救え、子供達の未来!

作者:baron

●バスジャック!
「あれー。せんせー、道が違うとおもいまーす!」
「そじゃねー。この道は工場に向かう道なんよ、前に工場見学いったじゃろうがー」
 おチビさんたちが、通学バスの中で騒ぎ始めた。
 いつもと違う道、そして特徴的な場所とあり、一斉に首を傾げたのだ。
「あなた達は、これから、私と同じアンドロイドになっていただきますよ。フフフ」
「う、うわー! あんどろいどだあ! せんせー、あんどろいどだったの!?」
 車を運転していた教諭の首が、その時、グルっと回転した!
 ありえない動き、そして突然の告白に、子供達は大騒ぎ!
 だけれど絶望的な事に、そこはバスの中。
 子供達は何をする事もできず、ただ改造されるのを待つだけであった……。
 ダモクレスの足取りを追っていた、フィオレンツィア・エマーソン(ハウンドチェイサー・e01091)がこの事件を聞きつけるのは、そう遠い話では無かった。
●小学生、救出作戦!
「ちょっと聞いてくれる? 人間社会に入り込んでいたダモクレスの尖兵の話を覚えている人もいると思うけど、今回もその話でね」
 フィオレンツィアが数枚の地図を片手に説明を始めた。
 それは地価の安い山間に造られた、団地や工場の点在する地域であり、候補が複数あるのかもしれない。
「この辺りの子供達が通う小学校の先生が、どうもダモクレスだったみたいなのよね。それが……まあ、特撮よろしく、バスジャックをして何処かへ向かったらしいのよ」
 そこまで聞けば、話は早い。
 バスの向かう先を探して、子供達を救出すれば良いのだ。
 話を聞いたケルベロス達が理解するのを待って、フィオレンツィアは地図を並べたのである。
「そこで皆には、この廃工場に行って欲しい。私自身も参加する予定だが……。他にも候補があるので、それを調べてから状況次第になる」
 フィオレンツィアは自分でも参加したそうな顔をしていたが、流石に他にも候補があるとあっては、確約できないのだろう。
 時間の都合が付けば参加すると言い残し、敵の説明を開始した。
●廃工場に突入せよ!
「このチームが向かってもらうのは、廃工場なんだけど……。今までの例だと、奥で改造中だと思う。そこで敵のダモクレスは、時間稼ぎに入口あたりで迎え討ってくると想像されるわ」
 ダモクレスは、改造中の彼らを攻撃する事は無いが、戦いが長引くと、彼らの中から新たなダモクレスが生まれるかもしれない。
 彼らがダモクレスとなる前に素早く倒すか、或いは、ダモクレスと戦いつつ、彼らの解放を同時に行う必要があるだろう。
「敵の武装は、その町の近くで見られた弾痕からガトリングガンと推測される。威力に任せて叩き込んで来るから、もし遭遇した場合は気を付けて。あと、こっちで引き取り手を用意してるから、外まで連れだせば後は彼らが医者の居るところまでまで運んでくれるから」
 そして名刺入れの中から、村役場の職員の名刺を取り出して、テーブルの上に廃工場の見取り図と並べて置いたのである。
 どうやら予め引き取り手となるべき者に連絡を取り、救急車やらの手配していたらしい。
「ダモクレスの戦力拡充は阻止しなければならない。それ以上に、子供達の未来を救わなければならないだろう。皆の活躍に期待する」
 フィオレンツィアは地獄を見て来た者独特の表情で、その場を引き締めると、皆を送り出し、ダモクレスの足取りを追い始めた。


参加者
ワルゼロム・ワルゼー(枢機卿・e00300)
ネル・アルトズィーベン(蒼鋼機兵・e00396)
フィオレンツィア・エマーソン(ハウンドチェイサー・e01091)
那々宮・しあの(インカローズハート・e01100)
空波羅・満願(食欲旺盛なチビ龍人・e01769)
ペルフェクティ・ナンバーナイン(レプリカントの完全者・e02374)
文丸・宗樹(忘形見・e03473)
エーゼット・セルティエ(音痴な男の娘の吟遊詩人・e05244)

■リプレイ

●バスジャッカー撃破司令!
「今回は付き合わせて悪かったわね」
「そんな事はありません!!」
 フィオレンツィア・エマーソン(ハウンドチェイサー・e01091)が軽く頭を下げた時、返って来たのは良い意味での否定であった。
「今回の一件は私にとっては他人事じゃないんです! 私にも今回攫われた小学生くらいの弟妹がいますから!」
 彼女が続きを語る前に、那々宮・しあの(インカローズハート・e01100)は力強く拳を握る。
 言い切った後で、ゼーゼーと息を突く見幕だ。
「ケルベロスとしても、姉としてもこの事態は見過ごせません! 一刻も早くこの事態を解決しましょう!」
「別に彼女だけの気持ちじゃないよ。よりによって子供たちを狙うなんて。……彼らの未来は彼らの手にある、ダモクレスなんかにはさせない。みんな、そう、思っているよ」
 しあのが感情的に言い切ったのに対して、エーゼット・セルティエ(音痴な男の娘の吟遊詩人・e05244)はあくまで冷静に付け加える。
 歳の変わらぬ自分にも重ね合わせ、水臭いとの表情を浮かべた。

「子供達に手を出すとは、卑劣な輩め……。みんな、そう思っているからな、気にする事はない」
「ゆえにエマーソン殿が口にすべきは謙虚な言葉よりは、号令であろう。むしろ、『仕事を斡旋した』と、ふんぞり返っておる方が、気が楽と言うモノよ」
 ネル・アルトズィーベン(蒼鋼機兵・e00396)は無表情ながら力強く頷き、ワルゼロム・ワルゼー(枢機卿・e00300)が傲岸不遜に微笑む。
 動作こそないが、全員が親指を立て、あるいは腕を組んで円陣を組んで居るかのような雰囲気させさせていた。
 それに対して、フィオレンツィアの答えは……。
「そっ、じゃ遠慮なく言わせてもらうわね。詳細な地図を手に入れたから、救出するまで時間を稼いで頂戴」
「「応!!!」」
 割り切って出された号令に、一同の怒号がヘリオンの中に響き渡った。
 バンバラバンと回転するローターの爆音よりも、不思議と力強く感じられるではないか。
「そうそう。救出にはボクも御一緒させてもらうよ、なんとしても助け出さないと、だ」
「お願いするわね。変身して先行するから小道具持てないし、流石に子供たち全員を抱えて動けないもの」
 ペルフェクティ・ナンバーナイン(レプリカントの完全者・e02374)はフィオレンツィアの要請に対し快く頷いた。
 こうして作戦は開始されたのである。

●出動! ケルベロス!!
「行くぞ、バジル! ……改造はさせない、そんな事は許してたまるかっ」
「そう急がないで」
 廃工場のシャッターを破って、文丸・宗樹(忘形見・e03473)がエーゼットの声を背中に真っ先に飛び込んだ。
 先ほどは面倒くさがって控えめに皆に合わせて居たのだが……。
 すっかり伝染したというか、もはやノリノリである。
「仕方ない。……援護しようかシンシア」
 エーゼットはドラちゃんに微笑んで、撃ち込んだ周囲の時間を凍結させる。
『何者だ!?』
「悪党に名乗る名前は無い! 俺達はケルベロスだとでも覚えて置くがいい!」」
「ダモクレス……お前の相手は私達だ」
 誰何の声を上げる敵に宗樹は最初名乗らなかったが、結果的にケルベロスだと告げた。
 ネルの態度があくまでも変わらないのに対して、宗樹の方は面倒くさいだけで、案外、面倒見は良いのかもしれない。
「――加護よ、式となって利きたまえ。急々招来、如、律、令!!」
「私の意義はただ戦うだけ……だが、今はそれ以上に子供達を救う為にこの剣を振るう……」
 宗樹が解き放つ形代の呪法によって、ネル達の姿が無数に乱立し始める。
 その中でネルは、背後に回して巨砲を展開させた。
「誰も未来を奪わせはしない……!」
 ネルの冷静な言葉とは裏腹に、怒りの号砲が工場内に木霊する。
 そう、表には現れないだけで、ネルとて怒りを抱えていたのである。

 そしてネルの砲撃と前後して、一同の周囲に七色の爆発が鳴り響く!
 抜けてくる敵を、誰かが割って入った。
『邪魔するのですか? デハ……。死になさい! その身体と重力は、後で有効に……』
「させぬよ。いざこのワルゼーが、神罰を食らわしてやろうぞっ」
 ダモクレスの銃撃に対して、ワルゼーは七色の煙の中から『来い、樽タロス!』と自らのサーヴァントを呼び寄せた。
 そう、先ほどの爆発は、ワルゼーの援護だったのだ。
 当然ながら、これで『挨拶』は終わったりなどしない!
「子供に手ェ出す鉄屑は焼却処分だ。地獄見せてやる! てめェの運命は、大炎上だ!」
 空波羅・満願(食欲旺盛なチビ龍人・e01769)は飛び蹴りが避けられた瞬間に、炎の息吹きを臓腑から呼び覚ます。
 ソレは地獄から呼び醒まされた龍にも見える。
 火炎の龍を握り潰して腕に絡めると、力任せにダモクレスのどてっぱらをブン殴った!
「さあ! 『贄となれ糞神。てめぇの心臓を俺の地獄に捧げて死ね』そいつは、お前の為の供物だ!」
 満願の手は肉も魂も、己も敵も焼き焦がしながら、炎殺するのである。
「(やっぱり強い……私達だけじゃ……。ううん、苦戦は覚悟の上だものね。ここで頑張らないと!)」
 6体で互角どころか、敵がこちらに与えるダメージの方が多い。
 しあのは敵の強さに戦慄しつつも、勇気を奮い起して気合いを入れ直す。
 敵が格上と判って居るのに、戦力を分断したのは作戦の上だ。
 増援を阻み、それ以上に囚われた子供たちを、一刻も早く助ける為に!!
「だから……。絶対に、負けられないんです!」
 しあのは両手に構えたロッドで敵の銃口の前に躍り出た!
 ポカポカポカ!!
 数手の戦いの中で時には撃たれながら、涙を振るって悪を打つ!
 お姉ちゃん、がんばるから(ぐっ)!
 月が満ちるように、痛みよりも強く、彼女のハートは満たされていた。

●深く、静かに、潜行せよ
「(派手にやってるわね。……ゴメン。直ぐに行くから)」
 工場の裏手にすら、爆音と銃声が鳴り響く。
 フィオレンツィアは苦境に立つ仲間を想像しながらも、あえて無視する事に決めた。
 ここで工場に飛び込んでは、何の為に仲間が苦労しているのか判らない。
 冷酷に成りきれない本心を言葉と共に噛み潰して、彼女は地獄で塗り固めた心と表情で、静かに『四足』を進めた。
「(問題なし。そろそろ来てもいいわよ)」
「(了解だよ。できるだけ気を付けて行くからね)」
 フィオレンツィアは豹に変身したまま首をもたげて合図すると、ペルフェクティはカタカタ鳴りそうな廃工場の機材を出来るだけ触らない様に移動した。
 そこには中にあったはずの機材が放りだされており、間を抜けるようにして、裏手に向かって進んで行く。
 豹と化し身長の低くなったフィオレンツィアがスムーズに潜行(先行)し、後からやって来るペルフェクティは色々と作業する役目である。

 そして沈黙しながら推し進めたのはここまで、ここから先は、誤解や時間の方が問題となる。
「此処から先は時間との勝負。セキュリティに見つかるより早く、改造中の子を助けないと」
「ならエマーソンくんは一番怪しいと思う子に急行すると良い。ボクは全体を見定めていくよ。……じゃ、いこうか」
 なんて非道なのかしら? 必ず助けるからね。
 未来ある子供たちを誘拐、改造するなんて許されないね。
 そんな言葉を飲み込んで、喋る事すら惜しげに二人は突き進んだ。
「助けに来たわ。怪物に見つかると悪いロボットにされるわ。だから声を出さないで私達についてきて。皆手をつないで。手を離さないでね」
「「ハイ。判リマシタ。沈黙ヲ維持シ。可及的速ヤカニ移動シマス」」
 突入一番、フィオレンツィアが掛けた声に対し……。
 返って来たのは、意外にも、とても冷静な言葉であった。

 いや、正しく言い直すとしよう。
 人道という言葉をハッキリと無視し、ベルトコンベアーの上へ、物の様に積まれて洗脳中だったのだ。
「これはまいったね。『大丈夫かい子供たち、ボクが助けに来た!』って感じだったんだけど、アハっ。これは確かに心のケアが必要だ。身体の改造より心とは、なかなかどうして、特撮ヒーローにも造詣が深いのかな?」
「判ってるから黙ってて。改造中の子を連れだしたら、速攻で職員さんたちと交替するわよ」
「「判リマシタ。沈黙ヲ継続。作業ヲ交替シマス」」
 ペルフェクティの苦笑を遮って、フィオレンツィアは内臓の温度が急変以下を起すのを自覚した。
 整然と、それでいて一種異様な行進をする壊れたラジオの様な子供達を尻目に、一番奥の溶液に漬けこまれた子供を救いだす。
 汚れなどカケラも気にせず抱き上げて、速やかにその場を立ち去り始めた。

●増援
『シネシネシネシネシネ!』
「ええい。攻撃する間も無いとは。散れ……!」
 ワルゼーのまいた無数の木の葉は、ヴァンヴァンと咆哮を上げるガトリング砲によって、吹き散らされた。
 回復しても回復しても、それ以上のペースで誰かが傷を受けてしまう。
 二人掛り、時にはサーバント込みで回復しているのに……である。
「あとちょっとで、あとちょっとで状況が変わるからっ。だから、もうちょっとだけ辛抱してください!」
「そうだな。仕方あるまい、本気でいくぞ……」
 お父さんがマジ泣きした、この一撃――!!
 しあのが血だらけで特攻しダモクレスの向う脛を気っ飛ばすと、ネルも覚悟を決める事にした。
 攻撃力を維持する為に回復役に任せていたが、攻撃と回復の波の中にネルも加わる時が来たのだ。
「全力で、葬る」
 ネルは足にダッシュローラーだけを残すと、回復代わりに傷ついたアームドフォートを全て大剣に集めた。
 鉄の塊は機械の塊へ、メカの付喪神がいたらこんな感じだろうと思うソレに騎乗し、突撃を掛けたのである!
「とにかく! とにかく! とにかく! あと10分、駄目ならあと5分! それも駄目だったとしてもっ!」
「やれやれだ。……ここは自分の流儀なんぞに、拘ってる場合じゃないよな」
 しあのはいつのまにか、泣きながら攻撃していた。
 彼女のそんな姿を見て、満願は明らかに動きを変える。
 足を地に付けて手技で重い攻撃を放っていた彼は、軽いステップで動き回りつつ、蹴り技を連発するスタイルに切り換えたのだ。
「命中重視だ。せっかく信条を変えたんだぜ、受け取ってくれよ!」
 女の子の涙に弱いんだ……。とは、満願は口にしなかった。
 ただ自分に出来る事をする為に、威力重視から命中重視に切り替えただけの事。
 予め定めた方針に従っただけだと、今は主張しておこう。
「これじゃ足らないか……。まあもう少しだけ保たせれば良いなら、こうするまでだ!」
 宗樹は癒しの光を周囲に向けて居たが、意を決すると斧槍を地面に叩きつけた。
 砕けるルーンは大地に交じり、大きな破壊の紋章と成って、傷ついた仲間に力を与え始める。
 そう、攻撃役の仲間……ネルが自分で自分を治療したことで、範囲治療から個人治療に切り換えたのだ。
「シンシアも自分で治療をお願いするね。ごめん、必ず後で治してあげるから。だから『咲き誇れ……花弁よ、舞い踊れ……淑女のように。艶花七変化』踊るなら最後まで枯れるまで」
「(援護してくれたっけな。……なら、お返しくらい、しとくか)」
 エーゼットが傷ついたサーヴァントに心配そうな目を向けたので、宗樹は最初に敷いた紙の兵を起動させる。
 ボクスドラゴンの形紙が、シンシアと入れ替わる形で傷ついて行く(樽タロスも同様に)。
 その頃には、エーゼットの髪にランタナの花が咲き乱れ、散った花びらが敵へと襲いかかって行くのである。

 そして一同の努力は、ようやくその姿を結実させた。
 そう、援軍は敵にではなく、ケルベロス達の元に訪れる!
「やあ、待たせたね。ここからが反撃の時だ」
「ペルフェクティ君。……子供達を、助け出せたんだね」
 フッと笑って、ペルフェクティは気軽にペル君で良いとよ、エーゼットに声を掛けた。
 彼女と彼の装いは逆しまで、王子様の姿で少女は微笑み、少女の様な姿で少年は迎え容れる。
「狼藉はここまでだ! 悪の栄えた例はないと知れ!」
 彼女は踊る、円を描いて。
 彼女は振るう、銀なる剣閃を。
 彼女は翔る、彼女の戦場を。血ならぬオイルの中でペルフェクティの掲げる剣は……、絶望をこそ斬り割いた。

●ある者は地獄へ、ある者は天国へ
「少し、頭に来てるの。と言う訳で、さっさと壊れてちょうだいな」
 フィオレンツィアは言うほど表情を変えず、手の中の銃を弾けさせた。
 タンタンと軽い音を立てて吸い込まれ、ダモクレスは文字取り人形の様に銃撃で踊る。
「汚ねえ花火かもしれねえが、いっちょブチあげてやりゃあ、子供達も喜ぶかもな?」
「いや、まあ。それは良いんだけどね。後で説明する事にするよ。その頃には……治ってるといいなあ」
 鋭い蹴りを放っていた満願が、ガッツポーズなのか拳を握り締めた。
 ペルフェクティは苦笑いを浮かべると、剣に込められた星の輝き、人々の願いを解き放つ。
 星の煌めきが天に届けば、満願成就、子供達も完全に治療できるかもしれない。
「ならよ、俺らも回復ついでに寄って行こうぜ。怪我無いかアフターケアってやつだ」
「そうですね、抱きしめてあげなくちゃ!」
「そうしよっか。もう大丈夫だよって伝えて、またこんな事があったとしても僕等が絶対に助けるからって」
 宗樹が、しあのが、エーゼットが意気を盛り返す!

 援軍が来たからではない!
 子供たちが救われたと知って、勇気百倍だ!
「まあ、改造は定番ゆえな。何があったのかは想像がつく。廃工場を色々調査してみようか? 何か面白いものが見つかるかもしれん」
「それもそうだね。ボクもまだ伝えてないんだ。……もう怖いものはいなくなったから、安心していいよ。それに、また何かあったら今度はボクを呼べばいい、ってさ」
 ワルゼーが治療から攻撃に転じ声を掛けると、ペルフェクティも頷いて言葉に祈りを込める。
 いつでも、キミのもとへ駆けつけよう! ならばそう……今日は笑顔を届けに駆けつけるのだ。
「……良かったな。では終わらせるとしよう!」
「私達が必ず護るからと……エールを送る事にしましょうか」
 最後の最後で、冷静だったネルは言葉に力を込めた。
 仲間達のソレを受けて、フィオレンツィアは二本の鉄塊を鍵へと替える。
 封印された地獄の扉が開き、世界に地獄が現出し始めた。
『グギギギ!!』
「「これで……トドメ!!」」
 ケルベロス達は先を争うかのように攻撃を集中させた。
 それはまるで、ヒーローショーで見られる、合同必殺技の様であった。
 かくして子供達の未来は、護られたのである!!
 きっと子供達の顔には、笑顔の花が咲いていただろう。

作者:baron 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年10月6日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 7/感動した 2/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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