バトル・ザ・ダークサイド

作者:宮内ゆう

●闇の奥にて
 ――さあ、暗黒のゲームを始めよう。
 潰れた店の奥の小部屋、その暗がりの壁にそう書かれた垂れ幕が提げられていた。
 その真下のテーブルで、ひとりの男性が俯いている。
 そうではない、こんなはずではなかったと呟きながら。
 おそらくはこの店の店長だったのだろう、店をたたむことになったのは自分のせいだと感じている、そう思わせるには十分な姿だ。
 彼には力が足りなかった、ただそれだけだ。だが、だからこそ後悔しても止まない。
「今こそこの呪われし禁断のゲームを……ッ!」
 彼は力を望んだ。
 そして巡りあってしまった。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 越えてはいけない一線を越えるための扉を開く鍵に。
 もっとも、本当に鍵が胸を貫いているとは思ってもいなかっただろうが。
 
●解き放たれし暗黒
「私のターン! ドローッ!!」
 やおら勢いをつけてセティが山札からカードを引いた。
 そして手札から別のカードを引き抜き場に差し出す。
「手札より魔法カード『欲望の炎』を使用! これにより場の『魔犬ルシエド』が『欲望の守護神』に進化します!」
 ルシエドが大あくびした。
「……カードゲームってこんなノリなんですか?」
 疲れそうですねぇと、割りとやりたい放題真似してみた末にそんなことをいう。
「ええと、まぁそういう感じのコンセプトなゲーム屋だったみたいです」
 半ば見なかったことにしてヘリオライダーの茶太が話を戻した。
 ボードゲームやカードゲームが中心のホビーショップいったところで、奥では実際に人が集まってゲームをする部屋がある。他の店と一線を画するのが、その雰囲気だ。
 どこかのマンガやアニメのように、大仰にセリフや動作を交えながらプレイをするということになっていたのだ。故にこのメッセージがある。
「暗黒のゲームを始めよう、と」
 別に命を賭けるわけでも、負けたら魂を抜かれるわけでも、怖ろしい罰ゲームがあるわけでもない。ただそういうノリでゲームをしようというだけだ。
「面白そうだとは思いますよ? ですけど……」
 イベントとしてたまにやるにはいいだろう。四六時中そのノリとなるとさすがに疲れるし飽きる。
 かくして、この店は最初人気だったものの、どんどん客が減り、挙句には潰れてしまったというわけだ。
「それで後悔の念に苛まれた店長をドリームイーターが襲ったわけです」
 ようやくここから本題。『後悔』の感情を奪われ、店長は昏睡状態に陥り、新たなドリームイーターが生み出された。
 このままでは罪のない一般人が店に引き込まれ被害に遭ってしまう。
「そうなる前に、ドリームイーターの撃破をお願いします」
 ドリームイーターさえ倒せば、店長も目を覚ますことだろう。
「例のごとく、この手のドリームイーターはサービスを強制的に受けさせようとしますが、楽しめば弱体化します」
 今回でいえば、店の流儀に則って派手なセリフや大げさな動作を交えて、まるで命を賭けたかのような暗黒なゲームを楽しめばいいということだろう。
「まあ、どうするかは皆さんにまかせます」
 みんなで何か遊んでもいいし、ふたりペアでやってもいい。とにかく決闘を楽しむべし。
「こんな文化もあるものなんですねぇ……あ、でもカードゲームはちょっと知ってます」
 なんだかちょっと自信ありげにセティが微笑んだ。
「私、ババ抜き得意なんですよ」
 あんまり遊んだことはないらしい。


参加者
結城・レオナルド(弱虫ヘラクレス・e00032)
幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)
アリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)
日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)
九折瀬・朽葉(螺子け人・e04306)
キーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)
華輪・灯(幻灯の鳥・e04881)
カルナ・ロッシュ(彷徨える霧雨・e05112)

■リプレイ

●世界滅亡への序曲
 人気のない店舗の前に一陣の風が吹き抜けた。
「遂に究極のゲームの封を切る者が現れてしまったのね……」
 風に髪を揺らしながらアリス・ヒエラクス(未だ小さな羽ばたき・e00143)が囁く。
「一度始まれば最後の独りになるまで敗れたプレイヤーの魂を奪い続ける……当然、途中退出権は無し……」
 そして目を見開き……。
「アリスさーん、そろそろ始めますよー?」
「今行くわ……」
 セティ・フォルネウス(オラトリオの鹵獲術士・en0111)に呼ばれたので店内へ入っていった。
 中に入れば、もうそこは世界が違う。異様な熱気が渦巻く空間であった。
「ここまで来てしまっては仕方がありません……」
 いってからくるりと一回転。途端に、ばさりと華輪・灯(幻灯の鳥・e04881)から漆黒の羽根が舞い散った。これが最終決戦、究極の姿である漆黒の堕天使が降臨した。
「闇のババ抜きの開催を宣言します! 地を這う者共よ、命を賭してかかって来なさい!」
 纏うジョブレスオーラが半端ない。
「きゃー、灯ちゃんかっこいですー!」
 外野もうるさい。
「ほう、ならば受けて立とう! 我が咆哮は獅子なる怒り、闇のババ抜きなぞ恐るるに足らずッ!」
 立っているのも不思議なくらいスタイリッシュなスタンディングポーズを結城・レオナルド(弱虫ヘラクレス・e00032)が決めれば、カルナ・ロッシュ(彷徨える霧雨・e05112)が不敵に笑う。
「ふっ、愚かなことです……勇気と無謀は別物だというのに」
「なん……だと……!?」
「氷盤の絶零竜(ブリザード・ドラグーン)と呼ばれたこの僕に挑むというのですから」
 くいっと中指で眉間を押上げ眼鏡の位置を直す。眼鏡ないけど。
「ねえ、子猫さん?」
「フッ……ハハハ! 言ってくれるわ、この百獣の王に対してなあ!!」
 カルナとレオナルドの間に火花が散る。
 この時点で何故か置いてかれてるラスボス灯。
「出でよ、魔犬ルシエド!」
 とりあえず手招きで召喚。ルシエドが寄ってきた。
「カード持てます? あ、いけそう。がんばって!」
 思いきり参戦させる気だ。
「この命を賭したゲーム、あなたはいきのこることができるかー」
「はい、ジェンガはあとでやりましょうね」
「……そうね」
 とりあえず今は大人しくしてるあとふたり、アリスとセティだった。

 一方のTCG勢。
「四神の拳士を越えた黄龍の拳、今こそお見せしましょうッ」
「一介の決闘者として断れるはずもない。受けて立つぜ!」
 そう言って向き合って礼をする幸・鳳琴(黄龍拳・e00039)と日柳・蒼眞(落ちる男・e00793)のふたり。決闘者の鑑である。
「……ところでルールを教えていただけませんか」
「そこからかよ!」
「まさかの初心者ーッ! この戦い一体どうなってしまうのかッ!」
 唐突に九折瀬・朽葉(螺子け人・e04306)が騒ぎ出した。
「あ、ほら。今回僕解説しようと思って。審判とかギャラリーとかそんな感じ?」
 驚いたり説明したり、必須なポジションというわけで。
「つまり8枚のバトルメンバーが……」
「ほうほう、合計値で戦闘力と……」
 解説中。
 というわけで無事決闘開始。
「俺のターン! 『クラウディア4姉妹』の攻撃!」
「この瞬間――罠カード『無明』を発動します!」
「何、そのカードはッ!」
「おーっと、場の『日輪の勇者』が敵の殺意を察知して反撃の態勢を整えたぞー!?」
 ちょくちょく混じる朽葉の解説。
「その通り、この2枚のカードが合わさることにより、相手の攻撃ターンを強制的に自身の攻撃ターンに置き換えるのです。食らいなさい、夢想一閃!!」
「ぐああああっ!」
「おお、鳳琴さんが蒼眞さんのクラウディアを撃破だー!」
「そんなコンボがあるとはッ……」
 初心者とは思えない見事なコンボに蒼眞も驚きだ。
「だが、戦いはこれから――はッ!?」
 言いかけたところでその気配に気付き、その方を見遣る。鳳琴もすぐに気付いたようでそれに倣った。
「ふふ……いや、なかなかに楽しそうでのう」
 ゆらりと影が現れた。ローブ姿で顔を半分隠したキーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)がにやりと笑う。
「どれ、わしもひとつ手合わせ願えんかのう……?」
「蒼眞さん……」
「ああ、こいつはただ者じゃない……全力でいかないと……ッ!」
「突如現れたミミックに頭を囓られている男! 彼は一体何者なのか、真の戦いはここから始まる――!!」
 実際、キーリアの頭をミミックの千罠箱さんががじがじしてるのだが、なんだか朽葉の解説で台無しだった。

●無限のシルブレなんちゃら
 またひとつの勝負の決着が付こうとしていた。
「俺のターン、ドローッッッ! 俺はこのターン、貴様の手札からカードを一枚引き……そしてッ!!」
 レオナルドがカードを引き抜く。
「『黒のスペードのエース』と『赤のダイヤのエース』を場に出し、フィニッシュだッ!!!」
「ま、まさかッ、僕の計算がああああ!?」
 とはいえ、ここですかさずカルナが2位上がり。
「なかなかやりますね。しかしまだ2勝2敗、このままでは終わらせませんよ!」
「貴様こそ……次こそその喉笛を噛みちぎってくれるッ!」
 熾烈な首位争いをしている一方、苛烈な最下位争いも繰り広げられていた。
「さあ、セティちゃん勝負ですっ!」
 代打エルトベーレ。灯は3連敗したくらいで考えるのをやめて寝転んでドーナツ食べ始めた。纏うジョブレスオーラが半端ない。相手が突き出してるカードをそのまま取るからそうなる。
「ふっふっふ……視える、視えますよ……」
「あ、ルシエドさん上がりました」
「私がサード・アイの持ち主と知った上で円環の愉悦を求めるとは何と愚かなーです!」
「私も上がりました」
 ぴょーいっとセティがカードを場に捨てた。
「え、ちょ、私との勝負は!?」
「円環の巡り会いがわるかったようです」
「……私も上がり、運命とは残酷なものなのだわ」
 アリスもさらりとクリア。
 そして始まるリリウムとエルトベーレの一騎打ち。アホ毛がビビッとカードの一枚を指さした。
「こっちですー!」
「いやー、だめえええええ!!」
 リリウムの勝利。ババ抜き苦手なお子様でも勝てる、それがエルトベーレ。ちなみにカイさんにも負けた。

「うあああっ!!」
 痛烈なダイレクトアタックを受けて鳳琴はカードを散らしながら倒れ伏した。ライフはゼロ。完敗である。
「くっ……『黄金戦姫』も『大樹の救世主』も歯が立たないなんて……!」
「鋼鉄の筋肉に勇者を救う光か。強力なスキルよ」
 勝者たるキーリアが笑う。
「じゃが如何に強力といえど限界はある。使いどころさえ抑えてしまえばどうということはない。さて……」
 そう言って蒼眞のほうに向き直った。
「こちらも片付けてしまおうかの」
「ぬかせ! 倒されるのは貴様の方だ! ドローッ!!」
 ジャケットと赤いハチマキをなびかせカードを引く。その瞬間に朽葉が声をあげる。
「ジャケットの紋章……アレは風の団のエンブレム! 彼はすべてを背負ってここに立っているんだッ!」
「俺は沫雪の魔想紋章士を召喚! さらにこのカードの効果により、手札から特殊召喚を行う! 来い、『蒼穹を翔る風』!!」
 場に2枚のカード、戦闘準備が整う。
「おお怖い怖い、このままでは負けてしまいそうじゃて、くくくっ」
 余裕の笑いを浮かべながらキーリアがカードを引いた。その瞬間、笑みが高笑いに変わった。
「ク……フハハハハ! 来てしまったのじゃよ、切り札が!」
「なにぃ!?」
「場のカードすべてを生け贄に捧げ――『悪意聳えし闇商人』を召喚! 続けて攻撃じゃ。飲み込まれるが良い――これがロストである」
「な……うおお、俺の『風』があッ!?」
 一瞬にして撃破、蒼眞は追い込まれた。
「さて、もう勝ち目はなかろう。ここまでにしておけ」
「なにをバカな……俺はまだ……!」
 嫌な雰囲気に朽葉が慌てる。
「おちついて蒼眞さん、こんなとこで暴走するモンじゃないよ!」
「するかッ! 俺はここで伏せカードをオープン! 『生死不明』ッ!」
「このカードは! 終焉を砕く者の死の運命を打ち砕くという……!」
「さらに、俺のライフを半分支払うことにより『蒼穹を翔る風』を『天元突破冒険者』として場に復活させる!」
「な、なんじゃとおおお!?」
「すべてを斬れ……雷光烈斬牙――!」
「こうなればわしも伏せカードを――」
 すべての決着が付くその刹那、どこからともなく噴き出した黒いオーラが部屋中を覆い尽くした。

●真なる影
 ドリームイーターが現れたとき、誰もが言葉をなくした。
「……」
「……」
「……」
 たぶん、みんな本来の目的忘れてた。
「おーっと、ここでさらに乱入者だーッ! こいつこそ、すべての黒幕、ドリームイーター店の主ッ!」
 朽葉がそう言ってくれたおかげでようやくみんな我に返った。
「ランディの意志と力を今ここに! 全てを斬れ……雷光烈斬牙……!」
「ぐぎゃー!」
 カード効果じゃなくてリアル攻撃。とりあえず蒼眞は全力でぶった切ってみた。いきなりよろよろよろめく今回の敵。
「なんという先手必勝……驚くほど不意打ちだったけど、大丈夫ー?」
 他の者が態勢を整える間にトコトコ近づく朽葉。真横に立つと見せかけてドリームイーターをすっ転ばせた。
「わ、卑怯ですー、かっこいー!」
 外野がうるさい。
「やれやれ、せっかくいいところだったのにのう……しからば暗黒のゲームのつづきじゃ。千罠箱を召喚! 店長にダイレクトアタックじゃ!」
 キーリアの命を受けて千罠箱さんがドリームイーターにがぶがぶ。さりげなくルシエドもがぶがぶ。
「続けて、わしもダイレクトアタック決めるぞい! 炎の魔術を受けよ!」
 流れるような連携でドリームイーターが焼かれる。その炎のなかからであってもドリームイーターは前進してきた。
「き、きたぁぁぁ~!」
 さっきまでノリノリで大仰な態度だったのに急に腰が引けてるライオンさん、じゃなくてレオナルド。
「命を賭けるというのは、実際そう易いことではないのだわ」
 レオナルドの斬撃の影に隠れた位置からアリスがナイフを走らせる。
 大きくよろめきながらもドリームイーターは黒い霧のようなものを吐き出した。
「命をおおおお、暗黒のゲームにいぃぃい……」
 すべてを飲み込むような霧が立ちこめていく。
「負けるものかッ」
 しかし、その闇を鳳琴の蹴りが斬り裂いた。
「ここで屈したら誰が暗黒のゲームを……なんでしたっけ。まあいいやとりあえずなんかそれな感じでとにかく、これでどうだーっ!!」
 飛び上がりながら、脚を回転させてからの踵落とし、エアシューズの纏った炎が、円を描いてドリームイーターの脳天に叩きつけられた。
「では、ここいらで終わりにしてしまいましょう! 強靱! 無敵!」
 カルナがアームズフォートを構え、光が収束する。そして撃ち出された弾が着弾、大爆発とともにドリームイーターを爆砕した。
「粉砕! 玉砕! 大喝采! フハーハハハハハ……あ」
 視線を感じて振り向くと、灯とセティがじーっとみてた。
「全ては夢、幻なのです。深追いしてはいけませんよ」
 ぷすぷす、跡形もない。
「そうですね、灯さんも遅刻の堕天使ですし」 
「漆黒ですーぅー! じゃなくてほら、私とセティさんでダブル癒やしの天使ですよ!」
「え、灯さん留年したんですか!?」
「ダブってません!」
 堕天使とはつまり、進級に堕ちた天使だったのだろうか。

●ニアミステイク
 ドリームイーターは撃破した。そして店長も目を覚ました。だが、問題はあった。
「これは一体……」
 目を覚ました店長だったがすぐに目を丸くした。
 ケルベロスたちは遊び足りなかったので、店長を放置して遊びを再開していたのである。
「つまり、このカードとこのカードの組み合わせで、カード除去の効果がじゃな……」
「ほほう、なるほど戦い方次第なんですねー。ところでさっきからミミックさんが頭囓ってくるんですけど」
「親愛の表現じゃ。懐かれてるのう」
「そーですか」
 決闘が終わればノーサイド、鳳琴がキーリアに教えを請うてるようだ。がぶがぶがぶりんぐ。
「ふむふむ、この組み合わせならば、あの天元突破もめろめろの骨抜きで役立たずに……」
「なにその羨まし……じゃなくて怖ろしい話!」
 女の子モンスターに連れ去れる妄想で一晩生きていけそう。などとは露にも語らず、蒼眞はカードを差し出した。
「準備が整ったなら――」
「もう一戦お願いします――」
 互いのカードを切り、テーブルにデッキを置く。タン、という音が静かに響いた。
「――決闘ッ!!」
 バンッ!
「この勝負、わしが見届けよう」
 決闘するふたりの横で、キーリアは静かに頷いた。
「ルシエドさん、どーなつを賭けてトランプしょうぶですっ! あ、ババ抜きはかてないので、トランプタワーをつくりますっ」
 リリウムが犬に勝負を挑んでた。
「ふふふ、わたしのほうがたかい……このままいけばわたしのかちです」
 さすがに犬にタワーは無理。こんな勝負をさせるあたり大人げない。こどもだけど。
「ギブアップするならいまのうちですよへっくしょーい!!」
 ばらばら。
 リリウム0段、ルシエド1段。勝者犬。
「まずい、それ以上はいけない! 考え直しましょう!」
 慌てた様子でレオナルドが止めに入るが、アリスは全くといっていいほど取り合わなかった。
「……功を焦れば足元が疎かになる、かと言って、待ちも過ぎれば好機を逃す。戦いの押し引き、読み合い……それは戦場でもテーブルの上でも同じこと」
 積み上がったブロックから1本ぬき、それを上に積んでいくゲームなわけだが、あっさりとアリスは取り崩した。
 ばらばらがっしゃん。
「……」
「……」
「……そう、だから私は果敢に攻め、勇敢に戦ったのよ」
「あの、私の番、まだきてないんですけど」
 申し訳なさそーにセティがいう。
「あ、それおもしろそう! 私たちもやりたいです!」
「ふふふー、私の3体のファミリアを操る正確な手さばきが唸りますね!」
 というわけで灯とエルトベーレも参戦。
「ぐわー、やーらーれーたー!」
 がしゃんがらがらー。
「りっちゃあああああんっ!」
 がしゃんがらがらー。
 1回目から取り崩すこのふたり、ゲームにならない。
「せ、セティさん……どうか私たちの仇を……ベーレのドーナツに賭けて……」
「その前に私を参戦させて下さい」
 その後しばらく、じゃんけんに勝った者がゲームに負けるという矛盾を繰り返し続けている最中、部屋の隅で俯いているカルナの存在にセティが気付いた。
「どうかしたんですか?」
「いや、ちょっとね……」
 戦闘の時まで恥ずかしかったとは言えない。
「まぁ、そういうノリもたまにやればたのしいんじゃないでしょーか」
「いやうん。何事もなかった、いいですね? いいですね?」
「あ、は、はい」
 真顔でいわれては頷くしかない。こうして枕に顔を突っ込んでじたばたする回数が増えるのかもしれない。
「それはそれとして、皆さんとゲームのつづきしましょう!」
「そうだね、そうしましょうか」
「よかった、それじゃあ行きましょう、ブリザードさんっ!」
「え、ちょっとまって、それ名前じゃありませんから、ねえ!!」
 最後にとんでもない誤解を残して、カルナはゲーム大会に身をやつすことになるのであった。

作者:宮内ゆう 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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