アポロン暗殺作戦~『アリ』の巣をつつけ

作者:のずみりん

「飢餓ローカストの事件を解決してきた御子神・宵一(e02829)たち多くのケルベロスの調査により、太陽神アポロンとローカストの残党が集結している拠点が判明した」
 広げた地図の一点を指し、リリエ・グレッツェンド(シャドウエルフのヘリオライダー・en0127)は集まったケルベロスたちに解説する
「発見された拠点は関西方面……ここだ。ローカストの拠点は太陽神アポロンが住む急造の神殿らしき建物と、周囲を取り囲む有力なローカスト氏族の守りからなっている。守りは堅牢だが、グラビティ・チェインの枯渇はかなり深刻なようだ」
 疲弊し、警戒も疎かなこの状況なら暗殺……アポロンの神殿を強襲、首魁たる太陽神アポロンだけを討伐する事も十分できるはずだ。
「太陽神アポロンを撃破すれば、ローカスト・ウォーの効果も消え、ローカストたちの組織は崩壊していくはずだ。そうなれば……」
 もちろん、可能を実現するには大きな関門がいくつも立ちはだかる。リリエは言葉を区切り、改めて言う。
「神殿には有力なローカストの護衛が居るだろうし、神殿襲撃の段階で周囲のローカスト氏族の援軍も駆けつけてくる。アポロンに挑むには、これらを引き離す陽動が必要だ」
 皆には周囲のローカスト氏族の援軍の相手をお願いしたいと、彼女は拠点の周辺図に印をつけた。
 
「皆に頼みたいのはこの氏族……狂愛母帝アリアとその一族だ。アリアの氏族はアポロンの神殿に匹敵する規模が確認されている、ローカスト残党の最大勢力だ」
 狂愛母帝アリアと夫の英雄アリオス、そして多数のアリア騎士。何れも過去の戦いで猛威を振るってきた強敵揃いだ。アポロン討伐のため、絶対に抑えなければならない相手の一つだろう。
「この作戦は三チームのケルベロスで連携して行うことになっているが……それでも真っ向勝負は無謀だろう。だが、つけこむ隙はある」
 正道ではないが……と、一言置いてリリエは続ける。
「このアリア氏族の防御拠点の外周部で、グラビティ・チェインの枯渇に苦しむ働きアリたちをアリアの娘、『慈愛幼帝アリアンナ』が慰問に訪れているらしい」
 アリアンナは次代の女王であり、氏族の未来、希望の象徴。その影響力は氏族において計り知れない。
「この『慈愛幼帝アリアンナ』が慰問に訪れたタイミングで襲撃をかければ、氏族は太陽神アポロンの援軍要請すら無視して守りを固めるだろう……心苦しいかもしれないが、確実と言える手はこれしかない」
 今回の作戦の主目的はアリアの氏族をアポロンの神殿に向かわせないことだ。だが三チームの連携によっては様々な作戦を取ることも出来るだろう。
「アリアンナ自身はそう強くはない。直接手が届けば生殺与奪はどうとでもなる……その後のことは考えておかなければならないが」
 アリアンナを殺害した場合、大混乱が起きるのは必死だ。復讐の為に追撃してくるローカストの軍勢からの撤退をまず考えなければだが、混乱を逆に利用して狂愛母帝アリアや、英雄アリオスに迫ることもできるだろう。
 チームの一つが撤退して追撃を誘い、拠点内部に潜入調査などを行う事もできるかもしれない。
 逆にアリアンナを殺さない……殺そうとして失敗した場合も含めてだが、行うべき事はアリア氏族にプレッシャーをかけ続ける事だ。
「こちらの目的は足止め……つまり『アポロンの増援に向かうとアリアンナが危険』とローカストたちに認識させ続ける必要がある。ローカストたちを迎撃し続け、隙あらばアリアンナを害するという『本気』を臭わせればいいわけだな」
 どの方法をとるにしろ、作戦目的はアリアの氏族を神殿に向かわせない事だ。敵が蟻の巣の拠点に引き篭って防御を固める状況になれば、作戦は成功といえるだろう。
「アリアンナ以外の戦力についてだが、一言でいって強大だ。特に狂愛母帝アリアと英雄アリオスは孤立させたうえで複数のチームが協力して撃破できるかどうか……」
 二人に従うアリア騎士も決して油断はできない。オウガメタル救出作戦などで一戦を交えた彼らはオウガメタルを操る技量に長け、グラビティ・チェインが枯渇した今も数人のケルベロスを相手取れる戦力は健在だ。
 戦力配分は作戦目的も踏まえたうえで考える必要があるだろう。
「太陽神アポロンを撃破しない限り、ローカストは滅亡するまで無謀な戦いを挑んでくる……これ以上犠牲を増やさないためにも、ここで決着をつけよう」
 往こう、ケルベロス。短く一言、リリエは言った。


参加者
霧島・龍護(氷騎の先導者・e03314)
羽丘・結衣菜(まだまだ修行中のマジシャン・e04954)
板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)
ミリム・ウィアテスト(ブラストトルーパー・e07815)
山彦・ほしこ(山彦のメモリーズの黄色い方・e13592)
綺羅星・ぽてと(シンデレラガール・e13821)
アドルフ・ペルシュロン(緑の白馬・e18413)
クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)

■リプレイ

●ダイレクト・アサルト
 作戦は迅速に行われなければならない。
 目標のアリア氏族の拠点……アリ塚の如きソレへとたどり着いた二十余のケルベロスたちは、迷わず目標へと駆ける。
 その胸中はしかし、複雑なものでもあった。
「アリだかナシだか知らねーが、こんなところで勝手に商売してもらってちゃ困るんですよ嬢ちゃん!」
 そういうの得意ですから! とノリノリで構えるのは板餅・えにか(萌え群れの頭目・e07179)、楽観的な彼女にとって為すべきことはシンプルだ。雑に、叩きつける。
「……激しいドアノックで失礼。御機嫌よう、アリア氏族のお姫様。……取り敢えず、ここから消えて?」
「ケ、ケルベロス……!?」
 共に仕掛けるアリューシアの放つ雷鳴の嵐……手加減されながらも十分な暴風が、盾となる護衛たちを容赦なく吹き飛ばした。
「この迂闊なかわいこちゃんをヤっちまえばアリの巣は大混乱! うちらの勝利ってわけよ!」
 かろうじて暴風から逃れた護衛から得物を蹴り飛ばし、えにかはギラリと睨みを効かした。
 ローカストたちはあまりにも消耗しているが、姫君を守る闘志は失われていない。厄介ではあるが……目的を考えれば好都合でもあった。
「あ、あなたたちが……みんなをいじめないで! お願い……みんな、殺し合わないで!」
 人の目にもわかりやすい純粋さ、同時に幼さを感じさせるローカスト……震えながらも堂々と従者たちを庇い立つ慈愛幼帝アリアンナ、彼女こそが今回の標的。
 疲れ果てた護衛達しかいない今なら生殺与奪は思いのままだが、それはケルベロスたちの本意ではない。
「確かに、無用な殺傷はいけません……犠牲が少なく済むと良いですね……」
「こんな無力な子たち殺す意味なんて、やっぱ……」
 並び立つチーム、綺華の呟きに山彦・ほしこ(山彦のメモリーズの黄色い方・e13592)はわずかに逡巡を演じる……実際、その心に嘘はない。支配者たるアポロンさえ倒せば、ローカストとの関係に色んな可能性が拓けるはず。その時、彼女の存在はきっと鍵になるはずだ。
「アリアンナ様、御身を大事にッ!」
「今はお逃げください! 巣まで戻られれば……ッ!」
 働き蟻たちが身を挺し、向けられた武器を弾く。残り僅かな決死の力で護衛のものがアリアンナを引き寄せ、間合いが開く。
「(弱肉強食が世の真理。こんな蟻達でも今まで人を殺したその糧で生きている。まして……)」
 その幼い気丈さと忠誠はミリム・ウィアテスト(ブラストトルーパー・e07815)の心を苛立たせる。この作戦では目的のため、アリアンヌは殺さない。だがデウスエクスは殺したい。
 さっさと眼前から消えてしまえ、というのは飛び出した彼女の偽らざる本音だだろう。
「抵抗できない一般人を殺したのは向こうも同じだよ! 容赦なんて必要ない!」
 ほんの少し本音を込めるのが演技のコツだ。躊躇した……フリの仲間を突き飛ばし、綺羅星・ぽてと(シンデレラガール・e13821)も前にでる。
「携帯がつながらなかった時はヒヤッとしたけど……大丈夫そうだね」
 羽丘・結衣菜(まだまだ修行中のマジシャン・e04954)は心に刻みつつも気を引き締める。所詮は電話、敵が拠点とするようなところでは役に立たない……それ以上の予想外すら容易く起こるのだ。
「ここからが本番。私たちがある意味、一番戦況を左右するから……」
「あぁ。もうちょいと人となりを見せてもらうとしますか。第一手!」
 拠点へと攻め入る霧島・龍護(氷騎の先導者・e03314)は言いながら轟竜砲を叩きこむ。目標は拠点の玄関、膠着にはうってつけのバリケードだ。
「にらみ合いになりそうっすね、こりゃ厄介だ」
 強襲のための動物変身から身を戻したアドルフ・ペルシュロン(緑の白馬・e18413)が『割り込みボイス』で叫び、ライドキャリバー『カブリオレ』上で同じく砲撃モードのドラゴニックハンマーを構えた。
「修復急げ!」
「持ち堪えるぞ! 踏みとどまれ!」
 バリケードからも声と共に破壊音波の反撃が打ち返され、強襲は射撃戦へと遷移していく。
「アポロンさえ倒せば、いろいろと道は開けるでありましょう。それまでは……!」
 催眠するような音の波にクリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)は光翼を開く。
「翼よ、治癒の光を! 皆様はボクが護るであります!」
 仲間たちを包む『治癒の光翼』、守りと破壊の激突が両陣営に火花を散らした。

●反転攻勢
「下がれ! アリアンナ様を中に!」
「来たようだべ、アリア騎士! 数は三! 頼むべ、るまちゃん!」
 逃げ込むアリアンナ一行と入れ替わるように飛び出す黒い影。ほしこは警戒をサーヴァント『山彦るま』、そしてマイク『DP666 Dragon Voice』を通して自陣営へと叫んだ。
「突破させちゃダメよ、まんごうちゃん!」
「く、散開せよ!」
 山彦るまと結衣菜の『まんごうちゃん』、二体の吐き出す原始の炎が壁を作り、進撃を阻む。陣を広げてよけるアリア騎士に、各班が入り乱れながらも一体ずつを引き受ける構図が編まれていく。
 呼びかけにに応えたシルディの轟竜砲に援護され、龍護は突っ込んでくるアリア騎士の一体と向き合った。
「うちの義兄も阿修羅クワガタさんにどてっ腹ブチ抜かれてるんだ、向かってくるなら容赦はしないぜ!?」
「殺し殺されは戦場の常よ。戦友の痛み、返させていただく……超鋼!」
 アリア騎士との戦いは龍護にも初めてではない。龍護の試すような問いかけに、彼のデウスエクスは共生させたオウガメタルの輝きで応えた。
「来い! 【氷龍剣士の鎧装】ッ!!」
 引き抜く護符から召喚された氷の剣鎧を龍護もまとう。鋼と氷の刃が競り合い、冷たい輝きがミリムの展開したバイオガスに煌めいた。
 互いに躊躇いなく殺意をぶつけ合いながらも、交わる刃から芽生えるのは不思議と怒りや憎しみではない。むしろ……だが、今はそれを表にするわけにはいかない。
「ヴァルキュリアの様に定命化でもしない限り共には生きられない!」
 アリアンナには見えているだろうか? ぽてとは声を大に叫ぶ。
 自分たちは重い決断をアリアンナ……ローカスト氏族に迫ろうとしている。いや、彼彼女らはしなくてはならないとまで、ぽてとは思う。
 その現実を理解させなくてはならない。その責任感はドラゴニックハンマー『ポテトマッシャー』を握る手を強くさせ、打ちのめすように連打していく。
「アリアンナに受け入れてほしいとは思うっすけど……それが受け入れられるかどうかは相手側が決めることでしかないっすね」
 熱くなる戦場をアドルフは一歩おいて俯瞰する。ディフェンダーとしての第一義は前線の維持、仲間の守護だ。愛騎『カブリオレ』のハンドルを切り、他班から突破を図る騎士へと轟竜砲を叩きこむ。
「封鎖は任せるっす、止めを!」
「あんた達に用はないのよ。寝てなさい」
 アクセルを回すアドルフとすれ違いざま、オルガの気咬弾がぽてとの相手取るアリア騎士へと喰らいつく。援護に頷き、彼女は『芋蔓刈りの鎌』を抜く。芋蔓刈り……対攻性植物用として鍛えられた鎌だが、害虫駆除にも何ら問題はない。
「ここは私のステージ、舞台に立った偶像は無敵よ!」
 極限の集中力からの一打がアリア騎士を地へと沈める。この調子で倒し続ければ巣まで突破も狙えるだろう……このままならば。
「アリオス様!」
「……来るであります!」
 最初に声を捕らえたのはクリームヒルトだった。それはまさに風のように巣より飛び出し、戦場を切り裂いた。
「みんな、アリオスが来るべ!」
 広がった戦場へ、ほしこたち連絡担当の声が危機をつげる。英雄アリオスと付き従う六体のアリア騎士、最精鋭たち圧力は瞬く間に戦場の流れを奪い返す。
「引き込んで、確固……」
「させんよ」
 その挙動はあまりに早く、静かで、重い。
 無造作に切り上げられた巨剣が咄嗟に受けた鎌柄を砕き、ぽてとの身を深々と抉った。
『我は盟約によりて万古の契約の履行を要請す 我は意地を貫く白の騎馬 完成せよ白王号――吶喊!』
 あっけないほどの一撃。瞬間、白馬と化したアドルフは駆けた――こいつは危険すぎる!
「アドルフ様!? 無茶であります!」
「ぬっ……!」
 クリームヒルトの制止も振り切る太古の血を甦らせた動物変身からの突進。
 飛び降りた相棒カブリオレと二人掛りの捨て身にさしもの英雄も呻きをあげる。
「荒れよ、烈風!」
 だがそこまでだ。
 大地を砕く踏み込み、裂帛の気合でアリオスは衝撃を受け止める。
「マジかよ……!?」
 溢れる闘気に龍護が思わず声をもらす。
 怒声一閃。振るわれたウイングブラストが間合いをこじ開け、アドルフたちを大地へ叩きつけた。

●決死の膠着
 一瞬にして戦況をひっくり返したアリオスという嵐。
 だが必死に癒しを投げかける結衣菜の感覚は、決して状況は不利でないと告げていた。
「ピンチはチャンスよ! ここから大逆転トリック、決めてやるんだから!」
 迫りくるアリア騎士に守護星の結界を展開し、本音を秘めた励ましの声を上げる。そう、自分たちの目的はアリア氏族を巣へと追い込み、アポロンへの増援を防ぐこと。
 向きを変えた後も綺華、リモーネと仲間たちに猛威を振るう英雄アリオスだが、彼がここで戦っている時点で作戦は成功したようなものなのだ。
「倒れた皆様の意志は、ボクが果たすであります……!」
 壁の如きタワーシールドを突き立て、クリームヒルトはアリア騎士の突撃を受け止める。甲竜タングステンの付与する属性が、そして凌駕する魂がケルベロスたちを踏みとどまらせていた。
「譲れぬのはお互いか……だが負けぬ!」
 至近距離から放たれる蟻酸が可憐なヴァルキュリアを焼く。だが倒しきることはできない。
「響け 雄々しく! 増幅転写陣 遷延排して!」
 ほしこ十八番のハウリング・ソングが『山彦るま』の祈りを乗せて強酸を払いのける。歌い上げられる聖なる山々に包まれた記憶はケルベロスたちの背負う、守るべき世界の一つでもある。
「するのはともかく脅される方は趣味じゃないもんで、おあいにく!」
 えにかの鳥の鳴き声に似た不気味な叫び声に、アリア騎士たちの切っ先が鈍らされる。倒しきれないのは承知のうえ、今は傷ついても時間を稼ぐ。
「弱肉強食が世の真理……でも、こうして襲う私達と彼等との違いは……でも!」
「勝負ッ!」
 ミリムの降魔真拳がアリア騎士の突きと相討つ……ローカストたちの闘志を喰らい、迷いを振り切るように彼女は声を大きくする。
 今は戦い抜くしかない。

●英雄アリオス
 戦闘が五分を超えて少し。既に限界は超えつつあった。
「そろそろ引き際ですかねー……」
「させてもらえるなら、ね……っ!」
 返事をしながら爆発物付の『炸裂特攻鈍器』をぶつけていくミリムに、えにかはやけくそ気味に笑う。
 一撃を迎え撃ったぽてとたちに続き、アリオスの向かう先では綺華、リモーネと立て続けに犠牲が広がっている。
 精鋭と言えどアリア騎士たちだけであれば何とかなったかもしれないが……膠着、押し返された場合の引き際をもう少し考えておくべきだったか?
「ここから華麗に大脱出……って、できたら素敵なんでしょうけど」
「……ま、仕事はやり遂げたし、後はやるだけやってみますか」
 癒しの魔法の木の葉で仲間たちを癒す結衣菜の前には、大剣を構えたアリオスの姿。最後の相手には上等だと、えにかはほつれた戦闘用の黒ドレスの裾をまくる。
「ここまでであります。殿は任せて……倒れた皆様を頼むであります」
 たとえ、この身を犠牲にしても。言外に伝わる覚悟に、ほしこは息を飲む。
 わずかな逡巡、しかし自らの役割を果たすべく彼は声を大にした。
「……撤収だ! ここは、おらたちが引き受ける!」
「逃さん!」
 号令へ当然の反応とばかり、アリア騎士たちが詰めてくる。倒された相棒の甲竜をしまったクリームヒルトはグレイブを振るいつつ、暴走へと体内の意志を高めていく。

「一寸待て」
 だが、暴走の時は意外な声に差し止められた。
「逃れてきた者たちを見た時は半信半疑だったが、剣を交えてわかった」
 アリオスは剣を下ろし、背を向けていた。
「お前達はアリアンナを殺すつもりは無かったのだろう。ならば我らも、命は取るまい。行くがいい」
 わずかな戸惑い、しかし近衛たるアリア騎士たちは主君に意に正しく答えた。傷つき燃えるバリケードの向こう、拠点へと引くアリオスを守りつつ、引くのならば追わぬという構え。
「なかなかに、男気ある戦士のようっすね……」
「……わからないのだ、ボクには……」
 抱えられて下がるアドルフの呟きに、ミリムはぽつりといって首を振る。ぺたりと力ない耳と尻尾が困惑を言葉以上に表していた。
「今度会うときはのんびりお茶でもしましょーぜ! 例の甘いお茶菓子くらいなら用意しきますぜー」
 アリアンナへの伝言を呼びかけるものもいる。茶目っ気まじりなえにかの声も届いたのだろうか? 英雄アリオスは何も言わず、ただ背中で語るに任せていった。

作者:のずみりん 重傷:綺羅星・ぽてと(耳が弱い・e13821) アドルフ・ペルシュロン(塞翁が馬・e18413) 
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年12月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 13/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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