死を奏でる魔法少女

作者:凪木エコ


 駅前の広間にて。1人の少女が孤軍奮闘していた。
「えいっ! じょーか、されちゃえ!」
 魔法少女へと変身した少女がタクトを振るえば、実体化された音符が敵である怪人たちを吹き飛ばしていく。
 少女は多くの怪人を圧倒するものの、その数は一向に減らない。一定時間が経過すると、駅のホームからは新たな怪人が多数出現するからだ。
「敵が多い……! けど、負けないもんっ!」
 タクトを強く握り締めた少女は、発信源を食い止めるべくホーム目指して駆け始める。
 街の平和を守るという使命を果たすため。
 しかしながら、怪人など存在しない。少女が怪人だと思い込んでいる者たちは人間なのだから。
 ましてや少女は魔法少女などではない。その正体はVRギア型ダモクレスを装着した普通の少女。
 現実世界とゲームの世界が混同してしまった少女が、街の平和を脅かしていく。
 少女がホームに入ってから10分後。1編成の電車が大惨事へと陥る。


「米原市、米原駅前の広場にて、VRギア型のダモクレスを装着した少女が人々を虐殺するという予知が入りました」
 セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)によると、VRギア型ダモクレスを装備した少女は、現実をゲームであるように錯覚しており、周りの一般人を怪人と誤認して攻撃し続けているようだ。
 少女のすぐ近くには、VRギアが少女のイメージする姿、魔法少女のアバターを実体化させている。実際に攻撃を行うのは、このアバターになる。
 アバターは一定のダメージを与えると消失するが、少女のゲームを続ける意志が尽きない限り、すぐに新たなアバターが戦闘開始時と同じ状態、すなわち、全回復した状態で現れてしまう。
「少女のゲームを続ける意志を折るような形でアバターを撃破する事ができれば、VRギア型ダモクレスは撃破され、少女を救出する事が可能となるでしょう」
 さらにセリカは重要事項を説明していく。
「少女やVRギアを攻撃した場合、少女は身を守るためにアバターと合体して戦うようになってしまいます。アバターと合体した場合、戦闘力は強化されますが、一度倒せば復活せずに撃破する事が可能です。……しかしながら、この場合は少女を救出する事は出来なくなってしまいます……」
 少女はケルベロスやデウスエクスと同様、通常ダメージは無効となっているようなので、少女に対してグラビティによる攻撃を行わない限りは、アバターと合体する事はない。


 VRギア型ダモクレスは、ゲーム世界に相応しくない現実を、ゲームの設定に合わせて修整して少女に認識させている。
 故にケルベロスについては『倒さなければならない強敵』であるように認識させる為、優しい言葉や、ケルベロスとしての説得の言葉は、ダモクレスによって都合の良い敵のセリフに変換されてしまう。
 しかし、ケルベロスが最初から、ゲーム世界の設定に相応しい『倒さなければならない強敵』のような格好や演出をした場合、その言葉や行動をそのまま伝える事が可能になる。
 これを利用すれば、少女がゲームを続けようとする意志を折る事ができるかもしれない。
 セリカは最後に、
「VRゲーム機の入手経路は不明ですが、このままでは取り返しのつかない罪を少女は犯してしまいます。無理は禁物ですが、可能な限り少女を救ってあげてください……!」


参加者
カロン・カロン(フォーリング・e00628)
ティアリス・ヴァレンティナ(プティエット・e01266)
来栖・カノン(夢路・e01328)
アルケミア・シェロウ(ヘイズの狐火・e02488)
千歳緑・豊(喜懼・e09097)
伊庭・晶(ボーイズハート・e19079)
軋峰・双吉(悪人面の黒天使・e21069)
セデル・ヴァルフリート(秩序の護り手・e24407)

■リプレイ

●戦闘前
 偽りの魔法少女を目覚めさせるべく、ケルベロスたちは既に動いていた。
 現在は避難誘導及び、禁止区域の設営を行っている最中。在来線、新幹線までも止まる大型駅なだけに、中々に大掛かりな作業である。
 キープアウトテープにて西口の封鎖を完了させたティアリス・ヴァレンティナ(プティエット・e01266)は、一段落ついたとウェーブがかった長髪を整える。初冬の澄んだ空に浮く雲のように、うっすらと青い髪色には、白衣がよく似合っている。
 ティアリスの白衣とは対象的に、黒いナース服に身を包んでいるのはカロン・カロン(フォーリング・e00628)。
「戻りましょ、ティアリスちゃん、じゃなくてティアリス先生?」
 役になりきろうと、カロンは看護婦、ティアリスの助手を戦闘前から装う。万全な対策のため、というのはもちろんだが、悪役のフリを一刻も早く演じたいという彼女の好奇心もあるのだろう。ピン、と立った耳が物語っている。
 遅すぎるハロウィンや、少し早いクリスマスパーティーを2人は楽しんでいるわけではない。相手のヤル気を削ぐためにと、メンバーは変装しているのだ。
 軋峰・双吉(悪人面の黒天使・e21069)も例外ではない。
 漆黒をイメージした全身コーデで固めた双吉が、構内のとある場所で足を止める。その視線の先には全身鏡が。
 鏡を見ながらも、切れ長な眼を細め、眉に力を入れる。顔の傷も含めるとカタギとは思えないくらいの凄み。さらにはジャケットの内からブラックスライムが飛び出し、黒翼を形成させながらも決めポーズ。
 自分でも笑ってしまうほど悪役が似合っている。
「ちっとも嬉しくねぇな……」 
 スライムがげんなりするほど落ち込もうとした矢先、
「ふはははは! 君を蝋人形にしてやるんだよ!」
 ローブをひるがえし、血槍と薬草を握り締めた来栖・カノン(夢路・e01328)とサーヴァントのルコが登場。双吉の真横で悪役らしいポーズを取るものの、精一杯の演技はセリフも含めてイマイチ、ピンと来ていないらしい。
 そして、照れが含まれる愛嬌たっぷりの笑みで、
「難しいなあ。双吉さんは凄い似合ってると思うんだよ」
 その言葉を聞いた双吉は、つられるように小さくも口角を上げ、「ありがとさん」とカノンの頭を撫でながらも思う。
 悪人面もたまには悪くはないと。
 駅員へと事情を話し、ダイヤを遅らせることに成功した伊庭・晶(ボーイズハート・e19079)は広場へと戻り、人々が残っていないかの最終確認をしていく。後頭部で両手を組みながらも辺りを見渡す姿は、元男だと主張するだけありボーイッシュ。
 晶は空を見上げて呟く。
「どうすっかなぁ」
 戦闘中、どういう役を自分が演じるかを考えているようだ。
 バグゲー、無理ゲー……、とボヤいていると、唐突にも耳がピコピコと動く。何やらアイデアが浮かんだのだろうか?
 そんな晶に、小さくも手を挙げているのはアルケミア・シェロウ(ヘイズの狐火・e02488)。ここら一帯の避難誘導は完了させたようである。
 アルケミアは間もなく始まる戦いに備え、狐の仮面を装着済み。丈の長い黒色コートも合わせれば、彼女の周囲のみミステリアスな雰囲気が漂っている。

 数分後。戦闘部隊のメンバーが広場へと集まる。
 一足先に広場の中央にて待機していた千歳緑・豊(喜懼・e09097)は、パイプ煙草を吸いながらも思う。
 こんな学芸会じみた事をする日が来るとはなぁ、と。
 狩猟免許を持っていたり、いくつかの店を経営したり、地球侵略に従事した経験があろうとも、演劇などやったことはない豊。少しの恥ずかしさや心配は当たり前にある。
 しかしながら、そこは殺しのプロ。一服を終え煙を吐ききるころには、負の感情も一緒に消え去っていく。
 7人の影が突如、地面を色濃くする。真上を飛んでいるセデル・ヴァルフリート(秩序の護り手・e24407)の翼が、更なる輝きを見せたからだ。
「来ました!」
 セデルの声と同時、メンバーは武器を構え臨戦態勢へと入る。
「いたいけな少女に悪しきプレゼントを贈るとは許せません……。皆さん、必ず少女も人々も守り抜きましょう」

●ようこそ、バグゲーの世界
 VRギア型ダモクレスを装着した少女が胸を高鳴らせる。空から急降下してきたセデルを発見したのだ。
 セデルの格好は黒を基調とし、シルバー系のネックレスや首輪などが装飾されたデスメタルなファッション。並走するサーヴァントのイヤーサイレントもとい、ノイズィーも然り。
「アタシはロック怪人デスメタルセデルだ! こいつは相棒のノイズィー。ヨロシクなぁ魔法少女よぉ!」
 日曜日の朝にテレビで見るような怪人ではないものの、少女は気にしている場合ではないと、空めがけてタクトを振るう。
「じょーか、されちゃえ!」
 アバターのタクトから奏でられる力強い音色が、迫り来るセデルに襲いかかる。セデルの全身からこれでもかと、おびただしい鮮血が飛び散っていく。
 攻撃を仕掛けたはずの少女でさえも、怖気つく量だった。
 一撃で瀕死するであろう血の量。セデルはだらり、と四肢を弛緩していた。けれども地面に落ちることはない。それどころか、壊れた人形のように首だけが動き始め、
「……アハッ! アハハハ! もっとやってよぉ! 痛いのが気持ちイイからさぁ!」 
「ひっ……!」
 少女はあまりの不気味さに、上ずった声が漏れてしまう。恐怖の対象はセデル本体だけではない。セデルから流れた大量の血が動き始めたのだ。
 否、それは血ではなく、赤く塗りつぶされた紙の兵隊。血だと思っていたものの正体は、赤く染められたデスメタ仕様の紙兵散布であった。
 パニック状態の少女は、血の正体が紙ということに気づいていない。  後ずさろうとする少女は動かず。イヤーサイレントによる金縛りを受けていることにも気づいていないのだ。
 豊が隙を見逃すわけもなく、
「さあ行け、我がしもべの魔獣よ! 『主人公』を食い殺すのだ!」
 少女の目からは涙の膜が溜まっていく。豊の召喚した身の丈を遥かに上回る獣が、ざわつく血を払い除けながらも自分目掛けて襲いかかってくるのだから。
 獰猛な獣が、己の身体を燻らせながらも少女のアバターへと食らいつく。痛みはないものの、精神的ダメージはいかがなものだろうか。
 獣から逃れようと必死に駆ける少女。けれど、獣や血の兵隊は少女の周りを執拗に回り続け、逃がしてはくれない。
 闇の医者とナースもだ。
「わたしたちの実験を邪魔する子はお嬢さんかしら。カロン、大人しくさせて」
「あら、先生がそーいうなら捕まえなくちゃ。……ぶっ殺しちゃったらごめんねぇ?」
 カロンの豪快な足技がアバターの足をなぎ払う。仰向けになった刹那、耳をつんざく『チュイイイイイン!』と甲高い金属音が。
 ティアリスのスパイラルアームが容赦なくもアバターの口内へと入り込み、ガリガリと健康な乳歯を削っていく。
「っ~~~~~!」
 声にもならない少女の叫びに、ボクスドラゴンであるルコでさえ気の毒な気持ちになってしまう。『きゅい!』と高鳴きながらもブレスを吐き出し、アバターを焼き払う。
「きゃああああああ!」
 1回目の討伐に成功。
 すると、VRのディスプレイには『continue?』という文字が浮かび上がる。
「ま、まだ大丈夫だもん……!」
 少女は負けず嫌いな性格なのだろう。頬をつたう涙を拭いながらもコンテニューを選択。すぐさま新しい魔法少女のアバターが復活する。

●さようなら、〇〇ゲーの世界
 何回目のコンティニューを少女はしただろうか?
 怖さへの抵抗を多少ながらもつけた少女は、幻想的な曲を前衛陣へ繰り出す。
「怪人はいなくなれっ!」
 所詮は一般の子供。何度も繰り返される単調な攻撃は回避しやすい。
 とはいうものの、こう何度も立ち上がられてはケルベロス側が消耗戦になってしまう。
 豊は最悪なケースを頭に思い浮かべる。それは少女自身への攻撃。
 けれど、まだその時ではない、その時を来させてはいけないと首を横に振るう。
「そんな低難易度クリアは目標としたくないよね。それにあと少しで、あの子も降参すると思うんだけどな……」
 仲間も同様な思考を張り巡らせていると、改札前からサポート組の1人、百合水仙が指を3本提示。3分後に電車が動き出すという合図だ。
 タイムリミットは近い。
 同じく改札付近で待機していた炯介は、サポートに向かうべきかと考えていた。しかしながら、突如動き出した1名の表情を見て、問題はないだろうと足を止める。
 その人物は晶。
 少女と晶の視線が交差。
 少女は思う。やっぱり怖いと。けれど、これはゲームなんだと言い聞かせながらも、タクトを振るおうとした。
 晶の叫びを聞くまでは。
「米原駅へようこそ! 米原駅へようこそ! 米原駅へようこそ!」
「ええっ!?」
 敵ではなく、ゆるキャラ? 
 晶のとっておき。バグゲーだけで足りないなら、クソゲーも追加してやろうという算段である。
「メタリックバースト!」
 少女が攻撃を躊躇ってしまった隙に、晶は前列の仲間たちにオウガ粒子を拡散。粒子と同時に、晶の考えも仲間たちには伝わったのだろう。
 すかさず、双吉の黒い翼を模したスライムが、少女を呑み込む。
 呑み込みながらも、双吉の決めゼリフ。
「奏での魔法少女よ……グハッ!」
「???」
 行動とセリフが噛み合っていないことに疑問を感じながらも、少女はタクトにて双吉を殴打。しなったタクトが双吉を1歩後退させる。
「くくっ……よくぞ我を倒したな、奏での魔法少女よ……グハッ!」
 普通なら倒れるであろうセリフなものの、双吉は仁王立っている。さらには1歩前進してくるではないか。
 焦りつつも少女は、何度も何度もタクトを振り回し続ける。
「くくっ、くくっ、くくっ……グハッ! グハッ! グハッ! よくぞ我を倒したな、奏での魔法少女よ……グハッ!」
 ペインキラーで痛みを誤魔化し続ける双吉の渾身の演技に、少女は大混乱。
「な、なんで! このゲーム壊れてるの!?」
 バグゲー&クソゲーに戸惑う少女の身体が、またしても動かなくなってしまう。今度は金縛りではない。アルケミアによって張り巡らされた、視界で捉えるのが困難なほどの極細ワイヤーが原因である。
 関節という関節がホールドされてしまい、少女は動けない。狐の仮面を被り異様な雰囲気を醸し出すアルケミアに、少女は恐怖がぶり返す。何を言っているのか分からないほど微弱な声も不気味。バグも相まって不気味。遠くの「米原駅へようこそ!」と連呼する声も不気味。
 全てが不気味に思えてしまう。
 挙句の果てには、
「エラーメッセージなんだよ!」
「エラーメッセージですっ!」
 黒マントの同年代2人組、カノンとリニア・シュガーソング(ウェアライダーのウィッチドクター・en0187)が意味不明な言葉を連呼しながらも応戦。カノンの提案したバグ演出である。
 リニアがが力の源となる光球をカノンに付与し、槍から繰り出される雷の猛攻がアバターを破壊。
 討伐成功と同時、カノンとリニアが悪役ポーズを決める。
 カノンの顔は満足げ。どうやら納得できるポーズを見つけたらしい。
 『continue?』と表示されるVR。
「うう……! ま、まだ……」
「ねぇ。あなたもしかして、ゲームだから死なない、なんて思ってるのかしら」
 注射器型の銃を携行しながらも、ティアリスは少女のもとへとゆっくりと迫る。
 死ぬはずがないと思っていた少女なだけに、アバターを復活させることを忘れ、「……え?」と固まることしかできない。
 気づけば、カロンが少女の後ろ立っており、耳元で囁く。
「看護婦さんと先生がいたーい注射打ってあげる。でも大丈夫。現実かゲームか分からないくらいハッピーになれるからね……?」
「え……あ、え……?」
 逃げようにもカロンに拘束されてしまっては動けない。
 見せびらかすように真っ白な弾丸を銃へと装填したティアリスは、震え上がる少女へと銃を近づけていく。
「あら、動いちゃダメ。飛び散ったら、後片付けが大変でしょう?」
「や、やめて……! 死ぬのはイヤだよう……」
 聞く耳持たず。ついにはティアリスが少女の額へと銃口を接地。
「処方箋は地獄で受け取ってね?」
 引き金に指が掛かった瞬間だった。
「イヤァァァァ―――! もうこんなゲーム止める~~~!」
 少女の降参ととれる発言に、カロンとティアリスは互いを見つめ合い、白い歯を覗かせる。
 2人が勝利を確信した瞬間、VRに『GAME OVER』の文字が浮かび上がる。すると、少女の頭から自動的にVRが外れる。
 豊はリボルバー銃をしまい、代わりにサングラスを取り出しながらも呟く。
「Sランククリアだね」

●ハロー、リアルワールド
 セデルと悠乃が、拾い上げたVRを観察している。
 そして、未だに点滅するVRを2人は危険だと判断。
「セデルさん、お願いします」
 調査よりも安全を優先。
 頷いたセデルは拳をオーラで纏うと、そのままに拳を振り抜き、VRを木っ端微塵に。
 キープアウトテープを剥がしながらも、塵となっていくVRを眺める晶や百合水仙たち。
「ダモクレスが地球製のVRゲーム機に擬態とはねえ……。やり方が悪どくなってんのは、ケルベロスが警戒されてんのかね?」
「どうだろうね。それにしてもあのアバター、一体どういう原理だったんだろ」
 謎は多く残っているだけに、今後も注意が必要だろう。
 駅が元どおりに機能を取り戻した頃、膝枕されていた少女はようやく目を覚ます。
「……ん? あれ……? お姉ちゃんは誰……?」
 気づかないのも無理はない。アルケミアは狐の仮面を外しているのだから。けれど、気づかない原因はそれだけではないだろう。戦闘中と比べても柔らかい印象が今の彼女にはある。
 恐怖を思い出させる必要もないと、アルケミアは少女の頭を優しくも撫で続ける。
「怖い夢を見てたんだね。でも、もう大丈夫だから」
「……うん」
 少女は安心しきり、今一度、目を瞑ると寝息を立て始める。
 狐の仮面を被っていては分からないであろう、微笑を浮かべながらもアルケミアが少女へ囁く。
 お帰り、と。
 
 全てが片付き、あとはヘリオンを待つのみ。メンバーは改めて仲間の1人1人の格好を見回し、思わず笑いがこみ上げてしまう。失笑、苦笑い、乾いた笑い、含み笑い、大爆笑……。
 様々な笑いが溢れる中、カロンが、
「ねぇ! 記念写真撮ろうよ!」
 カノンは大賛成だと、フードを被り直しながらもカメラ搭載のゲームプレイヤーを取り出す。
 セルカ棒のような都合のよいアイテムを持っている者はいないものの、炯介はカノンからゲームプレイヤーを受け取り、攻性植物を召喚。空へと伸びていく茨は代用にはもってこい。
 セルフタイマーがゼロへと近づいていく。
 遅すぎるハロウィンや、少し早いクリスマスパーティーではない。
 けれども、今日という思い出を残すため、メンバーたちはレンズを見上げる。

作者:凪木エコ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 4
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