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「はい、皆さんこんばんは! ただ今午前零時ちょうどを回りまして、私は巷で噂になっている、呪いの人形屋敷へやって来ております」
ザワリという軽いノイズに、レポーター口調の若い女性の声。
動画撮影用のカメラ類などの機材を手にした声の主……優子の声は、若干の緊張に普段よりも固くなっていた。
「このお屋敷のご主人は、どうやら数年前に亡くなったようです。以後、ちゃんとした所有者も現れず、屋敷の中は荒れ放題。そして――」
優子の声と同時に、画面が屋敷の一角を映した。そこには、乱雑に、山のように積み重なった人形の山。
「以前までは、人形は綺麗に並べてあったようです。それを誰かの悪戯でしょうか? ご覧のように、場を乱してしまいました。それからというもの人形が怒ってしまったのか、周辺住民や肝試しにやってきた人達は、どこからともなく聞こえる笑い声や、軽いポルターガイスト現象といった呪いに遭遇するという噂が流れるようになりました!」
悪戯はともかく、呪いに関しては非常に興味深いですね……優子がそう口にした瞬間の事。
「ふふふっ、私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
優子の真後ろから声が聞こえ、優子の胸は鍵のようなもので貫かれていた。
倒れ伏す優子。まるでそれを合図にするかのように、周囲の人形達がカタカタと震え始める。
そして、気付けば人間程の大きさの人形が、第五の魔女・アウゲイアスの傍らに立っているのであった。
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「人形というと可愛いイメージがありますが、昔ながらのものとなると、やはり少しだけ恐ろしく感じてしまいますよね」
セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、自身の知る都市伝説を思い出し、僅かに背筋を振るわせた。だが、集まってくれたケルベロスの手前、気丈に告げる。
「遠之城・瑛玖(ファンレターは編集部へ・e11792)さんの懸念通り、不思議な物事に強い『興味』をもって、実際に自分で調査を行おうとしている人が、ドリームイーターに襲われ、その『興味』を奪われてしまう事件が起こってしまったようです」
元凶となるドリームイーターは姿を消しているが、呪いの人形に関する噂を元に生み出されたドリームイーターは健在だ。
「どうか被害が出る前に、このドリームイーターを撃破して下さい! また、ドリームイーターを倒す事ができれば、『興味』を奪われてしまった被害者も、目を覚ましてくれるはずです!」
セリカは事件の概要を纏めた資料をケルベロス達に配る。
「敵は一体のみで、配下はいないようです。また、身体を石化させる呪いや、悪夢を見せる呪いを主な攻撃手段として放ってくるようです」
それに加え、ドリームイーターは人間を見つけると、『自分が何者であるかを問う』ような行為をして、正しく対応できなければ殺してしまうという性質を持っている。
正しい解答を示せば見逃してもらえるが、正しい解答を示せなかった場合は、より積極的に襲ってくる。だがどちらにせよ、倒す以外に道はない。
「ドリームイーターは、自分の事を信じていたり噂している人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質があります」
呪いの人形について、いろいろと想像を膨らませるといいかもしれない。
「被害者の優子さんが倒れている屋敷の部屋には、人形が山のように積み重なっています。そのため、隣にも充分な広さの部屋があるので、そちらにドリームイーターを誘導してあげるといいかと思います」
セリカは資料を閉じる。
「ドリームイーターの元となった呪いの人形は、人間に対して明確な害を為した訳ではありません。それに、飾ってあった人形を不気味に見えるよう悪戯で床に配置したのも人の仕業です」
できれば供養してあげられればいいのですが……セリカは静かに目を伏せた。
「興味があるのはいい事ですが、何事にもマナーはあります。また、人形のためにも、どうかドリームイーターを撃破してあげてください!」
参加者 | |
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シア・アレクサンドラ(イツワリノウタヒメ・e02607) |
哭神・百舌鳥(薄墨の暗夜・e03638) |
土竜・岳(ジュエルファインダー・e04093) |
遠之城・瑛玖(ファンレターは編集部へ・e11792) |
妹島・宴(幽囚に疼く・e16219) |
京・和紗(白毛金狐・e18769) |
セリオン・フーランジェ(シャドウエルフの鹵獲術士・e27071) |
巡命・癒乃(白皙の癒竜・e33829) |
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「優子さんは大丈夫そうだね、眠っているだけみたいだ……」
呪いの人形屋敷と呼ばれている家屋……その根源となっている、人形が積み重なっている部屋で眠る被害者の優子を確認し、哭神・百舌鳥(薄墨の暗夜・e03638)は仲間の顔を見渡した。
「まったく、心霊スポットに肝試し……っすか。真夜中に女性一人ってだけでも、あんまり感心できないっすのに」
「興味を持つのは、大切な事ですけれど……ね」
百舌鳥の視線を受け、妹島・宴(幽囚に疼く・e16219)がほっと胸を撫で下ろすと、苦笑を浮かべたシア・アレクサンドラ(イツワリノウタヒメ・e02607)が、優子の目元にかかった髪を指先で払う。
優子の無事を確認した三人は、優子を残して、残りの仲間の待つ隣の部屋へと移動する。
最初こそ、この現場は真っ暗であったが、百舌鳥の持ち込んだカンテラに加え、京・和紗(白毛金狐・e18769)のハンズフリーライトのおかげで、視界の確保に成功していた。
「さっき私も例の人形の様子を見てきたけど、あれはこのお屋敷のご主人の友達……いや、子供のような存在なのかな? きっと今でも、ご主人と幸せに過ごした屋敷を大切に守っているんだろうね」
だからこそ、人形達が荒らされた悲しみを感じ取っているんじゃないかと、目にした光景をメモにとる遠之城・瑛玖(ファンレターは編集部へ・e11792)の手が一瞬止まる。
「ですね。呪い……なんてネガティブに言われてますけれど、きっと人形さんは元の持ち主さんに会いたくて会いたくて……それで現れるのかもしれませんね、寂しん坊さんなんですよ」
寂しん坊の呪いの人形を想像して、土竜・岳(ジュエルファインダー・e04093)がクスリと笑った。
「確かに、元は土塊だったものが命や感情を持つなんて神秘的だよね。ここにある人形達も言うなれば人を模した器……それなら迷える魂がうっかり入っちゃったなんてこともあるかもね……」
その魂が、『呪い』と呼ばれる事になるのなら、それは悲しむべき事だろう。百舌鳥が、肩を竦める。
「……魂か。そう考えると、面白いし、興味を引かれるな」
セリオン・フーランジェ(シャドウエルフの鹵獲術士・e27071)が、寝息を立てる優子の顔を思い出す。
「優子さんの気持ちも、分かるような気がする。だから、あまり他人事に感じられないんだろうな」
興味の赴くままにケルベロスの活動をしているセリオンだからこそ、そう思うのかもしれない。他者との関わりに積極ではない彼が、珍しく優子を助けたいと素直に思っていた。
「和紗さん、書けましたか?」
巡命・癒乃(白皙の癒竜・e33829)は、心霊現象に詳しい仲間の言葉に、ニコニコと耳を傾けていた和紗に声をかける。
和紗は振り返ると、スケッチブックにスラスラと筆を走らせ、それを掲げた。
『バッチリです!』
そこには、用紙一杯にそう書かれている。
癒乃は弾けるような笑みの和紗に、笑顔で返しながら、
「(迷えるモノに安寧を……)」
あるべきものをあるべき場所へと帰すため、瞳を閉じた。
そして、癒乃が次にその瞳を開けた時には、ケタケタと笑う人間大の日本人形がそこにはいた。
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「ケッ、ケケケケケ、ケタケタケタケタタタタッッ!!」
口元から、カタカタと音を立てて笑う日本人形――否、ドリームイーター。
呪いの人形屋敷に対する興味から生まれただけあり、その姿は……。
「オーソドックスな、想像していた通りですけれど、不気味ですね……」
岳の言葉通り、人の潜在的恐怖を引き釣り出すような、奇怪な雰囲気を纏っている。
現れたドリームイーターは、一通り笑った後ピタリと笑いを止め、言った。
「ケ、ケタ……ケケタ、ワタシハ、ダーレ? ワタシハ、ダーレ?」
その声は、姿からは想像もできぬ程に、可憐で愛らしい声だった。
だが――。
「えと、確か……田中梅子様だったかしら?」
「えーっと、カクカクパペットさん?」
ディフェンダーのシアと岳が、ドリームイーターの攻撃を引きつけようと、あえて間違った解答を口にすると、その声は一変する。
「タナカ、ウメコ? カクカク、パペット? ナニ、ソレ……ケケケッケタケタ……シラナイ、シラナイ、ナニソレ?」
言葉尻に近づくに従って、地獄の底から響くように低くなっていくドリームイーターの声色。
「戦士たちは、護るべき者達に、何を想い……」
空間を澱まし、迸る殺気に危機感を覚えたシアが、Starlight paradeをかき鳴らし、耐魔の力を前衛に纏わせる。
「雷光の守護を! ――っ!?」
そして、続けて岳が雷の壁を構築しようとした瞬間、雷の壁にモザイクが直撃し、岳を浸食しようとする。
「紗依子さん、お願いします!」
すぐ様、瑛玖は紗依子さんに光の盾を具現化し防護させる。支援を受けた紗依子さんは、周囲の物品を飛ばし、岳を襲うモザイクを消し飛ばした。
「お清めには炎がつきものでしょう?」
「 お焚きあげだな」
ディフェンダーに注意を持って行かれているドリームイーターに、宴とセリオン、左右に陣取った二人から、炎を纏った激しい蹴りと、「ドラゴンの幻影」を放たれ、炎上するドリームイーター。
煙を巻き上げ、纏った着物の端々から炎を噴きあげつつも、ドリームイーターの水晶のような瞳には、些かの陰りも見られない。
「ケ、ケケケ、ケタケタ……!」
むしろ、嘲笑うように低い声で口を打ち鳴らし、理解できぬ呪文を唱え始める。
「そっちがそう来るなら……!」
呪文を唱えるドリームイーターに合わせ、百舌鳥も古代語を詠唱する。詠唱が終わり、百舌鳥が錫杖の先端をドリームイーターに向けると、そこから光線が放たれた。時を同じくして、ドリームイーターもおどろおどろしい光線を放つ。
二つの光線は激突し、一時は拮抗したものの、より威力に優れた百舌鳥の光線が押し切り、ドリームイーターを飲み込んだ。
「ゲゲゲッ!」
僅か、後退するドリームイーター。だが、その黒々とした髪を蠢かし、次の一手に転じようとしたその眼前に、バサッとスケッチブックが降りかかる。
和紗の文字にてそこに書かれていたのは、『呪いの人形』の文字。
「同感ですね。あなたはどこからどう見ても、『呪いの人形』にしか見えませんし」
癒乃もクスリと笑いながら、それに同意して答えた。
自身の在り方を正確に捉えられたドリームイーターは一瞬呆然とし、「ケタ、ケタケタ」と、どこか無邪気な様子で笑った。
だが、それでケルベロスに対する圧力が消え失せた訳では決してない。
再び精神を攪乱させるモザイクを放とうとするドリームイーターに、すれ違い様、滑り込むようにスケッチブックを回収する和紗の飛び蹴りが叩き込まれる。
「ルキノ、ディフェンダーの方達を助けてくれる?」
癒乃はルキノの頭を撫で、そう指示をする。そうして、ルキノが祈りを捧げるのを確認すると、癒乃は百舌鳥に電気ショックを飛ばして、戦力の底上げに務めるのであった。
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御霊切りが夜闇に煌めき、灰色の百舌鳥の髪が宙を舞う。刀身がドリームイーターを切り裂こうとした刹那、その周囲には黒々と怨念を纏った黒髪が、百舌鳥を取り囲むように迫っていた。
「百舌鳥様!」
「シアさん、助かるよ……ありがとう……」
「行ってください!」
百舌鳥が黒髪に飲み込まれようとする間際、光の盾を具現化したシアがその前に割って入ると、代わりにシアの身体が黒髪に捕らわれた。
「ひっ!」
過去のトラウマを刺激されたシアの短い悲鳴が木霊すが、百舌鳥はシアの意思を尊重し、ドリームイーターを切り裂き、噴出した返り血に濡れる。
「っ、間に合いませんでしたか……!」
シアの悲鳴を聞き、瑛玖も歯嚙みしていた。紗依子さんにシアの補佐をお願いしていたが、シアも仲間の盾になろうと懸命だ。複数回のトラウマ攻撃があれば、いずれこうなるであろう事は覚悟していた。
瑛玖の「捕食形態」に変形した攻性植物がドリームイーターを捕捉し、締め上げると、シアの身体がようやく解放される。
「シアさん、今回復しますね!」
癒乃が前衛に薬液の雨を降らせ、バッドステータスを和らげる。厄介な異常を抱えているのは、無論シアだけではない。
「クケ、ケタタタタ!」
ドリームイーターは、癒乃が仲間を癒やしている事を察すると、遠距離から禍禍しい光線を放ってくる。
それを、純白の身体を目一杯に広げたルキノが受け止めると、反転して爪でドリームイーターを攻撃し、敵の注意を引こうとする。
「(……少し、火力不足でしょうか?)」
岳が、モザイクを身体を捻りながら迎撃する。
さらに、迎撃した際の衝撃を利用して、岳は身体の回転にさらに勢いをつける。
「宴さん、肩貸してくれますか?!」
「任せるっすよ。こういう敵の類いはよく見えるっすから、送り届けます」
「ありがとうございます!」
回転を増しながら、岳はニコッと笑う。宴も口元を緩めると、その肩に岳の体重を感じた。タイミングを合わせることで、岳の回転とスピードはさらに猛威を増し、ドリームイーターを巻き込むようにして轟音を上げる。
長年、ここが手つかずだったことを証明するように、巻き上がる粉塵。
『今です!』
視界が限定された事を逆にチャンスだと判断した和紗が、スケッチブックを掲げ、フロスト・ランスナイトを召還すると、続けて宴も凍結光線でドリームイーターに二重の凍傷を負わせた。
「優子さんの興味を返せ!」
裂帛の気合いの元、セリオンが無数の刀剣を召還し、解き放つ。
ようやく粉塵が収まり、視界が晴れた先にいたドリームイーターは、最早虫の息。
「ケタ、……ケケタ……」
そんな状態にも関わらず、ドリームイーターはモザイクを飛ばすことをやめない。たとえ人の興味から生み出された存在であろうとも、自分がここにいる事を証明でもするかのように。
「往生際が悪いですよ――な!?」
呪いを宿すドリームイーターのお株を奪うような宴の魔眼は、寸での所で躱されてしまう。一体どこにそんな力が残っているのかと驚愕する宴の横から投擲されるのは、和紗の鎌。
逃れるドリームイーターの足……球体関節を切断した和紗は、戻ってきた鎌をキャッチすると、宴にニコッと笑いかけた。
『油断大敵ですよ?』
スケッチブックにそう書いて、首を傾げる和紗に、宴は頭を掻きながら苦笑を浮かべる。
「火力が足りない時こそ、オレの出番だよね……」
高々と、百舌鳥は滔々を振り上げる。火力アップのための布石は、今までに複数うっている。ゆえに、滔々の先端の曲がった所での攻撃は、ドリームイーターの身体をバキバキと破壊した。
この終盤で、その布石の一つを担えた癒乃は、幼さの残る口元に笑みを形作る。
「いずれ忘れられ、顧みられる事も無く消えていくのは無念でしょうけれど……少なくとも私達と、あなたの主人の心には残るはずです。だから……」
終へと向かいましょう。伏せた癒乃の瞳は、言葉以上にそういった意味が込められている。導き手となるべく炸裂した癒乃の重力を宿した飛び蹴りは、ドリームイーターの動きをさらに鈍重なものへと変えていく。
「(過ぎた興味は危機を招く……か。俺も心にしないとな)」
ケルベロスの仕事は、命の危機に直結する。少しの過信が、首を絞める事になるだろう。そういう意味では、早い内に今回の事件で出会えた事は、セリオンにとって幸運と呼べるだろう。
「かといって、世の中は面白いものや珍しいもので溢れてるから難しいんだよな!」
それが人生の面白い所でもあるのが悩ましい。セリオンは結局答えのでない問いを笑い飛ばしながら、再び「ドラゴンの幻影」を放つと、ドリームイーターを焼き捨てる。
「(……恐い)」
光の剣を手にしたシアの脳裏には、一般人を手にかけてしまったトラウマ。すでに癒乃によって硬直は解かれているが、それでも記憶が消える訳ではない。
「君と君の鬼のお話、楽しんで」
そんなシアの耳元に届いたのは、瑛玖の優しい声だった。シアの眼前に浮かぶのは、瑛玖の書き記した幻想世界。その世界でのシアは、かつて自分が手にかけた一般人の姿をした鬼と共に、手と手を合わせて、共に戦っていた。シアの肩に、鬼の手がかけられる。その手は、とても温かいもの。
「っ!!」
それは、所詮幻想。だが、間違いなくシアに力を与えてくれるものであった。
光の剣筋が、ドリームイーターの闇を打ち払う。
そして――。
「貴方には、止まる術は始めからないのですよね、お可哀想に」
呟かれた岳の言葉。
同情など御免だとばかりに、黒髪が岳を覆い尽くす。
「だからこそ、倒して呪縛からお救いします! えいっ!」
岳が叩き付けたドラゴニックハンマーは、纏わり付く髪を吹き飛ばし、大地と共にドリームイーターを地に沈めるのだった……。
●
丁寧に並べられ、和紗によって修繕が施された人形達を岳が宝石の柱で包み込む。
「どうか、安らかに」
その前で手を合わせ、岳は冥福を心から祈った。
「もう一人で人気のない所に来たらだめだよ……?」
「そうっすよ。もっと自分の身を大事にしないといけないです」
部屋の隅では、目を覚ました優子さんが、百舌鳥と宴から軽いお説教を受けている。優子にしてもこんな事になると思っていなかったのか、神妙な様子だ。
「優子さんは動画を撮影してたみたいですけど、どんなものを?」
「あ、それ俺も気になるぜ」
「そんなに大したものじゃ……。話題になっているみたいだし、私もホラー大好きだし、ついでに再生数稼げるかなって、そんな邪な興味だったんです」
瑛玖とセリオンの問いかけにも、優子はそんな大仰なものではないと両手を振る。
「だったらなおさら注意しないといけませんよ? 面白おかしく恐怖を煽るものではなく、様々な視点から取材したものにして欲しいです」
「はい、仰る通りです」
一応動画を配信している身としては、作家の瑛玖の意見は参考になるのか、優子は真剣な様子で頷いている。
ともかく、後は人形をどうするか……だが。
「悪戯目的か比較的新しい人形もありますが、こんな噂がたってしまっては……引き取り手を見つけるのは難しいでしょうね。可哀想ですが……この場を清めて、人形は然るべき場所で供養しましょう」
「それがいいだろうね……オレも手伝うよ」
こういった事案が本業である宴と百舌鳥の話し合いの結果、きちんと供養する事に決まったようである。
「私も立ち会いたいな」
癒乃がそう声をかけると、皆も同じ気持ちだったようで、結局全員で見送ることとなった。
「シアさん、よかったら、どうぞ」
供養場へ移動する最中、瑛玖がシアに寓話の原稿を手渡す。
「ありがとうございます」
シアはそれを受け取ると、宝物にそうするように、強く胸に抱くのであった……。
作者:ハル |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年12月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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