血のクリスマス事件~悪のサンタに鉄槌を

作者:朱乃天

 突如として発生した『VRゲーム機型ダモクレス』による事件。
 リヴァーレ・トレッツァー(通りすがりのおにいさん・e22026)らの調査の結果、一連の事件の原因は、大侵略期の地球で『血のクリスマス』と呼ばれる大虐殺を引き起こした侵略型超巨大ダモクレス、『ゴッドサンタ』復活の予兆であったことが判明した。
 ヘリポートに集まったケルベロス達に向かって、玖堂・シュリ(紅鉄のヘリオライダー・en0079)が事件の概要を話し始める。
「今回の事件の発端となっているVRゲーム機型ダモクレスだけど、ゴッドサンタの配下によって、少し早いクリスマスプレゼントとして子供達に届けられたもののようなんだ」
 そしてダモクレスの陰謀はそれだけに留まらない。更にゴッドサンタは、自らが復活するグラビティ・チェインを得る為に、クリスマスを楽しみにする人々を血祭りに上げようと動き出したのだ。
 襲撃事件が起きるのは、12月24日の午前中である。仮に襲撃が成功し、グラビティ・チェインがゴッドサンタの元に集まればどうなってしまうのか。
 その時はクリスマスの夜にゴッドサンタが完全復活し、『血のクリスマス』同様に、世界に大破壊を招くことになってしまうだろう。
 ゴッドサンタが封印された地点は、東京でクリスマスパーティが行われる場所だという。もし復活されてしまったら、多くの人々が犠牲となって、大惨事は免れない。 
「だからゴッドサンタの復活を、キミ達の手で阻止してほしいんだ」
 クリスマスを待ち望んでいる人々の命を奪うなど、断じて許すべきではない。シュリは努めて冷静に振る舞いながら、続けて今回戦う敵についての説明に移る。

 ゴッドサンタの配下として襲撃を実行するのは、『ヴィクトリーサンタ』と『ヴァンガードレイン』という、サンタとトナカイ型の、二体一組の量産型ダモクレスだ。
 彼等は12月24日の早朝に日本各地に一斉に現れて、グラビティ・チェインを搾取する為、クリスマスを楽しみにしている人達を狙って行動を起こす。
「キミ達が戦う相手は、どうやらとある閑静な住宅街に出没するみたいだよ」
 そして子供のいる家庭を襲撃しようと目論んで、住宅街にある公園から建物の物色をするようだ。丁度襲撃を仕掛けようとする頃に、こちらもそこへ到着する形になるだろう。
 後は戦う相手となる二体のダモクレス。ヴィクトリーサンタの方は接近戦に秀でており、パンチやキックの他、背中に背負った巨大な筒をハンマーにして、力任せに振り回す。
 一方、ヴァンガードレインは角から放つ電撃攻撃を得意とし、主にヴィクトリーサンタの支援役として行動するようだ。
 敵は二体でケルベロス八人と互角のようなので、それほど厳しい相手ではなさそうだが、油断は禁物だ。
「襲撃事件の阻止はキミ達に懸かっているから。それにここを乗り切れば、ゴッドサンタを撃破するチャンスが出てくるかもしれないね」
 もしそうなれば、後顧の憂いを絶つこともできる。その為にもまずは、この作戦に全力を注ぐことが先決だ。
 ――クリスマスの日は人々の笑顔で溢れているような、そんな素敵な一日になるように。
 シュリは心の底でそう願いつつ、ケルベロス達に全てを託すのだった。


参加者
ティクリコティク・キロ(リトルガンメイジ・e00128)
レーチカ・ヴォールコフ(リューボフジレーム・e00565)
ミオリ・ノウムカストゥルム(銀のテスタメント・e00629)
天崎・祇音(霹靂神な稲妻・e00948)
鷹野・慶(業障・e08354)
スズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079)
フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)
エストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843)

■リプレイ

●偽りのサンタクロース
 クリスマス当日の朝。閑静な住宅街では、この日が訪れるのを多くの人々が待ち望む。
 子供のいる家庭には、サンタからのプレゼントを楽しみにしている、少年少女達がいる。
 しかしそうした特別で幸せな一日を、子供達の夢をも壊そうと企む不審な影が、住宅街の公園内に出没する。 
 昇る朝日に照らされて、住宅街を見つめるその影は、正にサンタとトナカイそのものだ。だが彼等の身体は機械でできている。そう、この者達はダモクレスなのだ。
 これから人々を虐殺し、『血のクリスマス』を引き起こそうを動き出した時だった。
「待ちなさい!」
 唐突に背後から、ダモクレスを呼び止める声がする。サンタとトナカイが足を止めて振り向くと、そこには陽光を背に浴びて輝く八人の戦士達がいた。
「サンタの格好をしておきながら、悪事を働くなんて許せません! メイド騎士の誇りに懸けて、ここで朽ち果てて頂きます!」
 エストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843)が気合を込めて、ダモクレスに勇ましく宣戦布告する。
「そうだ! サンタになりすますなんてとんでもない奴らだ! サンタさんはすごい人なんだぞ! お前らが真似していいわけないだろ!」
 サンタの存在を信じているピュアな心の少年、ティクリコティク・キロ(リトルガンメイジ・e00128)も、エストレイアに続いてダモクレスサンタの在り方を否定した。
「あのVRゲーム、あなたたちがくばったんですか!? とにかく、楽しいクリスマスを、まもりますっ!」
 スズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079)が銀色の狐耳をぴょこんと立てて、吼えるようにダモクレスを威嚇する。
 VRゲームのことを問われても、ダモクレスは黙して語らず。そのままケルベロス達と向き合いながら、戦闘態勢に移行しようと身構える。
「やれやれ……ダモクレスってのはいつも何考えてんだか分からねえが、厄介な時期に厄介なこと企みやがって」
 気怠そうに頭を掻きながら、鷹野・慶(業障・e08354)がダモクレスを横目で鋭く睨め付ける。空気が張り詰め互いに警戒し合い――刹那、敵が動くよりも先に慶が仕掛けた。
「面倒くせぇな。とっとと蹴散らして終わらせるぞ」
 慶は黒い残滓を槍へと変形させて、鳥が啄むようにトナカイの装甲を刺し穿つ。
「折角のクリスマスを狙い撃ちしてくるとは、許されざる暴挙だわ! スーパー良い子の私の為に、プレゼントのひとつも奪い取らなきゃ!」
 さり気なく良い子アピールするレーチカ・ヴォールコフ(リューボフジレーム・e00565)が、トナカイを狙って波刃のナイフを走らせる。レーチカはまるで分厚いパンをスライスするように、トナカイを華麗に斬り刻んでいく。
「偽りの聖人は消えてもらいます。オープン・コンバット――星域術式演算開始」
 ミオリ・ノウムカストゥルム(銀のテスタメント・e00629)は冷静沈着に、敵の攻撃に備えて、加護を授ける星を地面に描く。
 積極的に仕掛けてくるケルベロスに対し、防戦していたダモクレス達も反撃を開始する。トナカイの角から火花が弾け飛び、放たれた電撃が拡散してケルベロス達に襲い掛かった。だが、ミオリの対応が功を奏して電撃の効果が弱まり、被害を最小限に留めたのだった。
「わしに雷攻撃とはな……面白い、後で思い知らせてやるのじゃ」
 電撃による痺れを感じても、天崎・祇音(霹靂神な稲妻・e00948)は怯むことなく。口元を吊り上げながら闘争心を奮い立たせる。
 クリスマスであろうと、祇音は普段通りの和服姿で平常心を保ちつつ。雷纏いし漆黒の刃を振り翳し、トナカイの傷を広げるように斬りつける。
「サンタもトナカイも、夢を運ぶものでしょう! 大切な人に代わって、成敗します!」
 子供達の夢に付け込み利用するダモクレスの卑劣なやり方に、フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)は怒りを覚えて拳を震わせる。
「その企み、必ず阻止します! ――アメジスト・シールド、最大展開!!」
 フローネが力強く拳を広げて掲げると、掌から紫色の盾が発生して仲間を覆い、敵の攻撃から身を護る為の防護壁と成す。直後にサンタが蹴りを放って応酬してくるが、紫水晶の障壁が阻んでサンタキックを撥ね退ける。
 敵への対応策も万全で、戦いはケルベロス達が優位な展開を徐々に作り上げていく。

●クリスマスは誰が為に
「ご助力致します! 治療はこのメイド騎士にお任せ下さい!」
 エストレイアがヒールドローンを周囲に飛来させ、防御をより強固なものにする。
「みためがサンタさんだと、やりづらいですね……。すこしだけカッコいい、ですし……」
 スズナにとってサンタとは、薄々察するもののまだその存在を信じていたい。年頃の子供らしい、少々複雑な気持ちを持っていた。
 そんな彼女の目の前にいるのは外見こそサンタだが、その正体は討つべきダモクレスだ。
「見た目にだまされちゃダメ、ですね……!」
 絶対惑わされてはいけないと、スズナは覚悟を決めて武器を握り締め、敵を倒すことだけを意識する。
 竜の力纏う槌を大砲の形に変化させ、砲撃が轟音を響かせながらトナカイを撃ち抜くと。ミミックのサイも後に続いて、霊体化した刃をトナカイ目掛けて突き刺した。
 最初にトナカイへの攻撃を集中させて、各個撃破を目論むケルベロス達。トナカイは赤い眼を光らせながら大きく嘶き、角から放電した力を一点に集束させる。
 凝縮された雷は迸る紫電となって、雷鳴が空気を裂いて光の帯が迫り来る。だがウイングキャットのユキが素早く割り込み受け流し、この場をどうにか切り抜ける。
「こいつはお返しだ。そろそろくたばってもらおうか」
 慶がその身に宿した地獄を両脚に纏わせて。燃え盛る炎は獰猛なまでに、灼けつく蹴りを機械仕掛けの鹿に叩き込む。
「偽者のサンタなんて早く倒しちゃおう! そして、帰ったら本物のサンタさんのために、クッキーを焼くんだ!」
 クリスマスをみんなで一緒に楽しむ為に。回復役に専念するティクリコティクが、フラスコに詰まった薬液を戦場中に振り撒いて、癒しの雨を降らせて仲間の傷を治療する。
「わざわざイヴの朝から駆り出されるなんて……貴重な時間をどうしてくれるのよ!」
 レーチカが掌の中で闘気を練り上げて。込み上げる怒りをぶつけるように、渦巻く螺旋をトナカイに押し当て、豪快に吹き飛ばす。
 攻撃に手応えを感じたレーチカは一瞬気が緩み、その隙をサンタが逃さず攻めてくる。拳に蓄積させた動力が炎となって燃え上がり、熱い紅蓮の拳が打ち込まれようとする。
 しかしフローネが身を挺し、紫紺の闘気に包まれた縛霊手で、サンタの拳を受け止めた。
「折角の、兄妹水入らずのクリスマスですからね。それを邪魔する輩は、許しません」
 そう言いながら目配せするフローネに、レーチカは赤面して慌てた様子で首を横に振る。
「兄妹愛、良いですね。私も微細ながらお力添えします」
 そこへミオリが援護射撃する。淡々とした口調で取り出す武器は、巨大なレールガンだ。
「砲撃パラメータ問題無し、セイフティリリース――撃ち方、始め」
 ミオリが照準を合わせると、鏃型弾頭が電磁波を帯び始め。号砲と共に発射された雷霆の矢が、トナカイの胴体を撃ち貫いた。
「我、狼なり……我、大神なり……我、大雷鳴……!!」
 祇音の口から紡がれる言霊が、彼女の眠れる力を呼び醒ます。四肢は獲物を屠る獣と化して、霊力を荒ぶる雷に変換させて纏わせる。
「轟け……っ!! 覇狼・風迅雷塵撃!!」
 大気が震える程の咆哮を上げて祇音が駆ける。獣の脚で疾風の如く加速して、獣の腕を振るえばトナカイの鋼の身体を打ち破り。最後に膨大な量の雷撃を流し込み、限界を超えた力はトナカイを木っ端微塵に粉砕し、まずは一体を撃破した。

「これで残るはサンタだけですね! この調子で一気に畳み掛けましょう!」
 エストレイアが鼓舞するように声を掛け。牡牛の角の如き剣を翳すと、眩い金色の光が溢れ出て、仲間の負傷を回復していく。
「あんなのがサンタを名乗っていいわけなんてない! ボクがみんなを支えるから、やっつけちゃって!」
 ティクリコティクが帽子を目深に被って両手に気を注ぎ、満月のような光球を生成する。光の直視を避けながら、ティクリコティクが感覚を研ぎ澄ませて放った光の塊が、仲間の気力を滾らせる。
 回復と守りを厚めに置いた布陣に隙はなく、ケルベロス達は手数でも圧倒してダモクレスを次第に追い詰めていく。
「わるいサンタさんには、おしおきです!」
 桔梗色のバスターライフルに、スズナが魔力を充填させて冷気を帯びた光線を射出する。白銀に煌めく光芒は、サンタから動力熱を奪って相手の動きを鈍らせる。
「すまねえが、早いとこ片付けちまいてえからな」
 更に慶が火炎弾を撃ち込んで、纏わりつく地獄の炎がサンタの生命力を貪り喰らう。
 勢いを増すケルベロス達の猛攻に、サンタは劣勢を強いられているが。それでも意地を見せて食い下がろうとする。
 背中に背負ったプレゼント袋のような白い筒。それはハンマーだった。サンタはそのハンマーを大きく振り被り、勢いよく打ち据える。が、ボクスドラゴンのレイジが身体を張って防いで、この攻撃も耐え抜いた。
「年末年始くらいは大人しくするものじゃ。これでも食らうが良い!」
 全身にオウガメタルを装着した祇音が、鋼の拳を繰り出した。対抗するサンタも同じように拳を突き出して迎え撃つ。激突する拳と拳は、祇音の気迫が上回り、渾身の一撃がサンタの腕を打ち砕く。
「ダモクレスの貴方には分からないでしょうけれど、これが人の『ココロ』の強さです!」
 フローネが銀色の指輪に祈りを捧げると、心の力が増幅し、光が剣の形となって現れる。胸に秘めたる最愛の人、フローネはその想いと意思を剣に託して――全てを込めた一太刀が、サンタの鉄の身体を斬り裂いた。

●響く勝利の鐘の音
 サンタがよろけるように傾き、片膝を突く。これまでの戦闘による消耗は著しく、もはや余力がない状態だ。この絶好機を逃すまいと、ミオリとレーチカは互いに顔を見合わせて、小さく頷き行動に移す。
 先にミオリが動いて、構えた銃のトリガーを引く。しかし銃弾は見当違いの方向に逸れていってしまう。
「攻撃は前からだけとは限りません」
 微かに不敵な笑みを浮かべるミオリ。公園の遊具に当たった銃弾は、サンタの無防備な背中を狙って跳ね返る。計算された正確無比な射撃は、寸分の狂いもなく見事に命中した。
「逃がしはしないわ……とっておきを喰らいなさい!」
 不意を突かれて怯むサンタに、レーチカが追い討ちを掛ける。謎の通信講座『通信螺旋忍術~中級編~』で身に付けた術、分身した螺旋の弾丸が、サンタを逃さず狙い撃つ。
「じんをえがかせたら、いちにんまえ! はくぎんのかみよ、ふたたびそのちからをみせよ!」 
 スズナが巫術の力を行使して、何もない空間に陣を描くと風が突然激しく吹き荒れる。
「くらえっ! ふうしんぜつじんっ!!」
 突風は瞬間的にサンタを包み、異空間へと引き摺り込んで。そこにあるのは、穢れし者に苦痛を齎す仮想世界。『絶陣』から吐き出されるように、サンタが地面に叩き伏せられる。
「サンタの仕事の邪魔をするとはいい度胸だな、このポンコツが。……テメェは確実にスクラップ場送りにしてやる……!!」
 ティクリコティクが血走った眼で偽のサンタを見下して。長銃身型のリボルバー銃を突き付け、容赦なく銃弾を浴びせ続けた。
「サンタとは子供達に夢を与える存在、それを貶めるような行為をするなんて……」
 子供の夢を利用するダモクレスの悪事に、エストレイアの内に燻る憤怒の心が煮え滾る。
「――傅け、儚き者よ。我が名は星厄の御使いである」
 エストレイアが二振りの星厄剣を天に翳して、呪いの詞を詠唱し始める。すると剣から目も眩む程の威光が放たれて、サンタを呪詛で締め付け、蝕んでいく。
「……次に寄越すなら、もっと出来の良い玩具にしてくれよ」
 けど、もう次なんてねえけどな。そう素気無く呟きながら、慶が今まで温存していた魔法の力を、ついに解き放つ。
「――命ず、眇たるものよ転変し敵手を排せ」
 慶が創り出したのは、お伽話のような幻想世界だ。路辺の石は鼠に化け、舞い散る木の葉は鳥と為り。それらが群れを成して一斉にサンタに喰らい掛かる。
 そして大地は鮫へと変じ、暴虐たる顎門でサンタを飲み込んで――。禁忌の黒書の中に囚われたまま、サンタを騙るダモクレスは跡形残らず消え去った。

「周囲に敵性存在なし、クローズ・コンバット」
 二体のダモクレスが完全消滅したのを確認すると、ミオリは緊張感から解放されたのか、真剣だった表情に笑顔が戻る。
「無事に終わったようですね。ミオリさんもレーチカさんも、皆さんもお疲れ様でした」
 フローネも無事に責務を果たせたことに安堵して、共に戦い抜いた仲間達を労った。
「あのロボサンタ、敵ながら中々イカすデザインだったのに……惜しいわね」
 どうせなら写真にでも撮っておけば良かったと、レーチカは今更ながら後悔し切りだ。
「かっかっかっ……! これにて、一・件・落・着……じゃなっ!」
 今回の戦いは誰も倒れることなく完勝で終えられて、祇音は高笑いしながら、満足そうに扇を広げて勝鬨を上げる。
 傍らではスズナと慶が、公園の破損した箇所の修復作業に当たっていた。ヒールの力で幻想的に変わる景色は、クリスマスに相応しい光景になっていく。
「これでまた一つ、誰かの大切なものを守れたでしょうか……?」
 メイド騎士としての使命を全うし、エストレイアは充実感に満ちていた。心の底から湧き上がる、何とも言えない心地良さを噛み締めながら、思わず顔が綻んだ。
 仲間達が祝勝ムードに浸る中、ティクリコティクは一人で深く考え事をする。
「……VR事件といい、これはもうただのスクラップが暴れる事件じゃない」
 本当の勝利と言えるのは、一連の事件の元凶でもある『ゴッドサンタ』を倒してこそだ。
 ティクリコティクは帽子の庇を指でクイッと押し上げて、青く晴れ渡った空を仰ぎ見る。
 クリスマスが平和に過ごせるように。打倒ゴッドサンタを、心の中で強く誓うのだった。

作者:朱乃天 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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