ドレスコードは葉っぱ一枚!

作者:雷紋寺音弥

●潰れた茶店
 繁華街の裏手に入口を構えた、知る人ぞ知る喫茶店。だが、表通りの華やかさに対し、裏通りにある店の中は閑古鳥が鳴いていた。
「くっそぉ……。斬新なアイデアだと思ったのに……なんで、こんなことになってしまったんだ……」
 昼間とはいえ、照明さえついていない薄暗い店内で、頭を抱える青年が一人。その格好は、室内とはいえ冬なのに全裸! ……否、一応は股間の危険な部分だけ、しっかりと葉っぱで隠していた。
「痩せマッチョでイケメンな男の筋肉に惚れる女の子が多いって聞いたから、そのために鍛えて来たっていうのにぃぃぃっ! 禁断の果実が食べられる、原初の楽園をイメージした店を作ったのにぃぃぃっ!」
 99%全裸で泣き崩れる青年の顔は、涙と鼻水でグチャグチャだ。そんな見る影もなくなったイケメンの背中を、唐突に巨大な鍵が貫いた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 第十の魔女・ゲリュオン。彼女が去った喫茶店には、股間にモザイクの葉っぱを貼り付けただけの、青年の似姿をしたドリームイーターが佇んでいた。

●葉っぱ一枚の楽園
「うぅ……いくら斬新なアイデアでも、これはないっす……酷過ぎるっす……」
 その日、ケルベロス達の前に現れた黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、どうにも微妙な表情をしながら、頭を抱えて自らの見た予知について語り出した。
「アレス・アストレア(ヴァルキュリアの自称勇者・e24690)さんの懸念していた通り、自分の喫茶店が潰れたことを後悔していた青年がドリームイーターに襲われて、その『後悔』を奪われたっす」
 それにより、『後悔』を元にして新たに出現したドリームイーターを倒すのが、今回の目的である。だが、問題なのは店の制服。なんでも、股間に葉っぱを一枚つけただけで、後は全裸という代物だったらしい。
「敵のドリームイーターは、股間の葉っぱがモザイク化している以外は、店長さんそっくりの姿をしているっす。戦闘になると、この葉っぱを分裂させて飛ばしてきたり、葉っぱを傷口に貼って回復したりするみたいっすね……」
 なんというか、この時点で既に色々な意味でアウトだった。話によれば、店長はそこそこのイケメンらしいが、これでは折角の美男子も台無しだ。
「敵のいる場所は、潰れた店舗の中になるっす。繁華街の裏にある小さな喫茶店で、他の客はいないっす」
 なお、ドリームイーターからのサービスを受け、そのサービスを心から楽しんでやると、相手も満足して戦闘力が減少するらしい。また、満足させてから倒した場合、意識を取り戻した被害者も、どこか晴れ晴れとした気持ちになれるようだ。
 もっとも、それを行うには全裸に葉っぱ一枚な格好の店長からサービスを受ける必要があり、場合によっては相当な精神的苦行を強いられる。どうしても耐えられない場合は、問答無用で股間を蹴り上げ、倒してしまっても問題ないだろう。
「考えた本人は斬新なアイデアだと思っていても、実際は残念なアイデアってこともあると思うっす。でも、できればそれを教訓にして、失敗を次に生かしてもらいたいっすよ……」
 そのためにも、まずは具現化したドリームイーターを撃破するのが先決だ。そう言って、ダンテは改めて、ケルベロス達に依頼した。


参加者
ガナッシュ・ランカース(マスター番長・e02563)
ミセリア・アンゲルス(オラトリオの自宅警備員・e02700)
八崎・伶(放浪酒人・e06365)
サロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)
アレス・アストレア(ヴァルキュリアの自称勇者・e24690)
柔・宇佐子(ナインチェプラウス・e33881)
セレス・テスモポリス(世間知らずのエルフ忍者・e34255)
ピュセル・サントメル(レプリカントの鎧装騎兵・e34338)

■リプレイ

●99%全裸!
 繁華街の裏手に回ると、そこは表通りとは異なり、随分と静かな場所だった。
 どことなく物悲しい雰囲気の漂う通りに、ぽつんと建っている喫茶店。目的の場所を見つけ、セレス・テスモポリス(世間知らずのエルフ忍者・e34255)は何故か独りで頷きながら納得していた。
「なるほど、ここが今回、ドリームイーターが出た店ですねっ!」
 喫茶店とは、お茶と甘い物を出す店である。つまりは、日本の茶屋のことであり、日本文化の象徴であると。
「股間に葉っぱ一枚で接待とは、実に斬新ですね! きっと、その格好に深い意味が隠されているに違いありません」
 アレス・アストレア(ヴァルキュリアの自称勇者・e24690)もまた、どこか勘違いした様子で目を輝かせていたが、それはそれ。
 とりあえず、店に入ってみないことには始まらない。意を決し、扉を開けて中に入ると、ギリシア彫刻のような肉体をした青年が満面の笑みで出迎えて来た。
「やあ、いらっしゃい。僕の楽園へようこそ♪」
 言葉と顔だけで考えれば、女の子が黄色い声をキャーキャー上げて騒ぐに違いない空気。だが、それも首から上だけのことであり、下は股間にモザイクの葉っぱが付いているだけだ。
「発想は良いんじゃがのう、発想は。しかも、ちゃんと筋肉を鍛えているしのう」
 しかし、最終的にはそこから一歩……否、五歩も六歩も明後日の方向へ向かってしまっていると、ガナッシュ・ランカース(マスター番長・e02563)は溜息を吐いた。
 きっと、彼の姿を見た街の女の子達も、別の意味でキャーキャー叫びながら逃げて行ったに違いない。筋肉が駄目とか、そういうことではないのだ。
 強いていえば、股間の葉っぱで全てが台無し! ただしイケメンに限るという言葉が世の中にはあるが、この場合は絶対に当てはまらない。
「この依頼を聞いてから、頭の中を延々とループしている曲があるんだが……」
 のっけからカオスな展開に、八崎・伶(放浪酒人・e06365)は早くも意識が彼岸の彼方に旅立ちそうになっていた。
 頭の中に広がってゆく、こちらに両手を曝け出して微笑む全裸イケメンの群れ。一人が二人、二人が四人。ああ、ほぼ全裸の葉っぱイケメンが、魔法の世界からこちらを呼んでいる。
「引き締まった肉体の美しさは、確かに素晴らしいものだね。だからといって、そこまで脱いでしまっては女の子は引いてしまうと思うけれど……」
 なんとか平静を保ちつつサロメ・シャノワーヌ(ラフェームイデアーレ・e23957)が突っ込んだが、それでも店主に化けているドリームイーターは気にしていないようだ。
 ならば、ここはひとつ、おだてて相手を調子に乗らせてしまおう。
「ぐるっと回って斬新~? 古いものを新しく着こなすのが、これぞルネサンスって感じかも~」
 そんなことを言いながら入店していくミセリア・アンゲルス(オラトリオの自宅警備員・e02700)を筆頭に、他の者達もそれぞれ店の中に入って席に着いた。
 見れば、店の奥には人口の滝や、造花を組み合わせて作った森に花園といったインテリアもある。店長の股間さえ気にしなければ、きっと昼下がりにセレブな奥様達が通う、隠れた名店になったのかもしれないのだが。
「葉っぱ一枚なんてすごいわ。私は寒いのが苦手だから、とても尊敬するのよ」
「いやぁ、それほどでもないけどね。原初の穢れ無き心を持っていれば、誰でもこの姿に到達できるんだよ」
 柔・宇佐子(ナインチェプラウス・e33881)の言葉に、ドリームイーターが甘い微笑みを返して来た。が、燕尾服でも着ていればカッコ良く決まった台詞も、股間にモザイクの葉っぱ一枚という姿では、なんとも痛々しいだけだった。
「原初の楽園……。そういえば、『禁断の果実』を食べると、知識が得られるという情報がありました。禁断の果実を注文できますか?」
 何かを思い出したようにして、ピュセル・サントメル(レプリカントの鎧装騎兵・e34338)がドリームイーターに尋ねる。
「ああ、構わないよ。当店特製の、『禁断の果実』を使ったスイーツをご賞味あれ!」
 注文を受けた葉っぱイケメンが、爽やかなスマイルを残したまま厨房の方へと去って行く。しかし、その背中に目をやった瞬間に丸出しの尻が視界に入ってしまい、その場にいた何名かは一気に食欲を喪失したようだった。

●葉っぱな時代
「お待たせ! 当店特製、『禁断の果実』を使ったスイーツだよ!」
 厨房の奥から戻ってきたドリームイーターが出したのは、どこからどう見ても焼き立てのアップルパイだった。
 禁断の果実=林檎、ということなのだろうか? 食べても知識が得られるわけではなさそうだったが、これはこれで美味そうだ。
「なかなか良い香りですね。では、これに合うコーヒーも一杯お願いします」
「任せといて! 僕の店は、コーヒー豆も天然の原種に近いものを使っておりますよ」
 ピュセルの言葉に、ドリームイーターがコーヒーを持ってきた。こちらも、特に変わったところはない。どうやら、店の雰囲気や店長の格好は斜め上だが、食べ物は普通な店だったらしい。
「店の主殿、ジャパニーズ抹茶をお願いします!」
 未だに茶店と勘違いしたまま、続けてセレスが抹茶を頼む。が、何をどう聞き間違えたのか、ドリームイーターは満面の笑みを湛えたまま、股間の葉っぱを強調するようなポージングをして彼女に迫って来た。
「え? ジャパニーズマッチョ……だって?」
「あ、いえ、マッチョではなく、抹茶で!」
 眼前に迫るモザイクの葉っぱを前に、大慌てて首を横に振って否定するセレス。
 危ない、危ない。ドサクサに紛れて、危うくとんでもないものを食べさせられるところだった。
(「抹茶とマッチョをかけるとは、敵ながらやりますね! これがジャパニーズ漫才……! さすがは文化の最先端!」)
 まあ、当のセレス本人は、ますます明後日の方向へ勘違いを暴走させていたようであるが。
「お兄さん とってもむっきむきなのね! 腕にぶら下がってみたいのだわ!」
 ポージングしたままのドリームイーターに、宇佐子が下から見上げるようにして言った。相手もまんざらではないのか、快く腕を貸してくれたが……絵本の世界から飛び出して来たような愛らしい姿のウェアライダーが、ギリシア彫刻のようなイケメンマッチョの腕にぶら下がっている姿は、なんとも言えぬシュールなものである。
「美しい肉体を見ながら受けるサービスはとても優雅だね。甘いマスクも素敵だよ」
 それでも、ここで突っ込んで台無しにしてはならないと、紅茶を飲みつつサロメが告げた。正直、残念イケメンなドリームイーターより、彼女の方がよっぽど優雅な気もするのだが、それは口にしてはいけないお約束。
「イケメンの上にいい身体してるとか、店長ずるいよな」
「うむ。バランスの取れた、いい肉じゃ。よほどジムで鍛えたのじゃろう」
 伶とガナッシュも、ここぞとばかりにドリームイーターを持ち上げる。その上で、今度はミセリアが愛用のスマホを取り出して、以前の依頼で疲労した葉っぱ水着姿の写真を公開し。
「やっぱり時代は葉っぱかも~?」
 そのまま、勢いに任せて意気投合! 調子に乗ったドリームイーターがポージングを決めまくる姿を、スマホのカメラで撮りまくった。
「聞いたことがあります! 人がやらないことを平然とやる者を『勇者』と呼ぶそうです。やはり、貴方も勇者だったというわけですね……」
 だんだんと、被写体であるドリームイーターのポーズが過激になって行く様を前にして、アレスが両目を輝かせて立ち上がった。
 なんというか、これは酷い勘違い。そもそも、この場合の勇気は丸出しなYOUのHIP……ではなく、匹夫の勇という類のものではなかろうか。
 これ以上は、色々な意味で危険なゾーンに突入してしまいそうな空気である。確かに、コーヒーやスイーツは美味しかったかもしれないが、さすがに客の前で股間を強調しながら撮影会をするのはやり過ぎだ。
「ふむ……そろそろ、この辺が潮時じゃろうな。いつまでも、偽物と一緒に遊んでいるわけにはいかん」
 最後の紅茶を飲み干して、ガナッシュが徐に立ち上がる。それを見た他の者達も、一斉にティーカップから武器へと持ち替えて、ドリームイーターを包囲した。

●狙いは葉っぱ
 アップルパイと飲み物をいただき、後は股間に葉っぱ一枚なドリームイーターを倒すだけ。
「おや、どうしたんだい? 暴力なんて、感心しないなぁ!」
 極上の爽やかスマイルを浮かべながら、ドリームイーターは股間からモザイクの葉っぱを撒き散らしてくる。おまけに、葉っぱからは微かにフローラルな香りやスパイシーな香りが漂っており、ケルベロス達の脳内を、色々な意味で崩壊させて行く。
 もっとも、そんな効果に反比例して、威力の程は大したこともなかった。先程まで、散々に褒め殺しでサービスを受けてやったことで、確実に弱体化しているようだ。
 それでも、敵が葉っぱを使ってくるということで、どこか対抗意識でもあったのだろうか。
「くっ、さすがは葉隠忍者! 葉っぱの扱いは一流ですね!」
 相変わらず何かを勘違いしたまま、セレスは服を脱ぎ捨てた上で、自らの身体に葉っぱを纏った。
「エルフ忍法、七変化の術! そして、木の葉隠れの術っ!」
 忍者として、どちらが優れているか、いざ尋常に勝負せよ。そう言って立ちはだかるものの、実際は巨大なミノムシのような姿にしかなっていなかったが。
「なるほど、これは素敵な寝袋だね。でも、回復だったら、僕も負けていないよ!」
 木の葉に埋まっているセレスの姿を見て、ドリームイーターもまた笑顔のまま自らの股間にある葉っぱを増殖させ、それらを自らの傷口に貼り付け始めた。
「うん! やっぱり、このハーブの香りは最高に僕のことを癒してくれるね!」
 意味不明なキラキラしたオーラに包まれながら、ドリームイーターが親指を立ててサムズアップしている。
 なんというか、これは酷い。折角の爽やかスマイルも、股間以外は全裸という姿に加え、その股間から採取した葉っぱを薬草代わりにしているという事実によって、完全に崩壊してしまっている。
「いったい、どんな仕組みになってんだ、あれは……」
 何枚剥がしても新しい葉っぱが現れることで、伶は思わず敵の股間モザイクを凝視していた。が、ボクスドラゴンの焔がドン引きしているのを察し、すぐさま自らの行為を否定した。
「いや、別にそういう趣味がある訳じゃないからな?」
 ここで誤解されては堪らない。とりあえず、誤魔化しついでに飛び上がって蹴り技を繰り出したところ、流星の如き鋭い一撃が、敵の股間に直撃した。
「……ぺぽぅっ!!」
 真正面から股間を潰され、ドリームイーターが両目を見開いて奇声を上げる。おまけに、箱に入った焔が後ろから体当たりを食らわせたことで、バランスを崩して尻が丸出しの状態になってしまった。
「なるほど……急所を敢えて晒し、耐えうる者もまた『勇者』と呼ぶそうです」
 股間を押さえて震えているドリームイーターへ、アレスが感心した様子で視線を送る。
 相手が勇者であるならば、相応の技を持って応えるべし。盛大な勘違いをしたまま、彼女は手にした鉄塊剣に地獄の業火を纏わせて。
「私も期待に応えて全力を出すとしましょう! 主に股間に!!」
 何の情けも容赦もなく、自分の方へと向き直った敵の股間に叩き付けた。
「……っ!?」
 さすがに、今度の一撃は悲鳴を上げる暇さえなかったようだ。が、一度始まってしまったケルベロス達の猛攻は、この程度では止まらない。
「前に葉っぱ水着きてビルシャナと戦ったけど、意外と同じようなことを考える人もいるものかも? でも、ヘンタイは消毒しないとだけど~」
 気が付くと、チェーンソー剣のモーター音を唸らせながら、ミセリアが敵の背後に立っていた。
「どんなに筋肉を鍛えてても、鍛えられない場所はいっぱいあるし~」
 それは、たとえば丸出しの尻や、葉っぱで隠されている急所部分。そう言って、ミセリアは敵の尻の割れ目に刃を当てると、下から上へ向かって豪快に斬り上げた。
「あがががっ!」
 身体が! 主に尻が! 凄まじい音と共に引き裂かれて行く! デウスエクス相手でなかったら、過激なスプラッター待ったなしだ。
「そろそろ、終わりにするかのう。一斉攻撃じゃ!」
 もう、これ以上は色々な意味で見ていられないと、ガナッシュが鉄下駄を履いた脚を振り上げた。テレビウムのステイを引き連れて、サロメもまたそれに続く。
 正面から襲い掛かる鉄下駄キックが股間を潰し、発射された追尾する矢が丸出しの尻に直撃する。果てはステイが凶器を片手に近づいて、無言のまま敵の頭をカチ割った。
「ウィークポイント確認」
 それでも倒れないドリームイーターに、ピュセルが敵の股間に位置する葉っぱを的確に狙って間合いを詰めた。そのまま、流れるようにして強烈な掌底を叩き込んだところで、衝撃が股間からドリームイーターの全身に伝わって。
「ほーくす、ぽーくす、ぱーく!」
 最後は、宇佐子がメルヘンチックな呪文を唱えたところで、正体不明のエネルギー弾が、駄目押しとばかりに再び敵の股間を直撃した。
「うぅ……失楽……園……」
 意味不明な断末魔の言葉を吐きながら、力無く崩れ落ちるドリームイーター。その股の間にあった葉っぱがヒラリと剥がれ落ちたところで、中身を公開することもなく、肉体もまた消滅した。

●裸一貫
 戦いが終わった店内では、ケルベロス達が冷蔵庫の中から救出した店長へ、改めてアドバイスを送っていた。
「まぁ確かに筋肉と一緒に行く観光バスツアーなんてものがあるくらいじゃからの。方向性は、必ずしも間違っていたとは限らんぞい」
 ただ、今回の失敗は葉っぱ一枚な格好であったとガナッシュは告げた。そもそも、筋肉が主役なのに余計な場所を強調したせいで、全てが台無しになっていると。
「やはり、服は着た方がいいですよ……。防御が薄いと思いますので!」
 同じくアレスも店長に服を着るよう勧めているが、最後までどこかずれており。
「人間は過ちを犯し、その代償で何かを失う。だが、葉っぱ一枚だけでも残っていれば何度でも立ち上がれる」
 何気なく、ピュセルが口にした言葉を聞いたところで、店長はハッとした表情になり立ち上がった。
「そうだよな……失敗したって、何度でもやり直せばいいんだ! それこそ、文字通り裸一貫で!」
 いや、さすがに裸は拙いだろう。
 このままでは、今度は未成年立ち入り禁止の店として、全裸喫茶でも開店し兼ねない。なんとも嫌な予感がして、ケルベロス達は勢いに任せて股間の葉っぱさえ捨てようとする店長を慌てて止めた。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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