●カレーは美味しいはずだった。
静寂と薄暗い闇に抱かれて、全てを見ることができない暗い場所。
ただ、仕切りの形状や通路と座敷席を隔てていると思しき床から和食店であることが伺える、店の中。厨房前の座敷に腰を下ろしている男が、盛大なため息を吐き出した。
口をついて出るのは、店のこと。
男は紡ぐ。
若い頃は見習いとして、日本食の腕を磨いてきた。
ぼちぼち独立か……という時に出会った。インドのカレー。
感動した、こんなにうまいものがあるのかと。
だから日本食と組み合わせた。うまいものとうまいものの組み合わせなら、当然うまいものができるだろうと。しかし……。
「上手く行くと思ったのに、ままならないなぁ……」
メニューに視線を走らせる。
カレーとんかつ定食にカレー焼き魚定食、カレーマグロ寿司セットにカレーかぼちゃの煮つけ、カレー豚汁にカレーアサリの味噌汁……。
「ほんと、うまいのになぁ……」
男は今一度ため息を吐き出して、メニューから視線を逸していく。
「……?」
ふと、背後に世界を感じて振り向いた。
一人の女性が、落ち着いた面持ちで佇んでいた。
「? あんたは……っ!?」
訪ねようとした時、何かに胸を貫かれた。
鍵で男の胸を貫いた女性は、慣れた調子で引き抜くと共に告げていく。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの後悔を奪わせてもらいましょう」
男が、その言葉を聞けたかどうかはわからない。
瞳を閉ざし、その場に倒れてしまったのだから。
代わりに、割烹着を着た一人の男が立ち上がっていく。もっとも……右手の指先がモザイクに覆われてしまっているのだけれど……。
●ドリームイーター討伐作戦
ケルベロスたちを出迎えたセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、メンバーが揃ったことを確認した上で説明を開始した。
「自分を店を持つ、そんな夢を持つ方もいます。でも、その夢を叶えても、店が潰れるという形で潰えてしまうことがある。今回はそんな、店を潰してしまって後悔している男性が、ドリームイーターに襲われて後悔を奪われてしまう……そんな事件が起きてしまいました」
後悔を奪ったドリームイーターはすでに姿を消している。しかし、奪われた後悔を元にして現実化したドリームイーターが、事件を起こそうとしているのだ。
「ですので、このドリームイーターによる被害が出る前に、撃破してきてほしいんです。撃破することができれば、後悔を奪われてしまった男性も目をさましてくれることでしょう」
続いて……と、セリカは地図を取り出した。
「ドリームイーターが出現しているのはこの……ビジネス街にある雑居ビル。四階フロアにあるテナント、ですね」
ドリームイーターはこの場所で、後悔の元となった店に酷似した経営を行っている。今回の場合は……。
「男性はこの場所で和食店を営んでいたみたいですね。もっとも……少々風変わりなものだったみたいですが」
どんなきっかけか、男性は和食とカレーを組み合わせる事を思いついた。その思いつきのまま店を出したが、組み合わせが悪かったのか研究が足りなかったのか……客足は伸びず、店は潰れてしまったのである。
「現在はドリームイーターが経営じみたことを行っているこの店、入り込んでいきなり戦闘をしかけることもできます。しかし、客として店に入り、サービスを受け、そのサービスを心から楽しんであげると、ドリームイーターの戦闘能力を落とすことが出来るみたいです」
また、満足させてから倒した場合、意識を取り戻した被害者も、後悔の気持ちが薄れて前向きに頑張ろうという気持ちになれる、という効果もあるようだ。
「このあたりも留意して、行動していただけると幸いです。最後に、戦闘能力などについて説明しますね」
ドリームイーター、見た目は割烹着を着ている男性。右手がモザイクに覆われているのが特徴。
戦いにおいては妨害特化。
技は三種。威圧するカレーマグロ寿司。心を奪うカレー豚汁。動きを止めさせるカレーとんかつ定食。
「以上で説明を終了します」
セリカは資料をまとめ、締めくくった。
「いろいろな思いはあると思います。ですが……その意志さえあれば、きっと再起はできるはず。その再起を奪うドリームイーターを許すことはできません。ですのでどうか、全力での行動を……」
参加者 | |
---|---|
ゼレフ・スティガル(雲・e00179) |
クリス・クレール(盾・e01180) |
カーリー・カレーナ(華麗なるカレー戦士・e11898) |
チェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323) |
ターャジス・プスンコ(カレーの国からナマステー・e18819) |
ウルトゥラ・ヴィオレット(はぴねすおふぃさー・e21486) |
ポネシー・シンポル(情けは巡る・e23805) |
ピニオン・クロックワーク(クロックワークシスター・e31986) |
●カレー和食料理店
風を温めるには足りないけれど、目をくらませるには十二分。人々がやや俯きがちに練り歩き、社会の歯車へと埋没する。
ビジネス街の変わることのない景色に紛れぬことのできぬ者たちは、一時的にでも逃れようとする者たちは、雑踏の届かぬ場所へと集まっていく。
ケルベロスたちは雑居ビル四階のテナント前で、地図と現在位置、店の看板を確認。
確信した上でターャジス・プスンコ(カレーの国からナマステー・e18819)が先頭に立ち、店の引き戸に手をかけていく。
――和食とカレーの融合、素晴らしいと思う。なんで潰れてしまったのかは不思議だけれど……是非ともご相伴に預かりたく、こうして足を運んできた。
滑らかに開かれていく引き戸から手を話し、ゆったりとした足取りで店の中へと入っていく。
「ナ~マ~ス~テ~」
「へい、お待ち下さい」
挨拶にいざなわれるようにして、奥から割烹着姿の男が……店主の後悔を奪っただろうドリームイーターが……快活な声と共にやって来た。
ターャジスが人数を告げたなら、右奥にある仕切りのない二つの座席……各々四人ずつ合計八人が座ることを想定しているだろう場所が案内される。
穏やかにうなずき返した後、ターャジスは仲間たちを先に行かせ自身は店内を回り始めた。
古風な掛け軸に、日本風の水彩画。歴史の重さが伺える調度品の数々に、旧字体が織り交ぜられている案内板。和をふんだんに盛り込んだ店内で、真新しさの残るメニュー板だけが……記されている文字だけが違和感を与えているようで……。
「……」
店内の雰囲気を楽しんだ彼女が席につく頃、ポネシー・シンポル(情けは巡る・e23805)は和紙と筆文字で記されたメニューを読み終えていた。
主菜や副菜はもちろん、甘味にまでカレーが盛り込まれていて……。
「……カレーがかかった、和食料理……です?」
……今一度内容を確認するため、ポネシーはお冷代わりのお茶で口を湿らせた後にメニューを再読し始める。
再読を含めて十分な時間をかけた後、注文を告げるためにドリームイーターを呼び寄せた。
「へい、お待ち下さい!」
元気にやって来たドリームイーターへ、ウルトゥラ・ヴィオレット(はぴねすおふぃさー・e21486)はメニューを開きながら伝えていく。
「ええと、わたしはカレーごもくていしょくをおねがいします」
「俺は……」
クリス・クレール(盾・e01180)は試しに頼んでみた。
納豆ととろろが入った鯖の煮付けカレーを。
ドリームイーターは注文を取る手を止めて、悲しげに目を伏せながら頭を下げていく。
「すまねえ、メニューにあるもんしかないし、カレーも出してないんだ」
あくまで、カレー風の和食であって和食風のカレーではない、ということだろうか。
「仕方ない。じゃあ、この……」
代わりにカレー納豆定食を注文し、ターャジスにメニューを渡していく。
「そうですねー」
ターャジスはメニューを一つ一つ指差して、合計六品を注文した。
他のケルベロスたちもよどみなく、思い思いの品を注文する。
注文を取り終えたドリームイーターが店の奥へと引っ込んだ後、芳しいカレーの香りが漂ってきて……。
暴力的なカレーの香りに胃袋をくすぐられ続けること、数十分。少しでも空腹を紛らわせようとした者が口をつけていたお茶がなくなってからしばらくした頃合いに、店主が料理の乗ったワゴンを押しながらやって来た。
テーブルに並べられていく様々な料理を前にして、ケルベロスたちは各々様々な反応を見せていく。
特にオススメだと聞き注文したカレーとんかつ定食(大盛り)を前にして、カーリー・カレーナ(華麗なるカレー戦士・e11898)は目を輝かせる。
「いただきます!」
料理が並び終わるのを待った後、カーリーはまずとんかつへと箸を伸ばした。
サクッとした食感の後に、口の中に広がるカレーの風味。衣の他に豚肉にも練り込んであるのか、噛むたびににじみ出る旨味と辛さが心も体も熱くする。
流れるままにご飯を口へと運んだなら、新たなカレーが……カレーライスとは違う白米との調和が胸を躍らせた。
味噌汁は、カレーが味噌の風味を副要素へと追いやりながらも心地よい程度に調和している。
美味しいカレー風和食を前に舌鼓を打っていく彼女の右側では、ゼレフ・スティガル(雲・e00179)はカレー焼き魚定食へと箸を進めていた。
「料理人って芸術家だねぇ」
塩の代わりにカレー粉をまぶしたらしい焼き魚は、脂も乗っていて新たな旨さを獲得している。ご飯も味噌汁も遜色なく、定食を彩っていた。
一通り口にした上で、ゼレフは注文を待っているかのように店の奥に佇んでいるドリームイーターを呼び寄せた。
柔らかな笑みを浮かべながら、カレー焼き魚定食を示していく。
「良ければでいいのですが……このメニューの一押しは何かありますか?」
「もちろん! それは……」
楽しげに、語りはじめていくドリームイーター。
賑やかなやり取りを聞きながら、ピニオン・クロックワーク(クロックワークシスター・e31986)もカレーエビ天ざる定食を食べ進めていた。
とんかつ同様、衣にもエビにも練り込まれているカレー。各々辛味も旨味も異なり、噛むたびに新たな味覚を教えてくれる。
蕎麦にも汁にもカレーが盛り込まれており、勢い良くすするたび……。
「……うん、美味しい! 思い出すわー、昔食べたレーション。カレー味ってなんでもかんでも飲み込んじゃうからスゴイわよね!」
曇りのない笑顔で、ピニオンはカレーエビ天ざる定食を平らげていく。
一方、ポネシーはカレーマグロ定食を前に度々箸が止まっていた。
――試みは面白いと思っていだ。そして、食べてみた感想は……。
「……」
確かに、味噌汁やご飯など美味しい物はある。しかし、研究不足なのかマグロの刺身に関しては互いの良さを打ち消し合い、生臭さなどといった悪さを高めあっているように思われた。
同様の感想を抱いたのだろう。カレーマグロ寿司を食べていたチェリー・ブロッサム(桜花爛漫・e17323)も、表情を曇らせている。
刺し身と違い、カレーはわさびの代わりにネタとシャリの間に乗せられているという形。それでもわさびと異なり、旨味と辛味がネタにもシャリにも調和せず各々を分裂させてしまっているように思われた。
幸いなのは、カレーが混ぜられている醤油がさほどまずくなかった点だろう。
うさぎの耳をペタリとさせながら、チェリーは食を進めていく。
同様にクリスも食を進め、表情は満足げな笑みを浮かべたままなれど……。
「美味しいじゃないか。和食にカレーもイケるな」
――実際は、味がどうもバラバラなような……ただただカレーを、無秩序に和食に練り込んでいるだけでいまいち調和していない、そう感じられていた。もっとも、カレー好きだったならば無視できるくらいの違和感なのかもしれないけれど……。
表情には出さず、手を止めることなく食を進めていく。
カレーの香りに抱かれながら、ケルベロスたちはカレー風の和食を食べ進めた。
いち早くカーリーが最後のとんかつを拾い上げ、口へと運び……。
「……ごちそうさま。新しくておいしい和食カレー……研究の価値ありだね!」
笑顔で言い切りながら、ドリームイーターに視線を向けていく。
続いてウルトゥラが素直な感想を口にしようとしたけれど、その後に差し障るから……と、どこからともなく飛び出してきたボクスドラゴンのコンピューター様に口を塞がれた。
代わりに、ターャジスが箸を置き笑顔を向けていく。
「スパイシーな香りがしみ込んで素材の味が活かされているとんかつ、魚の臭みをカレーが消して辛さが程よくマッチングしている焼き魚、まさかの組み合わせであるまぐろ寿司、辛さと甘みが程よく合わさるかぼちゃの煮つけ、シンプルに美味しい豚汁に、奇跡のコラボアサリの味噌汁……美味でした」
「そうですね。確かに味噌汁やご飯は、上手く高めていける可能性が見て取れました。もっとも、更なる飛躍も望めると思います。例えば……」
ポネシーは良かった点を述べながら、それを更に高めるための手段を提案する。
素直にドリームイーターがメモに取っていく中、ゼレフも質問混じりのアドバイスを投げかけていった。
「そうだねぇ。美味しいカレーが引き立つようにさ、他の風味を控えてみるのは?」
「ふむふむ……」
うんうんと頷いていくドリームイーターを見つめながら、笑顔で賛辞を送っていく。
「それにしても……カレーの親善大使だねえ」
●後悔を取り戻すため
感想とアドバイス……概ね満足したことを伝える事ができたケルベロスたち。あるいは、このまま帰る事もできるのかもしれないけれど……。
「……」
一度、ドリームイーターを……店主を中心に繰り広げられていた物語を終わらせなければならないから、ピニオンはボクスドラゴンのパラレルを呼び出しながら武装する。
パラレルが前衛へのサポートを行う中、自身は最前線に立ち拳を固く握りしめた。
「それじゃ、救おっか。きっと、こんな美味しいカレー和食を……もっともっと美味しい料理を作ってくれるだろう人を救うために……後悔を打ち砕くために!」
音速を超える拳がドリームイーターの胸を捉え、後方へとふっ飛ばした。
お返しとばかりに虚空に生み出されたカレーマグロ寿司を、クリスが横からかっさらっていく。
「……ふむ、悪くはない」
心とは裏腹に表情には笑顔を浮かべたまま、自身を含む前衛のサポートを行う紙兵を散布した。
受け取りながら、チェリーは天井近くへと飛び上がる。
「それじゃ、がしがし攻撃していこう!」
たれ耳をはためかせながら長柄の斧を振り下ろし、掲げられた腕とぶつかりあった。
直後、ゼレフの握る白刃に黄金が伝っていく。
逆巻くまばゆき炎の渦を、ドリームイーターへと差し向けた。
「これも熱いから気をつけてね」
全てを帰す炎の抱かれながら、数多の攻撃に晒されながら、ドリームイーターはとんかつ定食を生み出してきた。
受け取り、食べながら、ターャジスはオーロラに似た輝きを纏いはじめていく。
「やっぱり美味しいですね。スパイシーな香りはとんかつにアイマス」
「……おいしいのはあるんですね。でも……」
ターャジスの表情が偽りでない事を確認しつつ、ウルトゥラが弓に心を震わせる矢をつがえた。
「しみん、わたしのしってるカレーではありませんでした。ダモクレスじだいの、みかくかいろをせつだんするプログラムも……オミットされていました……」
どことなく肩を落としたような様子を見せながら、ドリームイーターめがけて解き放つ。
貫かれながらも、斬られながらも、ドリームイーターは豚汁定食を作り出してきた。
再び横から奪ったクリスは、飲み干すとともに気力を溜めはじめていく。
――その味は、おおよそカレースープと呼んで良いもので……。
もっとも、美味しくても攻撃による悪影響は存在する。
ポネシーはレウムにクリスのサポートを命じながら、治療のため薬液の雨を降り注がせた。
「もっと研究して、合う合わないや分量の計算をすれば……美味しくなったんでしょうけど、ね」
「ん……でも、美味しかったよ!」
人の味覚は多種多様。どちらが多数派に属しているかはさておいて。
弾んだ調子でカーリーは、二本の剣を固く握りしめる。
懐へと入り込み、下から押し上げるかのような形で南十字の軌跡を描いた。
十字に切り裂かれたドリームイーターがのけぞる中、追撃を弾いていくドリームイーター。
新たに作り出された豚汁は、ウルトゥラに手渡された。
促されるがままに飲んだウルトゥラは、驚いたように小首をかしげていく。
「しみん、これはわたしのしっているカレー……カレースープ……?」
呟いているうちにポネシーらの治療を受け、正気を取り戻す。
弓に追跡の矢をつがえ放ったなら、後を追うかのようにコンピューター様がブレスを吐き始めた。
同様にパラレルがブレスを吹きかけ、ドリームイーターを押さえ込んでいく。
次の刹那、ドリームイーターの体が壁に激突した。
ピニオンの手元が……リボルバー銃が快音を響かせたから。
「……さ、終わらせて」
「うん!」
元気な声を上げながら、チェリーは桜色の闘気で覆われた拳を握りしめた。
壁から滑り落ちていくドリームイーターをぶん殴り、闘気で作った桜の苗を植え付けた。
桜は傷口に根を張って、ドリームイーターの力を奪いながら綺麗な花を咲かせていく。
花に実がなり朽ちると共に、ドリームイーターもまた光の粒子へと変貌し……。
●目覚めた店主が誓うのは
光の粒子は店の奥へ……おそらく、寝かされているだろう店主のもとへと向かっていった。
見送ったケルベロスたちは、店の修復役と店主の介抱役に別れ行動を始めていく。
修復を行いながら、ウルトゥラは小さなため息を吐き出していた。
「なんだかことしいちねんぶんのカレーをたべたきぶんです……」
電灯が取り外され、窓枠から差し込む明かりだけが頼りとなる薄暗い空間と化していた店の奥。ケルベロスたちが見守る中……店主は目覚めた。
混乱する様子を見せていく店主に対し、一通りの説明を。
説明を受け俯き始めた店主の背中を、チェリーは優しく叩いていく。
「店を作るまで頑張ってこれたんだから、これからも研究を続けて、いつか万人受けする日本食とカレーの組み合わせを出すお店を目指して頑張って欲しいなっ!」
「カレーも日本食も、どっちもいいものだから、また皆に愛されてくといいっすよねえ」
ゼレフも頷き、再起を志すよう願い出た。
力なく店主は笑っていく。
けれど、その横顔に陰は……後悔する者が持つ陰は見当たらない。
だからカーリーは申し出る。
「ねえねえ、まだメニューって作れるかな?」
「……え」
「食べてみたいんだ!」
キラキラした目で見つめるが、店主は首を横に振った。
もう、材料もないし慣れた調理器具もない。
「……けど」
顔を上げ、店主は言う。
また一からやり直し、今度こそカレーと和食を完全に融合させてみせると。人々に美味しさを伝えていくと。
憂いなき誓いの言葉を受け止め、ピニオンはまっすぐに語りかけた。
「大丈夫です。諦めない心があれば、きっと……私達が太鼓判を押しますよ」
美味しいのもあった、惜しいのもあった、合わないと思うものもあった。
けれど、美味しいのをより美味しく、惜しいものを美味しく昇華できれば、きっと人々も認めてくれるはず。合わないものも研究を重ねて乗り越えれば、更なる評判を招くはず。
一度は店を出せたのだから、もう一度。
再起を誓う男の横顔は、とても輝いていて……。
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
|
種類:
公開:2016年12月21日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
|
||
得票:格好よかった 1/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
|
||
あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
|
||
シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|