兵は死しても主の姿を夢に見る

作者:陸野蛍

●シスターは『牙』を『竜』に変え
 深夜の繁華街、そのシスターは宙を泳ぐ怪魚と共に闇から現れた。
「あら、こんな所でもケルベロスとデウスエクスの戦いと言う縁が結ばれていたのね。命を消したのはドラゴンの尖兵かしら? 彼等の死に際の想い叶えてあげましょう」
 そう言うと、シスターは怪魚達に指で軽く指示をする。
 ゆっくりとその場を規則的に泳ぐ怪魚達。
 やがて怪魚達の泳いだ軌跡は青白く発光し、魔法陣の様に浮かび上がる。
「彼等……いえ、彼になったのかしら? あなた達は彼の望み、ケルベロスへの復讐が成就される様に手助けをしてあげて。力を得て、彼もきっと喜んでるわ。素敵な事が起こりそうね……」
 怪魚達へ言葉を残すとシスターは闇に溶ける様に消えていく。
 シスターが消えた後に残されたのは、シスターの忠実なる下僕たる怪魚と緑色の薄汚れた鎧を纏った『ボーンドラゴン』だった。

●尖兵は力を欲し蘇る
「死神のサルベージも本当にキリが無いな。倒したそばから復活させられたんじゃ、たまったもんじゃないっての」
 ヘリポートに足を向けながら、大淀・雄大(太陽の花のヘリオライダー・en0056)は、そんな風に愚痴を零した。
「それでも、倒さないと、犠牲者が出ちゃう、よ。大丈夫、みんな、協力してくれる、よ」
 隣を歩いていた、シファ・コネリー(浚花・e32183)が、雄大を諭す様にふわりと言う。
「まあ、そうなんだけどな。なるべく早く元凶に辿り着きたいもんだぜ」
 シファに応えながらも雄大の表情は厳しい。
「よし、みんな! お仕事だー! 集合!」
 ヘリポートに雄大の声が響くと、ケルベロス達が少しずつ集まって来る。
「ケルベロスに倒された、デウスエクスを変異強化してサルベージして周っている死神『因縁を喰らうネクロム』の活動が確認された。みんなには、このサルベージ体が死神の戦力として回収される前に、現場に向かい撃破してもらいたい」
 現場には、サルベージされたデウスエクスとそれを復活させ回収を命じられた怪魚型死神が3体居るとのことだ。
「今回サルベージされたのは、ここに居るシファ達が倒した竜牙兵5体で、死神の変異強化の結果、合成され1体のボーンドラゴンに姿が変わっている」
 大きさは3m程で、二足歩行型。
 手には、グレートアックスを携えているとのことだ。
「個体名称を『グリーントゥース』って事にするな。グリーントゥースの攻撃方法は、呪力を込めた闇色のブレス、緑の装甲で護られた尻尾での薙ぎ払い、アックスでの直接攻撃になる。変異強化された体力と装甲で、タフな相手になっている。手こずるかもしれないけど、死神の手駒にされる訳にはいかないから、しっかり撃破して欲しい」
 サルベージを実行した怪魚型死神は、グリーントゥースの監視と援護が役目だと、雄大が付け加える。
「首謀者である、ネクロムの所在に関しては以前調査中。大きな手掛かりは無いって現状だけど、俺達が奴の目論見を潰していけば、いつかネクロム本人に辿りつける筈だ。だから、今回の『グリーントゥース』の撃破、しっかりよろしく頼むぜ、みんな!」
 強く大きく、雄大の声がヘリポートに響くのだった。


参加者
アギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)
リコリス・ラジアータ(錆びた真鍮歯車・e02164)
狐村・楓(闊達自在な螺旋演舞・e07283)
鈴原・瑞樹(アルバイト旅団事務員・e07685)
鮫洲・蓮華(サキュバスの見本市・e09420)
アニマリア・スノーフレーク(疑惑の十一歳児・e16108)
リーナ・スノーライト(マギアアサシン・e16540)
シファ・コネリー(浚花・e32183)

■リプレイ

●死神が作りし竜
 夜風が冷たく吹きすさぶ、深夜の繁華街。
 8人のケルベロス達は、ターゲットが来るのを静かに待っていた。
「また骨継ぎドラゴンか……人形遊びが過ぎるんじゃないかね?」
 深紅のマフラーを風に靡かせながら、アギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)が呟く。
 死神のサルベージ事件に多く関わっている、アギトは心の底から思ってしまう。
 ケルベロスが倒したデウスエクスをサルベージし、尖兵としようとする死神『因縁を喰らうネクロム』……彼女とアギトには、決して無視する事が出来ない因縁がある。
 その為、ネクロムが生み出したサルベージ体との戦闘も自然と多くなっていた。
 今回のターゲットであるグリーントゥースの様に、複数の個体を融合強化させた個体と戦うのも初めてではない。
「倒した傍から、復活されてパワーアップとか、なかなかいやなもの、ね」
 今回、事前にネクロムの動きを察知する事に成功した、シファ・コネリー(浚花・e32183)もポツリと言う。
「グリーントゥースとか、心惹かれる響きだけれど……」
 竜牙兵5体がボーンドラゴンの形を成した『グリーントゥース』
 その予知情報から、雄大が付けた名だが、ドラゴンの牙から生まれた竜牙兵が更に姿を変えると言うのも、ネクロムの悪意なのか、それとも……。
「併せて一体にするとは、サルベージの形も色々ある物ですね。元となった者の意思も反映されているのでしょうか……」
 死神の意思でなければ、もう一つの可能性……死した竜牙兵の意思……その可能性を口にする、リコリス・ラジアータ(錆びた真鍮歯車・e02164)。
(「竜なった竜牙兵。創造した主が恋しいのか、それとも、その姿に憧れていたのでしょうか……」)
 考えても答えの出る事ではないと分かっていても、リコリスは彼等の想いを考えてしまう。
 竜牙兵は、ドラゴンの牙から生まれるとは言っても、心の無い人形では無い。
 生ある時には、己が意志でドラゴンの尖兵を務めている。
 だからこそ、死神にサルベージされれば、竜牙兵も本当の意味で死神の操り人形となってしまう。
「けど、死神の事件が続くね……」
 鮫洲・蓮華(サキュバスの見本市・e09420)が、視線の先に青白い薄気味悪い光を捉えながら、仲間達に言う。
「……今は目の前の事を止めるのが先決だよね」
(「アギトさんも、ずっと追いかけてるから……ネクロムとの決着もいつか……!」)
 そう心に誓い、蓮華はバスターライフルを構える。
(「あの巨体がグリーントゥース……」)
 夜闇にも徐々に輪郭がハッキリして来るボーンドラゴンを見ながら、鈴原・瑞樹(アルバイト旅団事務員・e07685)は、心細くなりそうな心を一生懸命奮い立たせる。
(「……今回はコロッサスさんといっしょの依頼じゃないですけど、いつまでもコロッサスさんに頼るわけにはいかないですし……頑張らないとです」)
 瑞樹が戦いに赴く時には、必ず頼りになる大きな身体のケルベロスが傍らに居てくれた。
 だが、今回その彼はいない……彼のいない戦場に不安が無い訳では無い。それでも、ケルベロスとしてデウスエクスと対峙したのならば戦わなければならない……彼の横に並ぶに相応しい、自分でありたいから。
(「……聖王女様、どうか私達をお守りください」)
 ドラゴンの支配者『魔竜王』と共に姿を消した、かつてのオラトリオの指導者の加護を祈りながら、瑞樹は温かなグラビティを高めていく。
「おー。見るからに、とっても強そうな敵っすね!」
 ワクワクを隠しきれない様な笑顔で、狐村・楓(闊達自在な螺旋演舞・e07283)は、その姿を完全にケルベロス達に晒した『グリーントゥース』の感想を述べる。
「だけど、死神の操り人形な状態なら……楓さん達の敵じゃないっすよ! ……すぐに眠らせてやるっすよ!」
「まずは、後方の死神から行きます。皆さん、攻撃対象を合わせて行きましょう」
 言うや否や、アニマリア・スノーフレーク(疑惑の十一歳児・e16108)は、『シルバースレッジハンマー』を『砲撃形態』に変形させると竜の咆哮さながらの一撃を振るう。
『グギギァ』と言う、死神の叫びが聞こえると、ケルベロス達は一斉に動いた。

●操る魚
「……まずは……あなた達の命から……刈り取るよ」
 暗がりに紛れて姿……そして気配を消していた、リーナ・スノーライト(マギアアサシン・e16540)は静かに呟くと『魔宝刃ファフニール』で死神を斬りつけると見せかけて、逆手に溜めたオーラを竜の幻影として、死神に放つ。
(「……眠っていた者が利用される……。敵とはいえ……毎度の事だと……可哀想だね……。……操り糸から解放してあげないと……」)
 そんな風に考えていたリーナだったが、冬の寒風に想わず『クシュン』とクシャミをしてしまう。
(「……動きやすさ重視の暗殺服も……この時期になると……ちょっとだけ、寒いかな……」)
「私のオウガメタルさん、皆さんに力を貸してあげて下さい」
 瑞樹が身に纏うオウガメタルにそう囁けば、オウガ粒子が優しい光を放ちながら、前を固める者達に降り注ぐ。
「蓮華のビームは死神だって凍りつかせちゃうんだよ!」
 蓮華がバスターライフルの引鉄を引けば、冷気のエネルギーが死神を襲う。
「まずは、邪魔な死神を手早く排除していきましょう」
 言うと、リコリスは金属で出来た胸部を変形展開させ、錆色の発射口からエネルギー光線を撃ち出す。
 その時、グリーントゥースの持つ巨大な斧がリコリス目掛けて振り下ろされる……だが、その重い一撃を受けたのは、ふわりとリコリスとグリーントゥースの間に割って入った、シファだった。
「……シファ、まもりたいの。誰もきずついてほしくない……まもりたいからたたかう、よ」
 流れ出る鮮血を振り払いながら、シファは死神に向かって魔力を纏わせたファミリアを放つ。
「ボーンドラゴンさん、あなたの相手は後でしてあげるっすから、ちょっとだけ待ってて欲しいっすよ。まずは後ろでウロチョロしてるやつから倒すっす!」
 螺旋エネルギーを氷結の力に変え、死神を氷漬けにしながら楓がグリーントゥースに向かって言う。
「後で楓さんが、楽しい戦いにさせてあげるっすよ! 順番っす!」
「そう言うことだ。すぐに相手してやるからちょっと待ってろ」
 投げた大鎌で死神の1体の命を終わらせながら、アギトもそう口にする。
「静かに待っててくれるとも思えないですから、死神さんの相手も全力でしますけどね」
 呟きながら、グリーントゥースの本来の主たるドラゴンのオーラを放つアニマリアの黒髪に咲く鈴蘭が僅かに揺れる。
「皆さん、回復は私が支えます。攻撃を優先して下さい」
(「コロッサスさんが居なくても……私に出来ることを全力でします」)
 決意を込めて、瑞樹が手にした爆竹を爆ぜさせれば、仲間達を勇気づける爆発が起こった。

●糸の切れた暴竜
「……ミ、ミミック」
 グリーントゥースの斧の一撃を受けた、シファの相棒であるミミックのグラビティ・チェインが尽き霞の様に消えていく。
「これで終わりです!」
 錆色の血の様な炎を纏ったリコリスの蹴りが決まれば、最後の死神も地に落ち動かなくなる。
「これでようやく、てめぇの相手が出来る……」
 言いつつ、アギトがグリーントゥースに向け大鎌を薙ぐ。
 それに合わせる様に、リーナが空をも断ずる斬撃でグリーントゥースの顔面を切り裂いた。
「はあ……はあ……I'm here for you」
 シファが紡ぐのは、恋の伽噺。……囁くのは愛の物語。
 その愛あるグラビティは、癒しの力となって仲間達を包む。
「皆さん! バッドステータスの解除を優先します!」
 聖なるオーロラを広げながら、瑞樹が叫ぶ。
「ちょっとだけ、作戦誤っちゃったかな……でも、負けないんだよ! 飛んでけっ!」
 少しだけ顔をしかめながらも、蓮華は大鎌を勢いよく投げると、グリーントゥースの装甲を引き裂く。
「陽光浴びる高き峰よ、凍てつく山の影巫が命ず、我が前に立ち塞がる者を穿ち、砕け!」
 アニマリアの詠唱が響くとアニマリアの『ロザリオ『シルバーラース』』が赤い光を帯び、鋭さを増す。
 アニマリアは、迷い無くその赤き輝きをグリーントゥースに打ち込むと、内部からグラビティを爆発させる。
 爆発の勢いで、グリーントゥースは半歩後ろに下がる。
 戦闘開始から6分が経過していた。
 グリーントゥースを援護していた、死神3体を倒す事には成功していたが、ケルベロス達の負傷も軽いものとは言えなかった。
 理由をあげるなら、ケルベロス達は死神の撃破を最優先としていた。だが、その間、グリーントゥースを牽制する者はおらず、グリーントゥースが完全にフリーとなってしまい、グリーントゥースのブレスや尾での薙ぎ払いなどの強力な攻撃が猛威を奮い続けたのだ。
 そして、死神達は自分達が攻撃する事より、ヒールグラビティを使う事を優先し、時間を稼ぐことで、グリーントゥースの攻撃時間を稼いでいた。
 その為、瑞樹のヒールグラビティ以外にもそれぞれ自己ヒールを使用していたケルベロス達も、傷が完治する事無く戦い続けることになっていた。
 特にアギト、蓮華、シファの負傷は酷く、流れ出るグラビティ・チェインを瑞樹のヒールグラビティが必死に押し留めていた。
「……これくらいで……負けたりしないよ……」
 呟くとリーナは殺気を全開放すると、『鳴月』に雷を纏わせ、神速の突きをグリーントゥースに決める。
「これだけ暴れてくれたんっすから、ここからは火力重視で一気に片をつけさせてもらうっす!」
 生命の『進化の可能性』を奪う超重の一撃をグリーントゥースにぶつけながら、楓が叫ぶ。
 それに続く様に、アニマリアの竜の幻影が、リコリスの轟音鳴らすチェーンソーが、蓮華の冷気のレーザーがグリーントゥースを襲う。
 それを振り払う様に、グリーントゥースは緑の装甲で覆われた尾でケルベロス達を薙ぎ払おうとするが、シファとアギトがその身体で被害を最小限に抑える。
「聖王女様……どうかお力をお貸しください」
 聖王女への祈りが、瑞樹の回復力を大幅に上げると仲間達を一気に癒していく。
「シファも……諦めない……えいっ……!」
 オウガメタルを拳に集中させると、シファはその銀色の拳でグリーントゥースを打ちすえる。
「……この死に損いがっ」
 嫌悪を込めたアギトの大鎌には『死』の力が込められ、グリーントゥースの首筋を一気に切り裂く。
「雷より疾く駆け抜ける!」
 天高く跳び上がると、楓は雷雲を呼び自身に雷を纏い、グリーントゥースに身体ごと雷の如く体当たりを決める。
「さぁ、嗤え。皮剥ぎ、肉削ぎ、錆を落として、真白を晒せ。皆々集え。楽しき宴を開こうぞ」
 リコリスの詠唱が響くと、戦場に散ったグリーントゥースの装甲やあらゆる無機物が、リコリスの地獄と融合し、意思無き骸骨の兵士となってグリーントゥースを蹂躙する。
「狙いは外さないよ!」
 蓮華の冷気のビームがグリーントゥースの両足を凍結させると、蓮華は振り向き叫ぶ。
「リーナちゃん! 決めちゃって!」
「……貴方を突き動かす闇は、わたしが祓う……だから、もう苦しまずにおやすみ……」
 蓮華に一つ頷くと、リーナはグリーントゥースに接敵すると淡々と呟く。
「集え力……。わたしの全てを以て討ち滅ぼす……! 滅せよ……黒滅の閃光!!」
 リーナがグリーントゥースに向けた宝刀の切っ先に魔法陣が浮かぶと、戦場の全てのグラビティ・チェイン、そして魔力が集束され、黒きエネルギーの集合体となる。
「ラスト・エクリプス・バースト!!」
 魔法陣から放たれた黒き閃光は、グリーントゥースの胴体を大きく貫くと、闇と闇の融合により辺りをホワイトアウトさせる。
 そして……力を全て使い果たしたリーナが、膝を付いた時には、命を弄ばれたボーンドラゴンの姿は、まるでそこに何も無かったかの様に消えていた……。

●骨竜消えて……
「結構被害出ちゃったけど、ヒールをしておけば大丈夫だよね♪」
 桃色の霧をフェロモンの様に身体から放出しながら、蓮華は笑う。
「楓さん、今回攻撃特化だったっすから、ヒールのお手伝いできないっす。グリーントゥースの残骸でも調べられれば良かったんすけど、何も残らなかったっすねえ」
「死神にサルベージされるって、こういう事なのか、な?」
 楓の言葉に答える様にシファが呟く。
 戦いの終わった戦場には、グリーントゥースの欠片すら残っておらず、先に片付けた死神達の死体もいつの間にか消えていた。
「破損個所は、この周辺だけですね。建物等に被害が出なくて良かったです」
 空から被害状況を確認していたアニマリアは、地上に降りると仲間達にそう伝える。
(「それにしても……死神ですか。生まれ故郷を滅ぼしたアレの気配はしませんでしたが、闘っていればいつか辿りつきますかね。目の前の脅威を一つ一つ打倒していくしかないんでしょうね」)
「……今度こそ、再び安らかに眠れる様に祈ってるよ」
 消えたグリーントゥースの眠りが次こそは妨げられない様にと、リーナが祈っていると、リコリスが疑問を口にする。
「デウスエクスとケルベロスの縁とは、何の事を指しているのでしょうか? 戦いの有無が条件の一つとは思えますが……」
「……さあな。激戦区で一斉に蘇らせるでもなし……単に強い敵を拾いに来るでもなし……共通点はケルベロスに倒されたって一点だけだからな。見つけた縁を気まぐれに拾うだけ……かもな」
 ネクロムを追い続けている、アギトですらネクロムの思惑も彼女のサルベージの関連性も正確には分からない……。
 ネクロムと直接対峙する事になれば、分かるのだろうか……。
 ヒール作業も終わり、ケルベロス達は雄大の待つヘリオンへと足を進める。
 そんな時、瑞樹はふと立ち止まると戦場になった場所を振り返る。
(「私もこれで、少しはケルベロスとして成長できたかな?」)
 そう思うと、少しだけ瑞樹は嬉しく感じる。
 けれど……それとは別にもう一つ生まれる気持ちもある。
(「……でも、コロッサスさんと一緒じゃない依頼は、なんだか少し……寂しかったですね……」)
 その気持ちが何なのかは、瑞樹自身にも分からなかったけれど……。
 彼に笑顔で『お帰り』と言われればこの気持ちが何なのか分かるかもしれない……。
 瑞樹は彼の顔を思い浮かべながら、彼の元へと帰る為に戦場を後にするのだった……。

作者:陸野蛍 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 0
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