クリスマスイブの早朝。
翔太は自室の窓を開けると、ベランダに出て空を見上げた。
まだ皆寝静まっている時間。12月の夜明けは遅く、外はまだ暗い。
翔太は凍える指に息を吐きかけると、空に向かって祈りを捧げた。
「サンタさん、サンタさん! 僕は変身ベルトが欲しいです!」
祈る翔太の視界の端で、朝日が昇る。
眩しい光を背に、翔太の元へ一直線に寄って来る影があった。
目をこらすと、どう見てもサンタさんだ。
サンタがトナカイに騎乗して、こっちへ来ている。
目を丸くする翔太に邪悪な笑みを浮かべた超合金サンタは、袋からプレゼントの箱を取り出すと翔太へと投げつけた。
●
「VRゲーム機型のダモクレスの事件をご存じの方も多いかと思います。これは侵略型超巨大ダモクレス『ゴッドサンタ』復活の予兆であったことが判明しました」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は集まったケルベロス達を見渡すと、説明を続けた。
「VRゲーム機型ダモクレスは、ゴッドサンタの配下によって少し早いクリスマスプレゼントとして、子供たちに届けられたもののようです。『ゴッドサンタ』はクリスマスを楽しみにする人々を血祭りに上げることで、自らが復活するグラビティ・チェインを得ようと動き出したのです」
襲撃が発生するのは、12月24日の午前中。
この襲撃が成功し、グラビティ・チェインがゴッドサンタの元に集まれば、クリスマスの夜にゴッドサンタが完全復活し、世界に大破壊を招く事になってしまうだろう。
「クリスマスの惨事を阻止する為に、皆さんの力をお貸しください」
『ゴッドサンタ』の配下として実際に襲撃を行うのは、『ヴィクトリーサンタ』と『ヴァンガードレイン』という2体ひと組の量産型ダモクレス。
彼らは12月24日の早朝に日本各地に一斉に現れ、クリスマスを楽しみにしている人々を襲ってグラビティ・チェインを奪い取ろうとしているのだ。
翔太は郊外の一軒家に住む、五歳の少年。
二階にある自室のベランダで、サンタを待っているところを襲撃されてしまう。
サンタは子供のいる家を適当に物色している最中。
翔太よりも先にサンタたちの気を引くことができれば、護ることはできる。
ヴァンガードレインは角から放つ電撃攻撃を主にしてくる。
ポジションはクラッシャー。
ヴィクトリーサンタはプレゼント爆弾を投げる攻撃をしてくる。
プレゼントは回復グラビティを兼ねるものもあるようだ。
ポジションはクラッシャー。
「サンタを信じて心待ちにしている少年の気持ちを踏みにじってグラビティ・チェインを奪うなんて、許せません。後の被害を阻止するためにも、偽りのサンタとトナカイはここで倒してしまってください」
セリカはケルベロス達を元気づけるようににっこり笑うと、湯気のたつマグカップを差し出した。
参加者 | |
---|---|
カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366) |
深月・雨音(夜行性小熊猫・e00887) |
トエル・レッドシャトー(茨の器・e01524) |
ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584) |
ヴィヴィアン・ローゼット(色彩の聖歌・e02608) |
グレイン・シュリーフェン(森狼・e02868) |
サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957) |
ホルン・ミースィア(見た目は巨神っ頭脳は子供・e26914) |
夜明け前。
一軒の住宅の庭に飾られた電飾が、雪だるまのオブジェにカラフルな灯りを落としていた。
ドアにはリースが飾られ、二階の窓辺にはクリスマスツリー。
早朝散歩に出ていた近所のご老人にしばらく近寄らないよう声を掛けたトエル・レッドシャトー(茨の器・e01524)は、いかにも子供がいそうな家を見上げながら手に白い息を吐きかけた。
同時に隠密気流を発動。闇に紛れるように姿を隠したトエルは、庭に面した部屋の陰に身を潜めた。
ケルベロス達が息を潜めて見守る中、ホルン・ミースィア(見た目は巨神っ頭脳は子供・e26914)はベランダへと移動した。
身を切るような寒さに首を竦めたホルンは、ランプをベランダの手すりへ置くとウイングキャットのルナをぎゅっと抱き締めた。
「寒いから……ルナ。ギュッとさせてね?」
呟いたホルンは、空を見上げた。
夜明けが近い空は不思議な色に輝き、不思議な形をした雲が静かになびいている。
「クリスマスだし、もしかしたら本物のサンタさん通りかかるかも?」
呟いたホルンの視界に、赤い影が横切った。
トナカイに騎乗したサンタクロースが物色するように地上を見下ろし、見上げるホルンと目が合った。
妙に鋭角なフォルムのサンタクロース――ヴィクトリーサンタは邪悪に笑うと、担いだ袋から赤いプレゼントボックスを取り出した。
「メリークリスマス!」
投げつけられるプレゼント・ボムが、大きな音を立てながら爆発する。
もうもうと立ち上る爆風を裂いて、光が放たれた。
「ザ・ソウルコンダクターッ!」
鎧装を纏って飛び出したホルンは、手にしたゲシュタルトグレイブを繰り出すと稲妻の一撃を放った。
予想だにしない攻撃に驚いたヴィクトリーサンタに、トエルのRosalesが真っ直ぐに伸びた。
咄嗟に防御したヴィクトリーサンタの腕に絡みついたストラグルヴァインを、一気に手繰り寄せる。
不意を打たれたヴィクトリーサンタが地上に落下し、サンタクロースに似つかわしくない金属音が響く。
重量物を落としたかのような音に、トエルは小さくため息をついた。
「こういうの、ええと……確か、こう言うんですよね。「コレジャナイ」……と」
トエルはふと首を傾げると、隣にいる深月・雨音(夜行性小熊猫・e00887)を振り返った。
「言葉の使い方、間違ってますか?」
「間違ってないにゃ。こんなのちっともサンタっぽくないにゃ! 偽物にゃ!」
「HAHAHA! タヌキのお嬢さん、メリークリスマス!」
体を起こしたヴィクトリーサンタに、雨音は尻尾を膨らませた。
「雨音は、レッサーパンダにゃ!」
怒りに満ちた目でヴィクトリーサンタを睨みつけた雨音は、大きく口を開くとハウリングを放った。
怒りに満ちた咆哮が、ヴィクトリーサンタとヴァンガードレインに直撃する。
音波に頭を振ったヴァンガードレインは、角の間に電撃を孕ませた。
電撃が雨音に向けて勢いよく放たれ、バチバチと音を立てる電撃の球が雨音に迫る。
「危ない!」
電撃球が雨音に直撃する直前、サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)が割って入った。
両腕を目の前で交差させて攻撃を受け切ったサロメは、くらくらする頭を一つ振って切り替えた。
思いのほか深いダメージをおくびにも出さず振り返ったサロメは、まだ尻尾を大きく膨らませる雨音に微笑んだ。
「お嬢さん、怪我はないかい?」
「大丈夫にゃ! サロメこそ大丈夫かにゃ?」
「勿論。お嬢さんを守りきれた、名誉の負傷だよ」
王子様のように笑みを浮かべたサロメの周囲に、桃色の霧が浮かんだ。
ヴィヴィアン・ローゼット(色彩の聖歌・e02608)が放つサキュバスミストがサロメを包み込み、痺れた手を癒していく。
同時に、ホルンのウイングキャット・ルナが清浄の翼でサロメを癒していく。
「クリスマスはみんなが楽しみにしてるんだもの、血に染まるなんて絶対ダメ!」
決意を新たにするヴィヴィアンの隣で、カタリーナ・ラーズグリーズ(偽りの機械人形・e00366)は小さくあくびをかみ殺した。
「寒い……眠い……。さっさと片付けて、あの人の下に帰りたいな」
自分の腕をさするカタリーナは、大きく白い息を吐くと姿が消えた。
ゲシュタルトグレイブを構えたカタリーナは、竜巻のように回転するとヴィクトリーサンタとヴァンガードレインを巻き込んだ鋭い攻撃を叩きつける。
元の場所に戻ったカタリーナに、ヴィクトリーサンタは貼りついたような笑みを浮かべた。
「サンタクロースが、永遠の夢を届けに来たよぉ!」
「何が夢だ!」
怒りと共にサークリットチェインを解き放ったグレイン・シュリーフェン(森狼・e02868)は、描く魔法陣で前衛に盾の加護を与えた。
癒しの力を得て武器を構える仲間に頷いたグレインは、バトルオーラを纏わせた指を突きつけた。
「子供たちの楽しいクリスマス、守ってみせるぜ!」
「翔太様やわたくしの姫様を始め……プレゼントを心待ちにするお子様の夢を利用するなど……!」
ヴィクトリーサンタのやりくちに怒りを覚えたミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)は、サキュバスミストをホルンへと放った。
プレゼント爆弾の直撃で傷ついた鎧装が、ピンク色の霧で癒されていく。
「あなたは、絶対に許しません!」
ホルンの傷が癒えたのを確認したミルフィが決意を新たにした時、軽い足音が響いた。
●
「サンタさんだあ……!」
パジャマ姿にコートを羽織った翔太は、目を大きく見開かせながらヴィクトリーサンタの姿に歓声を上げた。
ベランダでいち早く騒ぎに気付いた翔太に続いて、近所に住む人々が集まって来た。
「なんだなんだ? ガス爆発?」
「うお、サンタがいる!」
サウンドシャッターが展開されていない中でのプレゼント爆弾破裂は、一般人の注意を引きつけ様子を見させるには十分な音だったのだ。
口々に無責任なことを言いながら集まって来る一般人を見たヴィクトリーサンタは、翔太の姿に目を止めるとにやあと笑った。
「メリークリスマス!」
「危ない!」
プレゼントを手にタックルを仕掛けるヴィクトリーサンタの前に、ホルンが立ちはだかった。
大きな鎧装でプレゼントタックルを受け切ったホルンは、硬直して動けない翔太を振り返った。
「ここは危ないから、早く逃げてね!」
「え、え、サンタさん……?」
まだうまく事態を飲み込めない翔太に、ヴァンガードレインは雷撃を湛えた。
集まって来る一般人に向けて雷電が放たれる寸前、サロメはマイクを振り上げた。
「ここから先は私のステージ。余所見なんてさせないよ」
グラビティの込められた歌がヴァンガードレインの耳を直撃し、何事かと顔を向けた瞬間雷撃が放たれた。
一般人を焼き払う広範囲のイルミネーション雷撃が前衛に放たれ、麻痺を含んだ雷がサロメたちを巻き込んだ。
迫り来るイルミネーション雷撃からトエルを守ろうと、テレビウムのステイが飛び出し守る。
ヴァンガードレインの雷撃に、野次馬で出てきた人々は顔色を変えた。
「いやあいつ、サンタなんかじゃないぞ!」
「あなた達、もしかしてケルベロス?」
ようやく事態を飲み込みはじめ、パニックに陥りかける一般人を振り返ったトエルは、集まってきた一般人の中にさっきの老人を見て叫んだ。
「おじいさん! 皆を避難させて!」
「わ、わかった! 皆、危ないから避難するんじゃ!」
頷いた老人を確認したトエルは、ヴィクトリーサンタに向けてRosalesを解き放った。
ハエトリグサのような姿の攻性植物の攻撃を受けたヴィクトリーサンタは、それでも足を止めない。
タックルの勢いそのままに、立ちすくむ翔太に迫った。
「HAHAHA! サンタだよぉ!」
「危険なプレゼントを送り付ける様なサンタなど……願い下げですわね……!」
走るヴィクトリーサンタを足止めするように、ミルフィはアームドクロックワークスの主砲を一斉に解放した。
背中に弾丸を受けたヴィクトリーサンタは、なおも足を緩めない。
ヴィクトリーサンタを逃がさないように包囲していたグレインは、ヴィクトリーサンタの前に立ちはだかった。
「はあっ!」
カウンターのように叩き込まれた螺旋掌が、ヴィクトリーサンタの内部で爆発を起こす。
尻餅をついたヴィクトリーサンタに、グレインは拳を突きつけた。
「随分と過激なプレゼントだな、そいつは刺激が過ぎるぜ」
「悪い事をするデウスエクス、滅すべしにゃ!」
リボルバー銃を構えた雨音の手から放たれた弾丸が、跳弾となってヴィクトリーサンタへと突き刺さる。
ぐらりよろけたヴィクトリーサンタに、稲妻が奔った。
「もう、お前の攻撃は見飽きたよ、そろそろ眠るといい。機械仕掛けの赤ダルマ」
カタリーナの光輝くゲシュタルトグレイブから放たれる突きがヴィクトリーサンタを深々と貫き、同時に放たれたクロクルのボクスアタックが傷を広げるように突き刺さる。
主従の連撃に、肩口から複雑な機械回路が露出した。
「メメリークククリスマス! メメリークリスマススス!」
狂ったように繰り返すヴィクトリーサンタに、カタリーナは眉をひそめた。
サンタクロースは、子供たちに夢とプレゼントを贈るクリスマスの使者のはずだが、今のヴィクトリーサンタにはそのかけらさえ見ることはできない。
「幸せなクリスマスを守るため、頑張らなきゃ」
拳をギュッと握ったヴィヴィアンは、黄金の果実を前衛に解き放った。
主人に呼応したコネリーは、ホルンの傷を属性インストールで癒した。
●
肩からバチバチと電気火花を飛ばすヴィクトリーサンタは、逃げ遅れた翔太をギラリと睨んだ。
「ゴッドサンタに、グラビティ・チェインをプレゼントするためにぃ!」
回復を忘れ、捨て鉢になったヴィクトリーサンタは、背負った袋を翔太に向けて投げつけた。
背中に背負った大きな袋から、散弾銃のようにプレゼントが翔太に向けてばら撒かれる。
「させない!」
目を瞑り、体をちぢこませる翔太を庇うため、サロメが駆け出した。
翔太を抱き締めるように庇ったサロメは、翔太を安心させるように微笑んだ。
「ここは危険だから、振り返らずに走ってお家へお帰り」
「う、うん!」
頷いた翔太は、言われた通り真っ直ぐ家へと駆けこむ。
その姿を見送ったサロメは、ぐらりとよろけるとその場に倒れた。
逃げる翔太の背中に向けて、ヴァンガードレインは角の間に大きな雷撃を溜めた。
広範囲を巻き込む夜景雷撃が放たれる寸前、ミルフィが駆け出した。
「メカトナカイは大人しくしていてください!」
声と共に抜き放ったミルフィの日本刀・【処虎羅】(ショコラ)が、緩やかに弧を描きながらヴァンガードレインの角を斬りつける。
麻痺したように動けないヴァンガードレインには構わず、ホルンはアームドフォートを構えた。
カノンモードへ兵装転換。フォトンライン1から4番まで順次接続。
次々に接続される兵装に力を満たしたホルンは、照準をヴィクトリーサンタに合わせた。
「光波照射……ベクトル補正完了。目標捕捉。――ファイアっ!!」
腰に装着した武装からの正確無比な砲撃が、ヴィクトリーサンタの背中に大きな穴を穿つ。
大穴を開けられたヴィクトリーサンタは、なおも翔太を追って足を踏み出した。
「ジジ……ゴッ……ドサ……ンタ……様……に……」
「わたしの名はラーズグリーズ――この名が意味するは計画を破壊する者」
カタリーナが構えたゲシュタルトグレイブから、白い光が溢れ出す。
闇夜に輝く流星のような軌跡を描く薙ぎ払いがヴィクトリーサンタの胴を両断し、頭を貫く。
「その計画を破壊するよ」
手元に戻った槍を構えた時、ヴィクトリーサンタは大きな音を立てて爆散した。
残されたヴァンガードレインに、雨音は大きく膨らませたしっぽを一つ振った。
「もふもふ・ている・ですとろーい!!」
流麗なステップを踏んだ雨音は、痺れたように動けないヴァンガードレインの頬へ尻尾の超高速往復ビンタを繰り出すと、くるりと回って地上へ降りた。
「クリスマスっていっぱい食べていっぱい遊ぶ行事なのにゃ!」
「俺達も子供達も、今夜を心置きなく楽しめるようにしねえとな」
クリスマスパーティに思いを馳せたグレインは、エアシューズを起動すると一気に駆け抜けた。
炎を帯びたエアシューズが、ヴァンガードレインを高々と宙に蹴り上げる。
宙を舞うヴァンガードレインに、トエルは体に茨の文様を浮かび上がらせた。
「堰を砕きて、我を解き放て」
翼を媒介とした魔力がフィードバックされ、トエルの身体能力が飛躍的に上昇する。
トエルが地面を蹴った瞬間、その姿が消える。
神速の一撃がヴァンガードレインの胴を蹴り落とし、庭へと叩き付ける。
動けないヴァンガードレインに、ヴィヴィアンの歌が響いた。
粉雪が舞う幻影がヴァンガードレインを包み込み、聖火のような炎が燃え上がる。
「熱い? これがみんなのクリスマスへの思いだよ」
軽やかに、情熱的に歌い上げられる銀の聖夜の祝歌に包まれたヴァンガードレインは、そのまま静かに燃え尽きていった。
●
戦いが終わり、破損した空き家にグレインはヒールをかけた。
「よっと、こんなもんか? ま、クリスマスに丁度良いかもな」
植物の幻想を纏った空き家に、満足そうに頷いた。
同じく戦後復元の手伝いをしていた雨音は、大きなあくびに伸びをした。
「ふぁあ~~眠いにゃ、何かあたたかいものを食べて帰って寝たいにゃー」
「あの、ありがとうございました」
掛けられる声に振り返ったケルベロス達は、翔太と母親と思われる女性に笑みを浮かべた。
複雑そうな表情の翔太と目線を合わせたミルフィは、にっこり笑うと翔太の肩を叩いた。
「あのサンタは偽物でしたけれど、翔太様の所も……きっとサンタ様が素敵なプレゼントを持って訪れますわ」
「今度、本物のサンタさんが来るといいにゃー」
モフモフのしっぽを揺らしながら頭を撫でる雨音に、翔太は笑顔を浮かべた。
「うん! お姉さん達、ありがとう!」
キラキラした目で見上げる翔太に、ヴィヴィアンは頷いた。
「これで翔太ちゃんも、ステキなクリスマスを迎えられるね」
手を振りながら去っていく翔太の背中に、ヴィヴィアンは振った手を握り締めた。
急いで帰ろう。ヴィヴィアンにも、帰りを待っている人がいるのだから。
ヴィヴィアンが踵を返した時、朝日がケルベロス達を包み込んだ。
眩しそうに目を細めたグレインは、大きく伸びをすると楽しそうに言った。
「さあ、クリスマスイブの一日の始まりだぜ」
眩しい朝日を浴びたケルベロス達は、足早にその場を後にした。
作者:三ノ木咲紀 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年12月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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