ、濫觴!」
濫觴は、膨大な術式の力に飲み込まれた。
「ガ……ァァアアア!!」
螺旋の力とグラビティの渦の中、かつての螺旋忍者は全ての力を失って消え去った。
●終幕
「自分の、意思で。戦ったなら、兎も角……死後にまで、戦わされるのは……ある意味、哀れですね……」
叔牙はぽつりと零した。
戦場に残った戦いの痕跡を、ヒールで修復したケルベロス達。
頭上には未だ明るい月。空は東の方角から白みはじめている。
ネクロムが探し求めては揺り動かす『戦いの因縁』、そのひとつがまた終わった。
「別の物語が、別の場所で、またきっとはじまるのだわ」
骸は琵琶湖を見つめて青い瞳をぱちりと瞬きした。
(「死神……」)
戦いの傷跡を利用して、戦力を得ようとする許しがたい存在。
ジェミはバイザーグラスの奥で眼を細めた。
(「戦いを汚す行為……」)
何度出会しても、必ず阻止するだろう。地獄の番犬たちが。
「お疲れさんや。……帰ろ?」
脩が明るく声をかけた。
「お疲れさま」
ベルフェゴールが笙月に声を掛けると、笙月の表情に笑みが戻る。
戦いの緊張感が徐々に抜けて、終わったのだという実感に変わっていく。
「さて……帰ろうか、リーズレット」
エフイーはリーズレットの手を握り、歩き出した。
静かな琵琶湖を眺めながら、それぞれが帰路につく。
濫觴を巡る因縁の物語は、これにて幕引きとなった。
作者:藤宮忍 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2017年3月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 0
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